今夜はDEKALOGデカローグ第8話「ある過去に関する物語」のDVD鑑賞。
<あなたは隣人について、偽証してはならない> 撮影:アンジェイ・ヤロシェヴィチ
手を繋いで路地を歩く男性と女の子、そのモノトーンの場面が何か後でわかるオープニング。小説では第二次世界大戦でナチス占領下にあったポーランドに住むユダヤ移民が収容所に送られたこと、彼らを見殺しにした国、と言う言葉を移民一世から聞くということが書かれていた。
団地に住むゾフィアが花を抱えて帰る時に会った男性はデカローグ10の兄弟の父の切手コレクターで「ツェッペリン号」の切手を手に入れご機嫌な様子。一人暮らしどうし、彼女のことを信頼していて、とても穏やかな関係なのがわかる。
倫理を教えている大学教授のゾフィア(声が可愛い)の授業で、女子学生がゾフィアに「ある夫婦の話(デカローグ2のエピソード)」の話が出て、 ゾフィアは「子どもが生きていることが大切」と話す。
アメリカから来たユダヤ人の歴史研究者でゾフィアの本を全て翻訳しているエルジュビェタという女性が来訪し授業を見学。ワルシャワで40年前に起きた出来事に繋がる。 天使はその倫理の授業を受けていた。
STORY「スポーツ好きの女性大学教授ゾフィアは、隣人の切手コレクターと親しくしている。ある日、勤務先の大学に、ある日ゾフィアの著作の英訳者である女性大学教員エルジュビェタが来訪する。ゾフィアの倫理学講義を聴講した彼女は、議論する為の倫理的問題提起の題材として第二次大戦中にユダヤ人の少女に起こった実話を語り始めるが、その内容は二人の過去に言及したものであった......。」(新国立劇場の「デカローグ」より)
ゾフィアの部屋に飾られている絵がいつも傾いてしまうのはデカローグ4のゴミ箱のよう。
ナチスがユダヤ人を迫害、ポーランドを侵攻、ユダヤ人の虐殺、収容所移送、、、からの歴史の背景が色濃くある自国でこのドラマを放送したのですね……
エルジュビェタから、1943年にワルシャワで匿われていた6歳のユダヤ人少女の話。少女を助けられなかった(見殺しにしたという思い)過去の後悔に繋がり。その子が生きていた。という安堵。
ゾフィアがエルジュビェタを過去の場所に連れて行き、家に招待して話をしていくうちに二人の気持ちはほどけ、心を紡ぎなおして朝を迎えたような…。切手を見せにゾフィアの家に訪れたコレクターとの短いやりとりもエルジュビェタに穏やかな空気が流れた気がする。
同じ団地の切手コレクターのおじさま。
切手コレクターのおじさまは第8話のメイン人物ではないけれど優しそうで好き。第10話の中心にいる人物なのに出てこないから。