特定健診日記

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女性のメタボ腹囲基準値を見直しへ

日本ではメタボリック症候群の腹囲基準を男性85cm、女性90cmとしてきましたが、女性について、この腹囲基準値を90cm→80cmに見直すべき、というデータが厚生労働省研究班でまとまりつつあるそうです。本日付の朝日新聞からの引用です。

 特定健診で使われているメタボリック症候群の診断基準を検証している厚生労働省研究班(主任研究者=門脇孝・東京大教授)の中間解析がまとまった。将来、心筋梗塞(こうそく)を起こすリスクがある人を見分けるのに最も適しているとされた腹囲のサイズは「男性84センチ、女性80センチ」。女性は現行の90センチと大きく異なっており、見直しに影響を与えそうだ。

 現行基準は男性85センチ、女性90センチ。女性のサイズを男性より大きく設定しているのは、世界的に例がない。

 研究は、測定値と実際に起きた病気とのかかわりを調べた初めての全国調査。3万人以上の住民を対象に、腹囲サイズや血圧、血糖値などを測定。その後の心筋梗塞脳卒中の発症を追跡して、関係を調べている。

 研究班によると、中間解析はこのうち男女1万6千人のデータを使い、心筋梗塞との関係を調べた。基準とする腹囲を大きく設定すると、発症リスクの高い人を見落とす恐れがある。一方、小さく設定しすぎると、リスクの低い人も誤ってメタボと判定してしまうため、見逃しや過剰な判定が最も起こりにくいサイズを計算した。

 この結果出たのが男性84、女性80。腹囲がこれより大きいと、小さい人に比べて心筋梗塞を起こすリスクが男性で2.4倍、女性で1.6倍高いという。

 研究班は、別の分析手法で高血圧や高血糖などを起こしやすくなる腹囲も計算。同じ数値だったという。 (中略)

 研究班は今後、解析対象の人数を増やすとともに、脳卒中とのかかわりも調べる。ふさわしい腹囲が最終的に固まるのは来年以降の見込み。特定健診は当面、現行基準で進められる。


現行の基準値がどのように決まったのか、そのプロセスの検証も必要ですね。

一方これとは別に、WHO(世界保健機関)も新しい肥満症のガイドラインを作成中だそうで、そちらはアジア地域は「男性85cm前後、女性75cm前後」となる見込みだそうです。75なのか80なのか、まだ流動性はありそうですが、いずれにしても90cmからは大幅に短くなりそうです。ソースは今年1月18日付毎日新聞です。

 心臓病や糖尿病などになりやすい人を見つけるための新しい基準として、世界保健機関(WHO)が腹囲を採用することになった。WHOは従来、肥満度を示すBMI(体格指数)が25以上の「肥満」を高リスク集団としてきたが、アジア人にはBMIが低くても心臓病などで死亡する例が多い。新基準はアジア地域では「男性85センチ前後、女性75センチ前後」となる見込みで、導入されれば日本の「メタボ健診」の腹囲基準に影響を与える可能性がある。

 ◇BMIから変更
 WHO本部(スイス・ジュネーブ)で12月開かれた専門家会合で決まった。6月ごろ正式決定する。

 BMIは、体重を身長(メートル表示)の2乗で割った数値で、WHOはBMI25以上を「肥満」とし、心臓病や糖尿病、高血圧などの生活習慣病への注意を呼び掛ける基準としてきた。しかし精度への疑問の声もあり、BMIに代わる新しい基準を検討していた。

 同会合で約600の文献を検討した結果、アジアではBMIが25以下でも心臓病や糖尿病になる危険性が高く、BMIより腹囲を使った方が、より正確に高リスク集団を見つけられると判断した。

 新基準は、体格などの違いを考慮して3種類とする。アジアなど、腹囲が細くても病気になりやすい人が多い地域(男性85センチ前後、女性75センチ前後)▽欧米など、腹囲が太いと病気になりやすい地域(男性100センチ前後、女性90センチ前後)▽中東などどちらでもない地域(男性95センチ前後、女性80センチ前後)−−とする方向で検討中だ。


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