ロッテルダム

 列車に1時間ほど乗ってオランダ第二の都市ロッテルダム(Rotterdam)へ。ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館(Museum Boijmans van Beuningen)を訪ねる。開場が11時と遅いので,裏の庭園を散策して待つ。いよいよ足を踏み入れてみての印象は,あまり良くない。現代芸術のための大きな空間が中央にあり,その手前にサルバドール・ダリの作品が集められている。そして回廊にあたる部分に中世絵画や近代絵画を並べている。つまり,陳列の配置が唐突なのです。絵画はなかなか充実しているのだけれど,空間が引き立て役になっていない。ピーター・ブリューゲルバベルの塔』も,狭い壁面の中に置かれてしまうと映えない。
http://www.boijmans.nl/
 続いて,デルフスハーフェン(Delfshaven)へ。第二次世界大戦で破壊された街を復興した場所――ということだったのだが,イミテーション感があまりに強い。商店は建ち並んでいて活気はあるが,移民の開いている店が多い。建物の見せかけは17世紀でも,中身がそぐわない。裏通りを歩いてみたものの,最近になって建てられたとおぼしい低所得者階級向け住宅ばかり。興味をそがれたので,ケバブ定食(EUR9)で昼食にした後,歴史博物館(Historicj Museum)を見て帰る。悪くはないのですが,物足りない。子ども達に向けた歴史教育の施設という性格が強いのか,オランダ全体の風土に関する展示物が中心で,ロッテルダムならではというものが少ない。戦災で町が失われたという話がすっぽりと抜け落ちていたことからすると,19世紀初頭の出来事は無かったことにしてしまいたいのかもしれない,と思う。

デルフト

デルフト
 帰りの列車に乗ったら,次の停車駅はデルフト(Delft)だった。窓から見える町並みに興味を引かれて降りてみる。
 町並みが整っていて,実に美しい。
 プリンセスホフ博物館(Stedelijk Museum Het Prinsenhof)は,オランダ独立戦争の記念館。解説文を読みこなせないのが残念だが,1584年前後の資料が集められていて興味深い。隣の民族博物館(Nusantara Museum)は,オランダ東インド会社が統治していたこととの関連で,インドネシアに関する展示が行われている。
http://www.gemeentemusea-delft.nl/
 旧教会から,市庁舎,マルクト広場,新教会へと散策。運河が張り巡らされた町は,情緒がある。古い町並みの中をそぞろ歩きして楽しんだ。