常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ねじれ議会

 アメリカの中間選挙の結果、共和党が上院では多数派を維持しましたが、下院では野党の民主党が多数派を奪還し、ねじれ議会となりました。この「ねじれ議会」を英語ではどう表現するのか気になったので、調べてみました。
 まず『ジーニアス和英辞典』で「ねじれ」の項目を確認したところ、「ねじれ国会」はthe political situation in which the two Houses are controlled by different political forcesとありました。これはねじれ国会を説明する形で表現していますが、直接表現するものです。インターネットで検索してみたところ、a divided governmentという表現を見つけました。これは上院と下院で多数派となる党が違うことをdivideを使って表しています。日本の場合にはa divided Dietとなるようです。ただし、この表現は辞書には載っていませんでした。やはり、明確に「ねじれ議会[国会]」を表現するためには説明が必要になってくるのかと思います。(Blue Sky)

bicameral - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

http://d.hatena.ne.jp/A30/20160704/1467636634:titlw

mockery 復習

中間選挙を経て、多くの新聞記事が今後の展望などを取り上げています。たまたま見つけた記事より気になった単語を紹介します。

“But others were more understanding toward the president, interpreting Trump’s reaction — “I really don’t understand you” — not so much as mockery but as genuine confusion.”

以下省略

https://www.japantimes.co.jp/news/2018/11/08/world/politics-diplomacy-world/in-case-you-missed-it-trumps-awkward-response-to-a-japanese-reporter/#.W-Q_PnpKhN1

本日はmockery/ˈmɒkərɪ/を取り上げます。推測にすら至りませんでした。『ジーニアス英和辞典』(第五版、大修館書店)を引いてみますと、「嘲り、からかい(ridicule, scorn); 嘲りの言葉[行為];笑い者、嘲笑の的〔to〕」または、「無駄な努力、骨折り損」とありました。たとえどれだけ的を射った発言であろうと相手に伝わらなければ意味がないということはこちらにきてから常々感じています。逆も然りです。ネブラスカ大学は国際色豊かな大学なので様々なアクセントの英語が飛び交っています。(個人的にはマレーシア出身の人達のアクセントが可愛らしくて好きです。)だからといってこのままの状態に甘んじず今後英語運用においてより上を目指していきたいです。(WREN@Nebraska)

conifer 復習

裏ゼミで英検の単語を勉強している際に出会った単語を紹介します。それが、 ”conifer” /kάnəfɚ/ です。

この単語の接頭辞と接尾辞が何であるかはある程度推測出来ましたが、その意味が解りません。
そこでまず、『ウィズダム英和辞典』を使ってその意味を調べてみると、「針葉樹(しばしば球果[松かさ]を付けるマツ・モミなどの木をさす)」と載っていました。

では、この単語の語源・仕組みはどうなっているのでしょうか。以下で詳細を確認していきましょう。(以下の説明は、この単語に出会った際にUG先生から教えて頂いたものを参考にしています。)

まず接頭辞の ”con-” についてです。この語は元々「円錐」という意味を持ち、これと同じ語源を持つ単語に”cone” :「円錐,松かさ」があります。
次に接尾辞の“-fer”はどうでしょうか。この語はラテン語由来の言葉で、「運ぶ,持ってくる」という意味を持ちます。同じ接尾辞を持つ”ferry”や”transfer”からも容易に想像がつきます。
そもそも針葉樹とは、「根から葉へ水を『運ぶ』」働きを持った木々のことを指します。

 以上のことより、”conifer”が「針葉樹」という意味になることが分かりました。

「そのまま暗記をせず、単語の仕組みを考えなさい」UG先生のこの言葉が心に沁みます。(Morihiro)

ulcer 復習

Freed journalist Yasuda says armed group ran factories, possibly took prisoners for cash


TOKYO -- Freelance Journalist Jumpei Yasuda affirmed on Nov. 7 that an armed group that detained him for three years and four months owned factories and also held a mother as well as her baby captive.

中略

After his return to Japan, Yasuda spent about a week in hospital. He was found with ulcers in his stomach and other places. Appearing tired, he divulged, "Even now I can only sleep for about two to three hours, and wake up at dawn." He currently does not ride on trains and has not gone back to his own house, because his family is worried "something might happen" to him.

以下省略

https://mainichi.jp/english/articles/20181108/p2a/00m/0na/018000c


今回気になったのは、ulcer /ʌ́lsɚz/ です。文脈から、「痣」と予測しました。以下で意味等を確認していきます。

まず、LDOCEで引いてみると、“a sore area on your skin or inside your body that may BLEED or produce poisonous substances” とあり、例文として、“stomach ulcers” が載っていました。『ウィズダム英和辞典』には、「潰瘍」とありました。また、“give A ulcers” で「A(人)をひどく心配させる」という意味もあることが分かりました。

続いて、『オックスフォード新英英辞典』で語源を引いてみると、“late Middle English: from Latin ulcus, ulcer-.” と定義されていました。過去のブログにも取り上げられています。(Otoyo)

ulcer #2 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

duodenal ulcer - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

debilitate 復習

 先日先生がブログにpostしていらっしゃった「クローズアップ現代」では教育におけるロボットについて取り扱われていましたが、ロボットはこちらの分野でも活躍しています。

Five robots at a cafe in Tokyo will not only offer friendly service to customers, but they will also give severely disabled people a chance to interact in society.
中略
Nozomi Murata, 33, who has an incurable muscle-debilitating disease, teleoperated one of the OriHime-D robots from her home during a demonstration in August.
以下省略
http://www.asahi.com/ajw/articles/AJ201811080049.html

 debilitate /dɪbílətèɪt/ を取り上げます。筋肉の病気を指しているには明らかですが、どのような病気なのでしょうか。

ジーニアス英和辞典』(第四版、大修館書店)には「<人・体・組織>を(一時的に)衰弱させる、虚弱にする」とありました。LDOCEではto make someone ill and weakやto make an organization or system less effective or powerfulと定義されています。

 語源は、ラテン語で「弱くなる」という意味のdebiliareです。weakenとの違いは何かと思って調べてみたのですが明確なものが見つかりませんでした。ただ、LDOCEにformalとあったのでdebilitateの方がweakenよりも堅い言い方ではないのかと思います。(rain)
debilitating diseases 回答 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

tush, tush!

今回紹介するのは tush /tʌʃ/ です。

この単語は、現在私が受講しているShakespeare Performanceの授業において、Coriolanus(シェイクスピア悲劇作品の1つ)をテーマにした劇作の動画を鑑賞していた際に出会いました。舞台の様子、そして文脈などからtushが叱責の言葉であることは予測できたものの、その意味を正確に捉えられなかったので調べることにしました。以下で確認に入ります。

初めにOxford Dictionariesを参考にすると、第一義に “Expressing disapproval, impatience, or dismissal.” とあり、第二義では “A long pointed tooth, in particular a canine tooth of a male horse.” と定義されていました。

続けてCollins English Dictionaryを引くと、1つに “(US slang) the buttocks” とあり、もう1つに “a small tusk” と載っていました。

さらに、再度Oxford Dictionariesにて語源を調べたところ、“Natural utterance: first recorded in late Middle English.” と記載がありました。

総括して、tushには様々な意義があることが分かりました。スラングとしての使用は「(人の)尻」と訳され、中英語においては「(非難や苛立ち)ちぇっ!」(goo辞書 英和和英)となり、別のケースでは「(馬)の犬歯」を表す単語であるそうです。下記に、実際の劇の様子が文書化されたwebsiteを掲載しますので、是非参考程度に見て頂けたらなと思います。
cf. backside, derriere, posterior (bro-taro-world @ Calgary)

rant 復習

トランプ大統領中間選挙後の記者会見で、日本人記者と一悶着を起こしました。

U.S. President Donald Trump’s combative relationship with the media was on full display Wednesday as he shouted and ranted at reporters in a news conference that led to the suspension of a CNN reporter.

以下省略

https://www.japantimes.co.jp/news/2018/11/08/world/politics-diplomacy-world/in-case-you-missed-it-trumps-awkward-response-to-a-japanese-reporter/#.W-Qm4hZcWEc

rant /rænt/ が気になりました。文脈から「厳しく言う」であると推測しました。

ジーニアス英和辞典』(第五版、大修館書店)では「(...のことで)大声で張り上げる、がなる、わめき散らす、...をわめいて言う、大言壮語」とあります。また、LDOCEでは “to talk or complain in a loud excited and rather confused way because you feel strongly about something” と定義されています。Oxford Living Dictionaryのoriginの欄をみるとLate 16th century (in the sense ‘behave boisterously’): from Dutch ranten ‘talk nonsense, rave’.と載っていました。

事の原因は、記者が発した英語にあります。それが日本人アクセントだったため、トランプ大統領からは差別的な発言が見られました。日本人の英語というのは世界でどう見られているかを感じ取れる一幕であるように思えました。(seventh-dan)

rant and rave - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

学びの現場へ

本日は恒例行事となったT県S高校附属中学校での授業。ゼミ、学内外から11名の「お供」が加わり、Beemerとレンタカー2台の計3台で行ってまいりました。
テーマは「紙の英語辞書を引き倒せ!」。辞書の基本とその特徴を伝えたのち、生徒を10のグループに分け、学生が辞書の引き方を具体事例とともに伝えてくれました。
120分の楽しいひとときでした。受講した110余名の生徒たちのキラキラとした瞳が何よりでした。
学生諸君、お疲れさま。ぐっすりと今夜は寝てください。(UG)