企業法務戦士の雑感 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2017-10-15

[][]またしても、ルメールマジック。

故障馬が相次いだ昨シーズンとはうって変わって、春の有力馬がそのままそろい踏みする形となった今年の秋華賞

そして、予想をややこしくしたのが、オークス馬・ソウルスターリング天皇賞・秋に向かった一方で、皐月賞に挑戦したファンディーナや、春はマイル路線で勝負していたアエロリットがここで参戦してきたこと。

紫苑Sを勝ったディアドラ以外は、オークス上位馬(モズカッチャン、リスグラシュー等)が軒並みトライアルで苦戦したことも予想を一段と難しくしていた*1

個人的には、最内枠のアエロリットが先行して抜け出したところで、うまく立ち回った武豊騎手リスグラシューが差し切る展開、というのが何となく頭に浮かんでいたし、そうでなくても差し・追い込みには不向きの京都内回り、さらに雨で湿った馬場、ということを考えると、ラビットランとかディアドラのように後ろから来る馬は届かないんじゃないかな、と予測していたのであるが・・・。

結果的には、半分当たって、半分外れた、というところだろうか。

気持ちよく先行していたように見えたアエロリットは、距離の壁なのか、逃げたカワキタエンカ以上に失速して圏外に消え、ラビットランは思ったよりは前の位置取りをキープしていたものの、直線で伸び悩んでこれまた馬券には絡めず。

一方で、スタートで少し立ち遅れて、厳しいかな、と思わせたディアドラ、リスグラシューが、直線で抜け出しかけたモズカッチャンを捉えて1,2フィニッシュ。

外から派手なマクリを見せたリスグラシューと、内からスルスルと上がっていったディアドラ。名手に操られた両馬の位置取りは対照的だったが、結果的に、最短コースをうまく立ち回る形になったルメール騎手のディアドラが差しきったのは、必然だったというほかない。

桜花賞以降、ディアドラの手綱を取っていたのは岩田康誠騎手で、前走の紫苑Sでの絶妙なハナ差差し切り勝ちも、彼の腕があってこそ、というところがあった。

その岩田騎手が初めて牝馬3冠レースに参戦したファンディーナの方に回ったがゆえに掴んだチャンスを、更に巧みな騎乗で大きな星に変えたのがルメール騎手*2

好位に付けながらも直線でズルズル後退して、勝ち馬を遥か後方から見るしかなかった岩田騎手が、鞍上で何を思ったかは分からないが(結果2番人気を背負いながらも13着惨敗)、素人目で見てしまうと、これは日本人騎手が何人束になってもかなわないよな・・・と思わせるに十分な騎乗ぶりだったと言えるだろう。

そして、この後も、アルアインソウルスターリングレイデオロ、と、G1勝ち星をどこまで伸ばすか、というお手馬が揃っているだけに、武豊騎手ほか、今日、苦杯をなめた武豊騎手以下のジョッキーたちには、何としても意地で一矢を!と願わずにはいられないのである。

*1桜花賞レーヌミノルに至っては、オークスローズSと結果を出せなかったこともあって、今年のG1馬とは思えないような低人気にあえいでいた。

*2:元々はアドマイヤミヤビへの騎乗が決まっていたが、先月の引退を受けて空いたサヤに収まった、ということだと推察している。

2017-10-14

[][]「高品質」神話の果てに。

連休中日に公表する、という王道の広報戦略で、ハレーションをできるだけ小さくしようとした努力もむなしく、燎原の炎のように燃え広がる一途になってしまっている神戸製鋼所の「品質データ改ざん」問題。

これまでの断片的なプレス発表や報道だけでは、全容をはかり知ることはできないし、そのうちに、第三者委員会の報告書等で原因究明も図られるだろうから、この件に特化して、軽々しく語ることは今は難しい。

ただ、日本の製造業の生産現場の生の姿に触れることも多い身としては、既に一部で語られているように、これを「神戸製鋼所」という会社特有の問題として片づけることには、大いに疑問を感じている。

これまで日本のメディアも有識者も、政治家も役人も、時には産業界の人間でさえ、「日本の工業製品は『品質』では世界のどこにも負けない」という神話を信じてきた。そして、今や生産規模では日本を追い越し、あるいは肉薄している新興国も「価格は安いが、品質はまだまだ」と嘲笑されることが多かった。

だが、ここ数年、日本のメーカーが直面しているのは、「価格では到底勝負できないから、品質を売りにするしかない」という現実。そして、その「品質」ですら、もはや前世紀やミレニアム前後の時代と同じレベルを保つことが難しくなっている、という現実だったのではなかろうか。

高コストを嫌う発注者から、利益が出るかどうかのギリギリの部分まで価格を削られ*1、それでいて、スペック的にはずば抜けたレベルで仕事を引き受ける。一方で、現場は、作業員の質・量の低下により、机上で示された納期や品質数値のレベルを保つこと自体、決して容易なことではなくなりつつある。

そういった悪いスパイラルに陥った結果が、まさに今回の問題、と考えると、どこの会社にも同様のリスクはあるというほかない。

そして、そのうちに他の分野でも半製品メーカーや、部品・素材メーカーから「調べてみたら実は・・・」という話が出てこないか、戦々恐々といったところだろう。

そして、今回の一件は、どんなに高度な開発力があっても、長年蓄積された生産管理ノウハウがあっても、結局、最終的に出荷する製品を作る過程をきちんとコントロールできなければ、製品の品質が保てない、という当たり前のことを世に晒してしまうことになった。

ここから、どこまで問題が拡大していくのかは分からないのだけれど、今必要なのは、日本の会社が「優れた品質」という自縛を解き放つこと、そして、既に「技術でも負けている」という現実を直視して、勢いのある国々から謙虚に学ぶこと。

巷ではいまだに根強い「技術を盗まれないように営業秘密保護法制を強化する」という発想が、もはや時代遅れのものになってしまっている、ということに良識ある人々が気付いた時、ようやく復活に向けた道程が始まる、と自分は思っている。

*1:それでも、新興国メーカーに比べれば一回り上の価格だったりもするのだが・・・。

2017-10-12

[][]「風」に振り回された時代の終わり。

公示までの1週間くらいは、「風」が吹き荒れる予感がしていた今回の衆院選だが、今朝の朝刊では「与党、300議席に迫る勢い」と、あらら・・・な感じの見出しが躍っている。

大義なき解散に、大義なき新党。特に後者は、「踏み絵」で旗印を明確にしようとした結果、政権党との区別がつかなくなり、筋を通した少数派新党に支持層を奪われてしまったのだから、何と皮肉なことか。

そして、そんな日の「大機小機」には、「政治家の最大の武器は言葉である。その言葉がどんどん軽くなっている。」というフレーズで始まる「横ヤリ」氏の強烈な批判が掲載されている。

ユリノミクスとは何か。『消費者に寄り添いマーケティングなどをベースに進める』と答える。『AI人工知能)からBI(ベーシックインカム)へ』とも言う。言葉は躍るがどれも意味不明である。」

野党に見られる言葉の軽さの背後には、政権を本気で担う自覚の無さと幼稚さがある。安倍政権に見られる言葉の軽さの背景には、強行突破が可能という権力者のおごりがある。」

「共通しているのは誠実さの欠如だろう。底流には知的退廃があり、その向こうには民主主義を脅かすニヒリズムが漂う。」

日本経済新聞2017年10月12日付朝刊・第21面)

シュールな辛口コメントが多いこのコラムの中でもかなり上位に来る部類の痛烈さだが、心ある有権者であれば、多かれ少なかれ同じような感想を抱くよな、という光景が今は目の前に広がっているのも事実なわけで。

奇しくも、同じ日の朝刊には、英国の混乱した政治状況を描くFT紙のコラムも載っていて、その中には、

「中規模の民主主義国家では、最も有能な人物は決して政治家になろうとは考えない」日本経済新聞2017年10月12日付朝刊・第6面)

という名言も出てくるから*1、日本だけではないんだよね、とは思うんだけど、それは決して気休めにはならない。

世界中のあちこちで、典型的な民主主義の誤謬、と言えるような惨状が広がっている中、「日本よお前もか」になるのか、それとも、政策の筋を通した人々を勝たせて、「日本もまだ捨てたもんじゃない」になるのか。できることなら後者であってほしい、と今は願うのみである。

*1:今回の選挙でも「出馬してくれてありがとう」(勝っても負けてもしばらく本業には戻って来れないだろうから・・・)と思われている立候補者は結構いるようである。詳しくは知らないけど。

2017-10-09

[][]今こそ真の「保守」を!(笑)

この3連休は、最近では珍しく、どこに行くでもなく会社に足を運ぶことすらなく、ほぼひきこもり状態で時を過ごした。

家にいる、と言っても、仕事と関係ないことのために使える時間は限られているから、結局は、“やりたいことできないフラストレーション”*1は溜まる一方。そして、こんな時に限って、日中テレビを付けると選挙ムード一色でげんなりする。

元々、今回の解散には「後付けの大義」しかなかったし、その戦略を崩した小池都知事の新党にも、「自民党に勝つ」以外の理念や使命感があるようには見えない。

加えて、政策ときたら、もう何度目だよ、と思うくらいの“何たら改革”のオンパレード。

本来であれば、政権を守るべき自民党ですら、「改革」を超えて「革命」まで逝ってしまっているのだから、開いた口がふさがらない。

今の政権に対してはいろいろと批判も多いのだが、自分は、表で叩かれているあれこれよりも「成長戦略」に一番問題があると思っていて、特に、昨年くらいからか、「第4次産業革命」という、経産官僚の自作自演的なキャッチコピーが使われるようになったのを見た時に、もう駄目だなこの人たち・・・と思ったものだった。

世界的な金余りと、新興国の着実な経済成長に支えられて好景気の波が来ている今の日本は、少なくとも2020年まではしばらく放っておいても緩やかな経済成長が見込める。懸念されている社会保障給付の問題も、あと数年の間に、日本の人口構造が一気に変わりそうな兆しは見えている*2

そんな中、ここで無駄に産業政策の矢を放つことは、経産官僚やターゲットとなった一部の産業の既得権益層の利益にはなっても、将来の国民には何らプラスの影響をもたらさないんじゃないか、という思いで冷ややかに眺めている者からすれば、これ以上の「改革」を競い合うような選挙はまっぴらごめん、なのである*3

ここ10年、20年来の“改革ブーム”のせいで、本来であれば、今の社会の安定を守ることを重視すべき「保守」政党選挙の時になるとどこかに行ってしまう、という状況が続いてきた。そして、不況期ならまだしも、好況期にまで、世の中を適当にいじることが、あたかもよいことのように唱えられ、テーゼとして掲げられてきた。

だが、もうそろそろ、新しい看板の架け替えはやめにしてよい頃ではないかと思う*4。そして、そういう観点からすると、“リベラル派勢力”というレッテルを張られている立憲民主党(枝野新党)なんぞの方が、守るべき価値観とか社会のあり方が明確になっている、という点で、いわゆる「保守政党」(自称)よりもよっぽど、本来の意味の「保守」なんじゃないか、と思うわけで・・・*5

個人的には、政権をとっても、世の中を騒がせるような余計な動きをしない、そんな政党国会で一定数を占めてくれることで、しばらく政治主導の「改革」*6が封じられる、というのが今の日本が一息つくための一番の処方箋だと思っているから、自分の投票行動も、必然的にそういう方向に向かうことになるのかな、と予感しているところであるが*7、いずれにしてもさっさと終わってほしい、そんな選挙戦である*8

*1:もっとも、そういうフラストレーションを抱くきっかけになることを、本当に「何もすることがない時間」が与えられた時にやるか、といえば、やらないのが常だったりする・・・(何だかんだ言って、本当にやりたいことは万難を排してやってしまうから、そういう何となくやりたいこと、って、実はどうでもよいことだったりするのかもしれない)。

*2少子化の解消、という観点からではなく、高齢者層が想定よりも早く減少に転じる、という観点から。

*3:歴史的に見ても、国が旗を振って乗り出していってうまく行った産業、って、実はほとんど存在しないのだが、反省の機会がないまま歴史が繰り返されるのを見るのは何ともつらいものがある。

*4:その前に、今、目の前にある古くて新しい問題を一個一個片づけていく視点を持つ方が大事な時期に来ているんじゃないかと思う。

*5:ついでに言えば、政権に影響力を持つようになったところで、ドラスチックに何かを動かすだけの力は発揮しえないだろう、という安心感もある。世の中が思想的にも、産業政策的にもおかしな方向に向かうのを止める、それだけでも少数政党の存在価値がある、という時代になってしまったのは、いいことなのか悪いことなのか分からないが、いずれにしても、博打みたいな「改革」合戦、思想ごり押し合戦になっている時は、選ぶ側のバランス感覚がより重要になってくるような気がしている。

*6:誤解なきようにいえば、自然な市場競争の結果生じるイノベーションまで否定するつもりは全くない。自分が嫌悪しているのは、そういった自然なイノベーションに土足で干渉しようとする動き、である。それに尽きる。

*7:結構、投票所でのフィーリングに左右されることもあるので、ここは何ともいえないところではあるが・・・。

*8:実はまだ公示日も来てなかったりするのだけどね(笑)。

2017-10-08

[][]再び開かれた歴史の扉。

昨年秋のシーズン途中で、宮台投手が故障に見舞われてからは、もうしばらく「勝利」の報を聞くこともないだろう、と思っていた東大野球部だが、この秋シーズンは、春シーズンが信じられないような快進撃を見せている。

春シーズン優勝争いに絡んだ慶応大学相手に1勝を挙げたかと思えば、今週は法政大学に連勝。

宮台投手の調子は、絶頂期だった2年〜3年春シーズンに比べれば、決して良いわけではないようで、序盤から失点を重ねる試合も多いのだが(防御率は法政との連戦を終えた段階でも5.88とリーグ最低)、ここ数年チームを支えてきたエースの最後を飾ろう、という思いが強いのか、今シーズンは打線が思いのほか好調で、ここまで完封負けした試合は1つもないし、慶大戦では2桁得点も記録、法政との2連戦では合計17点と「確変」を見せている。

残るカードは、目下優勝争いをしている明治戦、ということで、更に勝ち点を積み増すのはなかなか大変そうな状況ではあるが、こういう波が過ぎてしまうと、またいつ“暗黒”に逆戻りしても不思議ではないだけに、せめて今季中に白星もう一つくらいは・・・と期待したくもなるもので。

なお、東京六大学野球連盟ホームページhttp://www.big6.gr.jp/system/prog/event_overview.php?m=pc&e=league&s=2017a&w=5)を覗くと、

東大勝ち点:2002年秋 立大戦以来15年ぶり

連勝での勝ち点:1997年春 立大戦以来20年ぶり

法大からの勝ち点:1993年秋以来24年ぶり

法大から連勝での勝ち点:1928年秋以来89年ぶり

とまぁ、凄い数字が並んでいて、思わず笑ってしまった。

時計の針を90年代に巻き戻せば、1シーズンに2つ、3つは応援して楽しい思いができたのがあの頃の神宮で、特に、開幕2戦目の早大戦とシーズン終盤の立教戦は、絶好のブレイクチャンス。

なかなか同じカードで2つ勝ち切るところまでは行かず、最終的には勝ち点1で並んで勝率で最下位、というパターンが多かったが、それでもあとちょっと・・・という試合は何度となくあった。

通算で勝ち星の6倍以上の負け数、という壮絶な歴史ゆえ、どうしても「弱い」という形容詞しか出てこないチームだが、こうして勝った時だけは、「ずっと負け続けているわけじゃない」ということをちょっとだけ思い出してもらえるからよかったな・・・と。

そして、もう「15年前」ということになってしまう2002年の秋、文字通り「投打の柱」だった浅岡知俊投手*1が、当時リーグ屈指の好投手だった多田野数人投手に投げ勝った試合(1試合目の方だけど)、自分も歴史の証人の一人として、偶々スタンドで見ていたんだったよな、という記憶が蘇ってきたことも一応書き残しておくことにしたい*2

*1:登板しない日には外野守ってクリーンナップ打ってたり・・・。

*2:まだスコアボードが残っていたことに感動。http://www.big6.gr.jp//game/league/2002a/2002a_tr1.html

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