レイハラカミのニューアルバムに泣く

久々に泣きました。レイハラカミ。4年ぶりのアルバムですが、ジャケットデザインから矢野顕子の推薦文から、鹿野淳のレビューから、全て「満を持して」感。生きてて良かった。(笑)

僕がレイハラカミを知ったのは90年代後半ですが、90年後半から2000年代で僕の中で音楽的嗜好がスペシャルサンクスの中に全て入っているというのは、偶然ではない気がします。

細野晴臣矢野顕子Asa-Chang&巡礼くるり、Great3、常に個性的で常に純粋で常に新しい、決してビジネスに削り取られない「本物」を貫く精神性と才能、技術。それをまたこの時期に聞くことが出来て、音だけではない「満を持した」感にやられました。

前ログで書いたとおり、ここのいる人たちは音楽に生活を入れない。その才能に周りが認めて、環境を与えてくれるのでしょうね。前作「レッドカーブ」から実に4年。それは商業的には長すぎる期間であるでしょうし、契約上どうたらとか、生活がどうたらと言っていたらそんな余裕はないでしょ。ここに本物あり、ですよ。

最近出た「風街カフェ」という、元々松本隆のHP上の対談集(川勝正幸編集)での大瀧詠一との話で、大瀧が松本の詞を指して「はっぴいえんどに始まる松本大瀧の作品は水面のように乱数で光るように創られている。だから聴くたびにいろいろな部分が光って見えるために、何度聴いても飽きない」という発言があるのだけれど、レイハラカミの音楽は本当にそのまままさに!です。何度聞いても飽きない。このオリジナリティ、ちょっと昨今例を見ません。

マンガ原作者兼評論家の大塚英志は、昨今のサブカルの現状を捉え、引用(サンプリング)と接合(既存の作品を組み合わせるDJ的技術)の嵐で、オリジナリティと持続性、そしてあらゆるゼネラリスト的な能力を持つクリエイターが皆無に近いと嘆いてますが、ここにいますと声を大にして言いたい。

そんな絶賛の嵐を送りっぱなしで、話は終わってしまいます。(笑