ウワノソラ日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-05-30 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

[ジョーク]モデラー探偵 巴照盛太郎再び

ハードボイルド風に。

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「ねぇ。聞いてるの?」

少しいらだった女性の声が耳朶を打つ。

盛太郎は作りかけのメッサーシュミット作業台にそっと置いて、左肩と首に挟んでいた電話機を右手に持ち直した。タミヤの1/72 ウォーバードシリーズのこのキットは盛太郎が作るのを楽しみにしていた逸品だ。

電話の声にこたえながらも盛太郎の目は名残惜し気にまだ胴体と主翼がついただけのプラスチック小鳥を眺めている。

「聞いてますよ。琴吹(ことぶき)さん」

以前、伊藤警部とともに事件を手伝った多摩署の刑事、琴吹 二津葉(ことぶき につは)が電話をかけてきたのはちょうど制作にノリ始めたところだった。


「事件なのよ。手を貸してくれるわよね? 探偵さん」

年齢はまだ20代って話しだが捜査はぐいぐいいく系のえげつない女だ。美人だが盛太郎の好みとするところではない。

それが猫なで声で盛太郎を誘う。署内の電話だろうに、周囲の警官たちはどんな顔で彼女を見てるのかねぇ、と盛太郎はため息をついた。


「今度は何です? 積みプラモの重みで床をぶち抜いて下の住人を殺す事件でも起きたとか?」

樹脂製の小鳥ちゃんへの想いを振り切って立ち上がり、リビング冷蔵庫からペットボトルを取り出す。

「興味深い事件ね。けど今回は違うわ。行方不明になっていた男が河原放置されていた車の中で死んでるのが見つかったの」

「プラモの車?それが河原のダイオラマに置かれてたとか?」

「まぜっかえさないで。男は暴力団の下っ端、って言えばわかるでしょ?」

ペットボトルに直接口をつけて飲んでいた盛太郎の手がとまる。


盛太郎に声がかかる事件にかかわる暴力団。


モデラー系指定暴力団箱組。

組長は藻仲 安和世(もなか あわせ)。盛太郎とはある事件でちょっとした因縁のある仲だ。


「10分後に迎えに行くわ。模型じゃない1/1スケールのパトカーでね」

なんでそんなにうれしそうなんだ。獲物にとびかかる猟犬みたいだな。はずむ琴吹刑事の声に返事をして盛太郎はペットボトルを冷蔵庫に戻した。


「天気が良くて空気も湿ってなくていい塗装日和なんだけどなぁ」

せめて仮組みしてサフを吹きたかったなぁ。窓から見える飛行機雲がくっきりと走る青空を見上げた盛太郎がまた大きくため息をついた。

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2017-05-08

[]退職再び 退職再びを含むブックマーク 退職再びのブックマークコメント

2月からサービス付き高齢者住宅に併設の訪問介護事業所に入社しましたが、また離職することに・・・・。

サービス提供責任者経験知識を活かして転職しようとして、確かにサ責で入職したのですが、なぜかまさかのフル稼働(一日中サービスに従事)。

経験上、勤務時間の半分の稼働でも書類や調整業務を行うのは辛いはずで、移動などがない分、多少稼働が多いのは良いとしてもフル稼働って。。。

当然、伝票や書類の業務はまるまる残業になり、それ以外の書類は手がつきません。

さらに現場ディレクション業務をはよはよ覚えろと重圧があるのですか、施設仕事は初めてなのでこちらは一から新人としてやっていかなければなりません。

新しいことをするのはかまわないのですが、経験と知識を活かして転職するメリットって、そのペーペーで始める部分をなるべく少なくして、言ってみれば楽に仕事を始められることでもあるわけです。

転職のメリットが活かせないだけでなく、そもそもの業務が業務時間内にできないとか、もうちょっとありえない。

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2017-05-06

[]モデラー探偵 モデラー探偵を含むブックマーク モデラー探偵のブックマークコメント

先日、プラモ会での与太話で上がった「モデラー探偵」のパイロットフィルム(?)的な何か。

きっかけは、作業机に放置していたスポイトにうすめ液が残っていて、においをかいで「これは・・・クレオスの塗料希釈用うすめ液かな」とか言っているのを「ペロっ!これはクレオスのうすめ液!」とか探偵風に言い直されたところから「モデラー探偵」の話しに。

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公園の桜の花はあっという間に散り、気づけば新緑の瑞々しい葉がまだいくらか冷気を孕んだ風を受けて揺れている。

そんなのどかな公園を臨む住宅街に二台のパトカー大勢警官が乗り込み、一軒の家を封鎖していた。

忙しく出入りする制服姿の警官や鑑識官の間を縫うようにして現場に近づく男が1人。

三十代と覚しいやや丸顔の、瘦せぎすだが肩幅の広いその男は黒いスラックスと白いシャツ、濃いエンジジャケットを体型にピッタリと添わせて着こなし、長すぎる手足を持て余すようにふらりふらりと歩いてきた。

「参ったなぁ。今日ホビーショーに行こうかと思ってたのに」

ぼやきながら「KEEP OUT」と書かれた黄色テープを潜ろうとするその男を若い警官が見咎めて呼び止めようとしたが、別の中年の警官がそれを制止した。

「いいんだ。その人は」

男は軽く会釈してふらりふらりと開け放された玄関に入っていった。

「誰なんです?」

若い警官は怪訝そうに先輩警官に耳打ちした。刑事というふうでもなくふらりと現れて当然のように現場に踏み込み男。不審がるのも無理はない。

「お前はまだ会ってなかったな。あれはモデラーがらみの事件では必ず引っ張り出される民間の協力者。巴照 盛太郎(ぱて もりたろう)さんだよ。」


「ああ、来たか巴照」

グレーのスーツに太鼓腹を押し込んだいかめしい顔の中年男がふらりと部屋に入って来た盛太郎に声をかけた。

伊藤警部。連絡どうも。殺人ですって?」

伊藤警部は盛太郎に使い捨てゴム手袋を投げてよこし、あごをしゃくる。

「仏さんは、ほれ、そこで死んでる。かわいそうに心臓をひとつきだ。モデラーズナイフってのか?これで背中から刺したらしい。返り血を浴びないようにプラ板(ぷらばん)を押し当ててその上から刺してる。テーブルには作りかけの戦車があるな」

部屋には壁につけていくつもテーブルが並べられており、塗装ブースやかな床、カッターマットなどと工具類が並べて置かれてある。盛太郎にもお馴染みの模型工作用の工具類と塗料や接着剤なども整然と並んでおり、また部屋の棚にもきちんと工具箱やらコンプレッサーやらが整理されてあった。

「羨ましいねえ。こんな工作部屋があるとは。っと、積みプラはこっちのクローゼットか」

よく出し入れするためかクローゼットのドアは外されており中は丸見えになっている。そこには天井まで山と積まれたプラモデルの箱が積み上がっていた。

部屋の中で2つのテーブルの上だけがいかにも作業中ですとばかりに雑然としており、片方のテーブルの前に中背の男が仰向けに倒れている。

「戦車じゃなくて自走砲ですよ。タミヤの1/35 ナースホルンか。冬季迷彩で仕上げるつもりだったんですねぇ」

テーブルの上の作りかけの模型を一瞥した盛太郎は答える。ゴム手袋をつけた盛太郎は、もう一方のテーブルの上を観察した。

「戦車とは違うのか?まあいい。そっちのテーブルにはプラモはなかった。2つのテーブルで作業してたのだろうな」

伊藤警部の声を背中で聴きながら、盛太郎は空のテーブルの上のカッターマットに指を押し当て、その指を腹をまじまじと見て目を細めた。

「赤と黄色と青の削りくず…。こっちではガンプラを作ってたようですね。。。見たところ、仏さんはスケモ専門らしい。警部、このテーブルでは"もう1人"が作業してたみたいですよ」

「なに!犯人か!おい!このテーブルの指紋を調べろ!」

伊藤警部の声が鑑識官に飛ぶ。

盛太郎は死体と作りかけの模型を交互に見て大きくため息をついた。

やれやれ、犯人もモデラーとして、モデラー同士、仲良くできんもんかねぇ」

盛太郎の捜査が始まった。

          • 『モデラー探偵 巴照盛太郎 第1巻 「ナースホルンは見ていた」』より

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誰か続き書いてくださいww

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2016-11-06

[]向ヶ丘遊園 向ヶ丘遊園を含むブックマーク 向ヶ丘遊園のブックマークコメント

退職しました。正確には10月末で出社はおしまいで、11月いっぱいが有休消化です。


事の始まりはこの8月にさかのぼります。

杉並の事業所からの急な異動が決まってから一年で、また8月になって異動の話がありました。

今度は金沢八景にある事業所に行ってほしいとのこと。

今回も人がいないのでどうしてもとのことでしたが、通勤に1時間半もかかるので、今回は嫌だと突っぱねました。

しかしどうしても、という割には条件等の提案はなし。

行けばどうにかなるかもという楽天的な考えもなかったわけではないので「辞令が出たら行きます」とは言いましたが、結局最後まで「嫌だ」といい通しました。


実際に行ってみると1時間半では通えず、1時間45分はかかることがわかりました。通勤ラッシュは乗り換えに時間がかかるためです。

また、利用者宅への直行直帰をすれば2時間かかることもあり得ます。


おまけに社員ヘルパーはいまひとつ信用できない、あまりできの良いとは言えない人材


早々に「せめて昇給してもらわないと務まらない」と訴えたところまさかの3週間放置

この放置にはちょっとした行き違いもあったのですが、この間に社員ヘルパーがバックレをかましてしまいました。

月100時間からの土日を含むサービスがとたんに回らなくなりてんてこ舞い。

朝は8:00から、夜は20:30からのサービスもあり、これに俺が入るとなると・・・・


こうなるととてもじゃないけど居られません。

退職届を出して遅まきの留意はありましたが昇給はできないとのこと。

それじゃあ、もう知るか。


日の出勤は全部断り、後任者に仕事を引き継ぎましたが、後任者は経験が浅いのでサービスは全部は引き継げず、さらにバックレた社員ヘルパーの抜けた穴の埋まらなかった利用者は断ることに。


結局、月々30万円以上の売り上げをなくすことになりました。

俺がサービスに入れていればそのうちの10万か15万は拾えていた売り上げです。

俺の給料をあと1万円でも昇給させておけば、この先少なくとも数か月にわたって失う200万からの損失を半分くらいにできたものを・・・といえば自分高値をつけすぎかな?


まぁ、しかし後任者は月末に体調崩すし、残ってたサ責も年内には辞めるとか辞めないとかで、たぶんもう1〜2件サービスを断ることになるんじゃないかなぁ・・・


で、今週はごろごろしたり家の片づけをしたりしてました。来週は挨拶がてら自転車を取りに前の事務所に行ったり、書類関連の処理などをちまちまやるつもり。転職に向けて履歴書やら職務経歴書やらも準備せねば。

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2015-10-24

[]自宅 自宅を含むブックマーク 自宅のブックマークコメント

このひと月ほど、二人の狂人との邂逅がありました。

ひとりはプライベート、もうひとりは仕事上で。

プライベートのほうは、古い付き合いの相手でこちらからの好意や手助けとして出されたものは受け取るが、そうなった境遇心配するこちらの心情は「大きなお世話」「説明必要はない」と言い、付き合いのよしみがあるので礼儀や経緯の省略は「いいじゃないか」とすましますが、こちらからの忠告は「自分理解しない者からの説教」だと耳に入れません。

道行く人が自分を見つめるのだといい、自分の口臭体臭が酷いのだと言う、*1対人恐怖症とおぼしきいくつかの顕著な症状を持っているが、クリニックの受診拒否している。そういう御仁です。


仕事のほうの関係者は、他人と関わっているのに、とにかく何も妥協できず、すべてをその場で自分が思うようにできないと気が済まない人。

たとえば、週に何度か仕事で使う際に家電製品などを移動させる際に、週に何度も「取っ手」を持つと取っ手が壊れるので両手で下から持ち上げて移動させろ、というようなことを、作業の流れを中断させて自分で横から手を出してまで言うのです。それをやめろ、せめて作業を中断しない程度にしろと言うと、「一度でもそうされると壊れるかもしれない」などと言います。

製品についている取っ手は移動させるための部品なので、それを持って移動させたから壊れたとしても・・・・などとも思うのですが、そういう理屈は通じません。

そういうことが、一時間程度の作業のなかに、何か所も、何度も、何十分にも及ぶため、こちらの仕事に著しい支障が出てしまうのですが、そこを、おいおい言ってゆくゆく対応してもらおう(優先するべきほかの手順を優先してもらおう)とか、9割やってもらえればOK。あとは我慢するか自分で仕上げよう、と折り合うことができないのです。こちらもクリニックの受診は拒否しています。


しかし、彼らにとってこれらの事項はすべて現実で当然で自然で当たり前のことであり、自分が正しいか、要求の度合いが普通より“少し”多い/大きいものかもしれないが正当な理由による要求や考え方である、としか認識できていません。

前者はすでに周囲との人間関係崩壊しており、そのことで窮地に立っているのですが、人間関係を断ち切っているのはそういう独りよがりで身勝手な考え方(これも対人恐怖症によるものかもしれませんが)と、おそらく病気による症状のせいなのですが、それを受け入れることができません。


後者も同様で、周囲の何もかもが自分の正しい主張をなぜか聞いてくれない、自分が非常に不遇な立場にあるのだと思っています。


二人を狂人と書きましたが、つらつらと思うにこだわりは自分にもあり、狂っているかどうかは自分自身についてもあいまいです。もしかすると、二人の狂人と一人の狂人(わし)との邂逅だったのかもしれません。

たとえば、わしのタバコ嫌いは、一般的なレベルからすると強度のこだわりでしょう。

わし自身は、実際にタバコの臭いで不快になりますし、体調に影響があることもあると認識しています。

ですが、タバコの臭いをぷんぷんさせながら人ごみにいる人もよくいますし、歩きタバコをする人も一定数から減りません。そうした人々とそれを許容している人々も多いことを鑑みると、世間一般的な程度からすると狂っているのはわしのほうかもしれません。


まぁしかし、生活のかなりの範囲において支障や影響が出ている二人の狂人は、やはり「狂人との邂逅があった」と記しておくに値するものでしょう。

幸い、一度彼らとのつながりは切れるか距離を置くことになりそうです。


自分の狂気に対していささか自信を疑う一か月でしたが、面白い観察ができた一か月でもありました。

*1:一緒に歩いたが誰も見ていないし、隣で話したりもしたが臭いはしない。が本人は「そんな気がする」ではなく「見てくる/臭うのだ」と譲らない

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