私の好きな場所

観光地伊勢。観光客の多い「おはらい町」

そんなにぎわいをあとにして、よっしー(id:future-human)を人けのないところへ案内する朝熊山の熊男でした。


お連れしたのは、私の好きな場所

正確にはその裏側(北側)にある「御塩汲入所」と「御塩焼所」です。ここに来ると落ち着くんです。


私が伊勢に越して来て最初にこれを見た時は「何じゃこれ?!」と思いましたね。

  • http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c3/Mishioden-jinja_05.JPG
    • 御塩汲入所

何か生きている古代遺跡という感じ。古代が地すべりして間違って現代に現れたという感じを強く受けました。御塩殿というのは、伊勢神宮に奉納する塩を作るところです。

神宮御料の御塩は、五十鈴川尻の御塩浜で毎年土用に濃い塩水をとって、1キロメートル北東、二見町荘の海岸にある御塩汲入所に運び、その塩水をすぐ東にある御塩焼所にて、鉄の平釜で焚きあげて荒塩(あらしお)となし、これを御塩殿で三角形の土器につめて焼き固める。これを堅塩(かたしお)といい、神宮から神職が出向し、身を清めて焼固めを奉仕する。同境内、御塩殿の左方に皇大神宮所管社御塩殿神社が守護神としてご鎮座になっている。毎年、十月五日にここで御塩殿祭が行われている。


お伊勢まいり」より

そのうちに私はここが非常に気に入ってしまったのでした。だからここでお互いの野望の成就を祈願したいな、と思ったのです。

    • 御塩焼所

それを見ている吉岡さん。(う〜ん、分けの分からんところに連れてきて、どうリアクションしたらよいか分からんじゃないか)とか思っているかしらん。


鳥居の近くには方丈記鴨長明がここに来たことを記す石碑(近年建てられたもの)があって、鴨長明が詠んだ歌が彫ってあるのですが、その文字のいくつかが「変体かな」らしくて読めない。「セルゲーさんだったら読めるんでは」と吉岡さん。・・・んだんだ。
あとでググッてみたら

 二見潟神さびたてる御塩殿
     幾千代みちぬ松かげにして
				鴨長明

でした。


「御塩汲入所」と「御塩焼所」のすぐ北は海(伊勢湾)です。

    • これは鳥羽方面

松林の中、二人で海を見ながら
よっしー「あの頃(幕末維新の頃)の人々にすごく興味があるっていうか魅かれるんですねえ。」
近「どういうところに?」
よっしー「ちょっとやそっとのことではへこたれないというか、信念を曲げないというか・・・」
近「今の日本も大変なところに来ているかもしれない・・・・・」



そして「五十鈴川尻の御塩浜」というところへも行きました。

    • 御塩浜

神道的に何もない世界。ここで濃くした塩水を先ほどのところへ持っていって焼くのですね。

時に大若子の命に「国の名は何ぞ」と問い給うに白く「速両(はやふた?)二見の国」と白しき。時に其の浜に御船留(さしよ)せ給いて坐しし時、佐見都日女参り相いき。「汝の国の名は何ぞ」と問い給いき。御詔りを聞かずして御答えも白さずて、堅塩を以て多御饗奉りき。倭姫の命、慈み給いて堅多社を定め給いき。時に大若子の命、其の浜を御塩並びに御塩山と定め奉りき。其處より幸行して五十鈴河後の江に入り坐しき。


倭姫命世記(やまとひめのみことせいき)」より


振り返ってみれば、結構緊張した出会いでした。人生の先輩としてバシッとしたアドバイスが出来たらカッコいいが、そんなの出来ないし、変に背伸びしても見抜かれるのは分かっているし、素で勝負だ、と言っても素がこれですからねえ・・・・。そんな自分が吉岡さんに「会いませんか」とメールしたのは自分としては冒険だったわけですが、「こんど吉岡さんとお会いします!」に書いたように
金ちゃんの

「人と会う」ってのを、あんまし、深刻に考えないのが良いでしょう。


事件は現場で起きるんです----simpleA

に影響されて「えいっ」って感じで「会いませんか」と提案したのでした。吉岡さん、これにこりずにまた横浜でお話させて下さいね。それから、応援してますよ〜。