佐世保湾内でロナルド君を撮る

Blueforce2008-07-29

前述の通り、当初のユニットである5人はバラバラに離散して佐世保市街に帰ってきたわけであるが、なかでも私がラストになった。
2晩ほぼ寝ておらず、別に私を乗せる義理でもない(しかも向かう方向が本来と逆)方が運転している横で、ついコックリコックリと・・・しているさなか、なぜか市内から矢のような催促が。「船に乗るから1340までに船着き場に出頭するように!」とのこと。
船・・・?なんだなんだ、そんな予定聞いてないぞ、レーガンにでも乗せてくれるんかいwwww 船着き場に着いたのは出港5分前、それでも本隊がどこにいるのかわからず、「こっち!こっち!」と手を振っている同行者が見えた時は、出港をちょっと待ってもらっていたらしいwww

乗船したのは佐世保駅近くの船着き場から、佐世保湾内各地の集落まで渡船を運航している瀬川汽船の渡し船。この会社、空母が来航した時はホームページに撮影に便利な航路の案内を載せたりして、積極的に「そのスジの方」の集客を図っている知る人ぞ知る?会社なのだ。
米海軍や海自の艦船が多数停泊する、「コ」の字形の立神岸壁を右舷後方に見て、我々の乗った「せがわ」は、桟橋を離れて一息離れた場所からいきなり23ktのスピードで飛ばしはじめる。もうちょっとゆっくりだろうとタカをくくっていたので、加速に思わず体が置いていかれそうになってよろめきまくるが、ここで座ってしまったりすれば波を切ってポンポン跳ねる船の動きをもろに受けてしまい写真など撮れないので、仁王立ちになり両足は肩幅より2呼吸くらい広く、膝を曲げてスクワット状態で下半身で上下動を吸収し・・・切れません!wwww 歩留まりが悪いのは承知の上で、どうせデジカメ、何枚撮ってもタダだとシャッターを切りまくるしかない。
港内最奥部の西側に位置するのが赤崎の岸壁。かつてはコーラルシーやレンジャーといった空母も停泊し、私も子供の頃からそのロケーションを知っている、佐世保で一番「馴染みがある」岸壁だが、現在の原子力空母はここには接岸しない。本日入っているのはレーガンCSGの一員か、空母打撃部隊に随伴できる25ktの高速力を持ち、燃料15万6,000バレル(655万2,000ガロン)、弾薬1,800t、糧食400t、一般貨物250t、清水2万ガロンの搭載能力を持つ高速戦闘支援艦サプライ級の4番艦、ブリッジUSNS Bridge T-AOE-10。高速戦闘支援艦という艦種は、前述のように燃料・弾薬・ドライカーゴすべてを搭載し、1隻で給油艦・弾薬輸送艦給糧艦の役割を果たすことができる米海軍ならではの艦種(もっとも艦種記号であるAOEは海自補給艦にも冠されているが・・・)。戦闘艦と足並みを揃えることができるよう、通常輸送艦ではディーゼル推進で20kt程度が相場のところが、LM2500×4基搭載で10万5,000馬力という破格の補給艦である。ちなみに、以前のエントリで、英海軍のインヴィンシブル級軽空母が世界最大のガスタービン推進艦と書いたことがあるが、これは誤りで満載4万9,000tのこのサプライ級が(恐らく)世界最大である。とにかく、それほどにデカイ。

しばらく進み、船着き場も遠くなると、今度は左舷の入り江を過ぎ急に広くなった所に退役ミサイル護衛艦「あさかぜ」(ex)DDG-169が係留されている。こちらは東国のしましまかぜのように縦線は引かれておらず、時が来れば素直に鉄屑用にスクラップにされてしまうのだろう。なんとも東西で「たちかぜ」級DDGの白っちゃけた姿を見るとは・・・

そのさらに奥には、MSCの貨物船、SS Cape Jacob T-AK5029の姿が。相当の米海軍通でもその全貌を把握することが難しいMSCの(当たり前だwwww全然軍艦に見えないただの貨物船がほとんどだもんwwww)、これは灰色に塗られていることもあり、比較的軍艦然としている形態。3隻在籍する"Modular Cargo Delivery System Ship"と呼ばれるタイプらしい。

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佐世保港35番錨地に停泊する原子力空母ロナルド・レーガンUSS Ronard Reagan CVN-76。最近はこの沖合の35番錨地が空母の指定席になっている。陸地からの撮影ポイントはいくつかあるが、なるほどホームページで宣伝する位だけありグイグイ目前に迫ってくるwwww もっとも、あまり近付きすぎるとセキュリティが飛んできて追い払われてしまうらしいが・・・マニアがチャーターする釣り船ではなく、仮にも佐世保湾内の交通を担う渡し船なんだが・・・

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今回は寄船での入港時が真っ黒であったので、入港編での各部アップは省略したのだが、こちらでそれなりに活きのいいPhotoが入荷したのでご覧下さい。アイランド横には、前回フライトデッキには出ていなかったVFA-115のダブルナッツが見える。

まあ、マストの機器配置は前回と1年半程度なのでほとんど・・・というかまったく変わっておらず、改めて言及するような点はなし。

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いつも書くことだけど、エレベータ開口部とフライトデッキの間にあるギャラリーデッキの天地寸法の薄さよ・・・もっとも、今回はちょうど比較用にハンガーデッキになにやら大勢の人が集まっているんで、この連中の高さを当てはめてみるとまあ・・・妥当な高さだろうか。マストには(上級)少将座乗を示すツースターが掲げられている。

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チャンスを冷静につかめば、このように取材か?と見まごうようなwwww真っ正面のアングルも撮ることができる。

船は15分ほどの所要時間で横瀬西船着き場に到着。ここは寄船の隣の集落で、車だと約30km、45分程度かかる市内中心部(昼だと1時間位)から海上を直線で短絡する近道になる。実際、車で行くとかなり遠い印象(そう、だから正確には「佐世保に」船を撮りに行くのではないのです・・・)ながら、「コ」の字を描いて3辺を走ってくるのに比べ真ん中を突っ切って来るのだから早いはずである。

横瀬西船着き場から佐世保湾の奥、市街の方向を見る。入ってきたのは我々を降ろして一周してきた帰りの便の「せがわ」。後方の入り江越しにレーガンの前半分が見えている。

再び帰路の便で佐世保市街に戻る。出港直後、今度は左舷側に目をやってみよう。目の前に鎮座するのは、前回の日記でも触れた地球深部探査船「ちきゅう」。以前横浜・本牧の三菱重工に停泊していた姿を撮ったことがあるが、映画「日本沈没」にも主役級で登場する、巨大地震発生のメカニズムを探るために大深度の地盤掘削能力を持つ調査船である。

今年2月から4月にかけて、佐世保重工業で中間検査を行っていたのだが、その時に精密な位置決めをしての掘削のために不可欠な船位保持用の4基のアジマスラスターのうち3基のギアに欠損が発見されたとかで、交換待ちで今年いっぱいお休み中。こちらも本当に間近に見ることができ、レーガンとのツーショットも狙うことも可能だったが、最初に寄船に着いた時、空が白みつつある中照明がところどころ灯る櫓がそびえ立つ「ちきゅう」は、本当に神々しい、まるでSFのような情景だった。先を急ぐために停まって撮れなかったのが残念。

帰りも、というよりも帰路の方が行きより至近の距離を通ってくれた。まあ、バージが取り付いてしまっていて、海上を往く躍動感溢れる写真にはならないが、横須賀でこういった写真が撮れるわけではない。いや、撮れんことはないけど、某赤灯とか某東京湾フェリーとかなかなか苦労が・・・ちなみに、いかな満載排水量10万tの空母といえども、こうした沖泊めの状態では潮の流れに翻弄されて向艦首ががあっち向いたりこっち向いたりするらしい。
今回は寄船に加えて、いろいろなアングルの姿を撮ることができ、誠に感謝!のツアーであった。

朝は5時前におにぎりを3個食べただけ、ここでやっと昼食・・・といっても、食いだめのできる私としては趣味活動中は良くあることだし、それほど切迫しているわけでもないが・・・案内されたのは、佐世保駅の下にあるチャンポン屋、「香蘭」。そういえば、今までジョイフルかバーミヤンにしか入ったことないからなあw

実は・・・というか、こに日記で何度か書いたこともあるけど、私は麺類があまり好きな方ではない。といっても、嫌いというのでもなく、逆に時々無性に食べたくなる時があるのだが・・・まあ、進んで食べないのは確かだ。特に、チャンポン類はその傾向甚だしい。しかし、ここのお店は旨かったね〜。真っ先に汁まで完食させて頂きました!

そして、博多まで戻ってきたわけだが・・・最後にもう1枚、レーガンCSG構成艦として博多港に入港したアーレイ・バークミサイル駆逐艦グリッドレイUSS Gridley DDG-101を紹介して、今回の2008年夏寄船迎撃戦(フネ編)を締めくくりたい。ここは2月のニミッツ佐世保入港の際にも随伴艦のタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦プリンストンUSS Princeton CG-59が入港した場所なのだが・・・

なぜか、ここに停泊する艦船は異常に傾いている。プリンストンの時は最初だからフネ自体がもうヤバイのかも知れんねwwwwと思っていたのだが、最新鋭のグリッドレイも負けず劣らず傾いているところを見ると、そういうもんなんだろう(?)

0泊3日の気○い弾丸ツアーのしめくくり。帰りまで18きっぷ&ながらではさすがに死んでしまうので、帰路はN700系でワープさせて頂く。弁当は博多で買ったかしわめし。
3回目の寄船空母撮影ツアー、これにて終了。今回も現地ではtamo太郎さんに大変お世話になった&ご迷惑をおかけした。ここに篤くお礼を申し上げる。また、同行の方、現地で出会った方、暑い中大変お疲れさまでした。
・・・と締めくくりつつ、搭載機編に続きます。