この式典が、事件の現場となった釜山ではなく、大田で開催される理由については、こちらを参照してもらえればいいだろう。
警察庁に対して呆れてみせる資格がマスコミにどれほどあるのかは知らないが、盧武鉉から李明博への政権転換を機に燃え上がったこの東義大事件は、韓国内では依然として問題になっているらしい。
まあそれはさておき、要するにこの人たちは、事件に関わった学生たちを「民主化」の金看板から切り離したくて仕方がないようだ。というのも、この事例についてはどうにかすれば切り離すことが可能でありそうだからだ。
逆に言えば、その関係を切り離せそうにない人たちは、この人たちにとってはアンタッチャブルになっている、ということである。
もう何度もチラチラ書いていることだが、5.18において殺された軍人を無視する国に、国家と呼ばれる資格はあるのだろうか？3.15や4.19については、どうだろうか？
誰か教えてくれませんか。
とりあえず、関連記事をクリップしておく。
記事入力 : 2009/05/05 06:30:13
【社説】東義大殉職警官追悼式、今さら出席した警察庁長大田顕忠院で3日、1989年に起きた釜山東義大警官殉職事件から20周年を迎える追悼式が開かれ、姜熙洛（カン・ヒラク）警察庁長が出席した。現職警察庁長が出席するのは初めてだ。亡くなったチョ・ドクレ警査（巡査部長に相当）の兄の言葉通り、「あきれた歳月」だった。7人の現職警察官がデモ隊の放火で焼死してから20年の月日が流れる間、警察トップを務めた16人のうち、1人も同事件で殉職した警官の追悼式に出席したことはなかった。
89年3月14日、釜山東義大で大学教授が「入試に不正があった」と良心から暴露した。総学生会幹部はその証言を受け、同21日から総長室を占拠する抗議活動に入った。学生らが5月1日に校門から500メートルの地点で交番に火炎瓶約10本を投げたため、警官は発射音だけが出る練習用の銃弾を撃ち、学生らを解散させるとともに、数人の学生を検挙した。すると、学生ら約100人は検挙された学生を救出するとして、交番を襲撃し、火炎瓶約50本を投げた。警官は再び練習用銃弾を発射し、交番を包囲していた学生を解散させた。
翌2日午後、学生約300人は「警察糾弾大会」を開いた後、校門の外300メートルの地点で戦闘警察（機動隊）5人を拉致し、大学構内の図書館に連れて行った。警察は3日未明まで学生側と交渉を行ったが決裂。5個中隊634人を図書館に投入し、拉致された警官の救出作戦を展開した。学生らは机や椅子でバリケードを築き、廊下に石油をまいた。そして、警察が進入すると、火炎瓶で放火し、警察官7人がやけどや窒息で死亡した。これがいわゆる釜山東義大事件のあらましだ。
大法院（最高裁に相当）は1990年6月、この事件に関与した学生31人に対し、放火致死罪で懲役2年から無期懲役を言い渡した。しかし、2002年になって民主化運動補償審議委員会が事件に関与した46人を「民主化運動者」と規定し、平均2500万ウォン（現在のレートで約190万円）の補償金を支給した。警察官を放火により死亡させた犯人が急に、「民主憲政秩序の確立に寄与し、国民の自由と権利を回復させた」（民主化運動補償法2条）民主化運動家になったのだ。
殉職した警察官の遺族は、民主化補償審議委の決定は故人の名誉を失墜させたとして憲法訴願（違憲審査請求）を行い、憲法裁は05年10月に5対4で「遺族は（放火犯を民主化運動者と認定した）審議委の決定で基本権を侵害されてはおらず、憲法訴願を提出する資格はない」として、請求を棄却した。ある裁判官は「死んだ人間に憲法訴願を出せというつもりか」と反論したが、あくまで少数意見で力がなかった。
国家機関が警察官を火炎瓶で焼き殺した警官拉致犯を民主化貢献者として持ち上げ、補償金まで支払い、警察組織も救出作戦の途上で焼死した警察官を見て見ぬふりするのだから、警察官の誰が命懸けで公権力を死守しようとするだろうか。
ハンナラ党の田麗玉（チョン・ヨオク）議員は今年2月、民主化補償審議委の東義大事件に関する決定を再審するための「民主化運動補償法改正案」を国会に提出し、民主化実践家族運動協議会のメンバーによる集団暴行を受けた。国会は一日も早く、田議員の改正法案を審議し、可決しなければならない。警察官を焼き殺した放火拉致犯を民主化の功労者として顕彰しておきながら、放火拉致犯によって焼き殺された警察官を無視する国に国家と呼ばれる資格はない。
