福岡吹奏楽コンクール第二日目

吹奏楽コンクール福岡地区大会の二日目に行ってきました。
なんと今週はこれで三度目のサンパレス。というのも、火曜日に韓国の俳優リュウ・シウォンのインタビューの為にサンパレスに来たのでした。
それにしても、同じ会場でいろんな催しが行われるものだ。

さて、今日はあまり聞く時間が無かったのですが、その中で印象に残った団体を。
まずは福岡県立宗像高校
非常に美しいサウンドという印象。耳当たりのいい音楽が心地よい感じ。しかし、全体を通して、主旋律がいまひとつ不鮮明で、音楽の筋がいまひとつ提示できなかったのが残念。旋律を吹く時の音質、また伴奏の時の音質、いろんな音色で音楽を表現できるように頑張って欲しいものです。

続いて、福岡県立城南高校
顧問が交代して3年ぐらいになるのかな。現顧問のサウンドがやっと定着して来た印象。が、全体的にアンサンブルが随所が僅かに乱れるのと、時折ピッチが不安定になるのが気になった。噴水も、同じシーンが最初から最後まで続くという感じで、色彩豊かなレスピーギの音楽世界を表現するまでには至らなかったのは残念。でも、年々調子づいて来ている、そんな印象を持ったバンドのひとつである。

続いて、九州女子高校
ここ数年、金賞が続いている団体だと思うが、やはり課題はサウンドのバランス。個々の技量はしっかりとしているが、たとえばトロンボーンのベルが終始同じ位置だったり、意識していろんな音色を演出しようという所まで届いていないのが非常に残念。音楽には隙間も大切で、それは単に強弱を付けるということだけではなく、緻密なブレンドの妙から出てくるものだと思う。

続いて、福岡第一高等学校
九州大会常連のバンドであるが、今大会中でも数少ない課題曲4番をセレクト。自由曲は火の鳥。課題曲は全体的に無難ではあるが、もっと映像的に音楽を展開してもいいのではという印象だった。自由曲も同じで、サウンド的にもやや縮こまった印象は拭えない。限度を超えた強奏は必要ないが、直線に舞い上がる火の鳥を表現する鋭角的なオーケストラヒッツは必要なのではないか・・・・という感じはした。次の段階では、ダイナミックレンジの広い壮大なファイアー・バードを披露してもらいたい。

そして、福岡県立修猷館高校
顧問が代わって、これで、2回目の出場になるのかな。昨年からどう進化して来るか、楽しみではあったが、課題曲の冒頭から、金管木管打楽器全てが闘争し合うイントロで、後半も、全ての楽器がこれでもかと演奏する様には少々違和感を感じた。もっと繊細なサウンドの調整が出来る指揮者だと思うのだが・・・・。自由曲の役人においても同じで、特にバルトークの曲は、鋭角的なサウンドとマイルドなサウンドとのコントラストが異様な世界観を出すオーケストレーション。次の段階では、そんな鮮やかな役人を演出してもらいたいと思った。しかし、難曲をここまで仕上げて来た力は立派である。

さ、というわけで、二日目の金賞は以下の通り。
32 県立香住丘高校
35 県立宗像高校
37 県立城南高校
39 九州女子高校
46 福岡第一高校
47 県立修猷館高校

そして、福岡支部代表は以下の通り決定しました。

精華女子高等学校(指揮:藤重佳久)
課題曲1 : ブライアンの休日(内藤淳一)
自由曲・フェスティバル・ヴァリエーション(C.T.スミス)
中村学園女子高校(指揮:石坂 久)
課題曲2 : マーチ「晴天の風」(糸谷 良)
自由曲・歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より(P.マスカーニ、編:宍倉 晃)
福岡県立春日高等学校(指揮:竹永泰永)
課題曲2 : マーチ「晴天の風」(糸谷 良)
自由曲・ラザロの復活(樽屋 雅徳)
大牟田高等学校(指揮:川口春生)
課題曲1 : ブライアンの休日(内藤淳一)
自由曲・交響曲第1番「指輪物語」より(デ=メイ)
福岡県立香住丘高等学校(指揮:松尾慶治)
課題曲2 : マーチ「晴天の風」(糸谷 良)
自由曲・楽劇「サロメ」より7つのヴェールの踊り(R.シュトラウス、編:仲田守)
福岡県立城南高等学校(指揮:濱野貴司)
課題曲1 : ブライアンの休日(内藤淳一)
自由曲 : 交響詩「ローマの噴水」より(レスピーギ、編:齋藤 淳)                   
都築学園第一高等学校(指揮:山崎 毅)
課題曲4 : 天馬の道〜吹奏楽のために(片岡寛晶)
自由曲 : バレエ組曲火の鳥」1919年版(ストラヴィンスキー、編:R.アールズ
福岡県立修猷館高等学校
課題曲1 : ブライアンの休日(内藤淳一)
自由曲・バレエ音楽中国の不思議な役人」より(バルトーク、編:仲田 守)

というわけで、二日間福岡地区大会を聞かせて頂いたが、全国を通じても、非常にレベルの高い地区予選だろう。特に、県立高校の普通科のバンドのレベルが年々高くなって来ているのが、頼もしい。
ただ、全体を通じて、ほとんどのバンドに言えることだが、主旋律を輝かせる為の音楽、存在感のある伴奏、彩りを添える効果音・・・・こうした音楽の原点を常に感じながら、サウンドを作り、合奏を楽しんでもらいたい、そんな気がした二日間でした。

代表校のみなさん、県大会では更にいい音楽を目指して、頑張ってください。
そして、二日間の出演者の皆さん、お手伝いの皆さん、とてもとても暑い中ご苦労さまでした。
ほぼタイムスケジュール通り、スムースな進行に拍手!そして感謝!