田名部伸紀建築設計事務所

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2017-12-31

田名部伸紀建築設計事務所 ブログの案内です。

f:id:N-Tanabe:20161023225510j:image:left:w85 【 MoAi in ny 】

2016年秋、帯広で27坪の二世帯住宅、竣工しました。

f:id:N-Tanabe:20160930042914j:image:left:w85 【 MoAi in ny 設計story】

計画から引渡しまで設計の仕事を紹介します。現在、書き出し中!

f:id:N-Tanabe:20150925114823j:image:left:w85 【 DOMA/NATORI 】

2015年夏竣工。仙台近郊での住宅設計です。実りある経験でした。

f:id:N-Tanabe:20140126204324j:image:left:w85 【 DOMA/K House 】

2014年冬竣工。難しい敷地での設計となる函館の住宅です。

f:id:N-Tanabe:20111023191914j:image:left:w85 【 DOMA/yamanote 】

2010年冬竣工。札幌での住宅設計、『きらりと光る建築賞』受賞。

f:id:N-Tanabe:20161103011644j:image:left:w85 【 DOMA/yamanote 設計物語】

建築中の様子を伝えています。ジロ住む家です。

f:id:N-Tanabe:20110901002632j:image:left:w85 【 DOMA/hachiken 】

2011年夏竣工。札幌の住宅設計、難しい建築条件ながら無事竣工。

f:id:N-Tanabe:20120704003500j:image:left:w85 【 DOMA/道南の家 】

2009年冬竣工。北海道らしい風景の中の、函館近郊の住宅です。

f:id:N-Tanabe:20161103010838j:image:left:w85 【 DOMA/道南の家 設計物語 】

田名部の設計とは?設計始めから竣工までを丁寧に案内します。

f:id:N-Tanabe:20100427155535j:image:left:w85 【 bookshelf 】

2006年にネットコンペで最優秀、2007年竣工。10周年を迎えました。

f:id:N-Tanabe:20121022073413j:image:left:w85 【 BUTSUGWANJI 】

道東にあるお寺、その建設、増築、改修を記しています。

f:id:N-Tanabe:20150330203808j:image:left:w85 【 マンション・デザイン】

分譲マンションのデザインもしております。

【南14条 電車通り】 【N3E5 永山公園前】 【北1条マンション】

書き出したブログも早7年になります。書き過ぎたり、足りなかったり、気分次第の徒然ですが。

徒然過ぎて整理も間々ならず、それでも、あれこれ書きたい事はたくさんありつつ。

設計した住宅、建築についての案内を新たにしました。お読み頂けると幸いです。

帯広で竣工した【 MoAi in ny 】の設計時のお話を書き出しました。たぶん暫く続きます。

※写真をクリック頂くと写真集へ、【】のタイトルをクリック頂くと記事へ飛びます。

2017-02-18

寒かった。

昨夜の悪天候が札幌市内の路面を見事に磨き上げた本日、

十勝方面へ出張だった。

高速道路は快適だったものの、夕張より先はアイスバーン

しかも事故があったらしく占冠からトマムまでは下道だった。

所要4時間、函館にでも行ったのかと思う程遠く感じられた。

帰りの高速もトマムからむかわまでは風吹けば車が横に流れる

見事なアイスバーンで、あの区間さえなければと何時も思う。


そしてその十勝、道東の寒さを久しぶりに実感し、驚いてしまう。

セーターを着ようがジャンバーを羽織ろうが、問答無用に

体の芯を凍えさせてしまう寒さ・・・かつて道東人だった自分、

けれど今は、再び住まえる自信はないかもしれない。

体が鈍ってしまったか!? 道東、侮りがたし。



と思ったら、札幌も寒い。

雪祭りも終ったし、そろそろ・・・と、油断してたのか?

2017-02-16

最近、描いたもの。

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プランはしても図面では伝わらないだろうなと思い、

勢いでちゃちゃとスケッチを描く。

お見せして「おお!」と声を上げて下さる方もある。

そんな時は、そんなに驚いて下さるのなら、

もう少し丁寧に描けば良かったと反省したりする。

2017-01-31

滞ってしまったブログ、

現在は鉄で悩まされている。

幾多の計画で鉄に悩まされる。


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写真はかつてカメラに白黒フィルムを入れて訪ねた、

ドイツハノーファー近郊の町にあるファッグス靴工場。

前世紀初頭の、記念碑的な建築。

バウハウス初代校長でもある天才グロピウスが示した、

今日的なプロトタイプとなる建築は、実は今現在も尚、

標準的な建築でもある。

そして、それが北海道では結露という問題を孕み、

今現在、遠く離れた北海道のある建築家、設計者を悩ませる。


特にこう、冷える夜には悩みは増し、眠れなくなるのであった。

2017-01-11

【 MoAi in ny Story vol.29 】 外装工事

外装工事は2016年7月初めの上棟以降、約一ヶ月の間に行われ、8月お盆前に足場は解体された。

その過程を写真で眺め得見と・・・

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上棟時の風景はS工務店I氏から頂いた写真。

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私が訪ねた時は既に外壁構造用合板が張られていた。

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付加断熱の上、外壁板金下地となる耐水石膏ボード施工中。

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板金施行がほぼ完了した頃。

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足場が外され、外観が現れる!


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外壁を固定するのに使用したビスはI氏が探してくれたもの。

塗装されたものはあまり一般的ではなく普及してはいない。

試しに別の現場で板金屋さんに尋ねると「知らないなー」と。

探せば有るもの、誰かが一手間の労を負って頂けると見つかる。


ある日現場でI氏が嬉しそうに「ありましたよ」と見せてくれる。

【 MoAi in ny 】の現場はそういう一手間を惜しまずに取り組んで頂けた。

2017-01-10

【 MoAi in ny Story vol.28 】 外壁板金選定

現場には定期的に足を運ぶ。出来具合や図面との整合を確認する。

工事は進捗毎に特異な納まり部分などが明らかとなるので、検討して行く。

仕上工事が随時迫ってくるので、材料の選定作業も同時に進行する。

納期の掛かるものは事前に、基本的には外装工事→内装工事へ進むので、

その順に仕上材を決める事になる。


【 MoAi in ny 】では、例えば床のフロアー材は納期の事もあり、早めに決める必要があった。

故に上棟時には始め得て塗装サンプルを関連する木部も含めて提示している。

工事序盤の大きな選択は外装の板金の選定、クライアントが大いに悩まれるものであった。


先ず、板金の色見本帳より気になる色を選ぶ。事前にパースを提示しているので思う色を選んで頂き、

また私の思う材も候補に添え、大判サンプルの用意を施工者にお願いする。


メタリックな塗装品からグレーのトーンで選んだ候補は4つ。最終的には5つ。

これが何時もながら、なかなか悩ましい。光線の具合で印象が異なって見える。

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見える角度、陽射しや陽の高さ、木陰で等条件により、ご覧のような違いとなる。

30cm角ほどのカットサンプルの他、成型した大判も用意を頂けたので、選定は実践的。

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雨雲の下で眺めると・・・


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現場で西日の入る頃に眺めると・・・


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最後はサンプルを実際に建築に宛がい確認をして行く。

この時はS工務店のO氏、I氏も一緒にクライアント御夫妻の5人であれこれと悩み過ごす。

パースを提示してからは1ヶ月以上、サンプルを手にしてから10日余りをお悩み頂き、

上棟時の打合せの場にてクライアントに決定頂いた。時は2016年7月初旬の事。

2017-01-08

【 MoAi in ny Story vol.27 】 上棟時検査

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と言う事で私が上棟時検査に立ち会った際は既に外壁合板施行も大詰めであった。

その前が基礎工事であったので、立ち上がっている喜びを実感させられる。


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大工の棟梁は、私の来る日は当然知っている様子なのだけれど、何というか素直ではなく、

決まって背を向けて実施図面やスケッチを眺めていたなー

特段の挨拶もなく、ここはどうする?これは難題、等々用意されていた質疑をぶつけて下さった。

訪ねた際に見せられる背中がとても印象に残る。


基本的には現場代理人がその全てを事前に現場に伝え検討をされている。

現場では決められない部位は当然、発生するので、それは監理時に多くは現場で打ち合わせをする。

内容によってはクライアントに判断を頂く事柄もあり、意図せぬ工事とならぬよう注意し、

工事関係者のコミュニケーションを大切に、良く話すように努める。その方が良い成果を得られる。


大工さんは職人であり、腕があり、応えるべく取り組まれる。私は適切に現場に要望出来るかが問われる。

誰でも出来る平易な納まりなら、勝手に現場は進む。既製品で作られる世の中の殆ど全ての建築現場は、

設計者の意図など関係はなく、こういう仕様ですから!として進んでいる。


コストは掛けられないものの、質を求めて取り組むローコスト住宅では、決まった仕様はなく、

【 MoAi in ny 】でも様々な取り組みをしている。かなり挑戦的なものもあり、打合せは真剣だ。

大工に「それは出来ない。」と言わせぬ対話が必要。

逆に、これは甘いと指摘されれば最良を求めて、その場で実寸スケッチを描き出し相談をする。

なんなら事例写真をタブレットで提示しつつ、あの手この手で現場には示し、要望レベルを伝える。


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初めて、実寸大のスケールで空間を体感する瞬間が上棟時。特に外壁の構造用合板も施行されており、

実態が良く分る。自分の創造した空間が、果たして何なのかが徐々に出来上がるのだけれど、その初見。

長さは十分に長い事が理解できた。実際、歩けば遠く、遠くで作業を眺めると距離感を実感出来る。


写真は3人の大工が写る。この後夕方にはクライアントを交え、現場代理人のO氏、I氏の5人で、

正にこのリビングスペースにて打合せをする。


広くはないリビング・ダイニングのスペースは、実は、実面積では10帖程の空間しかない。

極めて変則的な幅の建築でもあり、けれど背は高く長い建築空間が機能するものか?確かめたかった。

この時の打合せでは、この事の実際の空間の確認こそが実は、私にとっては最重要事項であった。


3人の大工が近いところで作業をしても支障のない様子を確かめてみたり、

クライアントとの打合時には、失礼ながら時々スー離れては眺めるを繰り返しつつ過ごした。

大人5人が一所で話し合っていても狭さは感じられず、離れれば明らかに遠くなる事を確認する。


間違いがないと、初めて確認出来た瞬間でもあった。


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建築は上棟すれば、次いで外装下地までの工事が順次進行する。

外装の仕上げ工事に際しては仕上材決定の必要があり、大工工事は内装に移るのは目前、

内装工事に用いる仕上材の決定も目前。決定前にはコスト内での選択肢を確認し、

現物サンプルにて、クライアントには確認を頂く。


床材、仕上げ木材について、塗装見本を提示する。木目が目立ち過ぎるという指摘を頂き、

更に塗装の調整を代理人に依頼し、この日の打ち合わせを終える。


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そんな現場で過ごした一日、夕暮れ時にキッチン上の、この住宅唯一の西窓からの陽射しを見た。

西日は夏も冬も暑さを伴い、低い太陽は眩しさもあり、私は肯定的には使わないのだけれど、

その低く長い陽射しは実に印象的な空間を作り上げる事もあり、大切にしてもいるのだけれど、

この窓はきっと、印象的な日常を担ってくれると確信できる瞬間だった。




一点追記すると、現場の様を確認すると言う事も監理では大切になる。

設計監理当日故に配慮される事もあるかもしれないけれど、この現場にそれはなく、

いつも、綺麗な状態が保たれていた。上棟から外装下地と一気に突き進む現場にあって、

けれど混乱し雑然となることなく、整然とする現場の光景は実に気持ちよく印象に残る。

施行されたS工務店の意識の高さは抜群だった。


幸運にも私は、これまで施工者には恵まれているものと思っている。

設計に携わった現場は全て印象にあるけれど、汚い現場は一つもない。

作業空間に相応しい環境を作ることの出来る施行者、業者制定では重要な基準になるものと思う。

2017-01-07

【 MoAi in ny Story vol.26 】 上棟

約一ヶ月ぶりの、書き溜めてはいないので、気ままな再開。

昨年竣工した帯広の住宅、27坪の2世帯住宅【 MoAi in ny 】の設計過程を案内します。

設計の業務はデザインはもちろんですが、建築規模や予算を取りまとめ方針を定める『計画』、

その計画案を施主の要望、予算、法的整合性のある具体的な図面を製作する『実施設計』、

建築が始まれば、その細部までを含め要望に適う建築を目指すべく取り組む『監理』、

この三つの仕事が設計です。でも、案外内容は未知なもの、一つの住宅を設計事例を通じて、

私の設計の業務を案内したく書き出したのが昨年11月、今月を目処に書き上げたい。



【 MoAi in ny 】の建築本体工事が始まったのは2016年の5月末の事。

墨出という先ずは正確な建築位置出しから始まり、土工事と言う地面を掘る工事を経て、

配筋し、型枠を取り付け、コンクリートを打設までの基礎工事をとり行う。


監理業務では、敷地と建築位置の関係や高さを含め図面の通りかを確かめ、

構造の要となる基礎が図面仕様に相違ない事を確認し、同時に木工事に備えて

プレカット図面のチェックに取り組みつつ、仕上材の確認までを進めていた。


クライアントには現場にて建築位置等を確認頂き、仕上材決定に備えてパースを提示、

施工者と一緒に様々を案内しつつ、確認頂きつつ過ごす。


前回の記事にてプレカットの事は記している。知床の業者が用意された材が運び込まれ、

それは一気に立ち上がる木造骨組み。棟が上がり構造が組み終える時を『上棟』と呼ぶ。

木造はこの時が特に美しい。本当に美しい。私はこの時が特に好きだ。


何が建築を支えているのかが視覚的にも良くわかる。

木造は柔軟な加工が可能でもあり、複雑に対応する事も出来るのだけれど、

私はよりシンプルに組み上げられる様に設計に取り組んでいる。

実施設計ではそれを図示し、プレカットではこれをどう作るのか?が問われ、

整合性を保ちつつ改善出来る所は修正し、問題点があれば解消し、

施工者、この時はS工務店のI氏と長々打ち合わせを重ねて取り組んでいた。



という事で上棟のその時を見たく、現場打合せの予定は密にI氏と相談し予定をしていた。

大工の棟梁が隅付けをして材を加工し刻んでいた頃は随分時間を要していた在来木造は今、

プレカット全盛でもあり、運び込まれた材は、この時は応援の大工の手も借りることもあり、

一気に立ち上がる。屋根は合板を張りルーフィング材による止水、壁も合板施行までを

迅速に行い、風雨から構造を守る事が出来るので、この点はとても望ましい様に思う。


【 MoAi in ny 】は正直、とても小さい上に構造は非常にシンプルでもある。

LOFT構成ではあるものの、それらは構造上は主要ではなく、本体はとても簡明。

私の希望で上棟の姿を拝める日を定めて現場打合せを予定していたのに、工事は先に進み、

・・・現場を訪ねた時は既に合板が張られていた・・・あぁ!


現場としては喜ぶべきで順調と言う事、待つ理由はなく私への褒美もなく素早く進む。




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どの建築でもいつも、クライアントは無理をしてでも見て欲しいとお願いをします。

この状態は二度と見ることのない綺麗な姿なので、スケルトンの建築の美しさを実感して欲しい。

上棟時、かつては『餅まき』という慣習があった。私は十数年前のお寺の現場で経験したのが最後。

おそらく昨今は上棟時に建築をクライアントに見て頂く習慣はないように思われる。


打合せ名目は上棟時検査、工事記録写真は必須ではあるけれど、その時に打ち合わせを合わせずとも足る。

けれど、個人的には特に見ておきたいシーンなので懸命に調整するも、いつも苦労する瞬間だ。

無事に工事が進み、一安心できるタイミングでもある。


出来れば青空の下でその姿は見たい。木軸との対比が実に綺麗。その姿、実はクライアントが見て頂けた。

添付の写真はクライアント撮影のもの。本当に良いタイミングで絶対の時を確認頂けた様子です。

それが何より嬉しい。こんな綺麗な写真はなかなか撮る事は出来ません。本当に良かった。




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打合せ日の前日、I氏に電話で確認した所、「順調です。」との解答、つまり、工事は先へ進みますと。

私がかなり残念な様子にいたたまれなく感じて下さったらしく、翌朝の打合せ当日早朝、現場が始まる前に

現場でわざわざご自身の一眼レフを構えて何枚も写真を撮り、送って下さった。


まだ朝もやのある頃だろうか、素敵な写真を業務外だろうに、クライアントではなく設計者のために、

用意して下さるとは何と嬉しい配慮だろうか。嬉しくて何度も何度もお礼を次げた記憶が残る。


着工前の、工事序盤で送りつけた詳細スケッチを面倒がらずに、むしろありがたいと言って頂き、

この日までに互いに互いの事の多くを知らずに一つの仕事に没頭してお付き合い頂き、

仕事の中で生まれた必然の関係なのだけれど、互いの責任を果たすべく抜かりはない状況であっても、

私にも心配りをして下さる施工者と出会えた事に感謝しております。


上棟は2016年7月初めの事。




写真一枚目を眺めると、愕然とするほどのシンプルさ。本当にこれで良いのか不安になる程。

写真二枚目は間柱が納まり密実に見える上に足場も立ち上がり・・・それにしても、本当に早かった。

2017-01-05

改めて編集すると印象が異なる。

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これまでの作品を整理しポートフォリオを改めようと、このお正月の間に取り組んでみた。

紙面を変えて製作を始めて直ぐに壁に当る。正しく印象を伝え切れていない気がしてしまう。

10年来のお付き合いをさせて頂いている【 bookshelf 】からして、そう感じてしまう。


新築時から生活風景のあるものまで写真を集めてみると、既に時を経ている事を実感する。

自分の仕事のツールとして使わせて頂くのだけれど、今は既に長い時間を過ごしていて、

経過もつぶさに見せて頂いていた事もあり、オーナーは縄文探検隊の隊員でもあって、

設計は前事務所の時のものでもあり、施行いただいた工務店や担当頂いたI氏の顔も浮かび、

楽しい時間を私も共有させて頂いている。

当初に想定した家内での変化は確実に進み、次の10年に歩みを進めている事実も実感する。


自分自身もそうではあるけれど、時間の経過と共に、姿が綺麗に保たれていたとしても、

様々な変遷があり、変化があり、次なる変化を迎える。

ポートフォリオではクールに建築家の作品としてまとめることになるのだけれど、

本当は、素敵と表現できるだけ十分な思いがあるように思う。


・・・と言う事で、進まなかった。

昨年はこの【 bookshelf 】【 DOMA/道南の家 】を訪ねる機会があり、思う事は多々、

学ぶ事は大きなものだった。独立後に最初に携わった【 DOMA/yamanote 】も訪ねたい。

自分の設計した住宅がどう時間を過ごしているのかを確かめたい。

設計の期間は、その住宅建築の存命時間比べると遥かに短い。その間にどれだけの仕事を

する事が出来たのかは、実際に訪ね自分で実感するしかない。

訪ねたくはない建築はない。良い事も悪い事も見据えこの先に繋がる術も考えたいと思う。


これまでに携わった設計は計画案も含め、新たにしたポートフォリオのフォーマットに

まとめようと夜な夜なはじめている。いつ終えられるのかが不安ではあるのですが。

自分の設計、適切に整理をしておきたい。


設計過程は【 MoAi in ny 】、昨年12月前半で挫けそうになり滞っているけれど、

上棟前までを記しているので、残り僅かな気もするのだけれど、書き出せば止まらない?

質素な建築にも関わらず、それ故に労は多く、現場の協力とクライアントの理解を得て、

達成出来た成果は記したいので、まもなく物語は再開します。


新年もあけ、お正月気分もそう味合わずに過ごし惜しい気がするものの、

テレビも通常に戻ってしまっている様子だし、テレビは見ないけれども、

昨年末クリスマスの大雪の除雪で負傷した腰は、なんとか温泉治癒が効果あり、

後は髪を切りに行きたいと思いつつ、本日早々に難題が入ってしまい私も平常モード。

2017-01-01

あけましておめでとうございます。

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昨年、道南は【 DOMA/道南の家 】を久しぶりに訪ねた帰りは下道をのんびりと走り辿り着いた室蘭、大学時代を過ごし場所だ。

道東の山間の町で育った私には、海は湖のように穏やかなオホーツク海しかしらず、海のある街だ!と嬉しくて、

入学して直ぐに大学から一直線に坂道を下り辿り着いた太平洋の浜がここだった。以来、付き合いは随分長い。

当時、漁火を見ることはなかったこの海、函館でのスルメイカの不振は今月に入っても変わらずとのニュースも聞く。


同じ浜なのに、変化は風景を異なって見せていて、自分の写せるものも違っている。

日没後の、夜と昼とを分ける狭間の時間に訪ねる事の出来た稀なチャンスの写真は昨年も載せたのだけれど、

昨年撮った写真のなかでも印象深く、新年の写真に使う。年賀状には使わなかったのですが、勿体無いので掲載。


三脚が積んでおいてラッキー、長時間露光で何枚も撮ってみた。昼から夜への変化は本当に僅か、刹那の時間に起こる。

漁火が僅かに見えていたかと思えば煌々と輝きだし、雲の漂う空がいつの間にか星の輝く夜空に切り替わる瞬間。

気付けば波際もわからず足元すら見えない場所で三脚を構えていた。振り向けば車の波、けれど太平洋の波音が全てを包む浜。


新鮮だった。これを見た人は「何が新年?」という感じだとは思うのだけれど、自分にとり大切な一枚を作ったので。

2016-12-30

親分。 【編集中】

かつて建築現場には親分が居た。

私の世代では既にお目にかかる事は難しいのだけれど、

先日、とある親分のお疲れ様会が催され、声を掛けて頂いた。

出席者の顔ぶれを見れば、出席してよいものか悩ましく思うも、

この機会にたくさんの話をお聞きできればと思い、楽しませて頂いた。


親分とは当時、帳場とも呼ばれていた。帳簿を預かる人である。

親分とはつまり現場監督の事であり、今は現場代理人とも呼ばれる。

施行者の責任者として「安全」「工程」「コスト」を管理する職種。

親分と呼べば、どちらかと言えば施工屋に近い印象だろうか。

当時はコスト管理が現場に委ねられ、悪いことをしようと思えば、

いくらでも出来ただろう。私服を肥やした方も少なくないはずだ。

今は会社が利益を管理するので、現場には采配の余地は殆どなく、

よって胃が痛むような現場代理人を見る事の方が多いように思う。


親分とは現場を奮い立たせ、施工屋の意地に賭けて最良の工事をし、

そして皆を喜ばせる事の出来る人の事を言う。


大工の棟梁も同意かもしれない。職人だって近しいものがある。

現場を仕切り、工期内に安全に確実な仕事をすることが、どれほど

大変で技術を要するかは、設計者たる私は想像しか出来ない。


これまで幾つも建築現場を見てきたけれど、親分の仕切る現場の、

その安心感は絶大だ。現場の雰囲気が違う。ものを造る情熱に溢れる。


法制度も変わり、大工も含めて親方が存在し難くなっている今、

良いこととしても現場はサラリーマン的職場にもなっていて、

また、ミスは許されずに直ぐに責任問題に発展することもあり、

現場から活気が伝わるのを期待するのはとても難しい時代だ。




この親分とは5年程のお付き合いでしかないのだけれど、

武勇伝や豪遊の話にいとまはない。ある世代以上のゼネコン

サブコン含め、誰しもがしる名物親分でもある。


地下鉄はススキノ駅を初め多数を、地下街も施行された方。

今の自分が眺める札幌の風景を、実際に施行された方だ。

当時は何の仕様も定まらず、現場は正に挑戦の場であったらしい。

同席された当時の盟友との掛け合いは漫才のようで、

けれど、その現場を監理させられたら寝れないだろうと思える。


誰かが、責任を持って始末を付けなければならない。

全ての尻拭いの出来る人でなければ、親分は務まらない。

逞しいと思える程に臨機応変で、必ず仕事を纏め上げる。


どう始末を付けるのか?如何なる状況でも出来るのが親分だ。


出席された私もお世話になる会社の、私は知らぬ会長に諭された話を、

お聞きした。彼が50歳程の頃に出会い、上役を他所に必ず彼が呼ばれ、

いつしか説教になったらしい。当時の彼は、会社が儲かれば良いのだろう?

という勢いでもあったらしいのだけれど、諭されたのは、

「人のために仕事をしなさい。」という事だったと聞く。


面白おかしく武勇伝を聞く会だろうと思っていたのに、

建築に携わる者の心持を真摯にお聞きする機会となった。

親分は全ての役職を解き肩書きを捨てた今も現役だった。


どう始末をつけるのか?ここ数年、見えてきた自分への課題、

特にこの一年はかなり明快に見えて来ていると思えていたのだけれど、

改めて知らされる覚悟を学ぶ貴重な機会でした。

・・・中途からは私はもちろん、皆様、ただの酔っ払いだった気はするのですが。


親分、お疲れ様でした。

2016-12-27

花。

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花など買った事がない・・・初めての経験であった。

写真は【 bookshelf 】 10周年ホームパーティーをお招き頂いた際に用意した花束!



花が良いと思い立ち、訪ねたのは行啓通にある、とある花屋さん。

男性二人で切り盛りをされているらしい。対応下さったお兄さんは親切で親身な方であった。

私は、覚悟を決めて初めて花屋なるものに飛び込んだ!ものの、何を注文するかなど考えてもいなかった。

さぞ、彼も困った事だろう。何も注文出来ない迷子のような私が飛び込んで来たのだから。


私は何とか思うイメージを伝える。その過程で設計時の話をさせて頂くこと10分あまりだろうか。

スマホで写真を幾枚かお見せし、見て頂いて彼は、そこから彼の挑戦が始まったらしい。

訪ねたのは数日前の事、当日受け取りに訪ねた際に店先に飾られてたのが写真の花束であった。


素敵だった。これをプレゼント出来る喜びは格別、喜んで頂けるのかは不安ではあったものの、

個人的には、【 booksahelf 】には相応しいものと思えた。

自然な様で、オシャレ過ぎず、秩序のある様。的確に用意下さった花屋さんには感謝しております。





おそらく、初めて設計者に会うクライアントの心境はこの体験に近いのではないかと思われた。

思う事を素直にお話頂ければ、先ずは要望を確かにし、その要望を建築にするのが私の仕事。

2016-12-26

光。

そう言えば【 MoAi in ny 】のオーナーからも写真が届いていた。

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お子様が光を追っかけて遊んでいたのだそうだ。

とても良い写真、見て笑ってしまった。


新しい家で「光」を発見したのだろうか。

映えているのは塗壁。光得て初めて質が現れ表情となる。

塗壁に映える光は実際、とても美しく、私もハッ!とする。

彼は何かを感じてくれるのだろうか?




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おそらく午前11時30頃だろう。ダイニングテーブルの正面に陽が昇り、影を向かいの壁に落とす。


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私は振り向く余裕がなく、でも、太陽が正面に来るのを待って写真を撮った。

ちょうどその時に居合わせたS工務店のO氏に「何枚撮るんですか?」と笑われた。

でも、待った甲斐はあると思っている。


影の写真、きっとオーナーは中央に来るまで待ったはず。

何気ない日常に喜びを見出せるなら素敵だと思う。

2016-12-24

光。

【 DOMA/yamanote 】のオーナー様より届いた写真がカッコよくて見惚れていたのだけれど、掲載させて頂く。

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ジロ、決まってるな。

どの写真も、あの窓からの光線だろうと想像出来るのだけれど、綺麗に日常に映えている様子が嬉しい。

2枚目の写真の背景の壁は、御主人が塗られたところか私の塗った壁。

光は好きで、だから設計ではいつも大切に考えるのだけれど、それが実際に生活にどう反映されるのか?

これは実際に住まう人にしか分らない。

設計で意図した基本が達成できているかどうかはもちろん、想像以上の事が日々起こり得る。

何気ない日常が綺麗にみえたり、カッコよかったり、穏やかだったり、楽しげであったり・・・

そんな発見を伝えてくれるとテンションが上がってしまう。




一枚目は、三角山の望めるドマの西側高窓の西光を背にした写真だろうか。

二枚目は、リビングの北側面に置いた椅子の上、西側のテラスドアからの陽射しが床面で反射している。

正解かどうかは、次に訪ねた時に確かめよっと。


ん?とすると、実は一枚目は二枚目と同じ場所、西側テラス窓からの西日を背にしたのだろうか?

あの窓から、道路向かいの家々の間の隙間の庭越しに西日が低く差したのだろうか?

・・・考えると眠れなくなりそう・・・気が利くオーナーの挑戦なのか?次に訪ねた時に確かめたい。

2016-12-23

とある計画。

この一週間、関わる計画のパース製作に時間を費やし過ごす。

仕事量の読めない仕事にて計8枚のパースを製作したのだけれど、期限に滑り込ませる事が今は不思議と出来る。

想を求める仕事はこの限りではないものの、どの程度の仕事量を要するのかは、考えるより体が覚えているらしい。


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これは要望にはなかったものの、自分が描きたかったので描いたスケッチ。

これの為に結局、久しぶりに徹夜をしてしまった。

連休ですし、シーズン最後のローテンションでピッチャーが後を考えずに全力で投げる感じだろうか?

迂闊に徹夜仕事をしてしまうと、回復に時間を要するので、その後の予定が目茶目茶になってしまう。

ある程度は下書きを作っていたものの、手描きは緊張するもので、勢いのような集中を要する。

上手い下手はあるものの、伝わるスケッチに至っていてくれると良いなー



パースを製作するとはどういうことか?少し書いてみたい。

CAD上で3Dモデルを製作する。次いで別ソフトでレンダリングを行う。

レンダリングは、マテリアルを与える作業からスタートする。つまり、壁はこれ、床はあれ、という具合に。

その後に照明を設定する。太陽光も含め検討をする。本当の照明を灯すようには上手く行かないので、

補助光等を加えて調整を計る。そして、PCに計算をさせて画像を得る事になる。


ではどのシーンをパースにするか?3D内の空間を彷徨い、良いアングルを探し、レンズを選んでカメラを構え、

撮影をするようにレンダリングをする。

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同じ部屋でも、構えるカメラのレンズによって印象が随分異なる事がわかるだろう3枚。

これは試しにレンダリングしたもの。上は標準レンズ、中は広角レンズ、下は超広角レンズ、

という具合だろうか。PC上では手前の壁を無いものとできるので、離れた所からも撮影が出来る。

 

上は正しい絵だけれど説明的だろうか。中は広がりも感じられ印象を伝えるにも適当かなと思う。

下はやりすぎ、実際以上に広く見えてしまう。

現実の撮影も同じ事が起こる。手前の壁を無い事は出来ないので、超広角に頼らずにより適切であるよう心掛ける。


一枚のパースを製作するには、こんな感じで製作した3Dモデルの中を彷徨い、良いアングルを探しつつ、

様々なレンズを試して適切な一枚を求める・・・


自分はパース専門家ではないので、あくまで設計時にイメージを作って頂く事を目的にしている。

なので、製作は短時間で取り組む。実際、綺麗に作ろうとすると恐ろしく時間を要してしまう。

パースが成果品となり目的となっては本末転倒、伝わるに十分なものであることが欠かせない。

現実の建築が良い事が目標ですし。


図面だけではやはり伝わらない。図面で理解できるのは訓練をした者、設計者や施工者。

平面で間取りを確認するのは比較的容易だけれど、空間を考慮せずに安易に決めては何かを必ず失う。

といってパースに頼っても勘違いを招きかねないのだけれど、スケッチ含め良く話し合う事が欠かせない。