WZから秀丸への乗り換え記

前兆(前置きとも言うし、嫌な予感とも言う)

何度か書いてる通り、私はWindows上のエディタには、WZ EDITOR(以下、WZと略す)を愛用しています。発売当時から愛用し続けています。WZにはメーラーも付属しており、メーラーにはWZ MAILを愛用しています。さらにWZにはファイラーも付属しており、WZ FILERも愛用しています(Explorerなんか滅多に使わない)。つまり私はWindowsの前にいるとき、その大部分の時間をWZの中で過ごしているのです。

私はほぼすべての文書をテキストエディタで書いています。WordやExcelなどは滅多に使いません(使えないとも言う)。その昔、私がLaTeX野郎だったのは、とにかくテキストエディタで文書を書きたかったからです。

と・こ・ろ・が・・・!

2006年4月現在、WZの最新バージョンは5.02D。Ver5.00発表から、5.02Dまでは順調に改版されたが、5.02Dが出たのは2004年11月のこと。それ以降、ユーザからバグ情報や改善要望が多数寄せられるも、まったく音沙汰無し。。。もう、かれこれ、一年半。。。

そんな中、今月WZ EDITORの掲示板に、突然こんな告知ぐわ!

お知らせ

Web News においては既に告知済みですが、3月末日の創業者の退社により、株式会社ビレッジセンターの代表取締役社長が交代いたしました。
パソコン通信創成期の頃より、日経MIX、NIFTY-Serve を経て、長年にわたって提供して参りました電子会議室形式のサポート掲示板ですが、新社長の方針により、各ソフトウェアのウェブ掲示板は本日を持って読み取り専用とし、今月内にも閉鎖させて頂くことになりました。

ももももももももしかして、かかかか開発終了ですくわっ?
うわー、てーへんだ、てーへんだー!

独りで勝手に大騒ぎした揚げ句、秀丸エディタ(以下、秀丸と略す)への乗り換えを決意。しかし、WZから離れる日が来るなんて想像したこともなかったため、一口に秀丸に乗り換えると言っても、その道のりはとっても険しく‥‥。

なぜ乗り換え先のエディタに秀丸を選んだのか――。 秀丸にはメーラーが用意されているからです。私にとって、メーラーの第一条件は、エディタとの親和性です。メールの文章を書く際、愛用のエディタをそのまま使用できないと、まったく仕事になりません。てゆーか、仕事しねー。

目次

エディタ編

キーカスタマイズ

IT業界に入社して、新人の頃、DOS上のMIFESのキー操作をWord Starライクにし、さらにそこへスパイスをきかせたキーバインドをずぅ〜〜〜〜っと貫き通している。

WZのキーカスタマイズ画面

MIFES、VZ、WZと渡り歩いてきたが、このキーバインドは変えたことがない。ホームポジションから手を離さず(もちろんマウスも使わず)、必要なすべての操作を2ストローク・キーで行う――がコンセプトだ。例えば、ファイルを保存するにはCtrl-KS、検索はCtrl-QFという具合に。

Word Starライクでないと何もできない。
違うキー操作を求められると、指が拒絶して髪が抜ける。

実は私は何を隠そう、Windows 3.1の時代、WZが発売される前までは秀丸ユーザだった。ふっふっふ、その当時、秀丸をキーカスタマイズした定義ファイルを、ボクはちゃぁんと保存して‥‥ぬぁいっ! どこにもぬぁぁぁいっ! 検索じっこー! 見つからねー! あ、そうか、Linuxマシンにバックアップしたんだ、きっとそうだ。findうらぁ! ヒットしねー! 誰だ、俺のファイル消しやがったやつわー!

秀丸のユーザメニュー編集画面

そんなわけで、見知らぬおじさんにキー定義ファイルを消されてしまったため、泣く泣くもう一度定義し直すことに。

秀丸は表面的には2ストロークをサポートしていない。ただし、メニュー定義と組み合わせることで、遠回りに2ストロークを実現することが可能だ。んが、この定義がめんどー、すげーめんどー。ああ、WZなら簡単に定義できるのに。。。

いやしかし、秀丸は今やすでにVersion 5に達している。今の秀丸ならきっと簡単に‥‥まったく変わってない! おーまいがっ! なぜこうも2ストローク野郎をないがしろにするの、秀丸さん、あなたってひとわ!

一方、WZでは、画面から定義できるのはもちろん、wz.keyというテキストファイルを直接編集することでも定義できる。 非常に柔軟な定義が可能だが、キー定義にコマンドを記述しなければならないため、初心者にはハードルが高いと思われる。

WZのキーカスタマイズファイル

配色(色設定)

強調定義をはじめとする色の設定はどうにもならない。今さら配色を変えると目がついていかん。一から定義し直すしかない。しかし、この定義方法がWZと秀丸とではまったく異なるため、同じ配色を定義するのに数日かかった。毎日毎日少しずつ定義を付け足し、ようやく慣れ親しんだ配色を実現。

あー、すげーめんどーだった。ものすげー疲れた。もう二度とやりたかねー。

どちらが定義しやすいかと言うと‥‥なんとも言えません。

自動整形モード

自動整形はWZのウリの一つだ。すっかりそれに馴染んでしまったため、秀丸にないのは困った。

WZの自動整形モード。こいつぁ強力だ。

仕方ないので、手動でいいから整形してくれるマクロを探すことに。しかし、秀丸のマクロライブラリにアップされてるマクロを片っ端から試すも、私的にしっくり来るものが見つからず。なんだかんだでマクロはいっぱい作らないといけないことに気づく。

バイナリ編集モード

これがないっ、秀丸にわ! サポートしてけれーっ!

WZのバイナリ編集モード

2007年10月追記:
ごめんなさい。バイナリ編集モードは秀丸にもありました。ただ、WZのバイナリ編集モードの方が使いやすいみたいですね。

ビューモード

秀丸にもビューモード(閲覧モード)はあるが、ビューモード固有のキーバインドにならない(ビューモード用のカスタマイズもできない)。なぜわざわざビューモードにするかって、lessライクなキー操作で、気楽にスペースキーをぱしぱし叩いてスクロールさせながら読みたいから。

仕方ないのでマクロで組んでみた。h、j、k、l*1でもスクロールできるようにして、おー、快適ーっ。

んがしかし、実現できたにはできたが、大きな問題があることに気づく(組む前から気づいちゃいたが)。

もしかして秀丸マクロの場合、キー入力をポーリングしなきゃいけませんか? そりゃループの中でdelay入れるにしても、ループしながらイベントが来てるかチェックするのは避けたいんですが、それは無理ですか? だとすると、私の場合、Windowsを使うのはモバイルノートだけなので、バッテリがもったいなくて実行できません。

lessライクなビューモードを実現する自作の秀丸マクロ。
だめだろ、このロジックじゃ。

HTML文法チェック

WZは、HTML(XHTML)をテキストエディタで書く人のための機能が充実している。その一つにHTML文法チェックがある。Another HTML-lintと連携し、簡単にHTMLの文法チェックを行うことができる。

詳細を知りたい人がいれば、上記のリンク先を参照して欲しいが、HTMLをテキストエディタで書く人にとっては、なくてはならない機能である。

HTML文法チェック

上図は、執筆中の本テキスト「WZから秀丸への乗り換え記」にHTML文法チェックをかけたところ。WZでは、[ツール]-[HTML文法チェック]で簡単に文法チェックを実行できる。チェック結果は別ウィンドウに表示され、エラーメッセージにカーソルを合わせてEnterを押すだけで、エラー箇所にジャンプできる。

発室』のすべてのテキストは、こうして文法チェックを行いつつアップしてきた。

まだ詳しく調べてないが、工夫すれば秀丸と連携することも可能なようだ。これはぜひ実現したい。

と思ったら、なんだかちょっとめんどーそうだ。秀丸マクロから外部プログラムを起動し、その標準出力をパイプで読めれば簡単なのだが‥‥。
run文を起動時にテンポラリへリダイレクトさせ、その結果を読み込み、その後テンポラリを消しておく――ってなことをしなきゃダメか?
いずれにしても、もう少し調査が必要だ。

2009年3月追記:
本件について、緒方さんという人からコメントをいただきました。
2009/3/12に書いていますので、興味のある人はお読みください。

2007年8月追記:
作って公開しました。興味のある人は下記を参照してください。
『htmllint - HTML-lint実行』

リンクへのタグジャンプ

例えば、HTMLファイル中に、次のような行があったとする。

関連話: <a href="boto/2006.html#b20060118">『暴投テキスト』2006/1/18</a>

WZの場合、このようなHTMLのリンクにタグジャンプすることができる。上記の例で言うと、"boto/2006.html#b20060118" のどこかにカーソルがある状態で、タグジャンプを実行すれば良い(私のキーバインドでは、Ctrl-QTだ)。これは、HTMLをテキストエディタで書く人にとって、非常に重宝する機能だ。複数ファイルのリンクを行き来しながら編集できるし、自分の書いたリンクが正しいか簡易チェックするという用途でも使用できる。

一方の秀丸は‥‥もしかしてできませんか? もし本当にできないなら、サポートしてけろーっ!

行選択開始

秀丸は、選択開始コマンドはあるが、なぜか行選択開始コマンドがない。その昔、はじめて秀丸に触れたとき、なぜ用意されてないのか不思議だった(MIFESにもVZにもWZにもある。もちろんVimにもある)。さすがに今は用意されてるだろうと思って探したら‥‥ぬぁいっ、やっぱりぬぁいっ。なぜなんだーっ!

現在に至るまで用意されてないということは、需要がないってことでしょーか。勝手な想像ですが、今どきのユーザはマウスで行選択をするので、わざわざコマンドとして用意して欲しいなんて要望するユーザはいない――ってことでしょーか。

私のキーバインドでは、Ctrl-KLで行選択開始(ブロック選択はCtrl-KB)、Ctrl-KKで選択範囲を複写(切り取りはCtrl-KY)、そしてCtrl-KIで貼り付け――になっている。仕方ないのでCtrl-KLには擬似的なマクロを組んで割り当てることにした。

マクロ
自作マクロの移植

WZ時代に組んで愛用してた小物マクロ集を、すべて秀丸マクロで書き直すことに。WZのマクロはTX-Cと呼ばれるもので、文法はC言語そのものになっている。一方、秀丸マクロは独自の文法になっている。インタプリタなので仕方ないけど。

自作のWZマクロ。文法はモロC言語

WZはインタプリタじゃありません。文法がC言語と聞いて、「え?」と思った人もいるでしょうが、そうです、コンパイルが必要です(中間コードに落ちます)。ただし、タイムスタンプがソースの方が新しいマクロを実行しようとすると、WZが自動的にコンパイルしてから実行してくれるため、事前にコンパイルすることを特に気にする必要はありません(そりゃあコンパイルエラーがあったら話は別だけど)。

一説によると、WZ作者のTYさんは、エディタを作りたかったと言うよりは、処理系を作りたかったのだ――という話を聞いた記憶があります。それが証拠に、なんと驚け、TX-CでExcelのようなアプリを書いちゃうことだってできるのだ。

コンパイルが成功した場合は、ステータスバーにその旨がひっそりと表示されるだけですが、コンパイルエラーが発生した場合は、エラー内容が別ウィンドウ上に表示されます。

わざとコンパイルエラーを起こしてみたところ。

それを秀丸マクロに書き直そうってんだから、そりゃあ移植と呼べるレベルじゃない。

WZのTX-Cは、ネイティブのWindowsアプリ並みのソフトを書けてしまうほど強力なのに対し、秀丸マクロは(当たり前と言えば当たり前だが)エディタのマクロとしてのレベルに留まっている。もちろんそれで良いのだが、もうちょっと関数の品揃え(特にテキストバッファ操作系)が欲しいかな〜と思う。

また、秀丸マクロの(文法エラーがあったときの)エラーメッセージには、なかなか慣れなかった。書き始めた当初は勘所がわからず、何が悪いのか把握するのに時間がかかった。

#return##returnを何度も間違えたり‥‥。

その他、ないと困るマクロ

本体機能になくても良いので、マクロとして提供されていると、てゆーか、ないと個人的にひじょーに困るマクロが多数ある。

それらを一つ一つ取り上げ、自分で組んだもの、組まずに解決したもの――を紹介してるとキリがないので、本テキストでは割愛する。いずれ別の機会に紹介したい(本当か?)。

一例を挙げると、私は計画書など長文のHTMLをテキストエディタで書くため、HTMLファイルの目次を自動生成するマクロ等がないとやってられない。

Plug-inマクロ

WZのマクロには2種類ある。一つは通常のマクロ、そしてもう一つはプラグインマクロである。

私はHTML(XHTML)ファイルをテキストエディタで書いている――そう何度も言ってるが、「テキストエディタで書くなんてめんどくさい」と思った人もいるだろう。ところがぎっちょん、WZのXHTMLプラグインを使うと、これが実に快適に書ける。テキストエディタの軽快さにこのプラグインが加われば、そんじょそこらのツールなんかより、ずっと快適に書けるのだ。

これがあるから、WZは「本格HTMLエディタ」と謳っている。

快適に書ける――それだけが理由ではない。上記リンクに書かれてる「はじめに」から引用する。

HTML文書の作成には、HTML知識を必要としないDTP風のオーサリングツールを使う方法と、HTML知識を前提にしてテキストエディタで書く方法があります。HTMLの知識を持つ人たちが、DTP風のオーサリングツールを嫌う理由は、それがブラウザ画面での見栄えを優先するあまりHTML的な文法を無視したファイルを作成するからです。自動化されたツールは余計なお世話をするツールであり、せっかく自分流に書いたHTMLソースが破壊されてしまうツールであると……。

何がどうしてそんなに快適になるのか。まず第一に補完機能が素晴らしい。それだけではない。再び上記リンクの「はじめに」から引用する。私はこういったコンセプトに惚れて、WZを使い続けてきた。

WZエディタとXHTMLプラグインは、テキストエディタとしてできるHTML文書作成のための自動化や補助を、徹底的に追及したツールです。DTDに準拠したタグ属性を間違いなく書くための手助け、段落のフォーマットを素早く整えるタグの補完、文章を推敲して練り上げるための見出しのアウトラインツリー表示、見出しを抽出して目次を生成するなど、思考を妨げないサポートを徹底しておこないます。「余計なお世話」とは絶対に言わせない、手に馴染む筆記具。それがWZエディタが目指す姿勢です。

ふっ、しかたない、その便利さをほんの少しだけ紹介しよう。いま、とあるフォルダで、test.htmlという空のファイルを作成したとする。

test.htmlというファイルを生成したところ。この時点ではまだ中身は空。

これをWZでオープンすると‥‥

中身が空で生成したtest.htmlを、WZでオープンしたところ。WZのテンプレート機能により、自動的に選択されたテンプレートファイルが読み込まれてから、ファイルが開かれる。

ファイルを開いたら、さあここからが本番だ。どんな風にプラグインが働くかと言うと‥‥もし興味があれば、先に挙げたXHTMLプラグインのページを読んでみて欲しい。
(あ、さてはてめー、書くのがめんどーなんで逃げたな!)


秀丸に乗り換えて一番辛かったのは、このXHTMLプラグインを使えなくなることだった。せめて補完機能くらいは自作しようとしたが‥‥うわ、思ったより難しいっ。(="=;

TX-Cならもっと簡単に書けるのに‥‥と思えてしまう場面が多々あります。もう少しテキストバッファを簡単に扱う仕組みがあれば‥‥と思います。

他にも愛用してるプラグインは数あれど、紹介してるとキリがないので、本テキストでは割愛する。

ウィンドウ分割

秀丸のウィンドウ分割

WZも秀丸もウィンドウ分割はできる。長文の文章を書く際、非常に重宝する機能だ。が、分割したウィンドウを行き来するキー定義を、なぜかWZはカスタマイズすることができない! Ctrl-Tab固定になっている。いったいなぜだ、どーしてなんだー!

これがどーにもこーにも我慢できず、WZのウィンドウ分割は滅多に使ってなかった。

一方の秀丸は‥‥ああ良かった、キーカスタマイズできるじゃん。ならば積極的に使うことにしよう。

ただ欲を言えば、タブ切り替えとウィンドウ切り替えを別々のコマンドにしてもらえると、もっとうれしー。さらに言えば、分割ウィンドウの切り替えとタブ切り替えを、別々のコマンドにしてくれちゃったりしないかな。

ちなみに、WZは1つのファイルを複数ウィンドウに多重化して編集することができる(2重化だろうが3重化だろうが)。この多重化ウィンドウの行き来はキーカスタマイズできるので、こっちを主に利用してた。

その他
  • スペルチェック
  • 用語統一
  • 慣用句

いずれもWZは標準でサポートしているが、秀丸にはないですか? これらをマクロで組むとなると、けっこー大変そう。当面諦めることにする。

メーラー

WZ MAILから秀丸メールへの移行、これは苦労した。何度も挫折しそうになった。てゆーか、途中で挫折してる。あー、だめだ、もーだめだ。

結論を言っておくと、秀丸メールの方が、WZ MAILよりも使いやすく、かつ安定していると思う。しかも、なんとびっくり、カスタマイズ性も秀丸メールの方が高い。正直言って秀丸メールには期待していなかったのだが、実は最強メーラーか?

現存するWindows用のメーラーは、私は(あまり知られていないものまで)かなりの数のシェアウェアを買いあさってます。その中で、秀丸メールは一番使いやすいです。

WZ MAIL

データ移行

一番苦労したのはデータ(メール)の移行(WZ MAILからエクスポート→秀丸メールへのインポート)である。あんまり大変だったので、過去のメールは思い切って全部捨てようかと思ったほどだ。

結局まだ移行し切れてない。過去プロジェクトのメールを読みたいときは、必要に応じてWZ MAILを立ち上げている。さっさと移行を完了したいが、めんどーでやってらんない。

移行が大変なのは、もちろんデータ量の多さもあるが、WZ MAILのエクスポート機能があんまり強力でない*2ことが原因だ。一方、秀丸メールのインポート機能は非常に賢いため、かなり救われてる。

キーカスタマイズ

秀丸メールのキーカスタマイズ

なんと、秀丸メールはキーカスタマイズできるじゃないですか! いやー、すげーうれしーよー。意外や意外、なんとWZ MAILはキーカスタマイズできないのだ。

ずいぶん以前から、「WZ MAILでもキーカスタマイズできるようにして欲しい」という要望がユーザから挙がっているのだが、未だ実現されていない。

秀丸メールを入れるや、まず第一にキーカスタマイズを施し、キーボードだけで操作できるようにした。ひゃー、快適ーっ。ああ、だめだ、もうWZ MAILには戻れない。

ものすげー昔、私はUNIX上でmnewsを使用してた。現在はLinux上でMuttを使用してたりする。これらはktermなどの端末上で動作するので、すべての操作をキーボードで行える。こういったメーラーに慣れてしまうと、マウスでちまちまやってらんない。
などと言いつつ、しっかりThunderbirdも併用してたりするが。(^^;

ただ、一言言わせてもらうと、メールエディタ上では、エディタ本体のキー定義を優先してもらえないかな。そうでないと、定義したくてもできないキーが出てきてしまうので、思った通りにカスタマイズできないの。つまり、キー定義の上書き順序を間違えてない? いや、きっと仕様なんだろうけど、本当に仕様なのだとしたら、なんかちょっと変だと思うよ。おいらはバグかと思ったど。

Web掲示板、ノート

WZ MAILには、Web掲示板をあたかもメールの送受信をするかのように扱える機能がある。一方、秀丸メールではそれができない。

調べたところ、メーラーdeネットニュースと組み合わせれば実現可能らしいが、ど〜も使用する気になれない。なぜ使用する気になれないのか、自分でもわからない。

また、WZ MAILではノート(メモ書き)用のフォルダを作成することができるが、秀丸メールではこれもできない。*3

これら2つの機能は、ぜひサポートして欲しい。

WZ MAILのノートにメモを1件追加しようとしているところ。
これまで相当量のメモをWZ MAILのノートに書き込んできたので、使えないととっても困る。

検索フォルダ

WZ MAILでは「検索フォルダ」を任意の階層に自由に作ることができる。これによって、指定した条件に合致するメールだけを、いつでもリアルタイムに見ることができる。

WZ MAILの検索フォルダ

一方の秀丸メールは、検索フォルダを作ることはできないが、検索した結果で一覧を作成し、別ウィンドウに表示させることができる。

秀丸メールの検索して一覧作成

どちらが使いやすいかは好みがあると思う。ただ、WZ MAILの検索フォルダは、検索条件の組み合わせを記憶しておけるため、今月Aさんから来たメールのうち、Bプロジェクトに関するもので、Subjectが見積りに関するメールだけは日々読み返す必要がある――というような場合には非常に重宝する。極論を言えば、検索フォルダがあれば、メールの振り分けは不要なのだ。

また、各プロジェクト用のフォルダに振り分けてしまっても、検索フォルダとして「ToDo検索」を作っておけば、返信しなければならないメールや、アクションを起こさなければならないメールの一覧を、最新状態でいつでも見ることができる。アイデア次第で様々な用途に活用できるのだ。

が、秀丸メールはキーカスタマイズできるため、検索結果の一覧画面を快適に操作できる。この快適性があれば、検索フォルダがなくてもまぁいっか?

迷惑メール対策

秀丸メールの迷惑メールフィルタ

WZ MAILにはこれといった迷惑メール対策機能がない。一方、秀丸メールは迷惑メールフィルタを備えている。が、あまり使いやすいとは言えない。Thunderbirdのように、簡単に迷惑メールを学習させられるようになって欲しい。

Thunderbirdの迷惑メールフィルタは非常に強力で、かつ使いやすい。迷惑メールを選択し、ツールバーから「迷惑メール」ボタンを押すだけで学習してくれる。

実際には、私はLinux上でbsfilterしてしまうので、個人的にはなくても良い機能ではある。

ファイラー編

やっぱファイラーはWZ FILERが最強だと思う。実際には、WZ FILERより機能が豊富なファイラーは数多く存在する。ただ、私の場合、エディタとの親和性を重視しているため、このような評価を下している。

WZ FILER

秀丸にもファイラーがあれば良いのだが、ないものは仕方がない。なければ作ってしまえ! の精神で、ファイラーを組もうと思ったが‥‥だ、だめだ、大変すぎる。(汗) 20代のボクだったらやったかもしれないが、40代の私には無理だ。誰かが作ってくれるのを待つことにする。

もしかしたら、生ビール3杯でM君@Windows屋が作ってくれるかもしれないし。

エディタ内で動作するファイラーを組めれば、Emacsみたいでかっこいいかも。って、秀丸マクロでファイラーを組めるのか?

grep

WZ GREP

WZ GREPの場合、プレビューが別フレームに同時表示されるので、いちいちタグジャンプする必要がない。さらに、検索結果一覧上に該当行のブロックを表示させることができる。また、タグジャンプする際も、見たいところにカーソルを合わせてEnter押下だけで良いので、非常に楽に扱える。

一方の秀丸は、プレビューは表示されず、まじめにタグジャンプさせてやらねばならない*4。ちょっとめんどーだ。

しかし、秀丸タブをサポートしており、しかもタブを自由に分離することができる。grep結果もタブとして同列に扱うことができる。これはいい。すごくいい。

願わくば、秀丸grepが、WZ GREPの優れた点を取り込んでくれるとありがたいのだが。せめてEnterでタグジャンプできないかな。

2009年3月追記:
本件について、緒方さんという人からコメントをいただきました。
2009/3/12に書いていますので、興味のある人はお読みください。

秀丸の偉いところ

本テキストはWZから秀丸への乗り換えを書いているため、どちらかと言えばWZ寄りで書いてしまった感がある。「エディタって? メモ帳のこと?」というような読者に、変な先入観を与えてはいけない。本章では秀丸のとっても偉いところを書く。

IT業界でもない読者が、このテキストをここまで読むとは思えないが。(^^;

太っ腹

WZ発売以前は秀丸ユーザだった――と書いたが、当時はまだWindows 3.1の時代だった。あれから何年経っただろう。現在の秀丸はすでにVersion 5.x*5にまで達し、大幅に機能アップしている。にも関わらず、大昔のユーザでも一切再送金することなく使える。

ししし、信じられん! いーんですか、ほんとーにっ!

さらに、秀丸に送金したユーザは、無料で秀丸メールまで使える。

すごい! 素晴らしい! いよっ、大将、太っ腹!

親切で安心

秀まるおのホームページを見ればわかる通り、情報は素早く公開され、改版スピードも恐ろしく早い。これだけ精力的にバグフィックスがされると、安心して長く使える。

わかりやすい
ヘルプが

ヘルプを読んでもさっぱり使い方がわからない――そんなソフトも多い中で、秀丸のヘルプは非常にわかりやすく、丁寧に書かれている。とても4,200円のシェアウェアとは思えないほどだ。これほどユーザ寄りにヘルプが書かれてるアプリを、私は知らない。

ヘルプは記述量が多ければそれで良いというものではありません。 記述量が多いのと、丁寧に書かれているのとは違います。

設定が

例えば、ある設定をするときに、この項目をここで設定するなら、あの項目はどこで設定するんだろ――と思うことがある。それがちゃんと設定ダイアログに書かれてる! わんだふぉー!

秀丸の設定画面

このようなユーザの立場に立った心遣いには、作者様の人柄が出ているように感じます。

WZは玄人ウケするエディタなのですが、秀丸に比べてハードルが高いという声を聞きます。
その昔、UNIX上で動作するエディタのコンパイルを通して使えるようにする方がよっぽど大変だったので、そんなこと思いもしなかったのですが、 今回秀丸に触れてみて、秀丸の使いやすさを感じました。 確かに、IT業界でない人にとって、WZはややハードルが高い気がします。

終わりに

現在では、秀丸をメインに使用しています。ただ‥‥長文ドキュメント(特にHTMLドキュメント)を書くときは、WZを使用しています。

私は、もうWZは改版されないかもしれない――との危機感から秀丸に乗り換えました。決してWZが嫌いになったわけじゃなく、まだWZを捨てたわけでもありません。

しかし、秀丸は非常に素晴らしいエディタであり、今後は秀丸をメインで使用することに決めました。いずれは秀丸だけですべてが済むようにしてみたいと考えています。

もしWZの開発が再開され、WZの次版が出たら、間違いなく買います。ソッコーで買います。が、そのときメインエディタをWZに戻すかはわかりません。とにかく秀丸は(秀丸メールを含めて)非常に安定しており、品質が高く、安心して使えます。

総評すると、秀丸は、

信じてよいエディタ

だと思います。

*1:vilessを知らない人には、何のことやらわからんかも。

*2:エクスポート機能を丁寧に作り込む気にはなれないだろうから、仕方ないと言えば仕方ないが。。。

*3:多くのメーラーができるので、秀丸メールにできないのは信じられない。もしかしたら、本当はできるのに、私がノート用フォルダの作成方法を見つけられないだけかもしれない。

*4:もっと簡単に扱えて良い気がするので、私が方法を知らないだけかも。

*5:2006年4月現在、Version 6.0のβテスト中であり、正式版に向け、えらい勢いでデバッグされている。