断ち切られた情報への不安と苦言

暫くブログの更新から遠ざかっている。自分でもそろそろ更新しようと記事内容を考えたりするのだが、そんな時いつも軽い混乱を覚える。

それは何かというと、既に成立後50日近くが経った鳩山政権に関しての情報があまりに少ないからである。だから、ブログに書こうとする内容が本当に真実なのかどうなのか、今ひとつ確信が持てないでいる。

新聞・テレビ・雑誌・ネットなどを見渡すと、ありとあらゆる情報が錯綜している。そのどれもがあまりに頼りなく見える。頼りないというのは信用できないという意味だ。

勿論、自民党政権の時もこうしたメディアは政府の御用メディアのようなもので、真実でない情報を煽動することに熱心だったし、そのような低俗な志は今も引き継がれている。しかし時にその掌からパラパラと真実の断片が溢れ落ちることがあり、それらを繋ぎ合わせると朧気ながらも霧の向こうが見える時があった。

ところが今は何もかもが混沌としている。御用メディアは当然として、嘗ては頼もしく見えたネットメディアも元気がない。政権発足後100日間程度はあまり叩かないというアメリカのハネムーン期間に習っただけが理由ではないような気がする。

イラクフセイン政権が倒され、それ以降国全体が混沌の中においていかれたように、日本も不思議な混沌の中にあるように見える。フセイン時代にはそれなりに情報もあったのが、その後の混乱期にその情報すら錯綜し量も少なくなってしまった状況に似ている。

これは民主党が記者会見をメディア全般に開放するという公約を破ったことだけが問題ではなく、政府から国民へ流れる情報が根本的に行き届いていないことが原因だろう。つまり政治主導という手法によって、官僚から流れる情報の元栓が閉められたのだが、その代わりに開けられるべき政治家からの元栓がいまだに閉まったままであることが理由であるように思う。

先日ネットメディアのビデオニュース・ドットコムにおいて、三人の民主党議員が視聴者からの電話質問に答えながら自らの政策を説明するという企画が行われ公開された。これは無料で見ることが出来る。参加した民主党政治家は内閣や党内の主要部署に登用された若手議員たちで、福山哲郎氏(外務副大臣)、大塚耕平氏(内閣府副大臣)、細野豪志氏(民主党副幹事長)である。

彼らの話す内閣や党の現状はどんなメディアの報道よりも面白い。何故ならばこれこそ正しく現場の声だからである。彼らの話す内容は、今まで殆どのメディアが正しく報じていなかったものである。そしてこのような内容をこそ民主党政権はもっと積極的に報道しないといけないと思う。

民主党政権が行おうとする改革の障害となるのは官僚とメディアであると以前このブログでも書いたのだが、それに立ち向かうには圧倒的な量の情報公開が最も効果的なはずである。自民党政権時の闇の部分を晒すことも大事だし期待もしているが、現在政権内で何が行われているのかを正直に公開していくことは最重要事項である。

昨日までの3日間、NHKで細川連立政権から自社さ連立を経て小泉以降の自民党政権が崩壊するまでを特集した番組が放映され、その最後に作家の高村薫氏が現在の民主党政権は内部で何が行われているのか正確に窺い知ることができず不安であると述べていたのだが、僕も同じ感想を持っている。

予算の編成や沖縄米軍基地の問題やダムや航空会社の大型倒産の問題なども、陰日向構わず積極的に公開するべきである。つまりバカなマスゴミたちの憶測がつけいる隙もないほどの真実が流れるようにすること。その為にどうするべきかは民主党が考えればいい。責任感の全く欠如したマスコミやだらしない政治学者の誇大妄想が一人歩きしている現状を憂うべきだと思う。