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ウェブに公開した文章は意外と残らない

最初にページを作ったのは1995年の春ごろだったと思う。当時やっていた会社のサイトの個人ページとして作ったのだけど、その会社はもうないので当然ページも存在しない。ローカルのハードディスクにその一部が痕跡のように残っているだけだ。その後もいろんなところに書いたけど、これが意外なほど残っていないのだ。
紙の雑誌だって休刊・廃刊はしょっちゅうだけど、雑誌が廃刊になってもモノとしての雑誌(号)は残る。しかし……ウェブはまったく何の痕跡もなくきれいに消えてしまう。というわけで、まずは、消えてしまった原稿をここに再録していくことにする。

:やっかいなアナウンス効果

たとえば知人に「どこそこのイタメシ屋はおいしいよ」などと言われる。で、いそいそと行ってみると、悪くはないが「おいしい」というほどでもない。ということが結構ある。
どうしてそういうことが起きるか、どこが違うのかと考えてみると、知人の「おいしい」という一言があったかどうかだ、ということになる。その一言が「期待値」として記憶にインプットされて、実際に食べたときにその期待値と実際が、無意識のうちに比較され「悪くはないが云々」という結果を導くことになっているのだろう。だから、同じ店に「なんの予備知識もなくフラッと入った」としたら「結構、おいしい」と思うかもしれないわけで、こうなると「おいしい、まずい」という評価というのはなかなか難しいということになる。
もちろん、嗜好の違いという問題もあるわけだけど、ここでは仮説として知人は僕とまったく同じ嗜好だと仮定しておく。そうしないと話が成立しない。ともかく、そういう事情がわかってくると、そうそう気安く知人に「あそこ、おいしいよ」とは言えなくなってくる。やっかい、というほどの問題でもないが、かといって無頓着だと「あいつの舌はたいしたことがない」という望まざる評価を受けかねない。
(ここから「ブランドの心理的価値」に持って行くこともできる。その店が誰それも推薦しているとなれば、「おいしい」と言った知人の舌は「客観的に見て正しい」ということになるから。でもそこまで引っ張るかどうか……)

その他のメモ

  • 携帯的断片:ケータイでメモするような雰囲気でメモしてみる実験。
  • 婦人公論のブログ:http://d.hatena.ne.jp/fujinkoron/:雑誌や単行本単位でブログを作れるかどうか。もちろん作れるが、問題は掛けたコストをなんらかの形で回収できるかどうか。ブログに課金するのは普通に考えてありえないとなれば雑誌の売り上げが伸びる、あるいは版元のブランドイメージが上がる……という効果しか見込めないわけで、それをどう評価するかまで含めて「作れるかどうか」なわけだ。
  • 消防団ロングテイル:さっき近所の喫茶店で読売新聞を見た。消防団員が減っているので機能に分けていろんな人に機能別消防団員になってもらうケースが増えているという記事が面白かった。ポイントは誰もが持っているアイドルタイム(空いている時間)や使われていない才能・スキルをどう集めて有効に活用するかということ。断片のままではゴミなんだけど集めると資源になる、みたいなことだ。
  • 買う本:断片をシステム化する本:星雲社発売→調査中
  • 原稿・文章の再録作業:とりあえず設定した。今日は仕事が溜まっているので実作業はヒマを作りつつ。公開済みのものを全部ここにまとめるのが先。まとめ方は結構考えないとダメかも。
    • 最近(2000年〜2005年)
      • 10年後の読者像:この話はあの時にもしている。JAGATの冊子はPDFにしたはずだけどHDに残っているかな。
      • 知識流通のログ。その前のラボの原稿とまとめて保存しておこう。
      • 『ネットコミュニティビジネス:第2章』
      • 済:「関心空間」とか「goo-blog」などの公開サービスに書いたメモ類
    • インターネット初期に書いた原稿(1995年〜2000年頃)
      • 「インターネットワーキング」
      • 「ネットワークス」
    • パソコン通信時代に書いた原稿(1985年〜1995年頃)
      • 『パソコンを思想する』などの翔泳社関係
      • 『バグニューズ』などの雑誌原稿
    • ネット以前の原稿(1980年〜1985年前後)
    • それ以前(〜1980年まで)
  • はてなの使い方:半角アスタリスクでtを挟むとタイムスタンプが打たれるのはいいけどタイプが面倒なので「*t*」を辞書登録。

AppleがIntelのチップを使うのではないかという噂

噂どころではないかもしれない。態度は三つ「喜ぶ」「悲しむ」「無視する」……後ろの2つはなんとなく似ているようにも思える。個人的には発熱の少ない高速のチップでPowerBookが使えるなら歓迎、という実にこうなんというかプラグマティックというか実利的というか人情味に欠ける反応しかなくて我ながらどうも。