玄制流では約束一本組手から自由組手まで段階的に教えて頂いた。約束組手では、攻撃に対して受け手は一歩下がって受ける。これは相手との間合いを作れるので、合理的な受けと思っていた。ところが・・。大学空手部での組手は、攻撃に対して受け手が一歩前に出て受けるやり方だった。上級生と下級生が組めば、相手が黒帯となる。さすがに最初は怖かった。また、構えたときの間合いも玄制流とは全く異なり、遠かった。今思うと、玄制流は競技空手を前提にしていたのではないかと思う。昭和30年代に立ち上げられた流派である。空手は競技化され、日本空手協会が設立されて間もない頃である。祝嶺制献著の玄制流の新空手道教範では、試合の心得まで…