読書録

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女性リーダー4.0 新時代のキャリア術

 ワークライフバランスの実現が求められる中で、労働時間の短縮ということが制度化されているが、著者が「残業しないことと考えられていることにはには、違和感を持つ」(p176)という点には同感する点がある。職業人生の中のある時期には残業でも何でもして仕事をやり遂げようと思う時には全力投球してもよく、仕事に意義か感じられなければ、労働時間は長くなくても疲れる(p177)というのは経験的にもわかる。
 「人生全体でバランスをとり、ある時には仕事に全力投球、ある時は家庭に比重を置く…というようなメリハリを利かせるのがいい」という考えは同じで、ワークライフインテグレーションとか、ワークライフマネジメントという言い方があるが、著者は「垂直型ワークライフバランス」と名付け、会社の人事ではなく、自分がイニシアティブをとることがポイントだと指摘している。
 「女性が仕事の本当の醍醐味を知ってしまったら、たとえ育児が大変でも、たとえ残業時間が長くても、いろんな手段を講じて仕事を続けます(p144)」というのは、フェイスブックのCEOが書いた本でもあったが、短時間労働がいいのか、むしろキャリア形成なのか、論点があるところだと考える。
 なお、本著のタイトル、4.0 は、働く女性をめぐる第4のステージに入り、両立支援だけでなく、女性の能力・適性を活かすことを企業の経営戦略として位置づける特徴があり、働き方改革をもたらし生産性を上げるうえで欠かせないということ(p4)
 
発刊した毎日新聞出版のサイト⇒ http://mainichibooks.com/books/humanities/40.html


 著者の本は、この読書録にも、以下4冊の記録があり、一言づつ引用を振り返ってみる。
2015-09-05 『50代から人生を楽しむ人、後悔する人』 PHP研究所 編
→(人知を超えたものがあり)「おかげさま」・人間は生かされていることという考え方を大切にp125
2013-06-26 『働く女性が知っておくべきこと』
→将来のリーダーは『人徳』必要:競争に勝つというより、自分の利益を後回しにして社会のことを考え、助けを必要としている人に手をさしのべ、他人の意見に耳を傾けることができるような信頼感、自己肯定感を持っている
2008-09-22 『親の品格』
→「品格をもって生きる人間に育てることです。子どもが心身ともに健康で、自立した社会人となり、家族を形成すし、愛し愛される人間関係をもてる人間になることです」p235
2007-12-02 『女性の品格』 
→p223:人間としての基礎力・・自分の行動や生き方の芯になる信念を持つこと・・損をしても正しいことをする強さ・・相手の立場に立って思いやることができる・・人間の弱さや不完全さを受け入れる温かさ、自然の美しさや健気さに心を動かす優しさ


<本著でいくつか覚えておきたいポイントを以下引用>
◇知的話し方として、前置きを長々とする前に、要点を3つ程度にまとめて結論を想定、疑問や反論にも準備p22

◇直属の上司より2段階上の役職者の目で仕事を見てみる、期待される役割が見えてくるp87

山本五十六「やってみせ、言って聞かせてさせてみて、誉めてやらねば人は動かじ」p113

◇日本の職場は女性に3つの「キ」を与えていない、期待しない、機会を与えない、鍛えないp130

昭和女子大学女性文化研究所の女性の働きやすさ指標 A就業継続・WLB、とBキャリア・フレキシブルワーク でランキングを発表し、ABいずれも50以上の「いきいき型=いきいきキャリアウーマン-チャレンジ志向の女子学生にお勧め」は600社中28%(p153):資生堂高島屋

経産省の社会人基礎力として3つの能力、前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力p188

◇働く女性をめぐる4つのステージp201〜
1)母性保護、1947年の労働基準法で規定
2)差別撤廃、1975年の国際婦人年、1979年の女子差別撤廃条約の採択→1985年に批准し男女雇用機会均等法
3)両立支援WLB。1989年に出生率1.57ショックで1991年に育児休業
4)女性の能力を経営に生かし変化の起爆剤にしようという企業戦略に位置付ける
+2003年に、2020年には指導的地位の30%を女性に、の目標を設定したが、2016年4月施行の女性活躍推進法

◇女性のリーダーを増やす3つのステップ
1)女性が力をつける、2)長期的展望を持って人生設計をする、3)良きリーダーシップを身につける

◇p218ラスト「これから大きな変動期を迎える日本のビジネス界で、多様なバックグラウンドの社員を差別しないで、十分能力を発揮させるのは急務です。多様な経験を重んじる、多様な価値観を重んじる、そういった中から新しいリーダーが生まれ、新しい組織を作っていくことでしょう。女性たちがそこで大きく輝くことを期待しています」


 まもなく異動の季節、ワークライフマネジメントを意識していきたい。マネジメントという言葉は、『人事と法の対話』で、ベネッセの人事課長が、ワークライフバランスだと、仕事か個人かという話になってしまうので、社内では、ワークライフマネジメント=うまく統合するという考え方 p115 ということが紹介されていたことも思い起こしながら。


{2017/4/24-25読了、記入は29土}