コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

最終章前編っっっっっっっっっっっっっっっ(以下割愛

コネクトだぞー!ww
いよいよ最終章…持てる力のすべてを出しまする!(ゑ
しっかし、前回は伏線がミエミエすぎたなあww
最終章では、ダイアリーを全部見てくれてる人なら知ってるあの人たちや、
俺のメモを見てくれている人なら知ってるあの人も出てきますよん^^
ここだけの話、未公開キャラもいたりするんだよねwww
ではでは、いってみよおおおおお(割愛


*********


最終章 結(むすび) 前編
 結集する終結への力


ディスとヴァナルドの対峙していた機械兵の群れが突如として、灰になり、砕け散り、石化し、切り刻まれた。
「「?!」」
二人が呆気に取られると、上空から
「どいたどいたああああああああ!!!!」
「は…いまどこから声がばべるぁああああ!!!!!」
ヴァナルドに激突しながら誰かが降下してきた。
「あーいってえ〜…。わりいな、降下地点の算出ミスったみたいだ」
立ち上がり、姿を見せるのはいかにもDJといった感じの少年だった。
出来事がおかしかったのか、ヘラヘラと笑っている。続けて上空から
「ネロ!算出を間違うのはいいとして、ぶつかったやつにそんな軽い謝辞で済ますな!」
「こ〜りゃまた、派手にやられてるね〜」
「いーじゃねーか!絶体絶命からの逆転劇、かっこいいじゃねーか!」
パラシュートを使い、さらに三人が降下してきた。
「あんた…たちは?」
ディスがたずねる。答えたのは赤い目の少年だった。
「俺たちは、ここの傭兵の要請できたんだ。…っと、申し遅れた。俺はブレイ・アーサー。仲間内では
ブレイドって呼ばれている」
ブレイド―――――その名を聞いたディスが、何かに気づく。


――*――*――*――*――*――*――*――*――


一ヶ月ほど前、とある仲間の部屋。
「…なるほどな。そのブレイドってやつ、相当強いんだな」
「うん、ボクの大切な親友なんだ――――――――――――」


――*――*――*――*――*――*――*――*――


「あんたのこと…デルタってやつが言ってたな」
その言葉を聴き、ブレイドがたずねる。
「デルタと面識があるのか?」
「ん?ああ、同業者さ」
「そうか…まさかとは思ったが、あいつがここにいるって言うのは本当だったんだな」
ふっ、とブレイドが笑みを浮かべる。と後ろから
「はいはーい、お取り込み中失礼しまーす」
陽気そうな少女の声がとんできた。ブレイドが振り返ると
ブレイドー、ネロ止めてよぉー」
本物なのか造った表情か微妙な困惑顔をブレイドに向ける。ディスも見てみると
「ぶつかったのはテメーだろがゴラアア!!!」
「だーかーらー!何度も誤ってるじゃねーかボケがアアア!」
「それが謝るやつの態度かっつーの!」
「アンタがキレたからだろーが!」
「それは逆切れっつーんだよボケがあああああ!」
と、終わらなさそうな不毛なケンカが繰り広げられていた。ブレイドがはあ、とため息をつき
「ったく、どこでも湯沸かし器め…止めてくる」
と頭を掻きながらその方向へ歩いていった。それを見た少女は
「はじめましてー。あたしはブロウ・クレインっていいまーす!みんなは略してブロンって呼んでるよー」
その言動から、ディスが内心「軽すぎだろ…」と思いつつ自己紹介を返した。
「あ、そうそう、そこでケンカしてるのが音波(おとは)ネイロ。みんなネロって呼んでるよ。それとー」
「自己紹介くらい自分でやるから、ガキはすっこんでやがれ」
ブロンの指し示す男が気だるそうな目でブロンをにらむ。ブロンは素直に
「すいませーん」と謝った。
「さて、俺は断空(たちぞら)ジンだ。まーよろしく頼むわ」
返事も気だるそうな感じだなあ、とディスは思う。
「そういや、あんたたちは何でここに?」
ディスが聞く。答えたのはネロを引っ張ってきたブレイドだった。
「その話か…聞くまでもは無いだろう?ここに呼んだのはほかでもない…」



「デルタだ」
ディスは言葉に詰まった。


――*――*――*――*――


瞬間、派手な轟音がしたかと思うと、壁に開いた大穴から、5つの影が飛び込んできた。
「ちいっ、新手か!」
とファングが爪を振り下ろす。
「うおっと?!」
飛び込んできた影は驚いて飛び退き、そのまま顔面から落っこちた。
「あららー、いたそー」
「…なかなかシュールなこけ方だったな」
「そんなんだからレイルは鈍臭いんだ。次気をつけろ」
「痛いのはいいけど、後で響くよ〜?」
と、口々に言う。
「へっ…?レイ…ル?!」
ルミネスが呟くと
「ん?おおー!久しぶりだなルミネス!あたた…」
と、ずっこけた体制のまま名を呼ばれた少年―――――レイルが喋る。
「は?!お、おい嬢ちゃん!こいつ知り合いか!?」
ファングが驚いた様子で聞く。
「あ、はい。前回のクエストで、成り行きで一緒に戦った人たちなんです。でも、どうしてここに?」
レイルが待ってましたといわんばかりに
「あー、それな!Dr,ジョウ・ロックって名乗ってたっけな?その人から…」
「Dr,ジョウ?!それ、どんな人だった?!」
Dr,ジョウの一言を聞いたルミネスがあわててレイルに問い詰める。
「は、え、あ、ああ、えっとな…
かたっぽの髪が長くて、左目にモノクル付けてて、鎌っぽいの背負ってて…」
その風貌を聞いたルミネスの目から、光るものがこぼれだす。
「んなっ、ちょ、おい!俺なんか悪いこと言ったか?!」
「あーあー、レイルが女の子泣かしたー」
「ぐっ、この、黙ってろスイセイ!」
とレイルが自衛していると、
「ううん、違うよ…所長が、ぐすっ、ボクのこと、覚えててくれたんだって思って…ひっく」
なんだ嬉し涙か、とレイルは安堵し、スイセイはちょっとむくれた。
「…どうやら、味方と識別して良さそうですね」
「ああ」
とファング達が話していると
「えーと、とりあえず自己紹介だな。改めて、俺はレイル・パラベムだ」
「ハルスです」
「…ウルだ」
「同業者のスザクだ」
「同じく、スイセイでーす」
といっせいに自己紹介を済ませる。
「さっきも言ったとおり、俺たちはDr,ジョウ・ロックから依頼を受けてここに来たんだ」
そうか、とファングが頷く。
「じゃ、こっちもだな。俺はファングっていう」
「ナイツロード所属、レイアです」
「えと、改めて、アルミナ・ファーネスです」
各々が味方と認識したのち、新たな敵兵が舞い込んでくる。
「いきますか」
レイルの一言で、戦いが始まった。



「…全駆動系、異常なし。エネルギー伝導率、クリア。発進準備完了です」
どこかのブリッジで、何人かの人が慌しく動く。
「………よし、だせ!!」
号令をかけるのはミュー。それと同時にブリッジに振動が伝わる。
廃家の群れを突き破って浮上するのは、巨大な飛空挺だった。そのエンジンが轟音をあげて駆動する。
「出撃だ!砲撃部隊各員へ伝達!目標はナイツロード本部だ!総力を挙げて叩き潰せ!!!」
猛進する飛空挺の向かう先にあるのは、一つの施設。



「こなくそおお!」
ビットとツンドラが奮戦する。止まぬ機械兵の雪崩を打ち崩す。
「ビット!このままじゃ突破されるのは時間の問題だぞ?!」
ツンドラが叫ぶが、ビットに引く様子は無い。ただ、内心ではかなり焦っていた。
(このまま援軍なしか?俺たちだけで戦わなきゃいけないのかよ!…無理だ、そんなの。
せめてあと一人、誰でもいいから…っ!)
「ビット!っが……っ!」
ツンドラの叫びで我に返る。眼前にはブレードを振りぬく寸前の機械兵。
ツンドラも致命的な打撃を受けたか、うつ伏せに倒れて動けない。
(…………ここまで、か…)
ビットの顔には、少しばかりの笑みが移った。


そして、振り下ろされた。
見事に、真っ二つに裂けた。
「……?」
機械兵が。
青い光に両断され、爆煙で炎の花を彩り、機械兵は散った。
火炎の花の向こうに映る、人の影。
青く光る剣を携え、粒子の軌跡を残して立つその人物は、ビットのよく知る者だった。


―*―*―*―*―*―*―


「デルタが……?」
会話を聞いていたヴァナルドが驚愕する。
「ああ。なんだ、あいつから聞いてなかったのか?」
それを聞いてディスが言う。
「おかしいだろ!」
真実を。
「あいつは…もう…!」
知らない彼らに。
「とっくに死んでるんだぞ?!」


その場が凍りついた。
「……なに?」
ブレイドがたずねる。
「いつ……だ…?」
ディスは答える。
「3日前だ」
その場にいた全員が驚く。
「うそ!?じゃ、じゃああの時見たデルタ君って…」
「そんなわけ無いだろ?!あいつは確かに、俺たちに会いに来たし、話もした!」
「あのデルタは、デルタ本人じゃない…?」
再び、沈黙が降りた。


やがて、ブレイドが口を開く。
「3日前、といったな?」
「ああ」
ディスは淡々と、その質問に答える。
「…一昨日の話だ。俺たちの親代わりの人が、知り合いだったデルタを連れてきた。重症の状態でな」
ヴァナルドも機械兵を迎撃しつつ、話を聞く体制に入る。
「そして、デルタが俺たちに、ここを守って欲しいと頼んできた。ちょうど俺は不在だったがな」
続けて、ジンが話を引き継ぐ。
「でもって、俺たちがOKした翌日…つまり昨日、ここに行くといってそのまま出て行ったんだ」
「後の行方は?」
ヴァナルドがたずねるが、
「俺たちにもさっぱりだ。一昨日一晩は俺らのとこに居たんだがな…」
ディスが異変に気づく。
「ジン!後ろだ!」
振り返った先には機龍兵。そのクローが飛んできている真っ最中だった。
「やっ…べ…」
この距離では回避できない。そのまま直撃し、


龍の爪が砕けた。
「不意打ち…上等!んなろおおおおおっ!」
ジンの手先にあるのは巨大な剣だった。クローを粉砕した勢いで、そのまま龍を叩き切る。
バスン、と鈍い音を鳴らして龍は真っ二つになった。
「あの剣、どっから…」
唖然とするヴァナルドにブレイドが返答する。
「あいつはKBN「MR」だ。そしてその能力は、全身から刃を無尽蔵に生み出す『刃造人間(じんぞうにんげん)』だ。
…ついでに言っておくと、ここにいる全員がMRだ」
「「はああっ?!」」
ディスとヴァナルドが勢いよくハモって振り向く。だがブレイドは無視して、
「次がくるぞ」
と促す。ディスたちが応戦する前に、機械兵の眼前にはネロが立ちふさがる。
「音撃、高周波!!」
ビイイイイイィ、と空気が震える。高周波をもろに受けた機械兵が粉々に砕けた。
「ネロの持つ能力は『音撃波(おんげきは)』だ。周囲の音を操って攻撃するんだ」
ブレイドが手際よく解説する。後方に迫る機械兵はブロンの手により、
「ブロンズ・レクイエム!」
動かぬ銅像と化した。
「ブロンの能力は『銅転換(どうてんかん)』。対象に銅原子で細工するんだ。そして…」
前方に現れた機龍兵にブレイドが剣を向ける。そして
「炎剣波動、コロナ・ウェーブ」
剣先から炎の波動が吹き出る。直にくらった龍が灰になって落ちていった。
「俺の能力は『炎剣波動(えんけんはどう)』。強力な炎を使えるようになる」
全員の能力解説が終わり、ディスが一言。
「お…お疲れさん…」



「こんのおっ…ちょいとヤベえかもな…!」
「まだですよ!いつもの覗くための粘りはどうしたんですか!」
ところ変わってファングたち。すでに敵のあらかたは片付けていたが、流石の二人も限界だった。
「ちっ!クソやろうっ!」
ファングの爪ももうぼろぼろだった。
「しまった、最後の球が…っ!」
レイアの衛星もすべて打ち落とされた。
「ここまでかよ…くそおおお!」
ファングの叫びは室内に空しく響いていく。が、次の瞬間
バスン!と快音を響かせて、機械兵が切り裂かれた。
「は?!」
「え?!」
両者驚くが、そこにいたのはルミネスだった。
「もう少しですよ!?あきらめないでがんばりましょう!」
そのままの勢いでルミネスは戦う。
「…新米の分際で、よくやるよ」
「ええ。私たちががんばらないと、倒れた皆さんにも顔向けできませんしね」
両者微笑みあい、新たな得物で残存部隊を倒すべく、また奮戦する。
しかし、その勢いを押し殺すかのごとく機械兵がルミネスに襲い掛かる。
「!嬢ちゃん!後ろだ!!」
ルミネスが気づいたときには、機械兵がブレードを振り下ろす体制に入っていた。
「やばっ…!」
「銀色!」
しかし、機械兵は駆けつけたウルにより切り裂かれた。
「あっ…、ありがとう、ございます」
「…こっちはもうあらかた片付いている。余計な心配は無用だ」
向けられた謝礼を素直に受け取らず、また機械兵を討つために走り出す。
「へっ、ウルのやつ、素直じゃねえな」
横に降り立ったレイルが笑う。
「…素直に『どういたしまして』くらい言って欲しいです」
ちょっとむくれるルミネス。レイルが苦笑しているのが見える。
「レイル!これで最後の部隊だ!」
スザクが叫んで敵の情報を伝達する。
「うし!もうちょいだ、気合入れろよ!」
「はい!」
その場に居る全員の目的は、一つ。




「ラストおおおおぉぉぉぉぉっ!」
グワシャッ、とつぶれる音が響き、最後の機械兵は沈黙した。
「……片付いたみたいだな」
ディスは安堵をもらす。
「ああ。だが、他の位置に居る機械兵はどうするんだ?」
ブレイドの問いに、ヴァナルドが即効で答える。
「潰しに行く」
ふふっ、とジンが笑い、こう言う。
「えらくボロボロだけど、体持つのか?」
「……」
ヴァナルドは沈黙を返す。
「…いや、どっちにせよここを防衛するには、連中を残らず叩き潰す必要があるからな。
気にくわねえけど、俺は黒いのに賛同するぜ」
ネロが場をまとめ、全員が通用口に振り返る。しかしそこに居たのは、
「うへえ、こっちのほうも手ひどくやられてるなあ」
呑気な感想を述べるレイルたちが立っていた。
「…お前らは」
ディスが言葉を漏らす。そんな彼に気づいた二人のエンシェント団員が、そちらに向く。
「久しぶりだな」
「おやおや、誰かと思えばあのときの!」
その二人はディスのよく知る人物。
「スザク…に、フラウ、だったか?…なんでここに」
驚いていると、横からハルスが説明する。
「ボクらは治安維持…って、ここは飛ばしていいか。とりあえず、以前は敵同士だったけど、
今はある人の依頼でここを防衛にきたんだ」
続けるのはウル。
「…とにかく、俺たちは以前とは違う。それだけ言っておく」
「……ああ」
ディスとウル。両者互いの納得を承諾と推測、お互いに一時ながら信頼を築く。
そして、さらなる来客に一同そろって固まる。
「うっへー、外から見るとやっぱ派手にやられてるなあ」
新たな呑気者が参上し、同じ呑気者のレイルが歓喜の声をあげる。
「うおおービットじゃねえか!くたばってなかったんだなお前!」
その毒舌な喜びに苦笑いと共に会釈を返し、なぜか集団とは別方向の壁際に向かう。
「よっ、サジェ。生きてっか?」
「……消してやろうかこのトンガリが」
そこにいたのは意識を取り戻したサジェロだった。けっこうな眼力でビットを睨んでいる。
「なーんか、寝てる間にだりいコトになってるなあ。…おまけにエンシェントやら見知らぬ連中やら…豪勢だなあ」
反応するのがだるそうなサジェロを尻目に、ビットは通用口手前に戻っていく。
「あともう一人、強い仲間がいるぜ?」
全員がその方向を向き、その人物の登場に驚愕する。
「…お久しぶり、皆」
「……!?




その人物は、ディスたちにとってはすでに死んでいたはずの仲間。
ビットたちにとっては、頼れる最高の親友。
そう、デルタだった。
「…生きてたか。デルタ」
「うん。支援に来てくれてありがと、ブレイド。それにジョウロック小隊の皆」
「気にすんなよ!大先輩からの頼みごとは断らない主義なんでっ」
軽率だが言葉の節々に尊敬の念をこめてものを言うネロ。礼儀は一応心得ていたようだ。
「ふふ、ありがとね。ブロンも、ジンも」
「デルタのことは気に入ってるし、何しろ先輩だしね!」
「所長の命令で来ただけだ」
反応は違えど仲は良い様子である。
そんな中で、ビットが質問をぶつける。
「デルタ、ジョウロック小隊ってなんだ?」
「ん?ああ、MRの人間だけで構成されたDr直属の精鋭部隊さ。この4人はその中でもトップに立つ人たちなんだ」
にこりと笑って説明をするデルタに、少しの微笑みを返すビット。
と、そんな雰囲気に水をさしたようだが、疑問符が飛んでくる。
「デルタ…お前……」
驚愕の姿勢で固まるディスとヴァナルド。二人の心情を読み取ったらしいデルタが、笑みを返す。
さらに、デルタの後方から誰かがしがみついてきた。
「デルターーーっ!」
「うわわっ!…ルミネス
一瞬驚いたデルタだが、すぐに微笑む顔に戻り、泣きじゃくるルミネスの頭をくしゃっとなでる。
そしてまた一人、デルタに近寄る人物が一人。
「久しいな、デルタ。…何ヶ月ぶりだ?」
くる、とデルタがそのほうを向くと、スザクが立っている。
「そうだね……まあ、かれこれ2ヶ月ぶりじゃないかな?」
一時的ではあれ、スザクもナイツロードに所属していた身。
彼女もまた、デルタのことを心配していた。




そんなデルタの周囲から離れ、静観する人物たち。
「感動の再開、ってやつかね」
「状況が状況なら、もうちょい感動的だったんだがなあ…タイミング察せよ、ビット」
ビットとサジェロ、加えてブレイドは、少しはなれた場所からその一部始終を見守っていた。
「変わってないな、あいつは」
頬を緩めて、ブレイドが独り言を口にする。そんな発現に目ざとく気がついたビット。
「へー、変わってないのか?」
「ああ。あのときからあいつは、友人を作るのが上手かった。
それに、ボケッとしてるように見えて、相手の心情を探るのも得意だからな。
この人脈にも納得がいくよ」
「俺らには理解しかねるけどな…」
ぼそっと呟くサジェロの言葉は、聞こえてないようだった。





「目標補足!有効射程圏内まであと16秒!」
巨大な鉄の飛空挺――――――「デス・レックス」が、目標であるナイツロードの本部を捉える。
「よし!全砲門を目標へ向けろ!」
ミューの号令とともに、漆黒の砲門が目標へ、その体を向ける。
「…………てエッ!!!」
怒号とともに主砲が火を噴いた。




巨大な爆音が、その場に集結していた全員の耳をつんざいた。
「な……っ?!」
すさまじいばかりの轟音に、全員が顔をゆがめる。
「ぐうっ…なんだよ、コンチクショウ!!」
ビットたちが見上げた先にあったのは、巨大すぎる飛空挺だった。
その全身を強化装甲に包み、漆黒に閃く巨大な砲身を、重たそうにこちらに向けている。
「なんだよ……あれ」
その重圧に、ジョウロックの面々もただただ唖然とするばかり。
「……たしかに、守れとは言われてたけど…さあ」
「……イレギュラーが過ぎるぜ、ちきしょう…」
エンシェントのメンバーさえも、呆然と飛空挺を見上げていた。
安堵に満ちていた空間が、一瞬にして絶望一色に染められた瞬間だった。
「そん……な……」
デルタも、この状況には愕然とするしかできなかった。
バチバチ、と火花の炸裂する音が周囲を満たし、砲身の空洞を青白い光に染める。


そして、絶望という名の一本のレーザーが、放たれた。















途端。巨大な青白い閃光が炸裂し、ビームはかき消された。
「……え……?」
呆然と空を見上げるデルタの耳に、ガガガ、というかすれた音声が飛び込んできた。
そしてその中から聞こえる声は、希望の声。
《おーい、だれか生きてんなら返事しやがれーっ!》
その一声で我に返るデルタ。急いで無線のスイッチを入れ、応答を返す。
「こっ…えと、デルタです!……エレクさん?!」
《おーっ!デルタ、生きてたのか!いやーよかった!!》
そう、無線の主はこの場にいないエレクだった。
エレクという名を聞き、ナイツロードの面々は途端に笑顔になる。
「おい、デルタ!エレクたちが来たのか?!」
ビットが声を荒げて質問する。どうやらその声はエレクのほうにも届いていたようで、彼の元気な声が聞こえてくる。
《おおおビットだな!久しぶりじゃねえか!》
「ああ!…ってエレクさん!アンタ今どこにいんの?!」
率直な疑問を述べるビットに対するエレクの返事は、こういうものだった。
《お前らのすぐ近くにいるよ!今そっちにいくから、ちょっとばかし待っときな!》
その返事を聞いて、ビットは思わず飛び上がる。
「っいよっしゃああ!!エレクがくるなら百人力だああ!」
そんなビットの笑いは、直後に浮上してきた大型の輸送機により失せることとなる。
「NR」のステッカーが貼られた輸送機のスピーカーから、さらに声が聞こえる。
《今から、あの飛空挺に突撃を仕掛ける!戦えそうな人はすぐに乗ってくれ!》
聞こえた声の主はレイド・アーヴァントのものだった。どうやら、この輸送機の操縦を行っているらしい。
「レイドさん!ってことは、ルナさんやグーロさんも?」
そんなデルタの疑問に答えたのは、彼の持つ無線機だった。
「うん、ちゃんとボクたちもいるよ!」
「……エレクたちだけで行かせると、何かと厄介だからな」
電波の影響でかすれてはいるが、きちんと二人の声が聞こえた。
三人は、レイドの駆る輸送機に乗り込んでいるらしい。
《さあ!来れる人は早く!》
施設のデッキに接岸した輸送機の、巨大なハッチが開く。
「……よしっ!」
真っ先に乗り込んだのはデルタ。足場の悪いデッキ上を軽快に走り、颯爽と乗り込む。
「あんだよ……デルタにだけ、いいカッコさせるかよ!」
「ついていかなきゃ、友達失格だろうな!」
続けて乗り込んだのはサジェロとビット。双方とも足場のせいでよろめきながら乗り込む。
「……ん」
「俺も、行こうかね…!」
次に乗り込んだのはレイルとハルスだった。
飛行能力を有するハルスにレイルが捕まる形で、輸送機に入っていく。
だが、それ以上はかなわなかった。新たな機械兵の軍勢が、飛空挺から押し寄せてきたからだった。
「あーらら……これ以上は、もう無理かな?」
「そのようだな…デルタ!」
ブレイドの呼びかけに、デルタが振り向く。
「持って…いけえっ!」
ブレイドが、思い切り何かを投げる。ナイスコントロールでデルタの手に収まったそれは、デザートイーグルだった。
それを皮切りに、ハッチは閉じていく。
本部防衛に回る算段だったディスが、閉じる間際にこう言った。
「デルタ!もう二度と死んで帰ってくるな!!!絶対、絶っっ対に、生きてかえってこおおおおおい!!!」
その声を最後に、外の音は消えた。
「…いくよっ!」
レイドの一声で、輸送機は唸りを上げて飛び立った。


「……皆………ありがと」
自身のこぶしを固く握り締め、デルタは最後の決意を胸に留める。




迫りくるは、敵軍最後の切り札
迎え撃つは、最後の駆け引き。
だれも知らなかった結末へ、あと一歩……


          後編へ続く



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(死ww)
…はーーーーーっ、やっと書けた…。
これ書き終わるまでまるっと一ヵ月かかったよwwwwwwww
さて、いよいよ次回の更新でこの物語は終結を迎えます。
終わらせる予定なのですが、なんとなく短編集程度はつらつらと書いていく予定ですw
これまで呼んでくれた数人の方々へ、先にお礼を申し上げます。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
長ったらしく続けてきましたが、いよいよ完結です。
皆様には、感謝の気持ちでいっぱいです。
どうかこれからも、こんなダメダメ筆者を応援してくださいますよう、お願いします!


では ノシ