「切腹」 全部が正解

 

私と黒澤明 複眼の映像 (文春文庫)

私と黒澤明 複眼の映像 (文春文庫)




先日、橋本忍「複眼の映像」を読んで、橋本氏が脚本を手がけた中でも名作と評判の高い「切腹」が観たくなったのでレンタルした。








あの頃映画 「切腹」 [DVD]

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随分、昔に観た記憶があるが、最初の切腹のシーンの印象が強すぎて、後半のストーリーを全く覚えていなかった。



仲代達也、三國連太郎をはじめとする俳優陣は皆素晴らしい
武満徹の音楽も心に訴えるものがある。



そこで描かれているのが史実か否かは定かではないが武家社会の厳しさと残酷さ、武士としての一分を命懸けで貫く主人公の気迫…そういったものが胸に迫ってくる。




 全体として何か胸をかきむしられるような感覚がある。そういう映画が稀であることを考えれば1度は観ておくべき映画なのだろう。


一命 (講談社文庫)

一命 (講談社文庫)

【収録されている「異聞浪人記」が「切腹」の原作。「切腹」は「一命」という作品名でリメイクされた】







しばらく前に法事の席で親族の方から質問を受けた。





故人が亡くなられる直前にこれから自分がどうなるか…と尋ねられて上手く答えられなかったが、そのことが心に掛かっていると言われたのだ。




時々、そういうご質問を頂くが、私はそれがどのような内容であれ、故人の為に一生懸命に考え、言葉を選んで語られたのなら、それは正しい答えだと思うとお答えした。





相手への一生懸命の思いでつむがれた言葉は多分、全て正しいのではないか…と思うのである。




人間同士はお互いの思いが通じなくてもどかしい思いをすることがあるが、亡くなった方に対する思いは故人に対して間違いなく伝わると思っている。





この世にある私達はあんなことを言わなければよかったとか、もっと違うことを言ってあげればよかったなどと逡巡し、思いを巡らし続けることが多い。




時にそれは何年も、何十年も続くことがある。




だがそれは不要ではないかと私は思う。
亡くなった方にはこちらの思いは全て伝わっていると感じているからだ。故人はきっとその一生懸命の思いをきちんと受け止めて感謝されているはずなのである。




そして私達はただ心を開いて、ひたすらな思いで故人への感謝と愛情を伝え続ければよいのだと思っている。



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