田名部伸紀建築設計事務所

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2016-12-31

田名部伸紀建築設計事務所 ブログの案内です。

f:id:N-Tanabe:20161023225510j:image:left:w85 【 MoAi in ny 】

2016年秋、帯広で27坪の二世帯住宅、竣工しました。

f:id:N-Tanabe:20160930042914j:image:left:w85 【 MoAi in ny 設計story】

計画から引渡しまで設計の仕事を紹介します。現在、書き出し中!

f:id:N-Tanabe:20150925114823j:image:left:w85 【 DOMA/NATORI 】

2015年夏竣工。仙台近郊での住宅設計です。実りある経験でした。

f:id:N-Tanabe:20140126204324j:image:left:w85 【 DOMA/K House 】

2014年冬竣工。難しい敷地での設計となる函館の住宅です。

f:id:N-Tanabe:20111023191914j:image:left:w85 【 DOMA/yamanote 】

2010年冬竣工。札幌での住宅設計、『きらりと光る建築賞』受賞。

f:id:N-Tanabe:20161103011644j:image:left:w85 【 DOMA/yamanote 設計物語】

建築中の様子を伝えています。ジロ住む家です。

f:id:N-Tanabe:20110901002632j:image:left:w85 【 DOMA/hachiken 】

2011年夏竣工。札幌の住宅設計、難しい建築条件ながら無事竣工。

f:id:N-Tanabe:20120704003500j:image:left:w85 【 DOMA/道南の家 】

2009年冬竣工。北海道らしい風景の中の、函館近郊の住宅です。

f:id:N-Tanabe:20161103010838j:image:left:w85 【 DOMA/道南の家 設計物語 】

田名部の設計とは?設計始めから竣工までを丁寧に案内します。

f:id:N-Tanabe:20100427155535j:image:left:w85 【 bookshelf 】

2006年にネットコンペで最優秀、2007年竣工。今年10周年を迎えます。

f:id:N-Tanabe:20121022073413j:image:left:w85 【 BUTSUGWANJI 】

道東にあるお寺、その建設、増築、改修を記しています。

f:id:N-Tanabe:20150330203808j:image:left:w85 【 マンション・デザイン】

札幌市内にてマンションのデザインに携わります。

【南14条 電車通り】【N3E5 永山公園前】【北1条マンション】

書き出したブログも早7年になります。書き過ぎたり、足りなかったり、気分次第の徒然ですが。

徒然過ぎて整理も間々ならず、それでも、あれこれ書きたい事はたくさんありつつ。

設計した住宅、建築についての案内を新たにしました。お読み頂けると幸いです。

帯広で竣工した【 MoAi in ny 】の設計時のお話を書き出しました。たぶん暫く続きます。

※写真をクリック頂くと写真集へ、【】のタイトルをクリック頂くと記事へ飛びます。

2016-12-09

【 Moai in ny Story vol.22 】 パースの続き。

パースはあくまで参考資料、CGでは質感までを表現出来ない。

この時は外観と合わせて内観も製作、床は着色を検討していたので、

幾つかのパターンを製作していた。

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3Dで製作したモデル、画像にするには3D内で良いアングルを探してカメラを持ち歩き、

見つけて撮るという具合が実際にとても近い。ただ、出て来る画像は未だ建築が無い時には

有り難いなのだけれど、それがどれほどリアルでもシミュレーションの域を出る事はない。

実感はやはり現物。似たアングルの竣工写真があるので、比べると良く分るかもしれません。


設計者たる私は、設計を通じてイメージを創り続け、模型やパースを使って検証し、

頭の中でイメージを確かにして行く作業に終始しているのかもしれない。

模型やパースや説明を通じて、クライアントにイメージを伝えると同時に施工者にも伝える。

私の頭の中だけで終ってしまわぬように、どう出力しようか?いつも悩ましい。


特に近似する建築のない場合は本物で確認頂く事も出来ないので、いつも不安になる。

パースは綺麗だったのに実際は!とは言われた事はないけれど、それはイヤですし、

パースは今一つだったけれど実際は良い!というのも物足りないし。


何れにしても、実際が良い場合は模型もパースも映える。これは間違いないように思う。

と言う事で、外観も内観もクライアントにイメージを作って頂くべく参考資料を提示させて頂く。

2016-12-08

【 Moai in ny Story vol.21 】 設計『監理』スタート

工事は先ず既存建築の取り壊しからはじまった。

ここは感傷もあるのだけれど、多くは述べず順を追うと・・・


 既存取壊 ⇒ 地盤調査 ⇒ 杭工事


という流れがあった。建築位置に既存建築があり調査が出来ず、近隣データより推測し杭施工費を計上していた。

調査も杭工事も時間はそう要しないものの、専用の機械故に手配のタイミングが狂えば工事が滞ってしまう。

私は気を焦らせるしか出来ないのだけれど、調査までは順調に進み、結果は直ぐに届くことになった。


地盤は良好、杭は不要との判断。地盤下の状況というのはなかなか興味深い。

と言う事で杭工事はなくなり、その分のコストも使わずに済む朗報となっただろうか。

予定をやや早めて基礎工事を始める事が出来ことになる。ようやく着工だ。



という一連の最中に私はパースを製作していた。

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外観の色決め用の参考資料となるパースを。


基礎工事 ⇒ 木造軸組工事 ⇒ 外装工事 ⇒ 内装工事 ⇒ 仕上工事、機器取付


建築工事はおおよそこのような感じで進む。必要なものは各工事が始まるまでに決めなければならない。

決めるには、必要なものはサンプルを取り寄せるか製作し、確認し、悩み、決定して発注をする。

納期があるので早め早めに決めて行くことなるのだけれど、中では外装は比較的早くに来る工事なので、

スタート直後から少なくともイメージは作っておく必要がある。


現場代理人とは密に打ち合わせ、納期から逆算していつまでに何を決めなければならないか?を確認する。

序盤の監理打合せでは、クライアントとの打合せの前か後に打合せの時間を設け、様々を話し合い過ごす。

せっかく帯広に行くのだから名物を・・・などと言っている余裕はなかったかな。

2016-12-07

とある機会にて。

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「話せる?」と聞かれ「はい。」と応えたのは3日前の忘年会の、酔った席でのことだった。

今仕事をご一緒させて頂いている同窓の、設備設計の大先輩に誘われ十数名の会合に参加する。

どのような会かも知らずに、ちょうど竣工写真の整理の出来た【 MoAi in ny 】を発表した。


人の前で話をするのは大変に勉強になる。


これまで未だ整理出来ていなかった核心を15分程の時間で話せるだけ整理する機会は、

即興ではあったけれどとても有意義だった。この様な場を作って下さった大先輩に感謝しつつ。

2016-12-05

【 Moai in ny Story vol.20 】 確認申請 【編集中】

『確認申請』とは建築基準法・条例等に適合しているかの確認を受けるもの、

申請先は建築主事の置いている役所、または今は民間審査機関となる。


住宅建築はその用途、規模からも確認すべき項目は多くは無く、通常は1週間の業務。

ただ、【 MoAi in ny 】はやや複雑な断面構成でもあり、この点で協議をする事になった。

きっと窓口の担当者はわかっていたはず、けれど確認機関にとって安全側の判断をしたく、

怪しきは疑うという姿勢であった。実況をみれば懸念の無い事は明らかだろうと思うのだが。


建築基準法は年々追記も増え、益々細かいのだけれど、明快に○×と判断出来ない事も多い。

建築の種類によっては様々を組合せ、掛かる法とその緩和規定をともなれば難解にもなる。

申請先の建築主事のより、判断の異なる事は起こり得る。

・・・言いたい事はあるのだけれど、控えます。


確認申請は、工事契約の整った直ぐの4月早々に申請、中旬に差し掛かる頃に無事下りる。

確認済証を受け取り、ここで初めて建築工事の開始条件が揃うこととなった。


設計業務としては『計画』『実施設計』を終えた段階。次いでようやく『監理』がはじまる。

初めて、クライアント+設計者+施工者の建築チームが発足する。

実は、建築家がスタンドプレーをしても始まらない。3者の協調、コラボレーションと言うのが適当と思う。

決める人、考える人、造る人という分担作業が建築の本質かもしれません。





ある住宅の設計・建築を通じ、私の仕事を案内しようかと思い書き始めた設計ストーリーは早20記事目。

こんな長編にするつもりはなかったのだけれど、記憶の正しく残る、まだ熱いうちにと思い記している。

私としては珍しく、ほぼ毎日記している。


設計の仕事とは、実は説明が非常に難しい。「建築をデザインしています。」だけではない。

要望をカタチにし、現場に意図を伝え具現にするまでには様々な仕事があり、各々に様々な方法がある。

どの一つの建築も同じである事は無く、常に臨機に応じて適切を選び、実現へ向けて進むもの。

おそらく、まだ10記事くらいは書くかもしれません。


あくまで私の仕事ですが、設計の仕事とは何だろうか?知る機会として頂ければ幸いです。

2016-12-04

【 Moai in ny Story vol.19 】 見積依頼、見積調整、業者選定。【編集中】

実施図面が出来上がり、いよいよ見積依頼となる。

実は、概算見積が予算を上回っていた事もあり、依頼した施工会社と相談の上で了承を得、2社に見積依頼をする事とした。

決めた施工会社と続くのが望ましいのは間違いないのだけれど、コストが合わなければ実現はない。

私自身悩んだものの、そもそも覚悟を決めての設計、無理をお願いしました。見積依頼は2016年1月中の事。


実施設計案は、計画案からは大きく変遷している。規模は変えられないもののコストを抑える工夫を凝らしていた。

まずスキップフロアーは取り止めている。先に案内した模型の通り、当初意図した変化のある空間は得られており、

加えて合板類を仕上げに用いる仕様など、この時点で既に減額代を大きく使い果たすローコスト仕様に達していた。


ここまでの9ヶ月間に築き上げた想いを実現できるのか、無に帰すのか、勝負の時を迎える!

約2週間の積算期間、2社からは質疑を受け応答し、待つ。見積書が届いたのは2月初めの事。

今改めて、その時の見積書を眺めると・・・背筋の凍る記憶が蘇る。


見積書はクライアントにも届いている。さぞ驚いかれただろうに減額できないかに思案をされていた。心強い。

ここで私が根を上げれば建築は止まってしまう。そもそも、これまで一度足りと楽だった事はない。さて・・・

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届いた見積書は付箋を貼りながらじっくり観察することから始める。

拾い落としや重複がないかを調べ、高価過ぎるもの、安価過ぎるものの他不明点も調べてゆく。

この時点では2社共に高価であり、つまり、『見積調整』がスタートする。


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二つの見積を表欄に整理し、比較検討を行いつつ、減額可能な項目の洗い出しをはじめる。

項目毎に記載額の大小の過ぎるものを確認すると同時に他の減額可能な項目を拾い集め、

先ずはこれを整理し、再見積もりを依頼することにした。


見積調整は基本的にこの繰り返しとなる。見積額と予算が合致しない場合はプランの変更も後に検討を

する事になるのだけれど、【 MoAi in ny 】はこれ以上規模縮小はできぬ背水の状況、果たして・・・


見積を依頼した2社は初めてお付き合いをする業者ではあったのですが、

頂いた見積書は誠実で信頼を寄せるに十分なものであった事に心から感謝しております。

適切な見積書であればこそ、調整も可能。選択肢は必ずある。


見積書への質疑と修正減額案の提示は2月中、修正見積が届いたのは2月後半の事。


ここで2社に大きな差が生じていた。当然双方には同じ条件で再見積を依頼している。

現状では更に調整が必要なのだけれど、その差を考慮し、これ以上のお手間をお願いするか悩み、

クライアントと相談の上で1社に絞り調整を続けることとした。


選定外とした建設会社には丁重にお断りの電話をさせて頂く。これは実際、本当に心苦しい事です。

建築は施工者がいなければ始まらない。建築の常ではあるものの御協力頂けた事にお礼を伝えました。


選定した一社とは概算を依頼した施工者。ここではS工務店とする。

見積を頂き、その後に現場代理人としてその長くお付き合いする事となる自分をO氏とします。

名を隠す必要はないのですが、個人的な印象や感想も述べるかもしれませんので。


S社O氏の見積書、実はとても私好みのものでもありました。

単価はやや高め、しかし項目は少なく整理されており、何を造るのか設計意図を理解するもの。

そのスキの無さには痺れますが、信頼を置ける内容でした。この様な見積出会え、嬉しい。


見積書には感想や考え等は一切記載されない。あるのは項目毎に数量と単価、その総額が記されるのみ。

そのような寡黙な分厚い書類なのだけれど、その数字の羅列には意図が隠され意思が感じられる。

語らずとも語りかけてくる事もある・・・追い込まれた私の心境のせいかもしれませんが。


2016年3月は調整期間となり、数度の打合せ、再見積を製作頂き末頃に成果を得ることが出来た。

例えば、家具工事を大工工事にすればコストは落ちる。そして質も落ちる。

落とさぬにはどこまでを大工工事とし、どういう仕様、方法するかなど綿密に打合せる。


クライアントへは施工者製作の工程表を沿えて提示、晴れて『見積調整』を終える事ができた。

つまり、業者決定。そして「工事契約」と相成る・・・建築出来ると言う事だ!

2016-12-03

【 Moai in ny Story vol.18 】 実施設計とは?その他思う事を記します。

『図面』とは「クライアントの要望を建築の言葉にしたもの」であると思う。

この図面を元に施工者は積算し施工をする。この図面製作を『実施設計』と言う。

クライアントの要望を直接、施工者がカタチにする事は不可能。

しばしば「標準化された」と書いているものは、既製品のコーディネートによる建築の事。

今は床もドア等の建具も水廻り一式も、壁材もすべてに既製品があり、

大手建材メーカーのショールームに行けば、一式を一日で選ぶ事が出来、

選ぶとディテールも全て着いて来るので悩むことなく建築する事が出来る。

ハウスメーカーや建売住宅等はこの標準化があればこそ実現可能になっているのだろう。

この場合の設計者はプラン製作と確認業務が仕事、図面は『計画』図があれば足る。

・・・ハウスメーカーの実施設計で1ヶ月を要した!とは聞いた事がない。


設計契約とは委託契約。工事契約は請負契約

クライアントは設計者に設計を「委託」し、施工者に「請負」させ建築を目指す。

委託と請負の違いは検索頂くと様々、理解頂けるものと思う。


「クライアント」という言葉も実は難しい言葉。

おそらくハウスメーカーの施主は「お客様」なのだと思う。

私の設計では施主は「クライアント」で頂かなければならない。

何事も選べば済むのでなく、決めて頂かなければならない。

決めるには様々な事を考える必要があり、そのための情報を私は提供し、

この情報を図面にし、施工者へと伝え、要望を具現することを生業としている。


契約書の約款には様々が記されているのだけれど、契約が維持できない場合の事の他には、

問題のある場合は双方の話し合いにより解決を計る事を基本とする旨が記されている。

「建築」は創られるもの。造る事を含め創るためには、クライアント、設計者、施工者の協調が欠かせない。

関係に優劣があるのでなく、三者はジャンケンのような関係と考える事も出来る。

責任を負う以上果たすのみ。時に施主の意に沿わぬ提案すらしなければならない事もある。

正しく話し合える関係が何より望ましい。


「お客様」だから!と言われてしまうと実際、何もできなくなってしまう。

一つ一つ創り、造り、決め進む作業は、実際にはとても困難であり、何より分らない事が多いものと思う。

けれど、それを克服して行かなければ、例えば【 MoAi in ny 】のような27坪の二世帯住宅は不可能と思う。

これはこのブログで紹介している全ての建築に当てはまる。どの建築も様々な決断の上に始めて得た成果。

何が出来たのかを数年かけて理解頂くものもある。設計とは、その決断を助ける事が仕事だろうか。


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と言う事で、やや堅い話を書いたけれど、【 MoAi in ny 】は2016年1月初めに実施設計を終える。

図面を確認頂き、いよいよ、非常に現実的なコスト、建設費算出のために施工者へ見積依頼となる。

写真は当時の図面原稿全37項。確認頂いた時の書き込みの他、見積調整時の調整内容も記していて、

今はもう必要はないのだけれど、手放しがたい図面。改めて眺めると年季が入っているなー

2016-12-02

【 Moai in ny Story vol.17 】 実施設計打合せ。

実施設計最後の打合せは年の瀬迫る2015年12月27日!は、図面ではなく模型での打合せとなった。

でも、喜んで頂けたのではないかとも思う。自分自身も正しく伝える事が出来たと思える打合せであった。 

クリスマスプレゼント的な・・・


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外壁は検討用に数パターンを用意していたので、その中から最も良いものを選ぶ事が出来た。

やや変化はあるものの質素な佇まいの外観。

取り外し断面も観察が出来るので、見た目ではなく室内空間を確かめ頂き決定に至る。


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このアングルは現実には見る事が出来ないのだけれど、理解する上では非常に重要な『空間』が見える。

実際の室内がどうあるのか? より実感を持って検討頂けたのではと思う。


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人を置くとより現実味が増す。自分自身も、この模型、この光景を観察し、様々確認をする。


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半地下室、階段、階段下UTスペースなど難しい部分も模型だと問題点までも明快だろうか。

2016-12-01

【 Moai in ny Story vol.16 】 ・・・模型を作り始める。 

【 MoAi in ny 】は幅狭く長い、階高も様々、LOFTと半地下室の構成のある空間。

常考えられる建築ではなく、体験できる建築もなく、実体験は難しい。

故に本当にクライアントに御理解を頂けているのか?やや不安を感じていた。

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と言う事で、模型を作り出した。写真の日付は2015年12月26日、朝5時の風景のようだ。

断面を確認をしたく外壁3面が取り外せる仕組み、かなりの手間になってしまった。

写真は半地下室を敷地に取り付け終わったとことかな。

※左手奥、小さなパーツを置く台にしているのは、床材のサンプルです。


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細かな部品も様々を作る。洗濯機は作ろうと思ったけれど作らなかった。

洗面台やキッチンはもちろん作る。ポイントは逃さぬよう模型にして行く。

※ちなみにパーツの置台にしているのは、三層唐松合板のサンプルです。



実施図面のデータを元に製作する模型は忠実なもの、現実に最も近いシミュレーション

模型はスケールが小さいだけで空間も光も確認が出来る。

クライアントに確認頂く最後の機会は、図面ではなく模型で考えた。


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ちなみに外壁は数多くのパターンを用意し検討も兼ねていた。

コストを考慮し整理した窓で効果的な採光、室内の明るさを得るべく。


年内最後の打合せは2015年12月27日であった。

2016-11-30

【 Moai in ny Story vol.15 】 実施設計打合の時のスケッチを少々。

『計画』の設計は規模策定が主でもあり、平面の確認を頂く事が多いだろうか。

対して『実施設計』ではより綿密に、造るもの全てを図面に記す事になるので、

検討・確認頂く事が一気に増えて行く。様々がリアルに想像される瞬間ではと思う。


打合せの図面は『計画』の際は1/100スケールで全体を、『実施設計』では1/50スケール。

細かなところまでを確認して行く事になる。


しかしながら、図面という平面のみではなかなか御理解を頂くまでは難しい印象がある。

ということで、必要なものは予め、多くは打合せの際にその場でちゃっちゃと絵を描く。

綺麗ではないかもしれないけれど、とにかく描きます。


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【 MoAi in ny 】では理解の難しい一つが2階の水廻りを納めた塔。

上部はLOFTになっている。その手摺の形状をどうしようか?と相談するも、

スケッチを描いて初めて、これですか!とご理解頂けたと記憶する。


デスク状のものを回し、脚を投げ出して使えるようなスペースにしようか?

低い壁を巡らせ落ち着くようなスペースにしようか?の提案はどう使うかの相談。

子供が使うなら足投げ出しタイプ、大人が使うなら落ち着きあるタイプかな?


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その塔の内部に納まる水廻りスペース、最初はこのスケッチのように考えていた。

平面図にて説明をさせて頂くものの、スケッチがあれば、より想像が容易になるのではと思う。

この後に各部の寸法を実際に確かめてみたり、様々に確認、検討をする事になる。

ここは収納も多く確保できるので、何を収納するのか?も含め、勝手も重要となっていた。


洗面器はどのメーカーのどの製品を使うのか?洗濯機はどのようなものを選ばれるのか?

ドラム式なら大きく考慮も必要、合わせて寸法を確かめて行く。

収納は何を納めるのか?内容に合わせて考える。掃除機はどこに置こうか、棚は可動式にしようか?

様々が検討事項になるのだけれど、ここを見事に仕留める事が出来れば、後の生活の大きな支えになる。


このスペースは実施中、そして施工期間中も大いに悩んで頂き、果たして今はどうなっているだろう?

検討が十分であれば見事になっているはず、不十分なら・・・次に行く時を楽しみにしたい。


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これは玄関のスケッチ。デザインも様々考えていたけれど、最終的には予算に合わせて整理する。

この時はどのようなスペースとなるのかを御理解頂くのがまず肝心な事、ついでそのスペースの大きさ、

必要な収納の量など、確認して行く。


実際は広くはないスペースなのでこのように見通せる場所はないのだけれど、

便利で都合よく描く事で、実際には見る事の出来ない姿から、全体を案内したり。


クライアントはここに到達するまでに時間を要していた事もあり、その間に様々を想像し、

要望を多く携えていて下さった。

何も言わずに了承される方もあるのだけれど、この時は様々をお聞きして置きたい事もあり、

活発な打合せが出来たように思う。


実施設計はクラアントとの意思疎通を確かにする事も重要、欠かせない事と思う。

調査の際に見せて頂いた自宅の様子も踏まえ、私も実際に住む事をイメージしつつお話し、

実施図面の完成とは、私自身も住まえると思えるだけ十分になった時だと思う。

2016-11-29

【 Moai in ny Story vol.14 】 実施設計の要

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実施設計の際に最も集中するのが矩計図だ。矩計図とは詳細な断面図と言えるだろうか。

空間はこの図面で決まる。矩計図のかっこ良い建築は実際、空間はかっこ良い。

嘘や希望では描けない素直な図面は、微細にな調整で印象がガラリと変わる事もある。

基礎から軸組、梁等の構造までも網羅し、実現可能な建築の骨格、立体が見えてくる。

この図面は気に入るまで何度でも描き直す。貼った図目は製作序盤での一枚。


契約時には結局、4枚を仕上た。描き過ぎかもしれないけれど、あるととても安心。

取り掛かると時間無制限の勝負に成りがちな、設計の要となる矩計図。


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もちろん平面詳細図も懸命に。「伏図」と言う構造図を並べて検討をしている。

構造はコストにも直結するだけに、簡明な基礎、簡単な軸組架構による、

よりシンプルな構造を考え、平面と合致するバランスを探す、若しくは創る。


貼った図面は何れも決定案ではなく、まだ荒々しさの残る収斂過程でのもの。

小さな建築は本当に余裕がなく、どこか少し大きくすれば他が大きく減ってしまう敏感さ、

設計する者には逃げ場がなく正に背水、これしかない!という図面を求め悪戦苦闘し過ごす。




再計画からスタートし、ここまで到達するのに結構な時間を費やしてしまった。

クライアントには申し訳なかったのだけれど、私のペースで仕事をさせて頂いた。

貼った図面はどちらも打ち合せ図面、2015年の12月初めの打ち合せの時のもの。

図面を案内しつつ、説明や要望のあれこれを描き込みをし、これを持ち帰り検討し、

修正し、実施図面の完成を目指す。

2016-11-28

【 Moai in ny Story vol.13 】 実施設計スタート。

【 MoAi in ny 】・・・27坪の二世帯住宅を極めてローコストで設計をする。

ローコストとは「安価」という意味ではなく、低コストで「質」を求める建築と考えいる。

二世帯住宅となれば水廻りを共有しても様々な設えが必要となり、

思い切ったオープン構成として設えを少なく設計する事は出来ない。

概算の数字を考えると、より無駄なく相当の仕様を求めなければと覚悟する。


先ずはスケジュール。工務店にとって予定の組み易い春一の着工を想定して逆算する。

見積調整は難航必至、1月中に見積依頼が出来るよう実施設計期間を設定した。


実施設計は計画の見直しからスタートとなる。最も懸念したのはスキップフロアー構成。

手間を要すると施工者が考えればコストに反映されるもの、躯体の工事を出来るだけ

軽減させつつも当初描いた「楽しさ」を失わない空間を再検討、計画しなければ。


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敷地と建築規模、これは計画の時に様々を試していたのでスケール感覚は既に出来ていた。

目標としたのは空間ヴォリュームのバランスの良い配置、その鍵を握る階段の納まり、

シンプルな構造軸組との整合、これを考えつつ建築パターンを集める。

写真は比較検討図とでも言えるかな。



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良いと思えるプランは精度を上げ、断面も合わせて検討をすすめる。

半地下とLOFTを組合せ建物長さをいかせば、映える空間が見えてきそう。

スキップさせずに適度な変化を与え、二世帯を区分し、水廻りの中立に共有出来、

無駄のないシンプルな構造に納まる建築を探す。


作業は『計画』の内容に近いものの、コストもスケジュールも想定して進める事もあり、

提案ではなく、より実践的。予算に納まる設計が出来なければ実現できないのだから必死。

楽観はしないものの、この時の緊張感は心地よく、最良を求め集中を切らさずに取り組む。

2016-11-26

【 Moai in ny Story vol.12 】 実施前準備

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実は、実施設計に入る前に準備をしていた。その一つが外壁ディテールの確認。

ある板金メーカーを呼んで確認し、1分の1・・・つまり原寸で検討をしていた。

後に現場に乗り込む際に参考とした原案でもある。

実施設計スタート時にここからスタートすると時間を要してしまうので、

先んじて理解をしておき、描きだす時に迷わず線が引けるようにと考えて。


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そして彼だ。


実施設計GOサインを頂く前の事、クライアント御夫妻に相談し、想いのあるものをお借りした。

直にお借りしたのは初めての事、少しやり過ぎだったかもしれないのだけれど、甲斐はあったかも。

少なくともこのモアイは印象的で、お借りして失敗したか?と思うほどの存在感があり、でも、

気付けばアトリエにいつもモアイ。振り向けばモアイ。何故そこにモアイが居るのか?不思議。


やってきた彼は平然と朝陽差し込むアトリエに違和感もなく佇み、何時しかそれが日常となり、

居ない今が不自然に感じられる程であり、引渡しの際に連れ去ろうと思ったのはかなり本気です。


当時のメールを読み返すと悲壮感は強く、怖い。クライアントはもちろん私も良く耐えたとも思う。

27坪の二世帯住宅は、質を備えつつコストパフォーマンスを求めるローコスト仕様、

スタートすれば減額代の無いギリギリを模索しなければならない。

技術的な事と気持ちの事、着工を見据え、前向きに集中を切らさずにこの準備期間を経る。


次回から『実施設計編』がスタートとする!・・・今だから書けるのだと思う。

2016-11-25

【 Moai in ny Story vol.11 】 ポスター購入

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「セールだったので、ポスター購入しました!」とお聞きした気がする。

着工どころか、実施設計に進むがどうかも危ぶまれていた時だと記憶している。

何か、とっても嬉しそうな感じだったので、私も嬉しい気持ちになった気がする。

でも、それは無駄になってしてしまうかもしれないよ?とも思った気がする。


何れにせよ、前向きに元気良く取り組む姿勢は周囲を動かすものだ。

どこに貼るのかを悩み、作ってあった計画時の3Dモデルでシーンを決め、

こんなパースを仕上げてお送りした。


自分は、自分で製作をしているので気が乗ればちゃっちゃと作る。

実感を少しでも感じられれば、更に先へと進みたくなる。

パースには2015年10月末の履歴、まだ概算見積の驚愕が冷めやらぬ頃の事。

2016-11-24

【 Moai in ny Story vol.10 】 設計契約 【編集中】

諸事情があり、概算を依頼した施工者との縁が切れることとなったのは秋の事。

ちょうど一年前、仙台で取り組んだ住宅も同じように、その時は予算が合わずと

理由は異なるものの、縁の切れることがあった。

予算内で間違いのない施工の出来る施工者を探せるだろうか?と、

実施図面を携えて路頭に迷った事があった。不安と刹那さと一縷の希望と・・・


石橋を叩いて渡る事になるのだけれど、【 MoAi in ny 】は極小規模の住宅建築、

規模も仕様もギリギリの選択、後のない、言わば「背水」で計画をしていた。

実現の可能性を探る上では施工業者の概算が必要と考えていた。

実施設計に進む前に、この計画案を進めるのか、もう一歩踏み込んだ計画を考えるべきかの

設計においては重要な分岐点にあったと思う。


業者選定は通常、数社に見積もりを依頼し、その見積もり金額、内容等を判断し決定する。

または、概算時から協力を頂き、仕様決定の際にもお手伝い頂くケースがある。

選択肢の少ない建築計画の内容を考えると、後者が間違いの無い方法と考えていた。


予期せぬ状況に見舞われ先へ進めず、その後懸命に施工者を探す事になるのだけれど、

とても良い出会いがありお世話になり、伝い、幸運にも実際に施工頂いた工務店と出会う。

世の中が上手く出来ていることに感謝したい。


・・・計画提案から経過3ヶ月、不遇を乗り越え工務店に概算を依頼する。

余談ですが、竣工の時にお聞きしたのだけれど、工務店の現場代理人のO氏が当時の私を語る。

「概算依頼の際に模型まで持ち込まれ、熱かった!」と。・・・必死だったんです。


約二週間の後、時は2015年の10月末の事、概算見積もりが届く。

受け取りはクライアント同席の上、初顔合わせとなりました。

そして頂いた概算見積もりの数字を見て、たぶん、我々の笑顔は引きつっていたはずだ。


概算は予算2割オーバー。

実施図面なしの積算であるので当然、安全側にやや高価に積算をされているとしても、

頂いた見積もりは約70ページに及ぶ正確なもあり、進退に悩むことになる。


実施図面での本見積もり、予算に対して2割オーバーはギリギリ調整可能圏内にある。

と、自分は考えているけれど実際、2割の調整は相当に厳しい。

これは建築の規模、総予算、仕様内容により異なるのだけれど、抱えた計画はとても小さく、

そもそも調整代が極めて少ない。非常に厳しい現実を突きつけられる事となった。


それから2週間の間、クライアントとは悩ましい相談が続く。

選択肢は二つ。設計を中止するか、進めるか。


私自身はこれまで多難を幾度も経験している。むしろ、楽だった事がない。

いつもギリギリを模索し、滑り込む。思えば随分、鍛えられたのだと思う。

この数字は迷うには十分としても諦めるには及ばない。そう感じていた。


大いに迷われるクライアントに、安易に「大丈夫」とは言えない。

実施設計へ進み、本見積もりの調整が予算に届かず中止となった場合の

設計料の清算までを相談し・・・「進む」という判断を頂く。


設計契約は11月の中に差し掛かる頃。いよいよ実施設計がスタートする。