三好さんの今季前半

 最近データや情報を羅列するだけで文章から遠ざかっていたので、そろそろ書こうと思った。
 リーグの真っ只中に天皇杯まで入り、1試合のみの感想所感を書くのが難しくなってきたので、Vリーグとしての新年度(黒鷲を区切りと考えると6月か)からこれまでの各チームの所感をまとめてみる。

 本日は、大分三好ヴァイセアドラー

 なかなか白星に結び付かないのが見ていて歯痒いが、毎年着実に上位チームとの力の差を埋めてきていると感じる。後少し、ほんとに少しの何かが足りないのだろう。
 試合の中で見せ場をしっかり作ってくれるのに、惜敗で終わらせるのはそれこそあまりにも惜しい。


 ベテラン・小川貴史を再び主将と据えることで、若いチームにひとつの軸ができている。彼のアップゾーンでの働きは素晴らしく、近くに座ることがあったら是非聞いてみて欲しい。いつの間にか三好を応援したくなっているはずだ。

 主なスタメンだが、まずは巧みなプレーでチームを引っ張る攻守の要を高橋和人が務める。彼は今年から副主将となっており、2年目とは思えないほど馴染んでいる。特筆すべきは桁違いに多いサーブの受け数。リベロを外して打ってくるチームが多いため、WSの受け数は多くなりがちだが、2位の選手に50本近くの差を付けている。他、「先生」と称されるサーブでの活躍も目立つ。
 
 そんな彼と対角を組むのが石垣公也。昨季はほとんど試合に帯同する姿を見られなかったと記憶しているのだが、そんなブランクを感じさせない溌剌としたプレーを見ることができている。粗さはところどころに散見されるが、シーズンを通した成長が見られそうで楽しみだ。本当はユニバにも選ばれた細川優樹と*1併用していけるともっとチームは楽なのだろう。

 ミドルは和人と共に副主将に就任し、立派にチームの顔となった徳丸善基と、恵まれた体格を活かした存在感溢れるブロックが持ち味の中島悠樹が主に努めている。ここぞという時には小川主将が登場してチームに勢いを与えてくれる。
 
 22歳になったばかりのマイケルは、躍動感のある攻撃が目を引く。好不調の波が若さの割には少ないという印象を受けた。決定率がなかなか上がって来ないのが気になるところだが…。昨季のようにオンテレ依存(言葉は悪いが…)バレーではなく、アタッカー3枚という色が強くなってきていて、見ている側としては面白い。

 昨季はひたすら山田要平で通したセッターだが、今季はつくばから移籍してきた高橋寛記が新たな風を吹き込んでおり、スタメン争いも含めて見所が増えた。山田が代名詞*2でもあるツーアタックで相手コートに鋭いスパイクを打ちこめば、寛記は最後にぐんっと曲がるサーブでレシーバーを惑わせる。
 配球の特色も異なる2名だが、得点に直接関わる特技を持っているセッターの競演というのは熱い。後者の彼は開幕戦は全く合っておらず、また今季もセッター1枚で通すのだろうかと不安を抱いたが、どうやら杞憂だったようだ。そして、ここに浜崎が加わる日はくるのだろうか。

 ディグの読みの鋭さで会場を沸かせる橘裕也がメインリベロに据えられているが、昨季彼が怪我した際に見事な活躍を見せた迫谷竜児の活躍も待たれる。フリーリベロ制もあると言えど、同い年でリベロというのは出場機会的にはなかなか厳しいようだ。タイムアウトの度にアラレちゃんになる*3迫谷を目で追いつつ、そんなことを思った。

 ピンチサーバーはベテランの味が光る船越満、彼とは対極に着実なジャンフロサーブで攻める井口拓也が控えており、各々の持ち味で流れを変える。
 
 阿部領太のプレーを全く目にしたことがないので、今後に期待している。確か国体かどこかでオポとしての起用もあったような。
 浜崎勇矢、高橋貴広に関しては、今季は姿を見ることさえ叶っていない。来月のHGでは見ることができるだろうか。


 そして全く動きがない内定選手は一体どうなるだろうか。個人的には攻守共にバランスの取れたサイドか、機動力のあるミドルあたりが加わればバランスが良くなると思っているのだが、さて。

*1:人伝だが、怪我と聞いている

*2:サントリーの某セッターが元祖であろうが

*3:⊂二二二( ^ω^)二⊃