jerryさんからのメール


昔の記事に反応してのコメント、メールはうれしいものです。2年前のジェリー・ウィリアムスの記事にコメントくださったjerryさんからのメールを読んでたら、思い出して聞いてみたくなったのが、ジェリー・ウィリアムス。
現在はジェリー・リン・ウィリアムスという名前で知られてる人。僕は80'sにクラプトンがやった"Forever Man"の作者だったこと、また同じころボニー・レイットもいくつか作品を取り上げていたので、新しい人かと思ってたら、違ったようだ。それに気がついたのは94年に世界初CD化された、ニッキー・ホプキンスの「The Tin Man Was A Dreamer」のライナーで小倉エージさんが、「当時スピンディジーからデビューした南部出身のssw」(大意)として紹介していたから。
夢見る人
ホプキンスのそのアルバムでは、ワイルドなvoを"Speed On"と"Banana Anna"で聞かせていたが、僕としては「スピンディジーからデビューした」という部分に反応。
スピンディジー(Spindizzy)は、コロムビア傘下のレーベルでほとんどグリン(ニルス・ロフグレンのいた)だけと思ってたから、あれ?と思ったのだ。その後縁あってこのウィリアムスの72年のLP「Jerry Williams」(KZ31404)を入手。未CD化(というかほとんど語られない)には惜しい1枚だ。prodはニール・ヤング関係でおなじみのデイヴィッド・ブリッグス。バックには、ニッキー・ホプキンス(p)、グリンからニルス・ロフグレン(g)、ボブ・ゴードン(b)、ボブ・バーベリック(ds)、NYのスタジオ・ミュージシャンとして後にスタッフに加わるゴードン・エドワーズ(b)、コーネル・デュプリー(g)、そしてバーナード・パーディー(ds)、チャック・レイニー(b)、ボビー・ホール(perc)が参加。音のほうはひきしまったロックンロールで、ウィリアムスの音楽は南部のR&Bやゴスペルからの影響もあるのだけど、それが泥くさい形ではなく、洗練された形で披露されている。全編ホプキンスのpianoがよく歌っているが、ドリフターズの"On Broadway"、ディランの"Just Like A Woman"、プロコル・ハルムの"A Whiter Shade Of Pale"、ナット・キング・コールの"Love Letters"といったカヴァーがオリジナル以上に素晴らしい。特にプロコル・ハルム曲とディラン曲は、はじめて聞くとわからないくらいの破壊ぶり。"Maggie Was A Spider"のgは明らかにニルス。

jerryさんは、ニルス・ロフグレンのファンでいらっしゃるとの事だけど、75年の「Nils Lofgren」の衝撃は今も僕の中にある。
ここ見るとすごい値段が付いてるが、僕が買ったときは2000円台だった覚え。

love#3

Crazy Horse at Crooked Lake
■Love Is Gone / Crazy Horse
「Loose」('72)に続くクレイジー・ホースの3枚目「At Crooked Lake」はレーベルをRepriseからEpicに移してのもの。ファースト・リリース後ダニー・ウィットン(g,vo)が辞め3人が加わり、別のバンドになったかのようだったが、3枚目では新加入したリック(g,vo)とマイケル(g,kb,vo)のカーティス兄弟がイニシアティヴをとったカントリー・ロック色の濃い1枚となっている。リズム隊は不動で、ラルフ・モリーナ(ds)とビリー・タルボット(b)。他には前作から加わったグレッグ・リロイ(g)を加えた5人組。メロディー的に難がある曲が多く、アルバムの出来としては今一だけど、初夏の朝露を思わせるすがすがしい"Love Is Gone"は素晴らしい出来。とりわけリロイのdobroが心地いい。結局このメンツではこの1枚しか残せず、バンドの活動は停止。ニール・ヤングに呼ばれたのは、リズム隊の2人だけだった。カーティス兄弟は76年にPolydorからカーティス・ブラザーズとして1枚リリース。ここにはフリートウッド・マックが「ファンタ」で取り上げた"Blue Letter"のオリジナルが収められている。