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☆或る検察官の辞職

 二日付朝日新聞朝刊三面記事に、「元特捜部長、異例の早期退職 陸山会事件、上層部と対立?」と題した記事が載った。内容は下記の通り。

 <小沢一郎民主党元代表資金管理団体陸山会」による土地取引事件の捜査を主導した大鶴基成.最高検公判部長(56)が1日付で辞職した。東京地検特捜部長や同地検次席検事などの要職を歩んだ幹部が、定年(63)まで7年近くを残して去るのは異例だ。大鶴氏は2005年4月の特捜部長就任後、旧ライブドア粉飾決算事件や村上ファンドによるインサイダー取引事件を手がけた。特捜部による昨年初めの陸山会事件の捜査は、最高検事として指導、小沢氏本人の立件を目指したが、元秘書3人の起訴にとどまった。その後、東京地検次席検事、最高検公判部長に異動したが、昨年から辞職の意向を漏らしていたとされる。辞職の真相は不明だが、「現場に近い立場で小沢氏立件に向けて積極的に捜査を進めたが、検察上層部と対立があり、不満を募らせていた」との見方がある。>との新聞記事内容である。

 真相を言い当てていて実に興味深い記事である。だが、もう一つの見方もある。即ち、彼等地検特捜部に因って用意周到に画策され、現に公判途上(石川被告等)か、若しくは、公判が予定(検察審査会起案)されている、所謂、小澤一郎氏陣営に対する「冤罪、でっち上げ事件」そのものの刑事訴訟審が、本来の成り行きからすれば99.9%の確率で有罪判決を導き出し、目論見通りの成果の軌跡すら残す事と相成る筈なのだが、ともに第一審とは云え、今回の刑事事案はともに、裁判長の耳目を間違いなく惹き付けていると云う点で、検察側の思惑通りに運ぶかどうかに不透明さも増しており、ややもすれば99.9%の監獄送りを誇る特捜部神話に汚点すら残す可能性、所謂、「冤罪、でっち上げ事件」の判決内容が下される可能性と、職権乱用を含む地検特捜部の化けの皮が剥がされる惧れがともに強く出て来た事で、早期退陣に因る身の保全を図ったとの見方もあるのである。即ち、「冤罪、でっち上げ事件」の首謀者との烙印が一旦捺されて終えば、検察庁の高位に上り詰めるどころの騒ぎではなく、途中退職での弁護士稼業にも暗雲垂れ込めるのは必至で、TV局お抱えコメンテーターの席の確保など成し得る由もないのである。

 功を焦り続けた検事<大鶴基成>として、司法界では頓に有名な人物の様だが、焦られてはしょっ引かれ、無実を有罪にされた方は堪らない。日歯連献金事件では無実の村岡兼造氏が濡れ衣を着せられ、佐藤栄佐久福島県知事もまた濡れ衣を以って名誉も地位も財産も奪い取られ、ライブドア事件ではあの堀江貴文氏が、最終審まで争って検察の毒牙にかかったのだが、今、公判途上に在る小澤一郎氏陣営に対する貶め事件もまた、功を焦り続けた彼大鶴基成の陣頭指揮に因るものとされている。

 ”三十六計逃げるに如かず”を、身を以って具現してみせる形を選択した公判部長の大鶴基成だが、不純まみれの足許が照らされて人目に晒される前に敵前逃亡、野に下る事で得る利益もまた大きければ、辞職の選択もまた賢明なる判断と考えたであろう事は大いに想像が付くのである。即ち、早期退職を決断する事で、あの日本を駄目にした藤原一族の末裔が差配する、所謂、司法宮の外野に位置する代理人等の地位が得られれば、喰うには困らずのもの、況してや、TV局や新聞社等のお抱え司法コメンテーターとしてのポストも選り取り見取りで、高収入が約束されたも同然であれば、此処等が辞職の潮時と考えたとしても何等不思議では無きもの、検察庁に在籍し続ける事で此れ以上の出世も叶わず、況や、毒牙に掛けた数多の被冤罪者群からは怨念表しの標的対象とされ、はたまた、祟りすら被れば、逃げるに越した事はないのである。

 当該記事を認めた朝日新聞の執筆者は、上層部との対立の可能性も、彼の早期退職の一つの事由として取り上げているが、其の可能性は殆ど皆無に近きもの、何となれば、外務省や財務省同様に、警察庁や、況や、検察庁そのものにも、省庁を裏で操る特殊なる選良民の組織が存在、其の彼等が延々と傀儡子高官に対して差配を揮っているからであり、彼大鶴基成は被操作の対象とされる傀儡子の一人、基より、彼自身認識こそ出来てもいないのだろうが、執筆者が認めている様な、即ち、上司と対立する場面などは着任当初から在り得もしないし、また赦されもしないからである。

 日本国家社会を牽引すべき政治家を、排他的司法権を以っていとも簡単に貶め続けた検察官大鶴基成、或る意味では極めて重大なる国家の舵取りを司法権を介して為したと云う事にもなるが、換言すれば、国家の進むべき条理の道に立ち塞がり方向を変えたと言えなくもなく、国家公務員としての検察官、若しくは検察組織が、行政権並びに立法権司法権が影響を及ぼし、自らの望む方向へ誘導したと云う事にもなるのである。立憲君主制を保持する国体ではあっても、司法権に因る優先的国家差配など赦される筈もないのである。

 対立に因るケツ捲くり辞任と云うよりも寧ろ、詰め腹の斬らせに因る一旦雲隠れの公算の方が大である。