gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

「一帯一路」会議 中国主導で国際秩序築けるか : 社説 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

中国主導の国際秩序構築に向けて布石を打っても、独善的な振る舞いを改めない限り、日米などの不信感は拭えない。
習近平政権が北京で、巨大経済圏構想「一帯一路」をテーマにした国際協力会議を初めて開いた。
この構想は、2013年秋に習国家主席が提唱した。かつての陸と海のシルクロードを軸にアジアと欧州を結び、沿線国のインフラ整備や貿易の活性化を目指す。
会議には、130か国以上から計1500人が参加した。ロシアやイタリア、フィリピンなど29か国は、首脳が出席した。
今秋、習氏は5年に1度の共産党大会を開く。最大の外交イベントと位置づける「一帯一路」会議を成功させることで、自らの威信強化につなげる思惑があろう。
習氏は開幕式で、「協力と共存共栄を中核とした新たな国際関係を築く」と演説し、米国中心の既存秩序を牽制けんせいした。インフラ投資などの資金を賄う「シルクロード基金」に、約1兆6400億円を追加拠出する方針を表明した。
そのうえで、「多国間貿易体制を守り、自由貿易圏の建設を推進する必要がある」とも語った。
トランプ米政権が環太平洋経済連携協定(TPP)を離脱したことを念頭に、「世界経済の牽引役」を自称したいのだろうか。
国内で外国企業の活動を制限する。過剰生産した安い鉄鋼製品を大量に輸出する。そんな中国が米国に代わって自由貿易を先導するとの主張は説得力を欠く。
インフラ案件では、共存共栄を唱えながら、強引な手法や見通しの甘さから事業が停滞するケースも目立つ。インドネシア高速鉄道計画は、その象徴と言える。
問題なのは、海のシルクロード構想が港湾整備を通じた海軍の拠点確保と表裏一体である点だ。
インド洋周辺にあるパキスタンスリランカの港などでは、大規模な投資が進む。中国は経済的な恩恵を強調するが、米国排除を狙った覇権主義的な海洋進出を支える港湾整備なのは間違いない。
アフリカ北東部のジブチでは、海軍補給基地の建設が進行中だ。軍事拠点化が完成しつつある南シナ海の人工島とともに、インドなど周辺国の懸念を招こう。習政権が力の支配を続けるなら、「一帯一路」の成功も覚束おぼつかない。
日本は、自民党の二階幹事長らを会議に派遣した。日中関係はもとより、アジア地域の安定と発展に寄与するかどうかを慎重に見極めることが重要である。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20170515-OYT1T50108.html

ぶっちゃけた話、「一帯一路」会議に何カ国参加しようが、その中に欧州先進国が含まれようが、実の所、全く脅威でも何でも無かったりする。
日本がバブル期にバラマキ外交をしていた頃は、中国ですら擦り寄って来て金を無心していたぐらいで、AIIBと同様、中国の金を目当てに集まっているだけだからだ。
日本が不景気になった後、そうした付き合いの国からは、何の支援も無く、むしろ中国の台頭であっさり乗り換えられてしまった様に、金目当ての付き合いってのは、空しい物なのだ。*1
…そもそも、日本から金を貰ってすら反日活動に精を出した国が、中国と韓国な訳で、中国と利害対立している東南アジアの諸国なんかは、間違いなく同じような行動をするだろう。
前例を作ったのは、中国本人な訳だし。
閑話休題(それはさておき)
中国は日本と同様に、既にバブル崩壊しており、日本と違って一党独裁国家である事の強みで、統計を改竄し、内需の代わりに軍備に投資する事で経済を下支えしているものの、貿易統計はごまかしようも無く、悪化の一途を辿っている。*2
つまりは、日本と同じように、金で繋げた繋がりは、金の切れ目で切れてしまう、と言うアレを目前に控えているのだ。
ただ、日本と中国との違いは、「中国は核保有国である」という事と、「中国は覇権国家としての野望を隠してはいない」ということ。
つまり、日本はただ平和裏に没落したが、中国は「やらせはせん、やらせはせんぞ!」と叫びながら、周辺国に盛大に迷惑を掛けて、無駄にあがく可能性がある点。
「中国は一皮むけば、北朝鮮と全く変わりの無い蛮国」である、と言う一点が、欧米が理解していない、世界における重要なリスクなんだけど、この辺は日本でも積極的に目を逸らしている人が多いのは、日本単独ではどうしようもないからかねぇ…。

*1:特に欧州の連中の二枚舌ときたら…

*2:輸入は2014年をピークに急減、輸出も2015年をピークに減少に転じている。GDP成長率も2011年をピークに鈍化し、2015年にはデッドラインと言われた7%を割っている。輸出偏重国家で、輸出入が減少して、ロクな成長軸も無いのに年7%近い成長率を維持しているのがそもそもおかしいのだが…