読売/朝日 on 世論調査

vanacoralさん経由憲法改正についての両者の世論調査を知る。

 読売新聞社の全国世論調査(面接方式、3月14〜15日)によると、今の憲法を改正する方がよいと思う人は51・6%と過半数を占め、改正しない方がよいと思う人の36・1%を上回った。
(http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090403-OYT1T00006.htm)

 憲法全体について聞いた質問では、「改正必要」が53%で、「必要ない」33%を上回った。07年は58%対27%、昨年は56%対31%だった。
(http://www.asahi.com/national/update/0501/TKY200905010262.html)

ほとんど同じ結果、といってよさそうです。

 戦争を放棄し戦力を持たないとした憲法9条については、「解釈や運用で対応するのは限界なので改正する」38%が最も多く、昨年(31%)から増えた。「解釈や運用で対応する」33%(昨年36%)、「厳密に守り解釈や運用では対応しない」21%(同24%)は、ともに昨年より減少した。
(http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090403-OYT1T00006.htm)

 3日の憲法記念日を前に、朝日新聞社が実施した全国世論調査(電話)によると、憲法9条を「変えない方がよい」が64%に達し、「変える方がよい」は26%にとどまった。憲法改正が「必要」とする人は53%いるが、その中で9条を「変える方がよい」とする人は42%、「変えない方がよい」が49%だった。
(http://www.asahi.com/national/update/0501/TKY200905010262.html)

読売は9条改正派が最多だと主張していますが、非改正派は33+21=54%なので、朝日の調査よりも「9条護持」志向は強いという結果になってます。

 改正賛成の人に理由(複数回答)を聞くと、「国際貢献など今の憲法では対応できない新たな問題が生じているから」49%(昨年45%)が最も多かった。インド洋での給油活動、ソマリア沖の海賊対策への海上自衛隊派遣を巡る議論などを通じて、憲法を見直そうという意識が高まったようだ。
(http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090403-OYT1T00006.htm)

というのが読売の分析なんですが、だとすれば改正の対象としてはまず9条が浮かぶはずで、その割に38%というのは少ないとも言えます。どちらの調査でも「9条改憲支持」を一般的な「改憲支持」が上回ってますが、この点では読売の記事の方が9条以外の論点にも触れているので参考になります。

 国会の二院制については、「二院制を維持し衆院参院の役割や権限を見直す」39%と「一院制にする」28%を合わせ、何らかの見直しを求める人が約7割に達した。


 憲法で関心がある点(複数回答)は「戦争放棄自衛隊」47%が8年連続でトップ。「生存権社会福祉」は昨年比7ポイント増の25%に増えた。金融危機年金不信で暮らしへの不安が増していることを反映したようだ。
(http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090403-OYT1T00006.htm)

二院制についてはもともと衆参で多数派が異なる場合のことも想定した制度になっていて、単にこれまでは両院で自民党が多数派を占めた期間が長かったため国会運営のノウハウが乏しかっただけ、ではないかと思うんですけどね。後者については一過性の認識で終わるのか、あるいは昨年の国際金融危機以前から例えば日本のひとり親世帯の子どもの貧困率が非常に高かったことなどがきちんと認識され、主要な論点として定着するのかどうか。
それにしても第1章については聞きもしなかったのかな?