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角川文庫版『時かけ』その1

時をかける少女』角川文庫(No.67)

  • ジュヴナイル中篇2篇 短篇1篇
  • 初版発行/1976.2.28 角川文庫 3637 緑305-10 
  • A6判 並製本 227頁 コード/0193-130510-0946
  • カバー 帯(緑) 装幀/藤本蒼 さし絵/谷俊彦 定価 220円

久々の『時かけ』特集、ようやく角川文庫版『時かけ』(その1)です。刊行は1976年2月、タイトル前には<SFジュブナイル>と銘打たれ、カバー装幀も藤本蒼氏に変更、また背表紙色も従来とは異なる茶色が使用されました。角川文庫では同著者作品でも傾向によって背表紙色が異なることがままあり(例えば横溝正史は少年もののタイトル文字色が黄色だったり『人形佐七』が朱色だったり)、筒井さんの場合もこの『時かけ』を皮切りに<ジュブナイル>作品が続くことがあらかじめ決まっていたため(ある程度の冊数があれば書店棚での違和感がさほど感じられないため)、茶色が使用されたようです。本文さし絵は盛光社版同様谷俊彦氏が担当、各篇計20点のイラストレーションが描き下ろされました。
初回出荷時にかけられていたかは定かではないですが、2月下旬に開催されたフェア「ザッツ・エンターテインメント」共通帯がかけられ、その緑帯は古書店で初版を見つけるいい目印になっていました。和田誠さんによって描かれた作家は七名(左から高木彬光・筒井さん・渡辺淳一森村誠一横溝正史城山三郎松本清張)、既にブームの萌芽が見てとれる横溝正史原作の映画『犬神家の一族』が封切られるのはこのフェアから8ヶ月後のことでした。

この角川文庫版『時をかける少女』はSFベストセラーズ版が店頭から姿を消した後も版を重ね、やがてひとりの少女の出現によって、さらに多くの読者に迎えられることとなります。

いつまで続く『時かけ』特集、次回は「原田知世という少女」です。