麻生太郎の結婚観報道の件


finalventさんが面白い事をしていたんで紹介。

finalventの日記
http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20090824/1251118223
■麻生失言について推論している内にオリジナルが公開されてしまったのだけど、まあ、私の推論はこうでした。

各新聞社の報道の麻生発言の断片を並べ、聖書学の手法で麻生さんがナニを言ったのか推論してみたらしい。ちょっと笑いました。

聖書というのは困った文書集で、イエスの言葉や生涯等が記されている福音書がなんと4つも入っている。4つの福音書は初期キリスト教における異る教団にそれぞれ伝えられていたもので、その教団の立場によるバイアス記述がある。
で、この福音書の言葉を比べるとなんだか矛盾していたり、一つの福音書にしか記されていない言葉やエピソードがある。更にこの書に書かれているのが現代人の我々にはなんだかよく判らんとか、不完全ぽいとか、説明が丁寧じゃなさ過ぎとかで、誤読を誘発する事請け合いである。その為、勘違いしやすい箴言に満ちた変な書である。

こうした4つの異る記述を比べ、イエス自身はほんとはナニを語っていたのか?イエスはどのような思想を持っていたのか?ヨハネ福音書の教団とマタイの教団のそれぞれの立場はどうだったのか?とかという事を行ったりするのが聖書学である。テキストを重視する福音主義エバンジェリカルの究極と言ってもいい学問である。なにもキリスト教に限らず「テキストに臨むにあたっての態度」の基本でもあるとは思う。

その手法を用い、finalventさんは更に「麻生太郎カトリックである」という思想スタンスを鑑みて。麻生太郎はほんとはナニを語ったか?を推論してみたようだ。

カトリックでは婚姻を秘跡と見做す。キリスト教の中で婚姻を秘跡とするのは他に正教会がある。
カトリックの「婚姻の秘跡」とは、結婚する男女が神によって導かれ、神の恩寵によって結ばれ、歩むという秘跡である。その秘跡は当事者の男女が死ぬまで歩むその足跡によって完成させるものである。継続していく秘跡なんですな。婚姻したパートナーの相互の協力によって、家庭という共同体への責任、或いは相方に対する責任が生じると考える。
互いに相方を尊敬し、己自身も尊敬にたる態度でそれに臨めという発想は確かにカトリック的である。麻生が47NEWSでふれている「尊敬」という発想は確かにここに由来するだろう。

ただ、人の営みへの尊敬は「働く」だけではなく、なにかに対し一生懸命に、誠実に生きている事が対象で、その中に「働く」も含まれる。

この件に関して、動画がすでに紹介されていてそれをテープ起こしした方がいた。すごいなぁ。

○雑種路線でいこう
http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20090824/tape
■首相「金ないのに結婚するな」テープ起こし

・・・・・・・・・・・_| ̄|○

ええと、麻生さん、ぐだぐだでなんかナニ言ってるかよく判らんです。誤読されそうな。

ただ、メディア報道が負の方向に更に誤読を招く表現なのはよく判った。

憶測で要約すると
・結婚は一概には言えないけどそりゃ金があったほうがいい。
・それは人それぞれだからうかつにいえるもんじゃない
・旦那に稼ぎがないと日本じゃなかなか尊敬されないって現実があるよな
・夫婦関係じゃ稼ぎがあるほうがそりゃよりベターだ

・・・・・的な事が言いたかったんでしょうか?
結婚という現実の状況分析していたという感じですかね。

発言小町かよ?!

まぁ、尊敬とか以前に現実、家庭が営めないことは困るわけで。結婚して家庭を営めないぐらい若者がプアな状況に置かれている事に対し、政治家さんとしては応えてもらいたいと思いますが、メディアは正確じゃない報道で揚げ足取りするばかりで、つっこんだ批判も出来んのか?

もっとも、動画自体、前後の文脈が分らないんでなんとも。