そのたびごとに、ただひとつ。

今日のゼミはデリダをぐむむむという感じで読んでちょっと一息という感じで始まった雑談がどこまでも転がっていきあらぬ方向へ。秋葉原事件→承認理論→モテ/非モテ→二次元→腐女子→BL→ゲイ雑誌→セクシュアリティと萌え→ラカンパチスロ→麻布→鵜飼先生→開成、という感じ。
カール・シュミット」と「さぶ」が同時に話題になるのは大学そしてゼミは数あれど恐らくうちのゼミだけ。
そして『友愛のポリティックス』と『社会契約論』と同時に『good!!アフタヌーン』と『喧嘩商売』をカバンに入れて持ち歩いているのは文系は無数にいてもきっと僕だけ。

綿矢りさ『インストール』

インストール
綿矢りさのデビュー作。このときなんと17歳。高校三年生。わーお。
こちらもまあまあ読める小説だとも思うだけれど、やはり芥川賞を獲った2作目『蹴りたい背中』のほうが断然よくできている。『インストール』は文体がなんともだらだらとしていてまあそれは自意識過剰っぽい文体ということにしてもいいんだけどもなんと言ってもリズムが。リズムがよくない。17歳という年齢を考えると仕方がないのだろうけども文章の技巧的な部分はお世辞にも優れているとは言えないレベルだと思う。話の流れも速度とテンションの調節がうまくいっていないし。
しかし『蹴りたい背中』では文体がガラリと変わって、というかそぎ落とされていて、全体としてきれいに抑制された作品だった。比べて読むとその進歩に感嘆!させられます。3作目もそのうち!読んでみます。