新小児科医のつぶやき

2011-10-27 完全母乳栄養訴訟

10/26付産経記事より、

国推奨、母乳育児で脳障害 両親ら「家族の会」結成へ 宮崎

■「わが子と同じ事故あわぬよう」

 病院が完全母乳栄養法やカンガルーケアを優先して経過観察を怠った結果、新生児が脳障害を負うケースが相次ぐ中、国などに損害賠償を求める訴えを26日に起こす宮崎の女児(2)を含む子供6人の両親らが、来月末をめどに「家族の会」を結成することが分かった。両親らは「これから生まれてくる赤ちゃんには、わが子と同じ事故にあわせたくない」との思いで、再発防止を国などに働きかけていくという。

                   ◇

 宮崎の女児の両親が提訴する病院は、母乳育児を推進しており、赤ちゃんと母親2人きりで過ごさせる「母子同室」や、母乳のみを与える「完全母乳栄養法」、母子のスキンシップを重視する「カンガルーケア」に積極的に取り組んでいる。

 この女児も出生約1時間後からほとんどの時間を母親(35)と病室で寝かされた末、心肺停止となった。

 母親は女児に母乳を吸わせようと試みたが、ほとんど出なかった。帝王切開の鎮痛剤や出産の疲れ、高熱の影響で強い眠気にも襲われていたという。

 病室では女児の体温測定は行われず、赤ちゃんの呼吸の異常を感知する無呼吸アラームなども設置されていなかったという。女児が泣き止まないため、看護師が一時、新生児室に連れていったが、「手足が冷たいからあたためてあげてください」と母親にすぐに返されたという。

 両親は、安易な母乳育児推進に警告を発している久保田産婦人科麻酔科医院(福岡市)のホームページを見て、同様の事故で脳障害を負った子供たちが多数いることを知った。同医院や弁護士を通して「家族の会」の結成に動き出した。

 現在参加を予定しているのは宮崎の両親のほか、長崎、福岡、奈良、愛媛、神奈川の各県に住む計6家族。家族らは、厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」について、低血糖症(栄養不足)や低体温症に対するリスクの説明や安全対策が不十分だとして見直しを求めていく方針。

 宮崎の母親は「これを機に、安全なお産ができる病院が1つでも増え、同じ事故が繰り返されないでほしい」と訴える。

 家族の会を支援する日野佳弘弁護士(福岡県弁護士会)は「赤ちゃんの脳障害が、原因不明の乳幼児突然死症候群で片付けられているとみられるケースが全国に多数ある。そのうち相当数が栄養・体温管理を怠った末の事故ではないか」と話している。

亡くなられた新生児の御冥福をお祈りします。色々気になる点がある記事ですが、分けながら見てみます。

授乳・離乳の支援ガイド

記事の見出しにある

    国推奨、母乳育児

母乳育児って国推奨でしたっけ。母乳育児がかつての「うつぶせ寝」みたいにえらい推進されているのは知っていましたが、国が推奨しているのは恥ずかしながら存じませんでした。推進している根拠を記事で探すと、

    家族らは、厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」

へぇ、そんなものがあるんだ! 探してみるとありました。H.19.3.14付「授乳・離乳の支援ガイド」です。授乳について延々とデータ関係が列挙されているのですが、結論部分である「授乳の支援に関する基本的考え方」のみ引用します。

 授乳は、赤ちやんが「飲みたいと要求」し、その「要求に応じて与える」という両者の関わりが促進されることによって、安定して進行していく。

 多くの親にとっては、初めての授乳、初めての育児といったようにすべてが初めての体験であり、それらに関する‘情報を得ていたとしても、すぐに思うように対応できるものではない。赤ちやんと関わりながら、さまざまな方法を繰り返し試しつつ、少しずつ'慣れていくことで、安心して対応できるようになる。そうした過程で生じてくる不安やトラブルに対して、適切な支援があれば、対応方法を理解し実践することができ、少しずつ自信がもてるようになってくる。

 特に、自分の子どもが生まれるまでに小さな子どもを抱いたり遊ばせたりする経験がない、身近に世間話や赤ちやんの話をしたりする人がいない親の割合が増加する現にあっては、育児支援の観点から、授乳の進行を適切に支援していくことは、母子・親子の健やかな関係づくりに極めて重要な役割を果たす。

 授乳の支援にあたっては、母乳や育児用ミルクといった乳汁の種類にかかわらず、母子の健康の維持とともに、健やかな母子・親子関係の形成を促し、育児に自信をもたせることを基本とする。また、妊娠中から退院後まで継続した支援、産科施設や小児科施設、保健所・市町村保健センター、保育所など地域のすべての保健医療従事者における支援に関する基本的情報の共有化、社会全体で支援を進める環境づくりが推進されることをねらいとする。

 母乳育児には、1.乳児に最適な成分組成で少ない代謝負担2.感染症の発症及び重症度の低下3.母子関係の良好な形成4.出産後の母体の回復の促進などの利点があげられる。近年、母乳栄養とその後の健康への影響との関連を検討した研究では、母乳栄養児の方が人工栄養児に比べ、肥満となるリスクが低い、収縮期血圧及び拡張期血圧ともにわずかに低いと推定された6)が心血管疾患による死亡リスクの検討では有意な結果はみられていない、2型糖尿病の発症の検討では小児及び成人での糖尿病の発症リスクが低いという報告がみられている。

 母乳育児については、妊娠中から「母乳で育てたい」と思う割合が96%に達していることから、それをスムーズに行うことのできる環境(支援)を提供することが重要である。その支援の目標は、単に母乳栄養率の向上や乳房管理の向上のみを目指すものではない。

 一方、母親の感染症や薬の使用、赤ちやんの状態、母乳の分泌状態等により母乳が与えられない場合や育児用ミルクを使用する場合がある。そうした場合にも、授乳を通して健やかな母子・親子関係づくりが進むよう、母親の心の状態等に十分に配慮した支援を行う。また、近年、低出生体重児の割合などが増加しており、授乳にあたって個別の配慮が必要なケースへのきめ細かな支援も重要である。

記事と言うか被害者の会は

    低血糖症(栄養不足)や低体温症に対するリスクの説明や安全対策が不十分

不十分と言われればそうかもしれませんが、「授乳・離乳の支援ガイド」は授乳に関しては大筋で母乳推進を謳っているだけで、どう読んでも授乳のきめ細やかなマニュアルではありません。新生児期の低体温症や低血糖の管理は守備範囲外に感じるのですが、読み方が異なればそうなるようです。

ただなんですが、ガイドは全体を通して母乳育児が絶対善であり、例外的なケースにミルク栄養を認める方針と読めなくもありません。それとこのガイドは厚労省御謹製であり、さらに母乳推進派は分娩現場で妙に声が大きいのはあります。国が勧めるは言い換えると「国が奨励」にもなり、このガイドを絶対の原典として完全母乳を進める拠り所にしているは言えるかと思います。

さらにさらになんですが、一部にミルク栄養を可とする文章は残っているのは、引用文章の青字部分に示しましたが、その前の統計部分は「いかに母乳育児が普及しているか」の姿勢でまとめられています。ここも母乳育児を推進していないところは問題であるみたいな表現に読めないこともありません。完全母乳育児のメリットは強調してあっても、そのデメリットは殆んど書かれていないの解釈は必ずしも誤っていないとは思います。


久保田産婦人科麻酔科医院

これも気になるのは

    両親は、安易な母乳育児推進に警告を発している久保田産婦人科麻酔科医院(福岡市)のホームページを見て

こうなると読んでみないと致し方ありません。どうもなんですが一つは2001.9.22第16回日本母乳哺育学会「完全母乳栄養の抱える問題点」のように思えます。これも全部引用するとキリが無いので、発表者が青字・赤字で強調しているところのみ適当に引用します。

  • 発達障害の原因の一部に新生児早期の低血糖症/重症黄疸などがあるが、超早期経口栄養法はそれらのリスクを大幅に減少させた。完全母乳栄養の児は出生直後から数日間は栄養不足であり重症黄疸などの危険性が高い。
  • 新生児の黄疸の強さは出生直後の児の摂取カロリー量に反比例することがわかりました。栄養不足で黄疸が強くなる理由として、児の飢餓状態が胎児赤血球の破壊を促進し肝でのビリルビン代謝を障害する、と推察されます。
  • 消化器能の改善は超早期経口栄養法を可能にし、その結果、低血糖症の防止、血中遊離脂肪酸の早期減少、胎便排泄促進、重症黄疸の激減、出生後の体重減少率の低下が達成されました。
  • 周産期医学の進歩にもかかわらず脳性麻痺や視聴覚障害などの発達障害児の発生が減少せず、むしろ増加傾向にあります。それらの原因の一部に新生児早期の重症黄疸や低血糖症などがありますが、超早期経口栄養法はそれらのリスクを大幅に低下させました。
  • 哺育の原点は、どうすれば完全母乳の為になるかではなく、どうすれば赤ちゃんの為になるか、を考えることではないでしょうか。大人には、病気にならないようにする予防医学がありますが、赤ちゃんにも、重症黄疸や低血糖症などの異常が起きないようにする、予防医学の導入が必要と考えます。

だから

 分娩直後の児はインファント・ウォーマー上で簡単な清拭後、あらかじめ32℃〜34℃に暖めておいた保育器に2時間収容します。生後1時間目にビタミンK2シロップを混ぜた糖水10ml/Kgを与え、以後は約3時間毎に直母させ、母乳分泌が十分となるまでの期間、不足分を人工乳で追加哺乳しました。

こうした方が成績が良かったぞの報告です。カンガルーケアについてもこういう考え方ですから当然否定的であり、カンガルーケアをやって体温を落としたり、完全母乳にこだわって初期哺乳を遅らせるような手法を否定しています。その辺も興味のある方は読まれればと思います。もうひとつ付け加えれば、厚労省が「授乳・離乳の支援ガイド」の基本にしているWHO/ユニセフの「母乳育児を成功させるための10カ条」も否定的にとらえています。引用しておきますが、

平成5年、厚労省はWHO/ユニセフの「母乳育児を成功させるための10カ条」を後援し、糖水・人工ミルクを飲ませない完全母乳哺育の推進運動を始めた。その数年後から、福岡市では発達障害児が急激に増え始め、米国でも完全母乳が始まってから自閉症が急増している。そして平成15年、WHOよりカンガルーケア実践の手引きが発刊されて以来、日本の約70%の産科医療機関で出生直後のカンガルーケア(KC)が当たり前の様に行われる様になった。ところが、KC中に医療事故(呼吸停止)が全国で相次いで発生している事がこども未来局の調査(平成20年)で分った。しかし、厚労省はKC中の医療事故の調査報告書を入手しているにもかかわらず、事故の報告・真相究明・予防策を怠っている。さらに見逃せない点は、生後30分以内のカンガルーケアが日本で普及して数年後から発達障害が驚異的な勢いで増えている事である。発達障害は遺伝性疾患と考えられ調査研究が進められているが、福岡市の発達障害の驚異的な増加から判断すると遺伝病説は否定的である。国は、厚労省が後援するWHO/ユニセフの「母乳育児を成功させるための10カ条」を見直し、周産期側からの発達障害の調査研究・予防策を早急に講じるべきである。

どうもなんですが、産経記事が取材した被害者の会の主張は、ここの部分に準拠している様に見えます。私も完全母乳育児にあまりにこだわる教条主義は否定的です。ただし母乳育児論争はうちでも論議の多いところですから、こういう情報があるという提供に留めさせて頂きます。あえて言えば久保田産婦人科麻酔科医院の主張も偏りはあり、医学的には相違する見解があるぐらいにしておきます。


視点を変えます

母乳論争はあんまりやりたくないので、記事を角度を変えて見てみます。どうもよくわからないは、

     この女児も出生約1時間後からほとんどの時間を母親(35)と病室で寝かされた末、心肺停止となった。

     母親は女児に母乳を吸わせようと試みたが、ほとんど出なかった。帝王切開の鎮痛剤や出産の疲れ、高熱の影響で強い眠気にも襲われていたという。

     病室では女児の体温測定は行われず、赤ちゃんの呼吸の異常を感知する無呼吸アラームなども設置されていなかったという。女児が泣き止まないため、看護師が一時、新生児室に連れていったが、「手足が冷たいからあたためてあげてください」と母親にすぐに返されたという。

この内容を額面通りに取ると、産科医療機関の責任問題が生じそうな内容です。ただし訴訟にしようとしているのは、

    国などに損害賠償を求める訴え

訴訟対象は産科医療機関ではなく国です。そうなると考えられるのは、

  1. 産科医療機関をスキップして国を訴訟対象とした
  2. 産科医療機関とは和解若しくは既に訴訟の決着が着いている

個人的には2.の可能性が高いと考えています。もちろん証拠はないので、もう少し大雑把に産科医医療機関とは何らかの話が付いているぐらいはしても良さそうです。これはおそらく完全母乳主義が国(厚労省)の主導であり、これを厚労省が推進している限り同様の被害が蔓延するとの発想ではないかと推測します。つまり大元の国の政策を改めないと悲劇は続くぐらいの考え方です。記事でわかりにくいのは、

    病院が完全母乳栄養法やカンガルーケアを優先して経過観察を怠った結果

母乳栄養は厚労省の「授乳・離乳の支援ガイド」にあるのは確認できますが、カンガルーケアはどこかに推進しているソースがあるのでしょうか。これは基本的に別の話だと思います。これは被害者の会が混同したと言うよりも、取材した記者が混同した可能性が高いと考えます。あくまでも私の推測ですが、完全母乳主義に伴って母児同室が推進されているため、この事による観察不足を指摘したとするのが宜しいように思います。

観察が疎かになる1例として被害者の会がカンガルーケアを挙げたのを、主催した記者がカンガルーケアによる低体温としたように考えられます。もっとも被害者の会が大きく参考にしている久保田産婦人科麻酔科医院のHPでは、カンガルーケアの弊害の紹介にも力を入れていますから、被害者の会もかなり重点的に主張し、記者も何が力点かわからなくなったのかもしれません。


気になった点

自らの経験から悲劇を繰り返さない運動を行おうと言うのはわかります。訴訟を起すのは自由ですし、運動戦術として活用するのもまた自由なのはわかりますが、「なんだかな」と言う気がしないでもありません。まあ、単に5人ほどが集まったところで国がその主張を聞き入れる可能性は低いとの判断はあるでしょうし、訴訟の場に引っ張り出せば、思う存分、自らの主張を国に直接訴えられると言うのはあるかもしれません。

それでも従来はまず地道に被害を訴え、賛同者・共鳴者の輪を広げ、最後の手段として訴訟に訴え出ると言うパターンが多かったと思っていますが時代は変わったものです。スタートから訴訟の場で直接争いながら、一方で自らの主張を実現させるために訴訟相手と交渉を同時進行させると言うのがトレンドになってきていると見た方が良さそうな気がします。他に例はないわけではありませんから、そういうのが常識になっているのかもしれません。

毎度の話で申し訳ありませんが、担当する裁判官には同情します。どう考えても、完全母乳主義の是非とか、カンガルーケアの是非なんて問題に判断を下すのに不適任の人物です。たとえ判決まで進んでも、被害者の会の欲しい回答と外した裁判所判断を下す以外に手は無いと思います。御苦労様な事です。

luckdragon2009luckdragon2009 2011/10/27 08:25 あ。ニュース見間違えてました。てっきり病院を提訴かと。国なんですね。
何か、その一点で、よく分からなくなってしまいました。

通りすがり通りすがり 2011/10/27 08:45 いいだしっぺがどこかわかりませんが、母乳保育はさんざん勧められます。
おかげで私の患者さん、慢性疾患なのに出産後薬を飲まないって言い出してしまいました。結果、2ヶ月後に再発し、6ヶ月間子供と一切ふれあえない状況となってしまいました。産婦人科に抗議したのですが「本人が決めたこと」の一点張りでとりつく島無し。
どちらかといえば医者より助産師の方がやかましいようですが・・・

BugsyBugsy 2011/10/27 09:14 オイラがいつも頭を悩ますのが、epilepsyの女性の妊娠なんです。

抗けいれん剤の催奇性のため 妊娠が分かれば直ちに服薬はストップします。無事出産となりやれやれと思い、通常離乳が出来た時点から抗けいれん剤の経口投与を再開しますが、中には異常脳波から予測される発作の恐れから早めに人工栄養を勧めざるをえない場合も多いのです。
当然担当の産科医と話すのですが 母乳一点張りの人も多くって意見もまちまちなんですね。
抗けいれん剤の母乳移行から乳児の傾眠傾向というのも怖いものがあります。助産師さんにも分かってもらいたいものです。

京都の小児科医京都の小児科医 2011/10/27 09:17 疑問点
2点

1.訴訟を起すのは自由
私もそう思いましたが、自由とは、何法に基づくものかを知りたいと思いました。
2.国に対する訴訟の国とは具体的に
本ケースの場合、具体的に国とは
「授乳・離乳の支援ガイド」の策定について
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/s0314-17.html
の紹介先の河野氏,川島氏との理解でいいでしょうか

〈照会先〉
厚生労働省雇用均等・児童家庭局
母子保健課
担当:河野,川島
電話:03-5253-1111(内線7934)

YosyanYosyan 2011/10/27 09:27 京都の小児科医様

 >1.訴訟を起すのは自由

シンプルに憲法32条「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」に基づくと考えていますが、如何でしょうか。

 >2.国に対する訴訟の国とは具体的に

担当者は御指摘の方々でしょうが、責任者は厚労省であり、個人を特定するのなら厚労大臣と考えますが、如何でしょうか。

ふぃっしゅふぃっしゅ 2011/10/27 09:30 Yosyan先生、こんにちは。いつもいろいろな視点での記事に勉強になります。
今回の報道は、「母乳信仰」の問題ではなく、「帝王切開術直後のお母さんに新生児の世話をまかせた」管理上の問題が一番大きいと思います。

ただ、なんだか「育児は母乳あるいは授乳から始まる」、そんな議論ばかりで悲しくなります。
その議論の中で一番おきざりにされているのが、「新生児の観察」ではないかと思います。
いまだに、きちんと胎便から母乳便に変わるまで、新生児の腸蠕動・眠りの変化・泣き方など、出生直後からどんどん変化していくことさえもまともに研究もされていないと思います。出生当日と生後1日目でも、泣き方も眠り方もそして表情さえも変化していきます。
おっぱいを近づけても手で遠ざけたり口をがんとしてあけないでちゃんと「拒否」したり、急に吸い始めたり、それこそ自律した動きがたくさんあります。日中と夜間でも眠りの深さや活動に大きな変化があります。
また、そうした変化も生後わずか数日でも個人差がでてきます。
特に生後2日ぐらいまでは、目が覚めると激しく啼泣することが多いのですがそんなときにおっぱいを近づけてもなかなか吸おうとしません。
あやして待っているとだいたい2〜5分ぐらいでピタッと泣き止み、ゲフッとして腸がキュルキュルいい始めます。そのあとにおっぱいを吸い始めることが多いです。きっと新生児は「激しい腸の動きがくるよ!危険だよ!」と伝えようとしているのではないかと思います。特に母乳便に変わる前半日ぐらいは、甲高い声で泣いておっぱいもなかなか吸いません。母乳便に変わるとその日の夕方ぐらいから、急に泣き方が穏やかになってぐびぐびと湧き上がらして飲むことが増えてきますし、母乳も赤ちゃんのうんちの変化に合わせるかのように出始めます。
こうしている間にも、出生直後は腸内細菌ゼロだったのにどんどんと腸内細菌が増殖するのでしょうから新生児にしたら相当危険と感じるのではないかと思います。生後2日ぐらいまでは、眠りも浅く、いつもスタンバイ状態という感じですね。早い子だと、生後2日ぐらいでヨーグルトのようなにおいのうんちに変わります。黄疸が強めの赤ちゃんは、なかなかヨーグルトのようなにおいにならないようです。(個人的な感想です)
新生児はどちらかといえば「空腹」を伝えて泣いているのではなく、腸蠕動の変化を伝えようとしているのではないかと思います。

生まれた直後から赤ちゃんは、目の辺りをくしゃくしゃにして真っ赤な顔色にして激しく泣く時があります。何か「危険」ということを伝えるための表現力が備わっていることに、感動します。
日に日に「危険!」の泣き方が減って、「こっちにアンテナ向けてね」ぐらいの泣き方に変わっていくところにも成長を感じます。
本当に、新生児ってすごい力がありますね。

そんな基本的な新生児の観察さえもなおざりにされているので、どんなに「科学的根拠に基づく母乳育児」の話も、ただの仮説に過ぎないと私は思っています。
まして、「最初から吸わせなければおっぱいは出なくなる」「哺乳瓶を使ってはいけない。ミルクや糖水を足してはいけない」とか「母子同室にしなければ母と子の絆を結べない」ように脅かす必要はないと思います。

帝王切開直後の動けないお母さんにまで母子同室をさせているのには、「常識」を超えた信念に産科スタッフがとらわれてしまっているとしか言いようがありません。でも、その病院だけでなく、実際に他の病院でもそうしていることを聞いたことがあります。反復帝切で入院されたお母さんが、術後からの同室がつらくて二人目は病院を替えたとおっしゃっていて、聞いた私の方が気が遠くなりそうでした。
「どうぞゆっくり休んでくださいね。赤ちゃんに会いたいときはいつでも連れて行きますね。」その一言だけで十分だと思いますが。

もっと新生児の伝えたいことを通訳する技術を磨けば、お母さんたちもリラックスして育児をスタートできると思いますね。「泣けばおっぱい」ではないことをたくさん伝えようとしているのですが。

長文失礼しました。母乳の話になると熱くなってしまいます。

京都の小児科医京都の小児科医 2011/10/27 09:31 通りすがり様
>いいだしっぺがどこかわかりませんが、母乳保育はさんざん勧められます。
これも実は歴史的経緯があって、戦後の一時期は母乳をやめて育児用ミルクを
さんざん勧めて時代があったと認識しています。

上記の経緯もあり、私の個人的印象ですが母乳育児を熱心に勧める方は実は
ご自身が育児用ミルクで育った方が多いように思います。
これはパラドックス?もしくは教条主義 ミルクがいいと言えばミルク
母乳がいいと言えば母乳 ?

京都の小児科医京都の小児科医 2011/10/27 09:47 Yosyan様

下記、ありがとうございます。私もよくわからないので疑問点としました。
訴訟の自由があるのなら訴訟の対象が国ではなくて厚生労働大臣でもいいと思いました。
さらに、担当者の厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課河野氏と川島氏を直接訴えてもいいように思いますが・・・??


 >1.訴訟を起すのは自由
シンプルに憲法32条「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」に基づくと考えていますが、如何でしょうか。
>2.国に対する訴訟の国とは具体的に
担当者は御指摘の方々でしょうが、責任者は厚労省であり、個人を特定するのなら厚労大臣と考えますが、如何でしょうか。

SeisanSeisan 2011/10/27 10:47 完全母乳栄養、という奴は、昔から論争のネタで、産科医の一部に宗教のように流行ってます。
一方で、とにかく栄養成分を適切に与えることを主眼とする小児科医は、こだわらずにちゃんと飲ませることを優先しますので、よく衝突したものです。

また、カンガルーケアも、「うつぶせ寝」がダメだ、と言いながら、出生超早期にうつぶせにするわけですから、個人的には結構ハイリスクではないかと思っています。

それはそれとして、この報道からは出生後12時間ほどで心肺停止に陥っていますが、これってむしろSIDSの領域であり、その間哺乳をしていなかったからというのはかなり無理がありませんかね。

普通の出生後管理でも、12〜24時間哺乳しない、なんてのは普通にあると思うんですが、その間の突然死を、初期栄養を与えなかったから、というのはちょっとおかしいように感じます。

もちろん、低出生体重とか、それに伴う低血糖などが考えられる場合は、話が変わります。

あと、ネオネータルモニターなどの呼吸停止モニタを設置していない、というのもいまどきの産科病院としてはちょっと不用意だったかなとは思います。

SeisanSeisan 2011/10/27 11:07 赤ちゃんの栄養法の歴史的な経過としては、戦前はもちろん母乳(しかない)であり、母乳が出なければ乳母をお願いしたり(お金持ちはこれをしてましたね)、一般家庭では、重湯を代わりに飲ませていたり、という時代です。
戦後、経済が安定しだして、アメリカから粉ミルクが入るようになると、「母乳は不潔だし、母体の状態で安定しない、粉ミルクは栄養も安定しており、安全だ」というブームになり、団塊の世代から昭和30年くらいまではかなり人工栄養の比率が増えていたと思います。
そこに衝撃的な事件が!森永ヒ素ミルク事件です。

いやまあそれだけではないんですが、その後30年代後半からは母乳回帰が進み、人工栄養はライフスタイルによって選択する、といったようなバランスが取れていた時代のようです。
それが昭和50年代後半ころから母乳教ともいうべき勢力が台頭してきたようです。

まあ、そこから長い母乳至上主義の産科医と、とにかく栄養を取ることが最優先と考える小児科医との戦いが始まるんですが(笑)。

でも、「ダイオキシン汚染があるから、母乳はダメだ」とか今なら「放射性物質の汚染があるから母乳に注意」とか、まあ、デマ的にいろんな話は飛び出してますよねぇ。

YosyanYosyan 2011/10/27 11:15 Seisan様

母乳主義も「なるべく母乳にしましょう」レベルなら、さほど文句を言うような問題ではないと思うのですが、これが何歩か進んで「なにがなんでも母乳でなければならない」になると弊害が多いように感じています。完全母乳にするために他のリスクを犠牲にしている面が強く出すぎると思うからです。この辺はマクロビにも通じそうな雰囲気を感じています。

京都の小児科医京都の小児科医 2011/10/27 11:20 >いいだしっぺがどこかわかりませんが

森永ヒ素ミルク事件との関連が私の中でまだ整理できていませんが
母乳回帰の原動力(いいだしっぺ)は故山内逸郎先生と理解しています。
生前一度だけご講演をお聞きし、著作にサインをいただきました。
http://iryo.sanyo.oni.co.jp/rensai/d/c2010031614570974

産科医産科医 2011/10/27 12:25 母乳で一番大切なのは初乳中に含まれる母体IgAだと認識しています(もちろんご存じと思いますが栄養面の話だけ問題にされている気がしたので)。私の病院ですと新生児科ドクターが極〜超低出生体重児のために実母に限らず他の患児の母の母乳を使用しています(もちろん双方の両親に了解を得た上で)。もちろん必要なら適宜糖水や人工乳を足しております(NICU児は基本は補液されていますが)。てんかん合併の方は基本母乳は止めますが、母親が望んだ場合新生児科医、内科医と相談してどのくらいの投薬で母乳をどのくらいの期間与えるか決定します。完全母乳にこだわる母親もいますが、助産師が上手く誘導して必要な場合人工乳を追加しています。何が言いたいのかと言えば、完全母乳VS人工乳ではなく、母児の状況を見ながら両方を上手に使っていくのが本来の新生児栄養のあり方ということです(あたりまえのことですが)。

かとうかとう 2011/10/27 12:30 >さらに、担当者の厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課河野氏と川島氏を直接訴えてもいいように思いますが・・・??

いいえ。公務として行った行為に対して、公務員個人を訴えることは出来ません。
厚生労働省という行政庁は国に属している為、厚生労働省を訴える事も出来ません。当然大臣も。被告は国です。

京都の小児科医京都の小児科医 2011/10/27 12:54 かとう様

法律素人です。日本は法治国家と理解しています。下記に関してたぶんそうだろうと実は思いますが、こういった場合に被告を国にするのは何法もしくはどういった理由に基づくものなのでしょうか。

>いいえ。公務として行った行為に対して、公務員個人を訴えることは出来ません。
厚生労働省という行政庁は国に属している為、厚生労働省を訴える事も出来ません。当然大臣も。被告は国です

JSJJSJ 2011/10/27 12:59 久保田産婦人科麻酔科医院の主張も、発達障害に関すること等には「電波」を感じてしまいます。
「電波系」どうしでやりあっても建設的な議論は期待できませんね。

京都の小児科医京都の小児科医 2011/10/27 12:59 下記の記事もあるのですが・・・

厚労省が弁護士を初採用 裁判対策に「訟務官」
http://www.47news.jp/CN/201109/CN2011093001000043.html
肺がん治療薬の副作用が問題となったイレッサ訴訟や原爆症認定訴訟など、厚労省が被告となっている裁判は本省分だけでも500件強。地方の出先機関では労働基準監督署が行う労災認定など約350件を抱えている。

luckdragon2009luckdragon2009 2011/10/27 13:04 何か、別件ですが、カンガルーケアーの件が一件。これは、どうも多忙で兼務して、ケアがそれた際のケースみたいですが。(鼻と口を皮膚で押さえつけちゃったのかな。)
> カンガルーケア、出産直後だっこで呼吸停止事故
> http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111027-OYT1T00130.htm

ちなみに、同じ系の資料ですが、こういうのもありました。
> 第21回 鹿児島県母性衛生学会 特別講演
> 環境温度が赤ちゃんの体温調節機構に及ぼす影響について
> ―赤ちゃんを発達障害・SIDSから守るために―
> 久保田産婦人科麻酔科医院 久保田史郎
> http://www.s-kubota.net/main/081203boseigakkai.html

luckdragon2009luckdragon2009 2011/10/27 13:09 誤「同じ系の資料」→「今日のブログエントリー(原告側資料)と同じ系の資料」

京都の小児科医京都の小児科医 2011/10/27 13:12 法律素人です。

>いいえ。公務として行った行為に対して、公務員個人を訴えることは出来ません。

追加です。民事・刑事もあるかも知れませんが、薬剤エイズ事件の松村明仁氏
のことが頭によぎりました。間違っていればご指摘ください。

法務業の末席法務業の末席 2011/10/27 13:31 京都の小児科医さま

>こういった場合に被告を国にするのは何法もしくはどういった理由に基づくものなのでしょうか。

根元的には憲法17条です。
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第十七条  何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。
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上記の憲法17条の条文中の「 法律の定めるところ 」と規定された法律とは、行政事件訴訟法になります。その行政事件訴訟法の11条に被告適格についての規定があり、行政行為として行った処分又は裁決をした行政庁が国又は公共団体に所属する場合には、その処分又は裁決に対する訴訟は国又は公共団体を被告として提起しなければならない、と定められております。
(条文は http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S37/S37HO139.html でご確認下さい)

厚生労働大臣や局長などの個人を被告とする行政訴訟は、この行政事件訴訟法11条の被告適格に反するので裁判所は受け付けません。結果として大臣や役人個人を被告としての行政訴訟を提起することが出来ません。

もちろん、行政行為ではない個人的な法令違反での刑事訴訟や、私生活上の紛争での民事訴訟は大臣や役人であっても、その個人を相手に提起できます。ただし、その場合は○○大臣とか××局長とかの肩書き無しの、一人の人間としての責任(刑事責任・民事責任)を問う裁判に限られます。役職として行った行は行政行為ですので、上記の行政事件訴訟の縛りを受けます。

ふくおか人ふくおか人 2011/10/27 13:31 久保田産婦人科は妊婦の体重管理に厳しくて想定以上に増えた場合は夫婦で呼ばれてがっつり怒られるという噂です。
無痛分娩やってるところが少ないので、無痛分娩希望者が遠くても通ってくるみたいです。
新生児期は全例ミルク併用で開始するそうです。

タカ派の麻酔科医タカ派の麻酔科医 2011/10/27 13:46  母乳育児を推進するあまり、教条主義的にミルクを否定する傾向があり、母乳が不足している状況でもミルクを与えることがなかなかできない施設があります。また、母乳育児を推進する施設では母親の食事についても制限をつけることが多いため、個別に対応して母乳の分泌を促進するような指導が入院中にされることは少ないです。
 また、カンガルーケアも助産師の中にはよく理解しないまま適当に実行していることが見られます。帝王切開後に母親が新生児の面倒を見ることができると判断していたとすれば、教条主義的な対応としか言えません。

法務業の末席法務業の末席 2011/10/27 15:18 話題のご両親、ヤッパリ病院と国の両方を被告に、本日損害賠償を提訴したようです。
Yosyan先生のこの予想と違ったみたいです。
> 1.産科医療機関をスキップして国を訴訟対象とした
> 2.産科医療機関とは和解若しくは既に訴訟の決着が着いている

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「完全母乳育児で脳障害」 損害賠償求め国訴え 宮崎で両親
 msn産経ニュース 2011.10.27 02:26
 http://sankei.jp.msn.com/region/news/111027/myz11102702260000-n1.htm

 宮崎県南部の民間病院で一昨年生まれた女児が重度の脳障害を負ったのは、母親と赤ちゃんを一緒に寝かせる「母子同室」や赤ちゃんに母乳のみを与える「完全母乳栄養法」を試み経過観察を怠ったのが原因だとして、両親が26日、病院側と母乳栄養法を推奨する国を相手取り、計約2億3千万円の損害賠償を求めて宮崎地裁に提訴した。(以下引用省略)

まあぼうまあぼう 2011/10/27 15:59 Baby friendly Hospitalから脱水+高度黄疸、低血糖+痙攣が搬送される頻度は高い印象があります。盲目的母乳推進をリスクを考慮せず行っていることにかなり疑問があります。

低血糖を起こす病態に完全母乳栄養にこだわったことが影響しているかどうかははっきりさせてほしいです。

新生児の低血糖のリスクと無意味な完全母乳栄養をてんびんにかけていること自体ナンセンスと私は思います。

京都の小児科医京都の小児科医 2011/10/27 20:11 法務業の末席様

ありがとうございます。
ただ、薬剤エイズ事件の松村明仁氏の件と
厚労省が
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/entertainment/wide_show/?1319707069

京都の小児科医京都の小児科医 2011/10/27 20:16 途中で投稿してしまいましたが
 厚生労働省の抱える訴訟に関する以下の業務を行う。
(1)個別事件に対する法的助言に関すること
(2)政務三役に対する法律分野の助言に関すること
の「訟務官」を募集した理由がよくわかりませんでした。

かとうかとう 2011/10/27 21:41 法務業の末席さん、フォローありがとうございます。

薬害エイズ事件の松村明仁については、法務業の末席さんの書かれた、
>一人の人間としての責任(刑事責任・民事責任)を問う裁判に限られます。
に該当します。まさしく、刑事責任を問われたので、刑事訴訟となり、個人がその責任(業務上過失致死傷)を問われ、有罪判決が出たわけです。

また、行政訴訟に関しては被告は国になるわけですが、日本国家が被告席に立てるわけもなく、実際にはどこかの誰かという実際の人間である、担当者が裁判所に行くわけです。
そのどこかの誰かという担当者は、通常は法務省に出向している検察官が行います(訟務検事)。
厚生労働省が訟務官を募集したのは、厚生労働省案件の訴訟が増えたから、国家に対する訴訟を法務省の担当者に全てやってもらうのではなく、厚生労働省が絡むものは自分の所の担当者を出そうとしているのだと思います。

また、ニュース記事内の「厚労省が被告」というのは、記者が不勉強なだけです。

京都の小児科医京都の小児科医 2011/10/27 22:28 かとう様

法素人です。 状況了解しました。

「国に関する訴訟情報」
http://www.moj.go.jp/shoumu/shoumukouhou/kanbou_shomu_soshojyoho_soshojyoho.html

京都の小児科医京都の小児科医 2011/10/27 22:38 上記、法務省のHPですが、どこかで省別案件の訴訟数の比較・トレンドがあればとも
思いました。 全行政訴訟数の〇〇%以上が厚労省のため厚労省が裁判対策に「訟務官」を募集した。とかが行政情報としてわかりやすい情報と思いました。

説明していただきありがとうございました。

ろくろくびろくろくび 2011/10/28 01:05 超久々に投稿します。
この原告は損害賠償請求訴訟を提起しているので行政訴訟ではなく国賠請求訴訟と思われます(行政訴訟に賠償請求はない)。
したがって適用されるのは行政訴訟法ではなく国家賠償法。
国家賠償法上,被告は「国」であり個人の公務員は被告にできません(国賠法1条)。
んで,国を代表するのが法務大臣となります(法務大臣権限法1条)
ま,細かい指摘で結論は変わりませんが一応

法務業の末席法務業の末席 2011/10/28 08:38 かとう様、ろくろくび様
行政相手の訴訟での被告の説明にフォロー頂きありがとうございます。

椿椿 2011/10/28 14:14 始めまして、話題の久保田産婦人科で出産した椿と申します。
当時、自宅から徒歩圏内で腕がいいと評判なので、久保田さんを選びました。久々にお名前を拝見して懐かしい限りです。体重管理の厳しさには定評がありますが、出産後が楽でケアも充実しているので人気があるんだろうなぁと思います。無痛分娩を売りという話ですが、実際は部分麻酔なので陣痛の痛みは無くなりません。又、胎児の頭が子宮口を出てから麻酔をするので、それまでは自然分娩の痛みです。
さて、久保田さんですがカンガルーケアに対して注意を喚起している点を要約しますと
「そもそもカンガルーケアは日本より暑いオーストラリアのアボリジニーが行っていたものであり、それをそのまま日本に持ち込んでも赤ちゃんが風邪を引いたり寒さからチアノーゼなどになりかねない。日本は元々、出産した直後に新生児を産湯で暖めて清潔な布に包んでから親に渡す文化です。衛生の為と思われがちですが、母体内と温度が違う外の世界にでて寒さで病気にならないための昔ながらの知恵です。カンガルーケアを行うのであれば、温度と栄養管理が必須です。環境が違うのに、そのまま取り入れるのは無謀です。」
とのお話でした(月に一度勉強会がありましたので・・・)。
また先生は、決して完全母乳を否定しておりません。寧ろ母乳で健やかに育てるためには、母子の体調管理が必須であるとの考えです。宮崎では帝王切開で出産された赤ちゃんと母親が当日から同室だったそうですが、久保田さんではありえません。そもそもお母さんが疲れ果てて乳の出が悪くなってしまわないのでしょうか。

久保田産婦人科での出産時は、出産直後から保育器に入れて砂糖水を与え、母体の回復を待って翌日くらいから母乳を与えます。出産当日は赤ちゃんは新生児控え室でケアをされます。その後、二日目から昼間同室、3日目から夜間も同室と行った形で母体の回復を最優先にします。その間、新生児には看護師がミルクを与え、母親には順調に母乳が出るようにとおっぱいマッサージが施されます。これがとっても効きます。
しょうしょう手厚すぎる管理のようですが、先生いわく「母体というものはそもそも出産直後から母乳が溢れるようになっていない、初産なら尚更である。それを完全母乳として子供に十分な栄養を与えないのは間違っている。赤ちゃんは元々十分な栄養を持って生まれてくるからしばらくは母乳が出なくても大丈夫というのはおかしい。」
という考えからだそうです。

まー先生のお話にも突っ込みどころはないとは言えませんが、それでも子供たちが健やかに育っておりますので気にしておりません。
余談ですが、完全母乳という主張が増える前はどうだったのかなーと祖父母に聞きましたら、「出産直後だと乳の出が悪いから砂糖水や重湯を漉したのをあげていた。乳の出が悪い人は乳が出る人にお願いして授乳してもらっていた。昔は大変だったのよ。」とのことでした。やっぱり昔も今より乳がいっぱい出たわけでなく、代替の知恵があったのねーと思ったことでした。

ummyuummyu 2011/10/28 16:44 >ふくおか人様
△ 久保田産婦人科は妊婦の体重管理に厳しくて想定以上に増えた場合は夫婦で呼ばれてがっつり怒られるという噂です。
○ 久保田産婦人科は妊婦の体重管理に厳しくて想定以上に増えた場合は、出産後の院内の食事からお菓子がカットされる。
ここの産婦人科、ホテル日航福岡から引き抜いたシェフが食事を作っていて、ものすごく美味しいんですよ。で、出産直後から食事にデザートが毎食つくんですが、体重が増えているとそれがカット・・・。そりゃ、皆さん言うことをちゃんと聞きます罠。

で、久保田産婦人科のHPによれば、WHOの内容に噛み付いているのは、以下の一節のようですね。
http://www.s-kubota.net/gif/11033102.gif
>医学的な必要がないのに、母乳以外のものを与えないこと
・・・saisen様のおっしゃる「そこから長い母乳至上主義の産科医と、とにかく栄養を取ることが最優先と考える小児科医との戦い」以外の何物でもないような

倫理倫理で夜も眠れず倫理倫理で夜も眠れず 2011/10/30 01:56 母乳優先も出産率低下に関係があるかもしれません。
一番びっくりしたのが、ヤワラちゃんが2歳の子供に母乳を与えているのをニュースで知ったとき。
初婚が遅い日本で、母乳2年間与えていたら第2子はともかく第3子は難しくなりそう。増してや、働く母親にとっては、そこそこの時期に離乳してもらわなくては、働き続けられません。親の都合でって怒られそうですけど、何か?
何でも、赤ちゃんが自然に離乳するまでは与え続けよ、だそうですが、何か科学的根拠があるのでしょうか。もちろん、農家商家などの奴隷労働力で、姑から離乳が遅いのを嫌味言われて、必死で6か月から離乳させられた昔は、論外ですけど。
今も昔も、周囲の圧力のままに、お母さんってほんとうにかわいそう、おっぱいの出方に個人差があるのは当然だし、マイペースでやればいいのに。
それと、HTLV−1感染者とか、母乳を上げられない母親だっています。
人工乳も格段の進歩をとげているんだし、個々人のやり方でいいんじゃないかと思います。
ああ、母親ってかわいそう。産むってことでこれだけ周囲からあれこれ言われるんじゃ、嫌になってしまいますよ誰だって。もっと母親をそっとしておいてあげましょう、温かく支援してあげましょう、それとなく助けてあげましょう。