田名部伸紀建築設計事務所

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2017-12-31

田名部伸紀建築設計事務所 ブログの案内です。

f:id:N-Tanabe:20161023225510j:image:left:w85 【 MoAi in ny 】

2016年秋、帯広で27坪の二世帯住宅、竣工しました。

f:id:N-Tanabe:20160930042914j:image:left:w85 【 MoAi in ny 設計story】

計画から引渡しまで設計の仕事を紹介します。現在、書き出し中!

f:id:N-Tanabe:20150925114823j:image:left:w85 【 DOMA/NATORI 】

2015年夏竣工。仙台近郊での住宅設計です。実りある経験でした。

f:id:N-Tanabe:20140126204324j:image:left:w85 【 DOMA/K House 】

2014年冬竣工。難しい敷地での設計となる函館の住宅です。

f:id:N-Tanabe:20111023191914j:image:left:w85 【 DOMA/yamanote 】

2010年冬竣工。札幌での住宅設計、『きらりと光る建築賞』受賞。

f:id:N-Tanabe:20161103011644j:image:left:w85 【 DOMA/yamanote 設計物語】

建築中の様子を伝えています。ジロ住む家です。

f:id:N-Tanabe:20110901002632j:image:left:w85 【 DOMA/hachiken 】

2011年夏竣工。札幌の住宅設計、難しい建築条件ながら無事竣工。

f:id:N-Tanabe:20120704003500j:image:left:w85 【 DOMA/道南の家 】

2009年冬竣工。北海道らしい風景の中の、函館近郊の住宅です。

f:id:N-Tanabe:20161103010838j:image:left:w85 【 DOMA/道南の家 設計物語 】

田名部の設計とは?設計始めから竣工までを丁寧に案内します。

f:id:N-Tanabe:20100427155535j:image:left:w85 【 bookshelf 】

2006年にネットコンペで最優秀、2007年竣工。10周年を迎えました。

f:id:N-Tanabe:20121022073413j:image:left:w85 【 BUTSUGWANJI 】

道東にあるお寺、その建設、増築、改修を記しています。

f:id:N-Tanabe:20150330203808j:image:left:w85 【 マンション・デザイン】

分譲マンションのデザインもしております。

【南14条 電車通り】 【N3E5 永山公園前】 【北1条マンション】

書き出したブログも早7年になります。書き過ぎたり、足りなかったり、気分次第の徒然ですが。

徒然過ぎて整理も間々ならず、それでも、あれこれ書きたい事はたくさんありつつ。

設計した住宅、建築についての案内を新たにしました。お読み頂けると幸いです。

帯広で竣工した【 MoAi in ny 】の設計時のお話を書き出しました。たぶん暫く続きます。

※写真をクリック頂くと写真集へ、【】のタイトルをクリック頂くと記事へ飛びます。

2017-10-11 オリオンを崇める覚悟が欲しい。

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少し前の事、アトリエの窓から眺める南17条の西、

藻岩山の裾野に沈む夕陽に映える電線の在る街並。

既に夜はオリオンが輝き見過ごせなくなっている。


オリオン座はとても好きな、分り良い星座。

でも、見つけると冬の寒さを覚悟させられる。

見つけ喜び、見つけられる現実に驚愕させられる。

・・・十勝通い、いつタイヤ替えよう?


未だ観ていないゴッホ、明日午前中に行こうかな?

キノで観たいThe Stoogesの映画に行きたいな−−


光ばかりが気になる。

光を制する術を建築に求めた私の設計、

之から取り組む設計は真摯に向き合う機会だ。

その機会を得るに居たり、漸くはじまる。


オリオンを崇める覚悟が欲しい。

2017-10-04

信号機に文句をつけてみたい。

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谷崎潤一郎は『陰影礼賛』に習い蝋燭を灯してみる。

この本は、時代に遅れたおじさんのボヤキなだけなのに、

妙に心に染みてしまい、心改めて事物を眺めたくなる。


暖かい昼間も夜は涼しいよりも寒さが身に染み、

雨の日にはいっそう寒々しく感じられる季節、

と言う事でより、灯してみたくなった・・・かな?


暗いにのに揺らぐ火は、何故か心情に煌々と灯る。

思わず、じーと眺め見つめ注意し、感じてしまう光。




明日?本日は設計委託契約を控えている。

工事は請負契約、「委託」と「請負」は異なる。

請負は対価に応じる工事の責任を負う。

設計は、施主に委託され設計・監理の責を負う。

カタチ在るものの授受ではなく、判断を請け負う。

私が生きていられるのは、ここに価値があるから。

この価値を築く事は創造すること、責任は重い。




谷崎は電球の灯りを嫌い、蝋燭をと書かれた。

今の自分は電球の灯りをと書いてしまう。

実際、ここぞという場所には電球を使いたい。

今こうして書いている手元には電球が灯る。

なのだけれど、そちこちにはLEDを灯してしまっている。

LEDなんて!と書きたい気持ちはあるものの、

消費電力の小ささは消費の罪を軽減してくれそうだし。


フィラメントが燃える電球の灯は蝋燭に近い。

LEDは光源、レンズを越して到達する光は何だ?

今は随分、並べ比べなければ気付けないかも。




つい先ほど、模型を作り終えた。

明日の打ち合わせは今後の分岐となる。

質を取るか、大きさを取るか。

大きさは、かなりの猶予が有れば贅を得られる。

切り詰めると経済性、効率性、合理性が強くなり、

退屈感を拭えない。

質を求めコンパクトを突き詰める時、

むしろ余白が求められる。小さいのに更に余白を求める。

不思議な面白さ、厳しい条件こそと思うのだけれど。


LEDだから沢山灯しても罪を感じないのでは無く、

ローソクでも何とかなる設計に臨みたい、かな?

ちなみに『陰影礼賛』で谷崎は最後、信号機にも

文句をつけていた。

2017-09-23

薄い月に誘われてしまう。

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心惹かれる薄い月、また出会う機会はあるだろうか?


朝6時に起き出し、7時過ぎに家を出て、今日は早い帰り。

金曜夜の道東の帰り道はやや混んでいた。なるほど。


コクワ、来週訪ねた時は食べ頃だろうか?残っているとイイなー




台風が降らせた雨は大地を湿潤にし、

夕時の冷たい空気に触れ、

結露しては大気に満ち、

遠くの山を霞ませる。

けれど、冷たい空気は多くの水分を保持する力は無く、

夏場の様に霧にまでは至れず、空は澄んだ秋模様。

と、いう具合の風景に薄い月を加える。


・・・これが正しいかどうかは分からないけれど、

設計もこのくらいきちんと条件を整理して積み上げ、

創れるなら、と思う。






帰り道、あまりに薄い月が目にとまり、走れなくなった。

誘われてしまう。

珍しく車を止め、三脚を立て、カメラを構えた。

でも、疲れてもいて思考力は乏しく、とりあえず、

絞れば良いかと思い撮る。いつもなら、様々の設定を試す。

絞ると光は少ししか入らないので露光時間は長くなる。

長くなると、天空は動いてるので、薄い月がデブになる。

ISO感度を高くしてでも開放側で撮るべきだったか・・・

少し太くはなっているものの、繊細な夕景が撮れたかな?


進めている計画、この空の下に聳える山脈の如く、

静かに風景を決定付ける”層”として佇まえるか、

瀬戸際に今はある。

風雪で道が崩れる程に厳しい条件下にある存在なのに、

こうして薄い月の下では薄い一枚の紙で作られた様に静か。


この静寂を築けるのに、内に激しい環境を内包出来る、

しかもそれが風景を決定付けられる存在、そう在りたい。


この写真、とても気に入ってしまった、誘われた。

2017-09-22

原点確認 その5

5回に渡って書いてしまった意味不明な原点記事、

非常に有意義な、束の間の帰省時の風景でした。


道東は十勝へ仕事に向かう道、最後はやはり好きな

オンネトーへ寄る。

チミケップでは管理されている方に出会い、

峠展望台では火山研究者に出会い、

ここでは足寄の方、オンネトーで雌阿寒雄阿寒の、

湖面に映える風景を撮られている方にお会いした。

面白いおじさんで、しばらく邪魔をさせて頂いた。

たしか、9/12にNHKの取材をここで受けると聞いた。

道内5人程が取材を受けて・・・番組になるらしい。

何の番組だろうか。


以前に載せた写真はこちら。

やや風があり湖面は鏡にはならず、でも好きな写真。

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この日は朝に一時、恵まれた状態になったらしい。

風が止むのをひたすら待つらしい。本当によく、

眺めて過ごすのだけれど、奥のキャンプ場に行くと、

入江は風の少ない場所があり、期待の風景に出会える。


秋の頃なら紅葉は特別、冬の前ならそれはそれで素敵、

春も若々しく、水は何物も映え見せてしまう光景、

夏は?神秘的な、ではなく元気一杯の風景であった。


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元気?かつてここでたくさんザリガニを捕った。

阿寒の山の火山活動が活発になり?湖面からも

硫黄の匂いのする時期があり、生物の気配が

消えた時期があったのだけれど、今は違う。

当然、トンボはオニヤンマ、ルリボシヤンマが

盛大に飛び交う風景の他に、ザリガニはザリガニでも、

ウチダザリガニがわんさかと居た。驚いた。


慌てて撮るも、カメラも慌てたか、何にピントを

合わせているのか?彼も分からなかったのだろう。

反射と投下、陰影、水中からはどう見えるのだろう?


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水は少し濁った気がする。陽がやや高い時間だった

からかもしれないけれど、水と木と倒れた木とが、

水もで反射と投下を繰り返して重なるだけなのに、

何を見せてくれているのか、分からなくなる。


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水中の倒れた埋もれ木に葉が茂る。

よくもここまで見事に茂るとは。


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自分は透明で、でも味のある、綺麗な水に成りたい。

のかもしれない。意味わからないのだけれど、

何か分かった気がした。気のせいだろうけれどさ。


もちろん、仕事に力尽き酔った夜更けに書いています。

2017-09-21

原点確認 その4

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津別峠からは阿寒国立公園屈斜路湖が一望出来る。

実に良い眺め、朝方は屈斜路湖の雲海が望めるので、

季節(日の出方向)によっては撮影ポイントになる。


青さをより得ようと思い、少し上から撮ってみて、

手を伸ばして写真を撮る。影が写ってしまった。


展望台に上ると、先客が一人、スケッチをされていた。

聞けば九州の方で火山の研究をされているのだと。

今は摩周湖の噴火を対象としているという。

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見えている出島、ここは和琴半島。数え切れない程、

ここでキャンプをした楽しい思い出。

その和琴半島の上の方に見えるのが摩周の外輪山。


摩周湖はカルデラ湖、巨大な噴火の痕跡だ。

聞けば噴火は7200年前、比較的新しい。

噴出物は多くはなかったものの爆発のエネルギーは

相当だったらしい。火砕流は広範囲に及んだらしく、

屈斜路湖のカルデラを乗り越え広がったという。


時期を考えると、私の特に好きな石器を使った文化、

大陸から樺太経由でやって来て、白滝で見つけた良質な

黒曜石を使って手数を掛けずに見事な石器をつくる

石刃鏃文化が花開いたのが女満別、きっと彼等は

辿り着いたこの地で大噴火に遭遇したのだろう。

築いた文化が失われてしまったのかもしれない。


火砕流は阿寒にも伸びたらしく、そのような痕跡は

今も広範囲に確認が出来るらしい。ただ南斜面は状態が

良くないらしい。積もった火山灰故に地盤が緩く、

それが方位と関係しているとも話して下さった。


・・・つまり、7000年程前の阿寒国立公園とは、

灰に埋まった死の世界、道東の過半が死滅した現実。

今は緑豊かなこの景観も、実は刹那の出来事なのかも。


摩周湖の噴火、同じ頃に九州でも同規模の噴火があり、

おそらく当時の日本は大混乱に陥ったのだろう。

縄文最盛期は5000〜6000年程前?人類って逞しい。


私が訪ねてしまい、火山研究者はスケッチの手を

止めてしまった上に、しばらく二人で話もしてしまい、

お邪魔してしまいました。すみません。

しかし、得がたい実地での情報は貴重な機会、

ありがとうございました。感謝しております。


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と言う事で、幾つかの峰越しに阿寒の山も。



北海道を眺めると4つの穴が開いている。

摩周湖、屈斜路湖、支笏湖洞爺湖

どれもカルデラ、この内の一つ摩周湖の爆発を

北海道に居た人が経験をしている。

そんな事を考えて故郷の風景を眺めると、

また違った思い、スケールの大きさを実感する。

2017-09-20

原点確認 その3

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以前、鯉をみた・・・ヤンマの飛び交う、

川が流れ込み淀む、特に好きな場所。


樹幹から漏れる光がまるでスポットライト、

倒木の株に根を張り次世代の木が育つ。

大きさからすれば数年だろうけれど、どうだろう?

なかなか良いステージをみつけたな!

でも、この先どうなるのだろう?


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差す陽の光、木々葉々の影から見える水底、

水底の倒木と水草、揺らぐ水盤。

何が見えて何が見えないのか、目くるめく。

つい、鯉が居ないか探してしまう。


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水底の石はゴツゴツと角ばっている。

海ではなく山の上か。水は至極透明なのに、

生物の居る気配は濃厚、生き生きとウツロウ。


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角度によっては水がとても青い。

淀みでは落ち葉が積もる水の底。

反射と透過が様々に組み合わされる不思議な光景。


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揺らぐ水が見せる透過、反射、影、像が揺らぐ。

自分に何が見えているのか?分からなくなる。

何時まででも眺めていられる風景。

2017-09-19

原点確認 その2

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公開してしまうとこれは、私の好きな桂の木。

過去、初めて好きになった桂はもういない。

でも、いつだか出会ったこの木は今も健在。

きっと、私より遥かに長く在るに違いない。


久しぶりに訪ねたこの日は、燃えるようだった。

まだ葉は青く、上を見上げると周囲の木々と共に

空を覆い、漏れ見える傾きかけた陽射しが、

樹幹の下に陰影を作り出し・・・

文豪になったつもりで書くのは限界か。

つまり、何というか、素晴らしい光景であった。


森の中の「燃える」光景、その熱さ。




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訪ねたのはチミケップ湖。私の好きな場所だ。

夜も昼も、四季いつでも、訪ねては感激する。


この緑の原っぱ、実は今はメンテナンスされている。

週に3回?土曜日は終日、ある方がここに居られる。

津別町からの委託なのだそうだけれど、シーズン中、

一人でここに来ては世話をされている。

どうりで、トイレは綺麗だし水場は清潔。

倒木の処理もきっちり、この日は草刈最中であった。


業務でと言うよりも、好きで愛でられているかのよう。

この自然の中の光景に手を入れるのは、実は難しい。

手が入り過ぎれば人工を感じ自然が失われる。

足りなければ直ぐに野性、人知は朽ちてしまう。


この岸はやや綺麗過ぎる気もするけれど、

いい加減なのだ。草薮との境界は適当、

管理しきるわけでなく、本当に良い具合だ。

業務ノルマで出来る範囲ではなく、

この方の思いがある。

もうご高齢のはず、いつまでも元気であった欲しい。


本当は、津別町はこの方に一台スマホを持たせ、

業務に一つ付け加えるべきだ。

朝と帰り際、一枚写真を撮りネットにUPする。

スマホなら簡単な操作で出来るだろうし、

後は役場の誰かが持ちまわりで朝一番に一言を

書き添えるなら、今を伝える生きた情報になろう。

と、いいアイディアを思いついたぞ。


岸、今時期は水がすくないから見える範囲が広い。

教えて頂いた事実が一つある。

その狭い岸のあちこちにガラス片が落ちている。

なぜ、ここにガラス片が?しかもどれも磨かれていて、

角は既に落ちている。つまり、古い。

キャンプに来たものが捨てたゴミとも違う。


聞けば、昔は木を切り出していたのだそうだ。

戦時中か以前なのか、需要はあり、森で木を切る。

町内でそのような場所があちこちにあって、

場所によっては劇場や遊郭まである地域もあった。

チミケップもそういう切り出し場だったらしい。

おそらく当時は、手付かずの原生林が多数、

勿体の無い無残な切り出しがされたのだろう。

そういう時代を、ここも経験していたと知る。

その当時の人が飲んだ一升瓶なんかを湖畔に捨て、

割れ、風雨に晒され、波に洗われ、今見つかる。


その頃に作られた道があるので、今私こうして

ここを訪ねる事が出来るのだけれど、感じる空気、

なるほど謎が一つ解けた思い。

落ちているガラス片一つが語る歴史。

それを教えてくれる方のある風景、

彼が手を入れ守る「自然」の在る風景。

昔から知る、今も時々通う、好きな場所。

2017-09-18

オーナーに種を明かし、確認頂く嬉しさ。

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あるオーナーが今、北欧にいて写真が届いた。

北欧はフィンランドヘルシンキにある建築の写真。

アルバ・アアルトの今は古い建築なのだけれど、

これは素敵な建築の一つだ。価値は普遍とも思える。


今はもっと上手い設計者はあるものと思う。

でも、この想は格別、具現の成果は別格、特別。


このオーナーとは住宅設計の際、特に採光の方法含め

建築形状について、再三問われ、幾度も説明をさせて

頂いた。見たことのないものへの理解、価値の発見は

難しく、にも関わらず私を信じて判断を下さった。

私にとっては貴重な設計機会ともなり実に印象に深い。


住んでしまえば、実はその後は彼の方が良く知る人となり、

ある時私は泊めて頂き、朝夕のある日のウツロイを見せて

頂いた。私はその時初めて、自身の設計の成果を知った。


考え抜いて設計はする。でも、その日常を設計者自らが

知る機会は実はまず無い。誰も正解を知らないのだから、

「こんなもんです。」と濁しても問題にもならないかも。

でも、自分はそれが嫌だ。

誰に見せても「でしょ?」とオーナーと一緒に笑いたい。


悩まれた採光の秘密、そのヒントが添付の写真、

オーナーが送ってくれたもの、私が案内した建築。

入れ子という特殊な採光方法は陽の低い北欧において、

如何に少ない光を効果的に室内に配れるか?という解答。

本当はもっと好きな事例もあるのだけれど、

ヘルシンキからはやや遠い。


入れ子はまだ使った事のない未知の方法なのだけれど、

他の方法は実証実験し、実践し、経験を積み、これまで

成果を得ている。この設計者が欲した光の質があり、

方法は様々なのだけれど同じ性質だ。

種、私の設計の種を明かし、実際にオーナーに見て頂ける

という稀な機会。

オーナーは既に何年も設計した家に住まわれ、

そこに在る光の性質を熟知する方であり、

その方に見て頂く事は恐怖でもあり、でも興味深い。


あれは本物、これはまがい物、等と思われては悲しい。

形態のデザインなら模倣は可能かも。真似る事は出来る。

けれど、方法は想、考察は真似るでなく理解が必要。

アアルトの建築から多くを学ばせて頂いた。

今は学んだ事も含め、自分の光を求めて設計をしている。

その成果の一つが、この写真を送って下さったオーナー宅。


気候風土の違う場所の建築、同じ光はそもそも手に入らない。

それを欲しいとも思わない。

設計した建築が、その場に在って、相応しい光を手に入れ

られたのか?それを知るのがオーナーでもある。


しかし、種を明かすという実に興味深い、・・・何というか、

こんな恐怖がこの世にあったのか!と驚く。

と同時に撮ったばかりだろうこんな素敵な写真を送って

頂けることの幸せを心から実感し、感謝をしている。

本当にありがとうございました。

2017-09-17

久しぶりの再開で真剣にお話をさせて頂く気恥ずかしさと、嬉しさ。

私のアトリエを訪ねてくれた旧友は6年ぶりの札幌らしく、

貴重な時間を割いて来てくれた。とても嬉しい。

彼は家を建てる嬉しさに満ちていて、けれど悩んでもいて、

それで選んだ相談相手は大学卒業以来、特に旧交を温める

機会も稀だった私、良くも選んだものだ、凄い奴。

奥様同伴でこんな所に来て頂いて、私は刹那ではあるけれど、

真剣にお話をさせて頂いた。


・・・どちらかといえば、チャランポラン加減では似た者、

ただ感じるものがあった。それを学生時代に確かめる機会は

そう多くはなかったものの、彼の個性はもちろん覚えている。

そんな彼の考えを改めて聞かせて頂ける機会だった。


キチンと物を見ることが出来るくせに、妙に茶化してみたり、

でもその様に悪意はなく、元気で楽しく、苦しさを見せず、

彼らしいポジティブな様は魅力。本当に苦しさを見せない。


しかしながら建築場所は長野県佐久市、遠くて行けないよ。

札幌−東京を飛行機、東京からは新幹線なのだそうだ。

明日帰る予定が台風の影響で直前の便まで欠航が既に判明。

函館まで行き、そこから新幹線とも考えているらしい。

日本、広い。


奥様も楽しい方で、欠航で時間が出来れば、何を食べに行く?

という具合で、予定変更までも夫婦で楽しんでいるみたい。


アトリエでは3時間半?程、そのあと夕食へ、後に飲みに。

建築について多くを話し、案内をさせて頂いた。

響く事はあったのかな?

割いた時間分の価値を得られるだろうか?

彼の判断は楽しみ、また続報のある事を願う。




彼は二世帯住宅を考えている。特に難しい建築だ。

妻の母との同居となるらしい。親子は仲良いらしく、

故にぶつかる事も考えられ、基本は水廻り二セット。

既に大学生の娘は遠くの学校に通う。帰ってくるかもしれない、

帰ってこないかもしれないし。とても悩ましい。

解く事の出来ない問題を抱えての設計、

それでも、解かなければ建築には至れない。

解く事が設計となる。難題だ。


具体的な助言はあるていど出来る。

根底から覆すような前提条件の再考もある。

どうあれ経年する環境、住まう人にも変化がある。

10年毎の経年の変化、次の10年で2人の生活となるかもしれない。

ところが3世帯住宅になる驚く可能性もある。

間違えば足りず、間違えば使わない部屋が過半を占める事態もある。


結局は最後、楽しく住まえるのか?が問われる。

仕方ない、という理由は探せば幾らでも出てくる。

将来に渡り余裕があるのなら、大きな家を考えると良く、

しかし例えそうであっても、適切を探す必要は免れない。

それがフィットするサイズを模索できればと設計は考える。

水廻りの共有が可能なら2.5坪を減ずる事が出来るし、

又は別の空間に使う事もできる。選択肢は様々。


優先順位を整理できるのか?

夫婦で共有出来る価値を築けるのか?

楽しみを見つけられる空間を得られるのか?

言い訳の理由ではなく、欲しいものを諦めずに探し求めて欲しい。


ま、請われれば行くよ、長野県?

2017-09-16

原点確認 その1

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自分にはリセットできる場所、風景がある。

それが故郷の風景なので単純なのではあるが、

この、遠慮無く広がる大地、巨大に膨らむ空、

眩しい陽・・・これは時に夜の満点の星空か

一切の光の無い深淵の闇であったりする。


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喉かな道を走っていると見えた輝く山の連なり。

反対側の山の影が畑に落ち、山のみを輝かせる。

本当はもう少し先でもっと綺麗な風景があって、

でも油断するとスッと消えてしまう刹那のもの。


この光を追い出し始め、一枚目の小山に登った。

登る積もりは無かったのだけれど、

探し出してしまい、もう少し上、上へと・・・

走って登ったのは、三角点と言う小山。


小学生の頃はここでスキー授業をした山。

自分の足で登り、滑る。楽しかった山。

突然登ってしまい息が上がったぞ、この山。


陽が沈むと一気に夜になる風景。


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低い陽射しがある、つまり遮るものが無い場所、

逆光は小さな草木の輪郭までを輝き浮かび出す。


空気が澄んでいるのだろうか?

遮るものの無さを知覚出来てしまう、気がする。

そのクリアーさが、日常のあれこれ詰まり、

何かしら積み重なる自分を綺麗に流し去ってくれる。

・・・のかな?

2017-09-15

気になる光、消える色。

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この前の朝の風景が忘れられない。


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この時の朝の別風景なのだけれど、


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少し角度を違えると、

突然、建物の窓に空の青さが映える。

反対を向けば色彩のある世界が広がる。




夜更けの雨が濡らし黒く輝く道、

遠く光る空は朝の空、

手前に薄く残るのは雨雲?

陽が昇り光線が強くなれば消し飛ぶだろう。

逆光であるからだろうけれど、しかし、

どうしてこうも見事に色が失われるのだろう?

コントラストを強調すること無しに。


でも、自分の居る所には色有る日常が在る。

・・・見えた空は”有頂天”かな?と思える。

2017-09-11

見事な庭風景でした!

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先日、久しぶりに訪ねた【DOMA/yamanote】

見事な庭の光景が印象的だった。


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オーナーさんが当初から思い描かれていた風景、

竣工時とは違い、ようやく満たされた雰囲気。


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アプローチは草がやや邪魔なのだけれど、

足元を確かめながら歩くのがとても楽しい。


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手入れをしているのだか、していないのだか、

何が正解か?これで良い。とても素敵だと思う。


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コートハウスでもある【DOMA/yamanote】の庭、

木々も成長著しく、窓から見える風景も整う。


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塀はオーナー自らが労して塗られたもの、

夕陽が育った木々を越して影を落とす。



えー、ご馳走様でした!

何時もながら、振る舞い頂いた手料理が美味しいー



この住宅は通りからは本当に小さく見える。

故に、育つ庭の草木と本当に良く呼応する。

調和の見られる今、景色を作り出している。

2017-09-10

冷える水、月の輪。

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雨上がりの朝、潤いある大気はやや冷たく爽やか。

雨が地表を冷やしてしまう季節に移り変わるのか。


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水分を多く含む空、月の光が反射して輪を作る。

昼間は暖かいのに、夜は水の冷たさを実感する。

2017-09-09

秘密は本当に秘密・・・謎でしかない。

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訪ねたのは随分昔の事なのだけれど印象的。

ノーベル賞の晩餐会が催される場所だったはずの、

ストックホルム市庁舎。本当に印象に強く残る。

設計はラグナール・エストベリ。

ガイドツアーでは変人扱いされ笑いを誘っていた。


学生時代、当時既に古いモダニズム建築でもあり、

建築史では登場しても話題には上り難い建築だった。

なのに、何故かここは訪ねるべきと感じていた。

何を感じたのだろう?秘密がそこに隠されていた。


確か、寝過ごしたハンブルグの朝、駄目元で駅へ

向かうと、幸運にも始発の電車が遅れていた。

厳格なドイツ鉄道!?も始発で発車出来ず。

デンマークコペンハーゲンで一日を過ごして

夜に夜行列車スウェーデンへ向かった。

デンマーク含めて訪ねたかった北欧の地。

夜更け頃、列車ごと船に乗って海を越える、

なんとも不思議な旅の朝がストックホルム。

市庁舎は窓からも見え、テンションが上がる。

駅を出て地図も見ずにここへ向かった。

なるほど、これは凄い!という迫力の、

朝一番に描いたスケッチ。

まだ旅慣れずスケッチも何だけれど、

感じた感動は描かれているようで好きな一枚。


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モダニズムのシンプルさはあるものの、

優美さに溢れ、至る所にある彫像も素敵。

これは数段の小さな階段の手摺柱上のもの。


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彫像の台座にもレリーフだあり、こんな具合。

何かしら謂れのあるだろう聖人だろうか?

しかし、手にするのは魚。地域性だろうか。

見上げるとスウェーデン代表ユニフォームにも

ある?大冠や月や星もあり、面白い。


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秘密・・・非常に印象的に見える塔が、

なぜに之ほど迫力を持って迫ってくるのか?


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種はこれだ。塔の足元に立ち見上げるとわかる。

塔の中途で傾斜している。僅かだけれど、

舐めるように眺めると直ぐにわかる。


ギリシャ神殿の柱の中央が膨らみ、全体を眺めると

反り凹み貧相に見えない工夫、エンタシスと同様、

似た工夫が隠されていた。これが秘密。


日本のモダニズム建築にも、もちろん寺社仏閣にも、

様々な工夫がある。印象が作られる秘密がある。

実は案外単純な方法であることもある。


ストックホルム市庁舎ではの方法は簡単だった。

遠めからは判別できなくとも、それが唯の一直線に

見えていても、視点を得ればご覧の通りだ。


が、この秘密を解いたところで再現が出来ない。

どの辺りでどの程度の操作を施せば、こんな立派に

そびえる事ができるのだろうか?

効果を得られなければ単調な直方の塔にしかならず、

過ぎれば過剰に見えてしまうだろう。

これを成した設計者の技量を推し量る事が出来ない。


つまり、これこそが秘密。

操作の手法は簡単だけれど、どうすれば効果的か、

これは誰も教えてはくれない。教える事も出来ない。


自然でも観察しながら、自身の感受を高め、

感性に負いつつも探求し、得た成果なのだろうか。

気付いた当時は「秘密をみつけたり!」と思った。

それを自分が成そうとする今、恐怖の出来事となる。




今は観光地の一つにも数えられるらしい。北欧は

スウェーデンのストックホルムを訪ねる時は是非。