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ハイカロリー

Shin Yamagata

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2015-08-26

5月2日

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川沿いの道路から手のひらにおさまる小さなビデオカメラを川に向け撮影しているおじさんがいた。最初、鳥でも撮っているのだろうかと思った。しかし鳥を撮っているような雰囲気ではない。服装がそう思わせるのか、佇まいがそう思わせるのか、とにかく何を撮影しているのかよくわからない。気になるのでおじさんに近づいていく。何撮ってるんですか?岩撮ってますねん、阪神淡路大震災以降岩が気になりましてなあー。

2015-08-25

8月15日

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太鼓の音が山に反響している。音を聞きながら坂道を上る。脇にある石を組んだ階段を上りまた脇へ逸れて畑に入り、なすびの向こう側に三脚を立てようと思った。青いトタンの屋根が逆光で眩しく輝いていてその横で梅の葉が暑さにしおれている。太鼓の音は向かいの山からも背後の山からも聞こえてきて音の出所がわからない。今日の夜に行われる盆踊りのための練習だろうか。そのまま畑を上り納屋の脇に出て青い柿の実のついた枝の下を潜る。舗装された道に出ると渡ってきた橋が眼下に見えた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E6%B4%A5%E5%B7%9D%E3%81%AE%E5%A4%A7%E8%B8%8A#.E8.A5.BF.E5.B7.9D.E3.81.AE.E5.A4.A7.E8.B8.8A.E3.82.8A

2015-08-23

8月5日

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河瀬直美がきてそれで手紙送ってくれて、と河瀬直美の書いた何かが額に入って飾られていた。あの人は何回も来て「あ〜」とか言いながら抱きついてくるからなあ、とうれしそうに話し、三重やったかな、和歌山やったかな、どっかから来たカメラマンは一日中写真撮って、そこの烏骨鶏の柵を開けて中を撮ったり庭を撮ったりしてて、また来ますって言ってそれから全然来んわ、とか話したりしている最中にブンブン飛んでたアブをバチッと素手でたたき落とすそのおばあさんは一人暮らしで家の裏の斜面には粟が植えられていてその粟はおばあさんが食べるのではなくて十津川村のホテルが買ってくれるらしくてホテルとしては十津川産のものをお客に提供したいらしくて、犬が二匹いて二匹とも人懐っこいからなでてたらものすごく手が臭くなるけどほんとにかわいい犬で、そして犬の右太ももにねずみが張り付いていて、そのねずみはねずみ取りにかかったねずみを庭にぽいとおばあさんが投げ捨てたらその上に犬が座ってしまってねばねばがついてたネズミだったからそのまま犬にくっついてしまったらしいけど取れないって言ってて、はさみで毛を切るしかないかなあと言ってやってあげようかと思ったけど失敗したらいやだからやめておいて、おばあさんは犬二匹の世話と烏骨鶏の世話と畑の世話でいつも忙しいらしい。曇ってきていたから写真は撮らずトウモロコシやミカンやジュースを頂いてそれでまたこの集落に来たら寄らせてもらいますと言って帰った。

2015-08-21

7月6日

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町の灯りが通り過ぎまた暗闇の中にいた。たらもればもなーい。もしかしたら、あれがこうなってれば。暗闇に目が慣れたが何も見えない。次の町の灯りが近づいてくるのがわかる。わたしはもしかすると目を瞑っているのではないか。この明かりの感じ方はまぶたを閉じているときの感じ方なのではないか。わたしは開いていると思っている目を開けた。暗闇のままだった。しかし音が聞こえる。何かを引っ掻く音だ。カリカリ、

2015-08-19

8月14日

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安定志向になるのは組織化されるからか、組織化されるから安定志向になるのか、そんなのはどっちでもいい、気に入らないのはそういう安定志向の人が何か新しいことをしようとするのだけど、何にも新しくなくてどっかからパクってきたのを自分の手柄のように自慢したりすることだ、と彼女は言った。結局コネだよ、コネ、フリーなんていっちょまえなこと言っちゃってちゃらちゃらしてて気分だけで頭からっぽで狭い業界内で褒め合って気持ちわりい、そこそこんとこに就職してそれでフリーになってそんでその元就職先から仕事もらってって、結局元のサラリーマンと変わんないじゃねーか、それもコネの褒め合いのパクリ合いだよ、と彼は言った。あたしの働いてるとこもそうだよ、フリーの人たちが出入りしてるけど全部コネだからね、ほんと褒め合ってるよ、そんでどういうわけかそのフリーの人たちに憧れる人がまたいるんだよね、褒め合いのはじまりよ、その辺の雑誌から出てきたような格好してて、それだけでこいつらインチキじゃねーかって思うんだけどね、と元保育士の女は言った。コネだから実力じゃないんだね、実力を見抜ける人も減ってるのはあるけどね、褒め合ってるだけだからね、でも腐っちゃいけないよ、実力を見せつけてやらなきゃならんな、君たちは、「クリエイター」どものインチキには興味ないだろ?と白髪のおじさんは言った。良くも悪くも日本は村社会だからね、と白い短パンに派手なシャツを羽織りつばの小さな麦わら帽子をかぶった無精ひげの50歳前後の男は言った。村社会とか言ってるけど何だよそれ、ちゃんと説明しろよ、それに良くも悪くもってどこが良くてどこが悪いんだよ、そんな紋切り型の言葉でごまかそうとしてるお前みたいな奴が一番インチキなんじゃなねーか?と14歳の少女は言った。ツクツクボウシが鳴いていた。

2015-08-17

8月1日

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暑さに弱くなったのか、いつもより暑いのか、2時間も歩けば集中力がなくなり歩く気もなくなり冷たいものが飲みたくて仕方がなくなるのに自動販売機がないからお湯みたいになってる常に携帯しているスポーツドリンクを飲んで日陰に座り込んで動けなくなっていて、眼下に見える川で泳ぎたい、その辺の蛇口をひねって水を首にかけたりして、タオルも濡らして首に巻いて、日陰の風の良く通るところを探すと頭上にツバメの巣があった。

2015-08-15

8月3日

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ガスっていて遠くの山が青みがかって霞んで見えている。雲が多く、午前中が精一杯かなと思っていると午前10時過ぎに太陽は雲に隠れた。大きな雲で空の青白い部分の大半を隠してしまっているからもう太陽は出ずにこのまま雨になってしまうのだろうかと神社の日陰で休んでいた。神社にはとても大きな切り株が二つあり、それぞれの切り株の真ん中に新しい木が植えられている。なぜ切らなければならなかったのだろうか。パッと日が射したから三脚を担いで日なたに出るとパッと暗くなって太陽は消えた。

2015-08-14

8月2日

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前に来たときにジュースをくれたおばさんが今回もジュースをくれて前と同じオロナミンCだった。いただいたオロナミンCを飲みながら話をしていてると今度は梅のジュースをもってきてくれて、これは持っていきなさいと手渡される。おばさんの旦那さんがやってきて旦那さんと話していると今度はペットボトルに入った麦茶を持ってきてくれて、これも持っていきなさい、とおばさんは言う。昼前には入道雲があちこちにあって気がつけば灰色の雲が迫りその灰色の雲の隙間から迫ってきている入道雲の一部分がちらっと見えている。この場所はもう少しすると入道雲の下に入る。

2015-08-11

5月29日

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雨の中を自転車で傘をさして走っているとズボンの右のポケットに入っていた携帯電話が地面に落ちた。ブレーキをかけて止まり振り返ると二つ折りの携帯電話が開いた状態で地面に転がり車に轢かれそうになっていた。少し慌てた。わたしは歩道ではなく車道を走っていて、その道路は片側一車線の狭い道なのに車の往来はひっきりなしだった。止まっているわたしを避けるために車は中央線をはみ出して膨らんで通過して行く。そのおかげで車道に転がっている携帯電話は車に踏まれずに済んでいる。もう少し先の方で止まっていたら携帯電話はぺしゃんこになっていたかもしれなかった、などと思ったのは水浸しになった携帯電話を拾い上げてからだった。

2015-08-09

7月28日

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フェリーを降りて和歌山港から原付で奈良へ向かっていた。まもなく19時で暗くなりはじめている。交差点ごとに警官が2〜3名立っている。交差点なんていくらでもあるからものすごい数の警官が動員されている。腕章を見ると兵庫県警という文字もある。人が足らないのか?信号を操作するつもりだろうか、祭りか、パレードかと思っていると歩道を日の丸の小さな旗を持った人が歩いているのが目に入る、天皇か?そのうちに反対車線の歩道に人の塊が現れる。小さな日の丸の旗を持った老若男女がどっさり。そういう人の塊が数百メートルに一度現れる。ここは日本なのか、異国にきた気分になってくる、この人たちは誰かを待っている、片側二車線の国道沿いの日本のどこにでもあるチェーン店がずらずら並んでいる通り、ほんとにこんな風景どこにでもあってうんざり、にどこからこんなに人が集まってくるのか。全員車道に顔を向けて前列の人はしゃがんでその後ろは中腰でと3列くらいになっている。みんな行儀がいい。やっぱりここは日本か。赤いのをくるくるまわしているパトカーとすれ違った。そろそろくるのか、またパトカーとすれ違う。次こそ来るのか、反対車線の向こう側に白バイ二台が併走しているのが見えた。暗い中で赤いのがはげしくくるくるしている。その後ろが天皇か?わたしはすかさず右車線に入る、近くで見てみよう。前方の車がスピードを落とす。わたしもスピードを落とす、対向車線の白バイもゆっくり走っている。ちょうど人の塊があり、全員わぁーという感じだ。白バイのすぐ後ろの黒塗りの車の中の照明が点灯していて中に一人で乗っている皇太子がぱっと明るく見えた。皇太子!歩道に集まっている人たちに笑顔で手を振っている。あっという間にすれ違った。前の車がスピードを上げた。わたしもスピードを上げた。あー。今まですれ違ってきた人の塊に皇太子はこれからその都度笑顔で手を振るんだな、と思うだけで、あー。芸能人がいてきゃーってのとは違って、人があんな風に国道脇の歩道に団子のようになって行儀良く手を振ったり日の丸を振ったりしてわぁー。こんなところで皇太子とすれ違うとは。この田舎の風景の中に皇太子がいることがメディアによって流される皇太子のイメージとすごくずれている。あの四角く区切られたフレームの中でしか見たことのなかった皇太子が紀ノ川に沿っている国道を車に乗って海の方へ移動している、その皇太子、テレビや写真の皇太子じゃなくて、あの皇太子、笑顔で手を振ってる。和歌山の海の先は四国だった。少し進むと反対車線の歩道に人がばらばらと散らばって歩いているのが見える。もう手を振り終わった人たちだ、薄暗い中に散らばる人々、何かの残骸か。