gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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asahi.com:レタス農家「もう限界」-マイタウン茨城

寒暖差の激しい天候不順のあおりで県内でもレタスを中心に野菜価格の急騰が続いている。政府は農家に前倒しの出荷を促すなど対策に躍起だが、県内のレタス農家からは「もう限界」との悲痛な声も聞こえてくる。(岩田智博)
八千代町のレタス農家の野中洋一さん(60)=JA常総ひかり八千代地区予冷部会長=は、日課の天気予報を見るのがつらい。
夜の天気予報で翌日の気温が低いことが分かると、「また霜か」と気持ちがふさぐ。
例年なら早朝6時に畑の様子を見に行く。8時ごろ、家族やパートさんらと本格的に収穫に取りかかる。
が、今年は霜がつくことが少なくない。解けるのを待っていると、収穫が始まるのは同10時ぐらいになる。
「霜がレタスに付着すると、表面が茶色に変色することもある。その状態では、もう商品にはならない」。そう言って、2ヘクタールある自分のレタス畑を指さした。
所々、変色しているレタスが少なくない。霜害などで売り物にならないレタスが全体の4割に上っているという。
「ただでさえ、気温の変動が激しくて生育が進まず、出荷量が減っているのに」とこぼす。
野菜価格は先月以降、急速に値上がりしている。東京都中央卸売市場での野菜価格は15日現在、過去5年の平均と比べ、キャベツが202%、レタスが175%などと上昇。客足が遠のくことを恐れ、赤字覚悟の安売りに踏み切るスーパーも現れるようになった。
「今後、高値が続く恐れもある。できるだけ前倒し(出荷)をして、少しでも値段が安定するように、努めていきたい」
16日、赤松広隆農林水産相は急騰に強い懸念を表明。今月末までかなりの低温が続くとの気象庁の警戒警報を受け、農水省は前倒し出荷を生産者団体に要請した。通常の規格に達しない大きさの野菜でも収穫、出荷するように促し、流通量を増やして価格の安定を狙うものだ。
だが、こうした国の求めにも「現場を知らなすぎる」と野中さんたちは憤る。
急騰には農家にも責任があるような風潮があるが「それは筋違いだ」とJA常総ひかり関係者。「だれも決して値段を高くしようと思って農家をやっているわけではない。ビニールを掛け暖かくするなどの措置を採っても、レタスが生育してくれないんだ。我々はもう何年間も、7分の生育状態で出荷を続けているんです」
変色したレタスを見つめ、野中さんが言った。
「40年、農家をやっているけど、こんな年は初めてだ」

http://mytown.asahi.com/ibaraki/news.php?k_id=08000001004200001

豊作なら値下がりが酷くて「限界」、不作なら不作で「限界」。
誰かの犠牲が無ければ成立しない商売は、どこか間違っているんだから、農家止めたら?
いや、真面目な話。
食料自給率が色々言われている日本だが、米と青物野菜に関しては、ほぼ100%の自給率が維持できている。
これは、青物野菜の傷みやすさ(輸入が難しい)と、育成の速さ(出荷サイクルが早い)のお陰なんだけど、この特性は「工場野菜」向きであり、比較的単価の高いレタスは、既に植物工場で10日で出荷できる実用技術が確立している。
記事にあるとおり、異常気象などで簡単に出荷量が大きく変動するため、多少高くても安定供給できる野菜工場製のレタスを使う大手食品メーカーもあるくらいであり、初期投資と継続的経費の兼ね合いから、単価の高いレタスやハーブくらいしか実用化出来ていないけれど、需要が増えれば必要な資材の単価も下がっていくから、採算が取れる品目も増えていくはずである。
狭いニッポン、小規模農家からバンバン土地を取り上げて、大規模集約化するか、工場農業を大々的に実施して行くくらいの対策しないと、将来的に予想されている水危機に伴う食料高騰時代に、日本は「金があっても食料を買えない」というハメになるかもしれない。
個人的には、メガフロートと工場農業って、物凄い相性が良いと思うんだけど…。
半透膜技術で真水と窒素・リン・カリと言った、輸入に頼っている肥料類を海から取得し、波力・風力で自家発電、元々メガフロートの内部空間は人工空間なので、地上にイチから野菜工場を建設するより扱いやすそうだし。
…まあ、最終的には「コスト」の問題が一番なんだけど。(例えば、半透膜で海水をろ過するより地上の河川から直接淡水を引き込んだ方が安かったり、肥料も輸入した方が安かったり、発電・維持コストも、原発から電線で夜間電力を分けてもらったほうが安く済んだり、地上に平屋の野菜工場を建てる方が、メガフロートを建造するより格安だったり、のような「コスト」)