宮崎(ほぼ)縦断ツアー二日目(1)…佐土原からの再開

五時起床。日の出前だが結構明るい。チェックアウトして日向市駅へ移動。宮崎は駅にもよるが小奇麗で洒落た駅があるなあ、と思う。

佐土原駅到着。今日の基点、と言うか昨日の続きから。今日は佐土原の「巨田神社」、西都の「印鑰神社」「三宅神社」「都萬神社」、高鍋経由で都農の「都農神社」を回り、日向市経由で延岡市の予定。
と言う訳で佐土原駅から西都市へ向かう。軽い坂もあるが割合に順調。朝走るのは気持ちが良い。それはそれでいいのだが、今日の最初は「巨田神社」までにいきなり道に迷い西都市に入った時にはどうしようかと思った。幸い看板見つけたので軌道修正。この時点で数km余計に走ったが気にしない。
どうにかこうにか巨田神社到着。普通の神社、と思えるがここの本殿は十六世紀建築らしい国指定重要文化財。両脇の摂社も宮崎県指定有形文化財であり、いい雰囲気。人もいなくて静でいい感じだった。

宮崎(ほぼ)縦断ツアー二日目(2)…西都市にて

西都市へ移動。佐土原から西都まではほんの数km。指呼の間。が、しかしここでも大幅に道に迷ってしまう。今回はこのパターンが多過ぎる。しかし親切な地元の方に教えてもらって事無きを得る。西都市の「印鑰神社」「三宅神社」「都萬神社」の三社は何れも日向國総社と言われる神社であり、実際にどれが総社なのかは私には分からない。
「印鑰神社」は公民館のような施設と隣り合っていて境内に公共施設があるのだろうと思う。こじんまりとした社だが鳥居は結構立派である。

「三宅神社」は運動公園近くにあり、参道の長い階段を上ると本殿に着く。杉林囲まれた社である。渋い社殿と木々の緑のコントラストがいい感じ。
「都萬神社」は公園と隣接と言うか多分公園自体が境内だったのだろうなあ、と思う。総社(と言われる)上に日向國二宮だそうである。こちらも木々に囲まれ清冽でいい感じ。「日本酒発祥の地」なのだそうだが、特に日本酒の試飲とかはない。あったとしても自転車だから飲めないが。千年楠の洞洞木も潜ってきた。いい事があるといいな。
都萬神社近くでで水分を補給して、高鍋へ。

宮崎(ほぼ)縦断ツアー二日目(3)…高鍋経由都農神社

後から考えると別のルートもあったが単純な方向で進む。そのツケか何か知らないが割ときつい坂があって泣きそうになる。宮崎と言えば「平坦」と思っていたのにどういう事か。実は都萬神社までは全て想定通りで逆に自分が驚いていたが、ここから都農神社までの間で貯金を使い果たしてしまい、寧ろ足が出ていた。何だよ10号線。アップダウンきついんだよ。五月なのに炎天下に痛めつけられつつ、どうにかこうにか都農到着。
「都農神社」は日向國一宮。宮崎、即ち日向國は天孫系の神社が多いように思っていたが、一宮たるここは大己貴命を祀る神社。九州の他の一宮の祭神を考えると中々興味深い。神社は木々に囲まれ、美しい水が流れる参道を進むとぽっかりと明るい本殿にたどりつく。お祭りの準備らしく事はしているものの、基本的に静かでいい感じだ。社殿やら庭やらをのんびり楽しむ。

近くの食堂でうどんを補給して、さてどうしようかと考える。一応ここで当初予定は消化している。しかし時間はまだあるし…と熟慮の末、もう少し走る事にする。

宮崎(ほぼ)縦断ツアー二日目(4)…日向市への道程

と言う訳で最低限、日向市、出来れば延岡市と言う事でだらだらと北上。
美々津で立磐神社に詣で、「日本海軍発祥の地」の石碑を眺めたりする。ちなみに美々津とは神武天皇東征のみぎり、船出したと言う由緒ある地なのだそうである。古に思いを馳せつつ海を眺めていい気分になる。美々津の街並みも思っていたよりかなりいい感じだった。

少し進んで道の駅ひゅうが。水分補給の一環でかき氷。マンゴー味。日向夏味とかはないのだろうか。どうでもいいがバイク乗り多いな。
更に進んで伊勢ヶ浜と言う所に行く。有料道路の橋を渡ると美しい海。上り坂に少し「きついかな」と思い始めたあたりで「大御神社」に辿り着く。
「大御神社」は日向市駅とかにも看板があったが「日向のお伊勢さん」なのだそうで、祭神は天照大御神。まあお伊勢さんだし。社殿も伊勢風。海をや山を背景に中々の景観である。境内社として鵜戸神社と言うのがある。別名「龍宮」。昨日も訪れた鵜戸神宮と同じく、一般的には珍しい、下って社殿に赴く形式。洞窟の中の本殿を背にして入口を見ると「昇り龍」みたいなのが見える。それはそれで良い景観だが、如何せん階段が怖かった。
ここで次の決断。素直に日向市駅に行くか、延岡駅に行くか。時間的は行ける筈だが何分体力が一杯一杯。鳥居あたりで地図と睨めっこした結果、どうせなら行けるだけ行って見よう、と言うランナーズハイならにサイクラーハイ状態ならではの決断を下してしまった。

宮崎(ほぼ)縦断ツアー二日目(5)…そして延岡へ

延岡まで20km余。まあ一時間程度。なんとかなるか。平坦だし…と思ったがここまで80kmを越えた走行と昨日の70km以上の走行は予想以上に足腰に来ていた。それでも進まなければどうしようもない、と言う事で最早「後少し後少し」と呪文のように唱えながら日向灘を横目に只管ペダルを漕ぐのであった。途中変なスリップしてコケかけたり、色々あったが何とかかんとか無事に延岡駅に到着した。時に午後四時少し前。
前輪を外して輪行袋に自転車を納めようとしていると、妙に気合の入った格好のおじさんたちが近寄って来た。曰く「ツール・ド・国東に出た」とのこと。良く見ると輪行袋に入った自転車がいくつも置かれていた。一寸自転車談義をしたりする。今の私ではツール・ド・国東は無理なので何時か未来の目標である。
それはそれとして、「白の稲妻」号のタイヤを見ると、後輪がえらい勢いで削れていた。前述の「コケかけた」時にやられたのだと思うが、まさかこんな事になっているとは。チューブまで行きかけてるとか、良くここまでもったな、と思った。帰ったらタイヤ交換しなければ。でも途中でバーストとかせずによかった。有難い。

宮崎(ほぼ)縦断ツアー二日目(6)…最後の楽しみ秘境駅

延岡からは電車。しかも各駅停車の電車である。今回出来ればいいな、と思っていた事の一つが「日に2本位しかない宮崎〜大分間の各駅停車電車に乗る」であり、なんだかんだで実行できた。この路線の何がいいかと言えば、九州の代表的秘境駅の一つ、「宗太郎」に行ける事である。たまたま信号停車で3分ほど停車したので運転手さんにお願いしてホームに出てみる。これは想像以上の「秘境」だった。何しろ駅舎すら無くなってるし。これは秘境駅マニアには中級レベルだろうが、「いい駅」だと思った。

その後、終点まで乗り、更に電車を乗り継いで、どうにかこうにか無事に帰宅。いやあ、面白い旅だったが疲れたわ…