中国行きのスロウ・ボートRMX/古川日出男

 作者古川日出男はよく村上春樹の「中国行きのフロウ・ボート」に影響を受けたといっていて、そのことを踏まえた雑誌企画の村上春樹トリビュート作品の一つ。
 一読した感じでは、春樹と言うよりも古川節が出ている作品に仕上がっている、だけども登場する女の子たちは少しおかしくてかわいいどこか春樹的な女の子像が反省されてて面白い。包丁ガールはかわいい。

幼年期の終わり/アーサー・C・クラーク

幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)

幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)

 
 言わずと知れた名作SF古典、SF読むたびに思うんだけどSF作家の先進性ってのはすごいな。色褪せない。人類の進化を描いた傑作。

 *[本]七つの黒い夢 /オムニナバス

七つの黒い夢 (新潮文庫)

七つの黒い夢 (新潮文庫)

ちょっとホラー風味なオムニバス短編集、乙一恩田陸などの有名どころも入ってる。

ICO-霧の城-/宮部みゆき

ICO-霧の城- (講談社ノベルス)

ICO-霧の城- (講談社ノベルス)

これもひとつの解釈、可能性ってのはいいな。

 氷菓 / 米澤穂信

氷菓 (角川文庫)

氷菓 (角川文庫)

出版社/著者からの内容紹介
第五回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞受賞作!

何事にも積極的に関わらない奉太郎が、姉の命令で入部させられた古典部で、部員の少女の叔父が関わった三十三年前に起きた事件の真相に迫る。省エネ少年と好奇心少女が繰り広げる青春ミステリー。

 学園青春ミステリーもの、だけど誰も死にません。
死なないほうが平和でいいな。個人的には思うけど、シラケムードな最近の若者が主人公、んでもてさえないけれども、ひらめきゃピカイチ。
ありがちだけど、定番ってのもたまにはいいな。

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 /米原 万里

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

1960年、ソビエト学校に通っていた作者の友達を追った。ノンフィクションもの、冷戦時代、様々な境遇・国籍の子供がいた学校での生活を描き、30年後その友達の今を見た。
 もっと、共産主義愛国心などの思想が身近にあって、大きな意味があった時代の物語、今とは違う考え方だけど、すごく重要な意味を持っている歴史が読み取れる作品。