ZERO-tortoise2010-02-05

[movie]映画『インビクタス/負けざる者たち』“私が我が運命の支配者、我が魂の指揮官”
 南アフリカ大統領=ネルソン・マンデラの自伝の映画化は、そもそもモーガン・フリーマンが主導して企画していたらしい。フリーマンはマンデラからも自身の役を演じることの許可はすでに得ていた。しかしマンデラの波乱に満ちた半生を描くには、通常の映画のボリュームでは不可能で実現にあぐねていた。
 そんな時、ジョン・カーリンが書いたこの映画の企画サマリーが持ち込まれた。マンデラを語るのに、1995年の南アのラグビー・ワールドカップに絞り込まれたノンフィクションにフリーマンは光明を見た。南アフリカ出身のアンソニー・ペッカムによってスクリプトが書かれた。そして、モーガン・フリーマンは盟友、クリント・イーストウッドにこの作品の監督を依頼した。

 リリースにネルソン・マンデラの言葉が添えられていた。
「スポーツには世界を変える力がある。人々にインスピレーションを与え、団結させる力があるのだ。ほかの何かには、まずできない方法で。」〜ネルソン・マンデラ

 イーストウッドは今年で80歳。現在は自身初のジャンルである、津波にまつわるホラーをシューティングしているらしい。感服。
 字幕は今、もっとも信頼できる松浦美奈。もう一度劇場に行こうかな。

※「TBS RADIO ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」のコーナー「シネマハスラー」のこの作品の評が素晴らし過ぎる!!!
http://podcast.tbsradio.jp/utamaru/files/20100220_hustler.mp3 (リンク切れ)

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 この物語のキーとなる詩「インビクタス」。19世紀のイギリスの詩人・ウィリアム・アーネスト・ヘンリーの作品らしいが、ウィキペディアにあったのでペーストさせてもらった。ジョン・マケインもしばしばこの詩を引用するらしい。

インビクタス(不屈)
      ウィリアム・アーネスト・ヘンリー

私を覆う漆黒の夜
鉄格子にひそむ奈落の闇
私は あらゆる神に感謝する
我が魂が征服されぬことを


無惨な状況においてさえーー
私は ひるみも叫びもしなかった
運命に打ちのめされーー
血を流しても
決して屈服はしない


激しい怒りと涙の彼方にーー
恐ろしい死が浮かび上がる
だが 長きにわたる
脅しを受けてなおーー
私は何ひとつーー
恐れはしない


門が いかに狭かろうとーー
いかなる罰に苦しめられようとーー
私が我が運命の支配者
我が魂の指揮官



Invictus

          William Ernest Henley

Out of the night that covers me,
Black as the pit from pole to pole,
I thank whatever gods may be
For my unconquerable soul.


In the fell clutch of circumstance
I have not winced nor cried aloud.
Under the bludgeonings of chance
My head is bloody, but unbowed.


Beyond this place of wrath and tears
Looms but the Horror of the shade,
And yet the menace of the years
Finds and shall find me unafraid.


It matters not how strait the gate,
How charged with punishments the scroll,
I am the master of my fate:
I am the captain of my soul.
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2010年2月5日(金)より全国ロードショー
ひとつの願いが、ほんとうに世界を変えた物語。
原題:Invictus
監督:クリント・イーストウッド
製作:クリント・イーストウッド、ロリー・マクレアリー、ロバート・ローレンツ、メイス・ニューフェルド
製作総指揮:モーガン・フリーマン、ティム・ムーア、ゲイリー・バーバー、ロジャー・バーンバウム
原作:ジョン・カーリン
脚本:アンソニー・ペッカム
撮影:トム・スターン
美術:ジェームズ・J・ムラカミ
音楽:カイル・イーストウッド
出演:モーガン・フリーマンマット・デイモン、トニー・キゴロギ、スコット・イーストウッド

公式サイト