阪大教授らの論文に「疑問」 指摘の助手が自殺

2006年09月06日

 大阪大大学院生命機能研究科(大阪府吹田市)の教授らのチームが専門誌に投稿した論文について、同研究科の助手(42)ら複数の共同執筆者から「データに疑問がある」という指摘が出され、大学が8月初めから調査をしていることが分かった。この助手は今月1日に自殺しており、大学は関係者から聞き取り調査を進めている。

 阪大などによると、論文は責任筆者の教授と自殺した助手ら他の研究者4人が共同執筆した。酵母菌を用いてDNA複製の仕組みの一部を調べた内容で、7月12日に米国の生物化学専門誌「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」の電子版に掲載された。

 しかし、8月2日に筆者側の申し出で論文は取り下げられた。関係者によると、助手を含む複数の共同執筆者が「オリジナルデータと論文のデータとの間に食い違いがある」と指摘。大学は同9日から調査を始めた。

 助手は今月1日、同研究室内で自殺した。吹田署は毒物のアジ化ナトリウムによる服毒自殺とみている。家族あての遺書とみられるメモには、論文などに関する内容は書かれていなかったという。

 同大学院生命機能研究科長の近藤寿人教授は「助手の自殺と調査との間に因果関係があったことを示す事実は今のところなく、助手が(不正などに)かかわった事実もない」と話した。

 阪大では、05年5月、大学院医学系研究科のグループが発表した論文のデータが捏造(ねつぞう)されていたことが発覚。今年2月、2教授を停職の懲戒処分にしている。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200609060061.html

紀子さま、男の子出産 41年ぶりの男子皇族誕生

2006年09月06日09時30分

 秋篠宮紀子さま(39)は6日午前8時27分、東京都港区の愛育病院(中林正雄院長)で男の子を出産した。体重は2558グラム。母子ともに健康。男子皇族の誕生は秋篠宮さま以来約41年ぶり、天皇陛下の孫の世代では初めての男子となる。皇位継承順位は、皇太子さま、秋篠宮さまに次いで第3位。胎盤の一部が子宮口をふさぐ「部分前置胎盤」のため、予定日より1カ月近く早い帝王切開による出産だった。皇族の帝王切開による出産は初めてで、現皇室での最高齢出産となった。

 政府の有識者会議は、皇位継承者を男系男子に定めている皇室典範について、女性・女系天皇も容認するよう提言する報告書をまとめたが、今回の懐妊によって、政府は先の国会への皇室典範改正案の提出を見送った経緯がある。男児の誕生は今後の典範改正論議にも影響を与えそうだ。

 北海道を訪問している天皇、皇后両陛下には、病院に付き添っていた秋篠宮さまから直接伝えられた。

 秋篠宮ご夫妻にとっては長女眞子さま(14)、次女佳子さま(11)の弟にあたる第3子。天皇、皇后両陛下にとっては、皇太子ご夫妻の長女、敬宮愛子さま(4)に続いて4人目の孫となる。一般のお七夜にあたる7日目に「命名の儀」で名前とお印が決まる予定だ。

 紀子さまは2月7日、懐妊の兆候が確認され、同24日に宮内庁から正式発表された。9月下旬に出産予定とされ、安定期に入ってからは体調に配慮しながら公務を再開していた。

 しかし、7月12日の検診で、「部分前置胎盤」と診断された。大量出血したり、出産が予定より早まったりする可能性があることから、住まいの宮邸(東京・元赤坂)で安静に過ごした後、8月16日から入院していた。

 今回の男児誕生で、秋篠宮家の皇族費は年間で305万円増額(男女とも増額)され、5490万円となる。
http://www.asahi.com/national/update/0906/TKY200609060088.html

中国人の4割「普通話」話せず 英字紙報道

2006年09月05日20時45分

 5日付の中国の英字紙チャイナ・デーリーは、中国人の4割以上が「普通話」と呼ばれる標準語を話せないと報じた。方言が多様なうえ、地方の貧しい農村に教育が行き渡らない実態が背景にはある。同じ中国人でありながら国民の半数近くが対話に不自由するという現実に、経済発展への悪影響を懸念する声もある。

 教育省当局者が同紙に明らかにした。04年の段階で、中国の約13億人のうち普通話ができる割合は53%にとどまった。当局者は「政府の取り組みで状況は改善されているが、いまも40%以上は標準的な普通話ができない」と語った。

 同紙によると、中国では有力な方言だけで約80もある。「普通話」は北京などの北方語を基礎にしている。中国政府は「共通の言葉が徹底されないと、経済成長の障害にもなる」と、9月第3週を普通話の推進週間にしている。

 一方、海外では中国の経済力や影響力の拡大につれて「普通話」の学習熱は高まり、約3千万人が勉強していると教育省は推計している。
http://www.asahi.com/international/update/0905/012.html

詰めた小指3本誰のもの 届けられた多摩署が苦慮

2006年09月06日03時00分

 川崎市多摩区のマンションの一室から小瓶に入った小指3本が見つかり、多摩署に届けられていたことが分かった。同署は傷害事件として捜査を始め、うち2本の「所有者」は分かったものの、だれに返すべきか、対応に苦慮している。

 今年4月、横浜地裁川崎支部の執行官が家賃滞納に絡んでマンションを調べた際、紙袋に入っていた3本の小瓶を発見。それぞれに、第1関節で切断された小指が、ホルマリンとアルコールにつけられて入っていた。マンションは稲川会系暴力団組員が借りていた。

 神奈川県警の調べで、1本は暴力団関係者(35)のものと判明。「自分で詰めた。返して」と話しているという。

 しかし、問題なのは、もう1本の小指。北海道で服役中の20代の幹部組員の指と分かり、捜査員が面会に出かけた。その際、「自分で切った。組事務所の神棚にあるはずが、なぜ警察が持っているのか。処分してくれ」と頼まれたという。

 一方、この3本の指を預かっていたという別の幹部は同署に、「返してほしい。人のいない時、神社裏に埋めるのが、しきたりだ」と言ってきたという。

 捜査幹部は「『処分してくれ』『返してくれ』と言われても、どうしたものか。詰められた指の扱いは法律で決められていないし……」と頭を抱えている。
http://www.asahi.com/national/update/0906/TKY200609050400.html