コンテイジョン 【Contagion:2011】
デザイン・フェスタのあと六本木へ移動。久しぶりに映画の会。お題はこれ。
映画『コンテイジョン』公式サイト
香港への出張から帰ってきたベス・エンホフ(グウィネス・パルトロー)が翌日倒れて救急車で搬送。夫であるミッチ・エンホフ(マット・デイモン)は付き添って病院へ行くが処置の甲斐なく死亡する。一方病院へ行っている間にベビーシッターに預けていた義理の息子もベッドの上でそのまま死んでしまう。これが原因不明の致死性ウイルスによるパンデミックの始まりだった。
この映画では、中国アメリカを始め世界中に広がった感染率・致死率の高いウイルスによってこの世界がどうなるのか、社会はどう対応するのか、というシミュレーションが繰り広げられる。マット・デイモン自身は免疫があったらしく発症しないが妻は浮気をしていたという事実を知りかつ親子の遺体を埋葬することもできずに苦悩し、感染経路を調べるためにWHOから香港へ送り込まれた博士(マリオン・コティヤール)はワクチン目当てに中国人に誘拐され、ウェブ上でそこそこアクセス数のあった自称ジャーナリスト(ジュード・ロウ)は陰謀論を垂れ流しつつヘッジファンドと組んで巨額の利益を手に入れ、CDC疾病予防管理センターから送り込まれたエリン・ミアーズ医師(ケイト・ウィンスレット)は有能さを発揮しててきぱきと対応し事態の収束を図るが自分自身も感染、発症して自分がセッティングした体育館に収容され、CDCのトップであるDr.エリス・チーヴァー(ローレンス・フィッシュバーン)は婚約者にだけこっそりと他言しないよう告げた上でシカゴを離れるよう助言し、しかし友達にうっかりとしゃべってしまったことで聴聞会に呼び出されることになる。
どれをとってもそれなりの「ドラマ」になりそうな話なんだけどどれにも偏ることなくさらっと流される。徹底的にリアルさを追求したちょう真面目なシミュレーション、というのがこの映画の正しい説明になりそう。
最初見ていて「何日後」というテロップが入るせいか『28日後』なんかも思い出したけどこいつの場合はウイルスや感染というのは完全に導入だけで要するにゾンビ映画。
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バイオハザードということで言えば当然、
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この『アウトブレイク』が思い出される。こっちもかなり真面目に危険なウイルスが発生、感染がひろがりパンデミックになるのを抑え込もうとする様子を描いてはいるけれど、アクションや組織のゴタゴタといったドラマ要素がかなり入っている。
もう一本思い出すのがこれ。
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この『ブラインドネス』も正体不明のウイルス感染によって世界中の人々が失明する話。共通点は一人だけ感染しない発症しない人間がいるという点。こっちはジュリアン・ムーアがひとり目が見えるという設定。ただこちらは目が見えなくなったらどうなるのか?というシミュレーションであってウイルス感染についての映画ではない。またドラマ要素も多く舞台もほとんど収容所内のせまい世界に限られているのでシミュレーションとしてはイマイチ。縮図、ということではあるんだろうけど。
ディザスターシミュレーションだと
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これなんかも似ている。BBCかどこかで作ったシミュレーション番組のよう。とはいってもドラマ的な要素はロバート・カーライルを中心にしっかり用意されている。
この『コンテイジョン』は上記のどれよりもいわゆるドラマ的な要素がない。役者は映画の宣伝で言ってるように「みんなアカデミー賞俳優」なんだけど、かつそれぞれが一本の映画になってもおかしくないようなネタになっているにもかかわらずドラマではない。ほとんど教育番組のよう。とはいっても十分ドラマチックで興奮する。だってアメリカだけでも犠牲者260万人、とかなんとかさらっとニュースで言ってるんだもん。そういう世界ってどうなってるの?と、ただそれだけで十分面白い。