かぜっぴき

今日は午後から講義があるので11時にアラームをセットしておいたものの、寒気がするし鼻水も止まらないので、一日家でゆっくりする事にする。小心者なので、講義の出席は研究室のM1に頼む。ありがとうS君。とりあえずは17時ぐらいまでひたすら寝てみた。
起きたら頭もすっきりしたし、鼻炎も止まったので一安心。昨日はひどかった目の下のクマもすっきり。溜まったメールやネットの巡回をしているうちに、日付が変わる。明日は自転車の修理をしたり、クリーニングを取りにいったり、研究の相談をしたり色々とやる事が盛りだくさん。がんばろう。

地震報道について

一昨日から、TVをつけると必ずどこかで地震関係の報道がされている。従来からマスコミの技術に対する報道姿勢に関しては疑問を持っているのだが、今回の上越新幹線脱線に対する報道には憤りすら感じている。
毎日新聞では新幹線脱線に対して、

直下型地震への対応には難点があるといわれていたが、まさか直線区間で脱線するとはJR各社の技術陣にも衝撃だろう。開業以来40年、脱線、衝突などの死傷事故ゼロと言っても、明日の安全の保証はない。スピードアップや車両の軽量化を進める中で慢心はなかったか、緊急に安全性能を総点検すべきだ。脱輪防止用のガイドレールの敷設、乗客用シートベルトの導入なども改めて検討し、安全に限界があるのならスピードダウンさせる勇気も持ちたい。

「新幹線の安全神話の崩壊」などと言って取り上げている。これらの報道は、報道関係者のリスクに対する無知を露呈していると言う事に他ならない。
今回の地震は直下型であり、どのような技術を使っても事前に新幹線を安全に停車するということはできなかった、という事実から目を背けている。*1
今回の脱線事故で死傷者が出なかったというのは、様々な偶然(豪雪地帯対策用の線路間の溝にはまったため、高架外に落ちなかった。たまたま200系車両であったために車両重量があり、重心が低かった)の産物であった事は事実である。
しかし、実際に記事にあるような対策を取る事によって、どれだけの便益が発生するのだろうか?地震によっておきうる影響をハザードとした時に、リスクとは「ハザード×地震が起こる頻度」で表される。今回のような直下型地震という防ぎようの無いタイプの地震に対してまで、新幹線のゼロリスク、つまり脱線をしないということを保障するためには天文学的な費用が必要となるだろう。
自分はJRの肩を持つわけではないが、どのような交通手段でもリスクは存在する。自動車や航空機、ましてや徒歩であっても、日々人は移動する時にリスクを冒しているのである。確率的には新幹線よりも、自動車事故に会う確率の方が人生の中では高いだろう。
恐らく、記者という職業の人々はモノを作りを経験したことが無いのだろう。どのような技術を用いても絶対ということはなく、むしろ発生する事故率やその被害を最小限に食い止めつつ、要求性能やコスト条件を満たすという作業を体験していれば、このような記事を書くことはできないだろう。
「新幹線の安全神話」という過去の実績にからの幻想に惑わされて、新幹線をゼロリスクと勝手にとらえて、このような記事を平気で載せてしまう毎日新聞の見識の低さと、科学系の記者の教養レベルの低さを嘆くばかりである。そして、リスクマネージメントの概念が欠如し、ゼロリスクの幻想に取りつかれた日本人の先行きが、非常に案じられる。

*1:P波が感知できるような地震に対しては、様々な対策がとられている。

いまさらながら

地震から2日経った今日でも、夜の配給でおにぎり一個とペットのお茶だけ、という報道をみたらなんだか胸が痛くなってきた。また、だんだんと寒くなってきているこの時期に、体育館やテントでの生活はお年寄りや子供には堪えるだろう。
自分も東海地震の発生が危惧される静岡出身であるため、他人事とは思えない。自分の家族や親族、友人知人が同じような状況に会う可能性が多分にあるのだから。また、東京も関東大震災以降、地震が起こってもおかしくない周期に入りつつあるし、来年から住むことになる中部地方でも、今回のような直下型地震の発生が予想されているらしい。
4つのプレートがひしめき合う日本に住む以上、どこにいても地震が来ることを想定して、地震対策を取っていく必要があるだろう。今回の被害を教訓に、今後の地震による被害を最小限に食い止められるようにしたい。*1
被災地の一日も早い復旧を、心から願う。

*1:台風による洪水被害に関しては、ダムなどや河川の治水工事により、昔よりも大幅に被害を減少させることができている この前の23号ではの台風で81人の死者だったが、同サイズの1958年の狩野川台風の死者1269名であった。