どんぺりもってこい2

 

2018-05-21

東雅夫編『伝奇ノ匣9 ゴシック名訳集成 吸血妖鬼譚』

伝奇ノ匣9 ゴシック名訳集成 吸血妖鬼譚』(東雅夫学研M文庫 2008)。今まで未入手の迂闊慚愧の大変書。(と言ってもまだ捲り瞥見のみ)
https://hon.gakken.jp/book/1390053100
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↓目次のみチラ紹介。
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他書にて既読あるも初発掘稿もあり何より編者東雅夫氏による巻末解題が貴重で『血と薔薇の誘う夜に―吸血鬼ホラー傑作選』(角川ホラー文庫)での解説を補完して余りあり。『伝奇ノ匣』叢書ではこれのみ未電子化のようだが…まさか吸血鬼物は売れないからとか?…

ゴシック名訳集成 吸血妖鬼譚―伝奇ノ匣〈9〉 (学研M文庫)

ゴシック名訳集成 吸血妖鬼譚―伝奇ノ匣〈9〉 (学研M文庫)

にしても…
このシリーズにこの赤い背表紙をいきなり混ぜたのは反側気味な気も…




























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2018-05-13

『こ・めでぃうむ』ver.20180506/ホレス・ウォルポール『象形文字譚集』

26th文フリ狩猟品の内『こ・めでぃうむ』ver.20180506(れうにおん 発行) &ホレス・ウォルポール象形文字譚集』(懐古文庫 発行)読。
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↑いつも乍らデザイン爽快な『こ・めでぃうむ』最新号。収録作いずれも副題(or紹介)が内容把握に役立ち。
波留吉久「拝啓ヒロイン様」(TS者たちのサナトリウムの淡い物語)…急性異性化症候群患者の美少女&美少年の切ない恋文代筆譚だが…短くも一筋縄ならず。
蒼田ガイ「挽き肉」(自殺愛好者と自殺予知者の邂逅──青春暗黒小説)…これまたある種の〈症候群〉患者同士とも言える異能者交流テーマは上記作↑に通じるが…グロテスクさは格段。
山田摩耶「乙女心とアイの空」(様々な表情を持つ空と乙女心──空になぞらえた百合小説)…の副題の通りレズ物+極微量BL味がこちらも「拝啓…」と一脈だが…よく考えると相当淫猥な話。
根倉野蜜柑「廃墟の犬」(死の美を愛する少女たちの物語)…「挽き肉」に通じるネクロフィリアテーマだが…ある仕掛けが奏効しさらなる厭さ加減に。朗読(!)用作品改稿の由。
佐藤骸骨「メディシンマン」(呪医のもとを訪れたのは月を見ると兎になってしまう男)…これのみ漫画。兎になる原因のみならず美貌呪医の病み具合も注目。
ホレス・ウォルポール「妖精の物語」(訳 平戸懐古:『オトラントの城』や『象形文字譚集』の作者二十代の奇想掌篇)…これのみ翻訳作。アヒルの世界舞台の人を食った滑稽譚…のように見え乍ら解題によれば作者自身にも関わる複雑なイギリス史への風刺+言語遊戯に溢れる由。かすかな艶笑味も。
総じては「妖精…」以外(いやそれもある意味?)期せずしてLGBT&異常(と敢えて呼ぶ)嗜好を材とする作が揃い 瀟洒な造本とのギャップ感もまた佳し。


一方 上の写真↑右の『象形文字譚集』は上記「妖精…」の紹介にもあるウォルポールの連作小品集で『こ・めでぃうむ』既刊号に載せた6篇に加え「序文」「あとがき」+関連作1つを新たに訳出して今般目出度く集成刊行(訳は全て平戸懐古)。全作掌篇乍らいずれも曲者度高く うかうかとは読み進められず。
まず「序文」からして「世界の創造の少し前に書かれたもの」と宣言する等巫山戯まくりで1語として素直には読めず(解題によれば「信用できない語り手を擁すメタフィクション」)。続く「新説・アラビア夜話」はタイトル通り『千夜一夜物語』のパロディだが…唐突過ぎる展開が滑稽且つ不気味。「王と三人の娘」は寓話風を装い乍ら生と死の概念の混乱を呼ぶ怪作で「構築の見事さにおいて最上」と訳者賛。「サイコロ箱 おとぎ話」は象と天道虫の牽くピスタチオの馬車なるわけの判らないものやらソロモン王とシェバの女王まで登場する奇想篇。「桃入りブランデー ミレー人の物語」は架空国の幼女王が引き起こすてんやわんやだが…ある因果から読むと「風刺とか皮肉を越えた悪夢」の由。「ミ・リ 中華のおとぎ話」は空想上の中国の皇子の大スケール冒険譚で集中最長。「真の愛の物語」はロミオとジュリエット思わす悲恋譚だが…アッと驚く仕掛けは「最も早い作例」の可能性ありとのこと。さらに訳者解題のあとに新たに加えられた(=某『厭な物語』を意識した構成?)「鳥の巣」もまた奇態な夢幻譚だが…何がしかの理由で本作品集に加われなかった作として推理披歴。
全作飄々たる雰囲気の反面極めて衒学的で 訳者による読解に頼らねば(いや頼っても無学な徒にはなお)難解さ易くは乗り越え切れず。その意味でよくぞここまでと感嘆必至の研究の深さだが…『オトラントの城』を卒論として以来の念願の訳出達成とあれば宜なる哉。訳文の平明さ&律動感も見事でそれなくしてはの感。ゴシックロマンスの祖ウォルポール再発見の契機となるべき成果慶賀(50冊忽ち完売の報は既に充分契機となったゆえ?)。





























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2018-05-08

26th文学フリマ東京

5/6(日) 26th文学フリマ東京東京流通センター 第二展示場
https://bunfree.net/event/tokyo26/
↓狩猟品 その1。上段『無限都市の黄昏』1〜6+付録 小倉蛇著(地下石板) 中段左から『非実在探偵小説研究会Airmys』15号 特集ミステリ・ショート・ショート(エアミステリ研究会)『風狂通信』Vol.5 法月綸太郎インタビュー他(風狂奇談倶楽部) 『こ・めでぃうむ』ver.20180506 波留吉久「拝啓ヒロイン様」他(れうにおん)『ひとり異形コレクション』1、2 ふまふ著(シナヤス) 下段『象形文字譚集』ウォルポール著(懐古文庫)。
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とくに『象形…』は50部が発売直後たちまち売り切れの中入手でき幸運。ウォルポールorゴシック人気健在?
↓狩猟品 その2 アトリエサード物。左から『ナイトランド・クォータリー』vol.12 コスミック・ホラー特集『ジョージおじさん-十七人の奇怪な人々-』ダーレス著『ドラキュラ紀元一八八八』ニューマン著。最後のは待望の復刊+短篇&資料他。
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悔やまれるのは石動儀式氏参加の『bnkr』誌を買い損ねたこと。意外なのはクト系が上記の『無限都市…』だけだったこと。以前は例の分厚い書き下ろし集シリーズ他複数あったのに…見逃しがあるかもしれないとは言え些か寂し。クト系ばかりかホラーが極端に少なく のみならずジャンル系(ミステリSFファンタジー等)全般に減少気味で 一方純文学とエンタメ&大衆小説は大幅増の感。寧ろ逆かと思っていたので首傾げ否めず。今ってそんなに純文創作ブームってこと? 同人誌界での「大衆小説」と言うのも何のことなのかいまいち意味判然とせず… それより兎に角クト系 第何次かのブームと言われ乍らこと創作に関してはこれほどまでに残念な状況とはorz





























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2018-05-07

新井苑子『フローラ美術館』『inspiration crystal』

千澤のり子さんからお借りした新井苑子画伯の画集『フローラ美術館』(河出書房新社)と『inspiration crystal』(ARTBOXインターナショナル)鑑賞。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309260921/
http://www.artbox-int.co.jp/artboxj/index.php/publish/sakuhinnsyu/illust/144-sonoko-arai-inspiration-crystal.html
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トリックアート トロンプルイユ 騙し絵…等呼び方は色々あるようだが この新井苑子さんの絵も様々な秘密がさり気なく隠されしかも例外なく華やかな原色──但し濃厚極彩色でなく爽やか端麗色──とリアルなタッチで美しい花々や愛らしい童話の世界が再現されて楽しさ満点。騙し絵…と言ってもエッシャー福田繁雄やさらにはアルチンボルド等になるとどこかあざとかったり怖かったりするが この人の絵はそういうことが全くなくて万人が純粋に綺麗と感嘆すること請け合い。騙し絵と言うより隠し絵とでも呼ぶほうがいいかもしれず 個人的にはその部分以上に絵そのものの魅力に惹かれ。何だろうこの佳さは…と考えると昔から好きな谷内六郎(嘗て『週刊新潮』表紙絵描いた郷愁画家)と三尾公三(嘗て『FRIDAY』表紙絵のスタイリッシュ画家)にどことなく共通するものがあるからかも(どちらも画集所持)。谷内も三尾もかすか乍らトリック的手法を採り入れているし。が新井さんの絵はその両人を遥か上回って陽気で明朗で快活 見ていてほんとに気持ちよくなる! …論より証拠で絵の現物を挙げたいところだが…お借りした画集の内容を載せるのは憚られるので… 一例だけネット上で見られる絵を(千澤さんが大好きな『不思議の国のアリス』テーマ)。
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https://matome.naver.jp/odai/2135209423689425001/2135209435589440503

千澤さん素敵な画集ありがとうございました!

フローラ美術館

フローラ美術館

SONOKO ARAI―inspiration crystal (ART BOX GALLERYシリーズ)

SONOKO ARAI―inspiration crystal (ART BOX GALLERYシリーズ)































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2018-05-03

山尾悠子『飛ぶ孔雀』福井健太『本格ミステリ漫画ゼミ』頂戴自慢

山尾悠子『飛ぶ孔雀』(文藝春秋 2018/5月刊)賜り!
http://books.bunshun.jp/sp/yamaoyuko
※↑この特設サイト妖しく蠢くので注目。
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【伝説の幻想作家8年ぶりの連作長篇小説。シブレ山の石切り場で事故があって火が燃え難くなった世界。「吉瑤峭雀」回遊式庭園で催される真夏の大茶会。くじ引きで「火を運ぶ女」に選ばれた姉妹は──。「局塲垣について」公営浴場で路面電車の女運転士に出会ったKは大蛇うごめく地下世界を経巡る。】
「機廚蓮文學界』誌発表「供廚書き下ろしの由。装画は銅版画家 清原啓子画伯作「絵画」。これがどこかクト風味の絵で惹かれるものあり。
…こんなの貰っていいのかなと思わせる本だが… 無論著者贈ではなく版元よりのPR用配布。文春さん時々贈ってくださいますあまり役にも立たん俺ごときにまで申し訳ないが…兎に角嬉しや ありがとうございます!

飛ぶ孔雀

飛ぶ孔雀







福井健太本格ミステリ漫画ゼミ』(東京創元社 2018/4月刊)も!
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488015435
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【個性的な名探偵や謎解きをビジュアルで描く本格ミステリ漫画は多くのミステリ作家やファンを育ててきた。その歴史を概観し魅力的な作家と作品を紹介することが本書の目的である。少年漫画 少女漫画 SF 児童向けも網羅しミステリ漫画の名作を800点以上紹介。史上初のブックガイド!】
こちらは福井さんから頂戴しました ありがとうございます! でも…







…俺漫画読まないんだよな…






























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