いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「出撃!!ノブシ・ストライカーズ 〜結成!女の子武士団〜」清水文化(スーパーダッシュ文庫)

出撃!! ノブシ・ストライカーズ 〜結成! 女の子武士団〜 (スーパーダッシュ文庫)
出撃!! ノブシ・ストライカーズ ?結成! 女の子武士団? (集英社スーパーダッシュ文庫 し 6-4)

天正十年六月二日、本能寺の変は起きなかった。その結果、織田信長によって統一された日本は、幕藩体制ではなく藩や県という小国家の集まった連邦として鎖国せずに現代まで発展してきた。
鯨崎未悠は国家連邦を形成する小藩春谷藩の姫さまであり、一人っ子のため将来は婿を取らなくてはならなかった。そうした政略結婚がイヤな未悠は、たとえ女でも家督が継げればしなくて済むと武士を目指すようになったが、男ではない未悠が武士を目指すには少々風当たりは強かった。「女だって武士になりたい!」と奮闘する未悠は、ひょんなことで開発中の機動兵器『ノブシ』に乗ることになり、そこから数々の騒動に巻き込まれて(起こして!?)しまい――。
破天荒な姫さまの疾風怒涛コメディ開幕!


簡単に説明すると、武士の時代が続く現代で藩主の一人娘が政略結婚が嫌で家督を継げる武士を目指しパワードスーツに乗って活躍するお話。うん、日本語の並びがおかしいねw (あとがきを読むとどうしてごった煮みたくなったのかが分かる)
パラレル現代、刀、学園都市、メカ、主要キャラ多数とかなりの数の要素を詰め込んである為、前半は説明に四苦八苦している様子。
で、行き付く先というかメインになるのがロボットアクション。機動兵器・ノブシが本格始動してからが面白い。
理系で説明好きなロボットアクションは細かく考えられたノブシの仕様だけでもワクワクするし、アクションも丁寧で状況把握しやすい。それに主人公・未悠が生き生きし始めるのもここからで、それまでの澱んだ空気を吹き飛ばしてくれる。
それだけにノブシの絵がないのが非常に残念。ノブシの格好が分かるだけで、イメージしやすさと迫力が格段に変わったはずなのに。挿絵はメカを描ける絵師に頼むべきだった。
ちなみにキャラ小説としては、清水作品らしく会話はゆる〜く恋愛要素は薄め、そこに微量の百合成分が混入といったところ。
単発ものなのか。説明が一通り終わったこの先こそ本番なのに勿体ない。