これまで、五篇の短編小説をブログに書いた。 ここらで、読んでくれた皆さまへの感謝をこめて、創作の舞台裏を少々お話したい。 自画自賛の鉄面皮。 おこがましいが、何か小説らしきものを書いてみたいと思っている方への、ヒントともなれば、幸い。 「Fin 」について。 中森明菜という歌い手は、彼女自身の人となりに、自身の楽曲を重ね合わせ、悲しいくらい自分のものとしている、稀有な存在だ。 憑依型という形容があるが、彼女もまた、この表現に、よく当てはまる。 彼女の歌を聴いていると、歌の世界そのものが、彼女に思えてくる。 中森明菜の半生と、彼女を演出した楽曲には、意図的な共犯関係がある。 報われない愛に狂い、…