少年メリケンサック / 125分


少年メリケンサック

ダメダメOLかんなが動画サイトで見つけたパンクバンド『少年メリケンサック』は、実は25年前に解散していてメンバーは全員おっさんになっていた。だが、それを社長には言い出せず、だましだましツアーに出なくては行けなくなったのだが…という、ロードムービー。監督は木更津キャッツアイなどの宮藤官九郎

と言うわけで、流石にクドカン全然パンク分かってねぇ。とか言い出すバカがいると思わないが、そういう俺の時代を語りだす糞中年は全員死ねばいいと思うよ。という映画。何々を聞いていないからダメだとか、何年の伝説のエピソードを知らないから分かって無いとか、ホント音楽にとってどうでもいいよね。リスペクトを以て、接しないと音楽聞いちゃいけないんだったら、他に沢山音楽あるからそっち聞くよ普通。YouTubeなどで並列化されたら、そんな事全く関係なくなっちゃうのにね。もし(青春パンクがどうたらとか言って)パンクが死んだと言うのなら、そいつらのせいでしょ。どう考えても。

とは言っても思い入れがあるのか、パンクバンドへのクドカンの目線は優しすぎる。ギャグのテンポがいい為、おっさんによる痛々しいパンクロックへの向き合い方が、笑いに吸収されてそこまで痛く感じない。もっとダサくて寒くて、見てて居た堪れない気持ちになって然るべきだったんじゃないだろうか。フィッシュストーリーとテーマが似ていたせいか、あっちはカッコつけようとしながらダサくて、テーマ的に適切な演出はあっちだったんじゃないかな。

しかし、この映画は完全に宮崎あおいの映画。あんな事やこんな事をされちゃうあおいちゃんが、クルクルと表情を変え、おっさんを差し置いてスクリーンを支配する。というのは、何となく分かるのだが。個人的にはそんなに、宮崎あおいが可愛くて最高の映画、だという印象は無い。どっちかというと、ちっせーな。という印象です。縦も横も奥行きも全然無くて。あんな人間すぐ壊れちゃうよ。って思った。単純に好みの問題かもしれませんけど。

その他雑記。途中で出てくる、星野源(SAKEROCK)演じる普段着系のロックバンドが、普通に出来てるステージングを、音楽やるのに過剰な思いを込めてる癖に、あの程度のことも出きずに上手く立ち回れないおっさんバンドとして対比させてるんだけど。普通にいい曲なんだあれが。あと、パンクはどうしたこうしたってぐずぐず言ってる社長の会社を成立させてるのが、思い入れから程遠いTELYAのアンドロメダ〜っていうペーソス満天のシーンも、あれいい曲だなっていう。