vsブラジル戦

ブラジル、コーナーキック

ワールドカップの熱戦が続いていますが、我がジーコジャパンの戦いは6月22日幕を閉じました。
あれから5日過ぎました。
今日は時間もたったことですし、冷静にブラジル戦の分析をしてみたいと思います。


”奇跡”が起きると信じていました・・・。
しかし、”奇跡”を起こすことはできませんでした。
ジーコジャパン、残念ながら予選敗退です・・・!。
世界王者ブラジルを相手に、2点差以上の勝利を収めれば、わずかながら予選突破の可能性があったのですが・・・。
1vs4、結果はスコアどおりの完敗です。


この試合ジーコ監督には珍しくスタメンを変更し、結果の出ていない柳沢、高原の2トップに替えて、巻と玉田を起用しました。
ビッグ・サプライズです。
巻選手を日本代表に選んだ位のサプライズでした(巻選手、ごめんなさいm(_ _)m)。
一方のブラジルも、アドリアーノに代わりロビーニョを先発させました。
またこの他にも、カフー、エメルソン、ロベルト・カルロスゼ・ロベルトを休ませました。
これは、予選突破を決めているチームの余裕です。


[前半]
試合は、ブラジルにボールを60%以上支配され、日本はなかなかチャンスを作ることさえできません。
ブラジルは、じっくり獲物を捕らえる野生動物のように、日本ゴールに襲い掛かってきます。
7分と20分にはロナウドに決定的なシュートを打たれるも、川口のスーパーセーブによって先制点を許しませんでした。


そんな中で迎えた36分、ついに試合が動きました。
三都主の絶妙なスルーパスに、玉田がすばやく反応。
相手DFの裏に走り込み、豪快に得意の左足を振り抜きました。
ボールはブラジルゴールの左隅に突き刺さるすばらしいゴール!
この瞬間ヴァストファーレンシュタディオンは、歓喜の渦に包み込まれました。
これは、もちろん日本サポーター席側だったからですけど・・・。(^^ゞ
ブラジルサポーターは落胆の色を隠せません。
ジーコジャパンのそしてわれわれサポーターの夢が、少しだけ膨らんだ瞬間でした。


前半ロスタイム・・・、リードしたまま前半を折り返せば、”奇跡”が起こるかもしれない。
そんなサポーターの淡い夢を見事に打ち砕いたのが、今大会不調のブラジルのFWロナウド
ロナウジーニョからのクロスをDFシシーニョがヘッドで折り返し、それをロナウドが難なくヘッドでゴール・・・。
一番大事な時間帯に失点するという、今までの日本代表の課題と言われていたことが、実際に目の前で起こってしまいました。
(と、言っても反対側のゴールなので、ずいぶん遠いですけどね。)
本当に凌ぎ切らなければいけない時間帯なのに・・・。
勝負弱いです、ジーコジャパン


しかしまだまだ、同点です。
もちろん予選突破の条件は、より一層厳しいものになってしまいましたが、これからです。
サポーターも必死に声を枯らして、身を乗り出しての応援です。


[後半]
後半に入るとブラジルは余裕が出てきました。
玉田のゴールがブラジル代表の目を覚ませたのではないのでしょうが・・・、ポンポンとパスが回ります。
53分、MFジュニーニョミドルシュート
それほど強烈なシュートではなかったものの、ボールは無回転で微妙に揺れながら日本代表のゴールネットを揺らしました・・・。
サポーターのはかない夢を見事に打ち砕くゴール!。
ブラジルが逆転に成功し、これで1-2です。
予選突破の夢が、確実に遠のいていきます。


その6分後にも、ロナウジーニョが左サイドを駆け上がってきたDFジウベルトにスルーパス
これをジウベルトはドリブルをした後、きっちりとゴールに決めて3点目。
もうスタジアムのサンバのリズムが鳴り止むことがありません。


その後もシュートの雨あられが日本代表ゴールに襲い掛かります。
71分、ブラジルは余裕の交代。
ロナウジーニョとカカを下げて、ゼ・ロベルトリカルジーニョをピッチへと送り込みます。
そしてとどめは81分、ロナウドがワールドカップ通算14得点目となるゴールを決めて、1-4に・・・。
涙が出てきました。
まさに「SAMURAI BLUE(侍、ブルー)」(-_-;)。


結局このまま、試合終了のホイッスル。
ジーコジャパンの2006FIFAワールドカップドイツ大会は、勝ち点1のグループ4位で予選敗退となってしまいました。
試合後、ピッチに寝たまま起きて来ない「ヒデ」の姿が印象的でした。


FIFAオフィシャルマッチレポートはこちらです。
http://fifaworldcup.yahoo.com/06/jp/w/match/43/mr.html
詳しい「JPN 1-4 BRA(マッチ43):試合レポート」はこちらです。
http://fifaworldcup.yahoo.com/06/jp/060622/1/6rzv.html

 楽しいワールドカップ

今回ドイツ大会を観て来て、本当のワールドカップに触れられた思いがしました。
前回2002FIFAワールドカップ日韓大会では、感じることができなかったことを、たくさん経験することができました。
「自国開催」、これはこれで非常に価値のあるものであり、ぜひもう一度、できれば日本単独で開催してもらいたいものです。
しかし、海外に出て触れる、感じるワールドカップはまた格別のものがありました。


ドイツ全体、ヨーロッパ全体にサッカーが浸透していることも、影響していることでしょう。
街が、都市が、民族が、本当にワールドカップを楽しんでいるのです。
そしてドイツ全体が、ワールドカップで訪れる人々に、楽しんで帰ってもらえるような雰囲気を作っているのです。
それは、ドイツの国民性から来るものかもしれませんが・・・。
初めてのヨーロッパ旅行でも安心して、旅をすることが出来ました。


また、ドイツ人はもちろんですが、ポーランド人やブラジル人との触れ合いも楽しいものでした。
まさに、ワールドカップというお祭りなのです。
カーニバルです。
試合開始5・6時間も前から試合会場の周りで大騒ぎして、楽しんでいるのです。
長いFIFAワールドカップの歴史でも史上初の公式ファン・フェスティバル(「ファンフェスト」)が、この夏12都市で開催され、試合会場に入られない人も楽しめるような工夫がしてありました。
また、それ以外でも数多くの都市でパブリックビューイングが行われています。


本当に楽しめる大会でした。
最後にビールがおおいしかったことも、報告しておきます。
(それが一番と言う意見もあります・・・。)

 日本代表

今回、ジーコジャパンの挑戦は予選敗退と言う結果に終わってしまいました。
それどころか、アジア勢(オーストラリアは除く)が全滅と言う厳しい現実が待ち構えていました。


この4年間の歩みは何だったんでしょうか?
2002FIFAワールドカップ日韓大会での、ベスト16と言う結果を受けて発足したジーコジャパン
求められたのは当然に前回以上の結果です。
しかし、ジーコ監督自体、戦う姿勢だったのでしょうか?

「(相手が)上背があるのは当然分かっていた。そのために不必要なファウルをしないことを言ってきた。残念ながら体格差で踏みつぶすサッカーはこれからも続く。体格差を克服することが必要だ」
「90分を通して体格の良い選手の攻撃に耐えうるベース。腰を中心とした下半身、上半身、この辺を鍛えないといけない。各クラブや代表で補強することを心掛けたが、思うようにいかなかった」

そんなことは監督に就任した4年前に、判っていた事実ではないのでしょうか?


もちろん結果論です。
そこを踏まえて話を聞いてください。


問題点はたくさんありました。
1.海外組みを優先しすぎたこと
2.レギュラーとサブとの壁を取り払わなかったこと
3.親善試合等でも固定メンバーで戦ったこと
4.それほど多くのJリーグの試合(選手)を観ていないこと
そのほかにも、いろいろ言われています。
まさに指摘のとおりだと思います。


選手の戦う姿勢が見られないのなら、そのための仕掛けをすればいいことです。
体格が足りないのなら、そういった選手を召集して鍛えればいいことです。
いくらでもやれることはあったはずです。
われわれサポーターが見たかったのは、あんなサッカーではありません。


シュートを撃たない(撃てない)FW。
フリーキックしか蹴られない10番。
自分のエゴを通すMF。
体を張って守れないDF。
安定感のないGK。
90分間戦えない選手達。
戦術を知らない監督。
間違いなくこの4年間で日本のサッカーは、世界のサッカーから取り残されています。
進歩がなかったと言えば、それまでです。


興味深い記事があります。
http://www.sponichi.co.jp/soccer/special/2006_japan_wc/rensai_saisei/kijilist.html


日本サッカー協会も年代別の育成方法を、もう一度見直す必要があるのかも知れません。
もちろん、この10年ぐらいの間に日本のサッカーレベルが向上していることは、紛れもない事実です。
また常に新しい情報を取り入れ、適切な指導方法を確立して行っておられます。
しかし、もっともっとレベルアップしていかないと、世界に追いついて行く事は出来ません。
そのためのお手伝いは、われわれJFA加盟チームが積極的に担っていかなければなりません。
特に4種(少年)年代の育成は、今後の日本サッカーにとって重要なものになることでしょう。
頑張るしかありません。


もう4年後の、「2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会」への道は始まっています。
ジーコの後任監督のうわさもちらほらと聞こえてきています。
次の4年間は今回大会以上に厳しいものになるでしょう。
アジア枠の削減の問題、オーストラリアがOFC(オセアニアサッカー連盟)からAFCアジアサッカー連盟)への移籍、韓国、中国の伸び等、日本代表を取り巻く環境は厳しくなることでしょう。
でもサポーターはみんな、2010年も日本代表の勇姿を見たいと思っています。


サポーターは何時までも応援し続けます・・・。
NIPPON! NIPPON! NIPPON! NIPPON! NIPPON! NIPPON! NIPPON! NIPPON! NIPPON! NIPPON!・・・・・・・・・!!