悪天候  ( L’ INTEMPERIE )

先信で南仏マルセイユの10年振りの大雪についてお知らせしましたが、今回はボルドーを中心として主にランド地方に185km/h程の強風が雨を伴って吹き荒れ、空港は勿論各所閉鎖、学校のお休みも2日間続きました。欧州一を誇る松林も三分の一は木がなぎ倒される有様でした。パリでも1999年の冬に170km/hに達する強風(le rafale)に襲われ、窓ガラスが割れるのではないかと不安に陥りながら、あちらこちらで電線がショートして青い火花を散らしていた恐ろしい光景を想いだしました。ヴェルサイユ宮殿を囲む森にあるマリーアントワネットの樫の大木が倒れてしまったのもその時でした。
日が次第に長くなり、少しは暖かくなってきたようで、早起き鳥の囀りが聞こえるようになってきたと喜んでいましたら、又寒さが舞い戻って、朝夕零下の気温に、白く砂糖を塗したような景色、今朝は一面の銀世界が広がり、朝刊の見出しは”La France s’enrhume”(フランスが風邪を引いている)となっていました。

春節  ( LE NOUVEL AN LUNAIRE )

私共にとっては旧正月、中国の人達にとっての春節は1月26日の元日を中心として1週間程の祝い事が続きます。パリのベルヴィルや13区の中華街でも民族衣装を着飾った人達が民謡に合わせて行進し、龍の踊りも賑やかに練り歩いてパリッ子達を楽しませました。今年は“丑年”、フランス語ではl’Annee du Buffle と云うそうです。

“モネ、印象派画家の目”展 ( MONET, L’OEUIL IMPRESSIONNISTE )

印象主義創始者であるクロード・モネ(Claude Monet(1840-1926))が1912年に白内障(la cataracte)を患ってから、視力が落ち、色、光、形などに対する感度が著しく鈍って真実を曲げる結果となり、睡蓮(les Nympheas)で知られるジベルニー(Giverny)の自宅の庭は単なる景色でしかなくなってしまったのです。当展は赤い色に囚われた夢幻的な世界に、新しい色彩感覚と形の見分け方を以って、全く自由奔放に描いた作品の中から60点余りを展示して、巨匠の終焉を紹介しています。
2009年2月15日まで  Musee Marmottan Monet (2,rue Louis Boilly,75016 Paris)
11h00−18h00 (月曜日休館) 入場料9ユーロ      メトロLa Miette駅下車

メトロ駅で“ジャガイモ”展(EXPO POMME DE TERRE A LA STATION DU METRO)

それ迄有毒とされていたジャガイモ、それをヴィタミン、鉄分、マグネシウム等栄養豊かな食材として栽培を広げた18世紀フランスの園芸家パルマンティエ(Antoine‐Augustin Parmentier(1737−1818))を記念して名付けたメトロ3号線のパルマンティエ駅構内で、今ではチップス、ピューレ、フリット、茹でたり揚げたり、付け合せにもなくてはならないポテトの全てについて、興味深い展示をしています。レストランによっては献立表の中にポテトのことをパルマンティエと 記している所もあります。

藤田画伯晩年の家 ( LA DERNIERE DEMEURE DE FOUJITA )

それはパリから南西に約30km、エソンヌ県(Esonne)の田舎町ヴィリエ・ル・バークルに在ります。1960年、75才の頃のある日、シュヴルーズ渓谷(la vallee de Chevreuse)を散歩していた藤田画伯が、何の変哲もない田舎町の、しかも荒れ放題の一軒の家の前に立ち止りこの家で晩年を過ごし、最後の制作に励みたいと望んで買い入れたそうですが、自分で設計図を引き直して業者に改築を依頼したばかりでなく、もともとが器用な人だったそうで、カーテンやクッションなども自分で縫い上げたと云われています。1968年に画伯が亡くなってから、日仏両国の文化を持ち合わせた画伯を記念すべく保存を申し出たエソンヌ県に未亡人がこの家を寄付、住んでいた当時のままに美術館として整備され、一般公開となったものです。同時にエソンヌ県会の編纂により、未亡人の同意のもとに、イラストや写真も掲載された « Foujita, le maitre du trait »(“フジタ、筆の達人”と訳しましょうか)と題した本がPhilippe Picquier社から出版されました。(註1=当地ではフジタと発音させる為にFoujitaと書き、洗礼を受けてからは霊名を付けてレオナール・フジタ(Leonard Foujita)の名で知られています。)(註2=パリのPont de Sevres から国道N118でSaclay、更にChrist de Saclayから県道D36でVilliers-le-Bacle)
Maison-atelier de Foujita (7, route de Gif, Villiers-le-Bacle) 週末のみ開館(週日の見学は予約制 ・ 電話 01 6985 3465)

EPレコード発売60周年 ( MISE SUR LE MARCHE DU PREMIER 45 TOURS )

“ドーナツ版”、当地では“ヴィニル”(les disques vinyles)と呼ばれて長らく親しまれた45回転のEPレコードが初めて市場に出たのが1949年1月10日の事、アメリカのRCAが出したもので、それ迄の78回転SPレコードよりも音が良く、小さくて軽く、割れないと好評でした。今ではもう殆ど見かけなくなってしまいましたが、最近の復古ブームに乗って、物置の奥から懐かしのメロディを探し出して楽しみましょうと、78回転、45回転そして33回転のレコードがかけられる3スピードの“電蓄”が売られています。

“テレヴィ広告の花形”展 ( LES STARS DE LA PUBLICITE )

サルコ大統領の改善案によりTV広告が国営局の放送画面から20時30以降消えて半月程になりますが、TV広告そのもの、特に1980年代には思い出に残る優れたものも沢山あり、これも立派な芸術作品との解釈から、実現したものです。当地に住まわれている方々にとっても懐かしい画面と音楽、台詞も必ずあるものとお勧め致します。2009年4月12日迄  
Musee des Arts decoratifs (107,rue du Rivoli,75001 Paris) « 40 ans de films publicitaires a la television,1968−2008 » 11h00−18h00 月曜日休館 入場料8ユーロ