文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

何故、本名「木嶋佳苗」と書かないのか?

dokuhebiniki2009-10-30



女性による前代未聞の大量連続殺人事件・・・。インターネットの「出会い系サイト」を悪用したらしい結婚詐欺殺人事件の「犯人(女)」について、テレビや新聞が、犯人の本名や写真の公開を渋っているようだが、これだけの大事件にもかかわらず、何故、マスコミは本名や写真の公開をためらっているのだろうか。状況証拠だけで物的証拠が見つからないからなのか。しかし、それなら、これまでに逮捕されただけで本名や写真を公開され、激しいバッシングを受け、結果的には裁判で無罪、あるいは冤罪が確定したというような例は数え切れないほどあるはずだが、裁判制度の変更で、何かが変わったというのだろうか。人権尊重? 推定無罪の原則? それにしても不可解である。ところで、現在、逮捕されている犯人・容疑者の名前は「木嶋佳苗」、出身地は北海道の東部、別海町。別海高校から東洋大学へ・・・。祖父は地方議員で、故中川昭一議員の別海地区後援会会長を務めていたこともあるらしい。昨日の「日刊ゲンダイ」が犯人の本名と写真、その他を暴露しているから、今日あたりから、本名や写真、出身地…等だけではなく、様々なプライバシー情報の公開報道が、いっせいに始まるだろう。ところでこの結婚詐欺連続殺人事件は、謎に満ちている。すでに、この結婚詐欺連続殺人事件では、自殺を装って殺されたらしい5、6名の男性の名前が挙げられているが、おそらく、被害者の数はそれだけではないだろう。木嶋佳苗の毒牙にかかった死者や被害者の数は、林某の「和歌山カレー事件」を超えるのではないか、と予想されている。もし、そういうことになれば、一人の女性による大量殺人事件としては前代未聞のものということになるわけだが、マスコミが、情報公開に尻込みするのも、そういうところにも原因があるのかもしれない。いずれにしろ、事件の原因としては、「都会の中の孤独」「中高年男性の孤独とインターネット依存」「男性憎悪」・・・等という、実に「分かりやすい解釈」が横行しているが、おそらく事件の真相は、そういう「分かりやすい解釈」「紋切り型の解釈」等にはない。それ故に事件を取り巻く闇は深い。ステレオタイプな解釈を拒絶しているからこそ、この事件の衝撃は、意味不明のまま、つまり謎が謎のまま深く静かに伝播・浸透していくと思われる。犯人の女を取り巻く闇と謎は、安易に解明されてはならない。つまり、やや拡大解釈かもしれないが、哲学的に言うならば、闇を闇のまま、謎を謎のまま、われわれは事件というテクストに立ち向かわなければならない。それが、「事象そのものへ」(フッサール)肉薄することであり、現実=存在と直面するということだ。手垢にまみれた「分かりやすい解釈」「紋切り型の解釈」で、事件そのものを安直に理解し、解決してはならない。言い換えれば、これは、マンガ『天皇論』で、天皇というものの謎と秘密を解明・理解したと妄想する「小林よしのり」的な単純素朴な、分かりやすい思考の簡略化による事件のメロドラマ的解釈法を拒絶せよ、ということである。この前代未聞の大量殺人事件というテクストは、われわれの思想力、思考力を試しているテクストだと言わなければならない。







★人気ブログランキング★
に参加しています。一日一回、クリックを…よろしくお願いします。尚、引き続き「コメント」も募集しています。しかし、真摯な反対意見や反論は構いませんが、あまりにも悪質なコメント、誹謗中傷が目的のコメント、意味不明の警告文等は、アラシと判断して削除し、掲載しませんので、悪しからず。
人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブロへ