ずっと聴いてるさユりと音楽の趣味の話

最近はもっぱらさユりミカヅキの航海ばかり聴いている。
その前に1番聴いていたのは宇多田ヒカルのfantomeだった。
気に入ったアルバムをランダム再生もせずに曲順通りに何十回も何百回も聴くのは中学生の頃からずっと変わらない癖だ。ひと頃などはアルバムの途中で再生を止めるのすら嫌って、移動時間よりも長いアルバムは再生しないことにしていたほどだったけど、今は流石にそこまでのことはしなくなった。



このさユりのアルバムは本当に良い。
存在感のある声質や歌い方と歌詞や曲調がとても合っている。


来世で会おう


最初に知ったのは『僕だけがいない街』のEDの「それは小さな光のような」だったのだけど、カップリングのこの曲がとにかく気に入った。
高らかにネガティヴなことを歌うサビの頭が印象的だけど、「すべて間違いじゃなかったと信じて僕は今歩き出すよ」と締めくくる、過去の自分を肯定して歩き始めるというポジティブさが良い。


アノニマス


この曲はとても長い年月温めていた曲らしい。
ちょっと社会派な歌詞で、90年代ポップスによくある大衆の無関心や冷たい距離感みたいなものをSNS時代的視点から歌っているのだけど、そこに向かって発信していく立場であることに自覚的で、ファーストアルバムより先に書いた曲とは思えないほど成熟している。
あとメイクが薄くてどのMVよりもさユり本人が可愛い。


そんなこんなで、さユりは僕の中で今いわゆる"激推し"といった状態なわけなんだけど、我ながらいかにも僕が好きそうな歌手のど真ん中だと自分でも思う。
女性歌手だと他には椎名林檎宇多田ヒカルやくしまるえつこなんかが好きだ。並べてみるとなんとなくわかると思うけど、自分の言葉を持っていて、世界の中心にいるような人が好きだ。
共通しているのはキャラクター。それぞれ、この人が歌うから意味があるという人ばかりで、そういう意味ではポップス的というよりはロック的な聞き方をしている気がする。
ポルノの岡野昭仁があのやべえ肺活量で「ひいきは小学館 スピリッツ読ませてベイベ」とか歌ってたら引くし、EXILE部族の半分外人みたいな人が「ロックは死んだ」とか言ってたら死ねって思う。
ちなみに男性ボーカルの場合は、世界の中心というよりは"バンド"感というか、一体感の強いものが好きだ。
クラブミュージック的なものをあまり聴かなくなって久しくて、どうしてなのか自分でも不思議だったんだけど、こういう向こう側に"人"を感じる音楽に興味がシフトしているのかもしれない。

ARCADE音楽ゲーム比較2015

はじめに

なんと前回(去年)のエントリの続きです。いやはや、一年も空いてしまうとは、いやはや。
今回は「上達=ゲームが進行する」という前提のもとに、実力の指標を各ゲームの導線として捉え、各ゲームの実力指標を見比べてみることが主眼です。
要するに、ここでは「用意された指標を目標としてプレーしていくと上達できるかどうか」という切り口で各ゲームを見ていきます。
はじめにいくつかの観点を提示しておきます。

指標の安定性

これは、その指標がどの程度ナマモノなのか、ということです。
例えば、ユビリティやレーティングのようなものはプレーごとに変化するのでやや不安定ですし、ランキングの順位であれば他人のプレーによって自分の順位が下がっていきますので極めて不安定です。
一方で、段位や称号のようなものはリセットまでの一定期間(おおむねバージョンアップまで)は難易度が変化しないので安定しています。


安定した指標は目標としやすいですが、必ずしも妥当であるとは限りません。
なぜなら、自分の実力が何らかの理由で落ちた際にかつて達成したものがそぐわないものになったり、あるいは指標自体が陳腐化する可能性もあるからです。
一方、不安定な指標は上手くなければ到達できないという点では指標としては有効になりやすいものですが、不安定なだけに目標とはしづらいものです。

指標の妥当性

これは、読んで字のごとく、その指標がどれだけ実力を示すのに妥当なものであるか、ということです。
何をもってして「上手い」とするのかという話になるときりがありませんが、ひとまず「上手くなければ達成できない」と「目標として練習することで上達できる」の二点から考えることとします。

指標の大まかな分類

コース方式
IIDXの段位認定コースを始めとした多くのゲームが採用している方式です。
たった一度のプレーで取得できる代わりに、プレーする曲数が少ないため特定の曲の得意不得意が如実に出てしまう点や、ただ完走すればよいという点で、やや妥当性に欠けるところがあります。
IIDX以外の多くのゲームではただ完走するだけではなく他の条件をつけたり、後述のスキル方式と組み合わせることで妥当性を高めています。


スキル方式
ギタドラのSkill Pointを手本とした曲別の自己ベストによって算出されたポイントを一定曲数分累計したもの。
かなりの回数をプレーしなければ正しく実力を表す値とならない代わりに、粘着する回数が増えがちなため目標とすることで上達しやすいというメリットがあります。
この方式は多くの場合、表記難易度に依存するため、難易度が辛い=詐称気味な曲が敬遠されがちになってしまう傾向がありますが、後述のその他の指標と上手く絡むことでそういった曲にスポットライトが当たることになります。
ちなみにIIDXのDJ POINTのみ、EX SCORE依存=ノート数依存となっています。


埋めプレー
難易度やジャンルのフォルダやカテゴリがある全てのゲームに潜在的に内蔵されているとも言えるシステムです。
特定のフォルダやカテゴリをクリア、スコアランク、フルコンボなどで埋めていくことを目標にして上達することができます。
先述の難易度が辛い=詐称気味な曲が難易度ごとのボスになってスポットライトが当たりやすくなるという側面もあります。
欠点は曲数の肥大化が進むと埋めプレーにかかる回数が増加し、始めたばかりの人には厳しくなってしまう点などが考えられます。
また、局所難やスコア難の譜面など難易度が極端になってしまう場合などもあり、完遂を目標にすることは難しい場合もある。


ランキング、バトル、ライバルなど対人要素
他人のプレーによって変動するため目標とはしづらいが、コミュニケーションなどによってモチベーションを上げやすい点が優れていると思います。
一方で欠点としては、他の指標に比べて上級者向けの傾向があるでしょう。


前置きが長くなりましたが、実際に各ゲームの実力指標となっているシステムを見てみましょう。
総評として5点満点の点数を書きましたが、なんというかフック的なつもりで結構適当につけてます。

IIDX

埋めプレー

難易度が12段階しかないため1つの難易度に数百譜面が収録されておりやや敷居が高い。
リアランプソートがあるのは優秀ですが統計が筐体、プレーサイトで見られない点はやや厳しい。

DJPOINT

EXSCOREの1/100にクリアランプとスコアランクの係数(AAA+FCで1.5倍)を賭けて算出される単曲DJPOINTを全曲合算したも。
その性質上、スコアはもちろんクリアやフルコンボも要求されるので指標としては極めて優れていると思いますが、全曲の合算ということで他のプレーヤーと比べづらく、特定のDJPごとに区切りなどがないので「DJPを上げよう」という意識は持ちづらい。

段位認定モード

実力指標の草分け的存在。
ゲージが極めて甘く、他のモードでクリアできなくとも段位であれば完走できるという点が最大の特徴。


初登場時から2015年現在までの変更点は以下の通り
・DD:HSやSUD+のオプションを曲中、曲間で変更できるように
・DJT:達成率の計算式が変更になり各曲終了時の残ゲージに依存しなくなった
・SPADA:EX段位というゲージを厳しいものにできるように
・PENDUAL:MIRRORが使用できるようになった

総評

★★☆☆☆
段位認定以外は十分に整備されているとは言い難く、目標が見つけづらいと。ライバル機能が充実していて近い実力の人と競うことに重きを置いている節があり、ゲーム内の指標は薄い。
段位は「上手ければ取得できる」のは間違いないが、譜面変更オプションの使用率がおそらく全ゲーム中トップのこのゲームにおいて、正規orMIRRORのみ使用可、スコアは問わず、他のモードに比べ圧倒的に甘いゲージ等、「取得できれば上手い」とは必ずしも言えない。
しかし、年に一度程度のバージョンアップまで変更やリセットはなく、一度取得してしまえばそのバージョン内では降格などはない。また、バージョン間での難易度変更もあまり大きくはない。
取得した最高段位はプレー開始時、終了時のステータス画面に表示される程度だが、ユーザーの意識が非常に高く、段位を目標とするプレーヤーが極めて多い。
それだけに妥当性が高くないのは残念だが、1プレーで挑戦できるという手軽さが優先されているのかもしれない。
スコア面での指標がライバル勝敗やランキング等しかなく、クリアゲーとスコアゲーが乖離してしまっている点がもったいない。

pop'n

埋めプレー

埋めに特化したゲームデザイン
50段階の難易度別フォルダにフォルダごとのクリア率、フルコンボ率、パーフェクト率が筐体で確認できるデザインは非常に優れている。
また、クリアマークも丸、ダイヤ、星型の3種類があり、それぞれ通常クリアの銅色メダルはBAD20以下、BAD5以下、フルコンボの銀色メダルはGOOD20以下、GOOD5以下でダイヤと星と細分化されているため、IIDXのHARD埋めのような感覚でさらなる目標を見つけやすい。

検定

IIDXの段位に近いきほん検定は、せんごく列伝での初登場時は各難易度間や同難易度内でのバランスが悪く、実力の指標にはまるでならなかったが、ラピストリアで再登場した際には調整がされており目標や指標にしやすくなっている。
難易度ごとにBAD数のノルマがあり、達成すると銀や金のトロフィーが獲得できた。
しかし、ゲージがかなり甘いためにただ抜けるだけの銅トロフィーよりも、一つ下の段位の金トロフィーの方が難易度が高くなりがちだったことである。
また、ジャンルやアーティストごとの検定があり、きほん検定のランクもネット対戦時に表示されている程度なこともあり、IIDXの段位ほど前面に押し出すつもりはないようだ。
かなり新しいモードのため、今後どのようにデザインや、ユーザー間での認識が変化するか期待できる。

ネット対戦

初登場時のいろは〜TUNE STREETまでは専用モードでの3人対戦で1人1曲投げ合い制だったが、fantasiaからは曲別マッチング制になった。
この時代はネット対戦のランクをプレーヤーの実力指標とする文化があった。
曲別マッチング制になってからはランクの概念はレベルに変更され、ある程度の回数対戦をしなければ適性ランクまで上がらないものになってしまった。
また、曲別マッチングになったことで癖の強い譜面にスポットライトが当たる機会が減ってしまったのは残念。

総評

★★★★☆
ライバル機能もあり、コース制の認定、埋めプレーのしやすいシステム、ネット対戦などひと通り揃ったバランスのいいデザインになっている。



ギタドラ

埋め

99段階の難易度が10刻みでフォルダ分けされている期間が長かったためか、あまり重視されていない傾向にある。
現在では5刻みの難易度別フォルダになっており、達成状況がグラフで閲覧できるデザインになっている。
後述のスキルポイントシステムの存在が大きすぎるためか、目標とするプレーヤーは多くないように思える。

スキルポイント

現在は新曲枠が25曲、旧曲枠が25曲と新曲の存在が非常に大きいスキルシステム。
基本的には上位を目指せば目指すほど、苦手を潰す必要が出てくるため上達には非常に有効。
一方で稼ぎ曲にスポットライトが当たりやすく、いわゆる"不味い曲"が空気になりやすいが、その点はバトルで武器曲になることも多いため、多少はバランスが取れている。
新曲が増減するたびに指標が変動する点はやや不安定。
目標にすることで上達に繋がるようなものとするためには、新曲枠に様々な譜面タイプと難易度を取り揃える必要があるが、過剰に楽曲を追加すると詰める意欲と意義を失ってしまうという二律背反を抱えている。
また、特にドラムは実際の演奏をかなり忠実に再現しているため、さまざまな譜面を取り揃えることは楽曲のジャンルや手癖のレベルでのバラエティも要求することになるため、他のゲームより困難であることが予想される。

総評

★★★☆☆
スキルポイントによって変わるネームカラーが指標として強く意識されており、スキルポイント向上のために苦手要素を潰していくことで上達ができるという完成されたシステム。
しかし中級者付近までは譜面の選択肢が豊富なため、得意傾向の譜面だけでもなんとかなってしまう面がある。
スキルとバトルの両輪のバランスが取れているとなおよいのだが、現状はバトルへの誘導がやや弱いか。



jubeat

jubility

直近のプレーを参考にしたレーティングシステム。
稼ごうとすればごく簡単に稼げてしまうため、実力に対して満遍なく様々な譜面をプレーすると有効になるようデザインとされている。
プレーごとの変化幅を小さくしたり、別の値との合算にしたりすることでより有効な指標になるかもしれない。
しかし、propから後述のstepに代わってjubilityは廃止になった。

Total Best Score

全曲全譜面のスコア合計。
ランキングは今でも存在するが、曲数の飛躍的増加と共に敷居の高いものになった。
saucerでは月ごとに曲の入れ替えがあり、その月の収録曲のみが対象になった。
収録曲数を制限することでTBSの敷居を下げること効果を意識したのかもしれないが、実際には「スコアを詰めた曲が翌月入れ替えになってしまうかもしれない」ということでプレーヤーの意欲を下げてしまったように思う。

埋めプレー

画面上の16パネルがそのままボタンになっているというデザイン上、画面内に表示できる情報が少なく、TBSシステムがあったためか、難易度別の埋めプレーなどは当初はあまり意識されていなかったようだ。
saucer fulfillからプレーサイトで難易度ごとの平均スコア等を閲覧できる強力な機能が登場した。
しかし筐体上でのソートや絞込機能が貧弱なため活かしきれていないようにも思える。

step

解禁システムを兼ねたシステム。
プレーすることで経験値を稼ぐことができ、レベルキャップをプレー曲数やS以上の譜面数といった実績で入手できるビーズで解放していくという形式。
特定のstepに3TUNEから構成される課題曲があるのだが、楽曲解禁を兼ねているためかクリア条件は高難度ではない。

ARENAモード

週替わりの3曲構成コースのスコアを競うモード。
LEGEND、M1〜M5、R1〜R5、A1〜A5の全15段階のランクがあり、その週のスコアによって翌週にランクが変動する。
明確に課題曲が設定されていながら、週替わりなために様々な譜面を詰めることになるため指標としても目標としても優れているが、専用モードで3曲固定プレーとなるためにややプレーが億劫になりがちなのが玉に瑕。

総評

★★★★☆
近作でかなり強力な実力指標や導線を用意しているのだが、ユーザー間でどの程度意識されるようになっているのか、正直なところ自分の周辺にjubeatプレーヤーが少なくてあまりわからないので申し訳ない。



REFLEC BEAT

認定試験/クラスチェックモード

いわゆる段位システムだが、元来クリアが非常に容易なゲームのため、IIDXと異なり新たな基準の創出と上達に一役買っている。
ROUND1、ROUND2の選曲が選択制な点についてはやや甘くしているとも取れるが、ROUND3が固定なことでしっかりとクラスごとのボスを作っている。

埋めプレー

当初は難易度ごと、難易度種別ごとなどの埋め状況を「フィル」と表現しており、AフィルやAAフィルなどがついた譜面をプレーすると解禁ポイントにブーストがかかっていた。
スコアリセットと譜面数増加により形骸化してしまったが、カテゴリランプに変更することで対応。
groovin’からはハードゲージ、スーパーハードゲージも追加されたが、既に存在していたフルコンボ表記/フルコンボ+AJRとはまったく別枠の表記となっていて既存のシステムとの整合性が不十分になっていまっている。

総評

★★☆☆☆
それぞれの指標の出来は悪くないのだが、先述のフルコンボランプとハードクリアランプが別枠になってしまっている点や、各種トロフィーや認定試験とチグハグになってしまっていてどれを目標にすればよいのかわかりづらい。
また、こちらは初代からの問題でもあるが、スコアランク(JRでの加点やミスでの失点なし)と実際の点数が乖離してしまっており、こちらもどちらを狙ってプレーするべきかあまり明確に示されていない。



SOUND VOLTEX

Skill Analyzer

REFLECとよく似たクリア基準の段位システム。段位ごとにコース数が極めて多いことが特徴。
取得そのものは容易だが、同レベル全てのコースを抜けることや高達成率で抜けることで称号プレートが変化するため、目標にすることで苦手を潰して実力向上ができる。

埋めプレー

曲数が尋常ではない勢いで増えていくこともあって難易度ごとの埋めはユーザー間であまり強く意識されていないように思う。
IIIからは難易度ごとやジャンルごとなどのクリア曲数、ハードクリア曲数、フルコンボ曲数などを筐体上の絞り込みで閲覧できるようになった。

総評

★★★☆☆
曲数が膨大なところに、難易度ごとに複数のコースを用意するという段位システムは指標として極めて優秀だが、最上位コースは収録譜面を解禁しておかなければプレーできず、その解禁にかなりのプレー回数が必要となってしまうことが段位システムの手軽さをスポイルしてしまっている。



Dance Dance Revolution

My Groove Radar

譜面に設定された総密度(STREAM)、瞬間密度(VOLTAGE)などの5つの要素を表すレーダーをプレーヤースキルに置き換えたもの。
しかし基本的に各要素がその要素が一番高い譜面を200として計算されているため、実質的にはこの値を上げるためにはごく限られた数の譜面のスコアやコンボなどを詰めることになる。

埋めプレー

難易度別フォルダなどは存在するが埋めても特にマークなどもつかず、非常にお粗末。

総評

★☆☆☆☆
あまりにもおざなりで上達のための指標はほとんど用意されていない。



maimai

レーティング

ギタドラのスキルにユビリティのような直近プレーの好成績を加算したもの。SSランクが単曲のレート理論値。
ギタドラのスキルと大きく異なるところはレーティングの値と譜面の難易度が近くなっており、プレーヤーがどのレベルでどのぐらいのランクを出すことができる見込みか、ということがわかりやすくなっている。
また、ギタドラとは異なりコンボ率はレート計算に影響しない。
しかし、レーティング算出に用いられる譜面ごとの詳細な難易度や対象曲数、対象曲の達成状況などがマスクされており、具体的に今何をやればレーティングを上げることができるのか、ということがわかりづらくなっている。
また、直近のプレーの成績による部分は下がることもあるため、レーティングを上げることを目標としてプレーするよりも、あくまでプレーヤーの実力を示す指標のひとつと捉えるようデザインされていると思われる。

段位

段位ごとに指定された楽曲のプレーを通常プレーのモードでSランク達成するという形式で称号を獲得できる。
ORANGE、ORANGE plusではmaiCHALLENGEというチケットを購入してから一定期間内に達成する必要があった。
過去作の段位も取得可能なことと、段位称号がイベントや曲などその他の称号と同等で自由にセットできることが特徴。
強く意識させすぎずに、しかし上達のための目標を探しているプレーヤーの指標となるようデザインされていると思われる。

埋めプレー

難易度区分も大きく、筐体上で進捗などがわかりづらく、あまり優れたデザインではない。

総評

★★★☆☆
レーティングはマスクデータが多いことを除けばよいデザインである。それだけに対象曲などがマスクされていることによるデメリットが気になってしまう。
2人プレーによる100%SYNCマークを狙うことも上級者の中では一般的になっており、これは安定してパーフェクトに近いプレーをすることができなければ取りづらいため、上級者向けの目標としても機能しているように思う。

CHUNITHM

レーティング

maimaiとおよそ同じシステム。
細かな違いとしては、表記難易度に11+や12+と言ったような細かな刻みがあり、マスクされた詳細なレベル設定などもそれに準拠したものとなっている。
また、スコア計算式がmaimaiとは異なるため、こちらは10,075,00点(10,10,000点満点)のSSSが単曲レーティング理論値となっている。
レーティング表示の文字色がギタドラのようにレーティングによって変化することもプレーヤーの意識を高めている。

埋めプレー

難易度別のソートやカテゴリが存在せず、ジャンル別カテゴリのみという特殊なデザイン。
各カテゴリはS以上のスコアランクで埋めるとクリアメダルが表示される。

総評

★★☆☆☆
まず何と言ってもこのゲームの特殊な点は独特のスコア計算式だろう。
満点を101万点、そして最上位判定のひとつ下のJusticeで全てのノーツを取ると100万点。つまり最上位判定と二番目の判定の差が極めて小さいDDRのような計算式になっている。
このため、CHUNITHMで高スコアを取るためには、MISSやATTACK(GOOD等に相当する)を減らすことをまず第一にしなければならず、クリアの延長線上に高スコアがあるという形になっている。
また、高スコア同士で比較した場合、精度の高さとスコアの数字上の差が極めて小さくなる。このため、上手くなればなるほど成果が数字として見えづらいというスコアゲーム全般における傾向がさらに強くなっている。
レーティングのデータマスクはmaimaiの項でも述べた通りだが、CHUNITHMは中級者、上級者が入りやすい代わりに、そこからさらに上を目指すモチベーションを持ちづらいスコアシステムになっていると感じた。



cross×beats REV.

Rank Point

ギタドラのスキルによく似たシステムだが、いくつかの追加要素によってオリジナリティを出している。
その一つはULTIMATEゲージという最上位判定のFlawless以外の判定で減少するというオプションを使用することでRP計算に1.2倍ものボーナスがつくことである。
これによって特攻の意義が薄れ、下からしっかりと繋いでいくことを意識させるデザインになっている。
また、CLASSというコースがRP対象に入る。これは段位に近いコースなのだが完走自体は難しくないため、RPのためにスコアを詰めていくものとして用意されている。
そもそもRP計算が最上位判定のFlawlessとひとつ下のSuperで計算が変わらないため、100%を比較的出しやすいものになっているのだが、CLASS RPのみFlawlessの割合が影響するようになっている。
最後に、最上位譜面のUNLIMITEDに独自のボーナスがある。これは「RP対象に入っていないUNLIMITED譜面の単曲RPの1%がRPに加算される」というものである。
これによって、RPが高くなっても低〜中レベルの譜面を詰める意義がある、という仕組みになっている。

総評

★★★★☆
RPの項目で書いた通り、RPシステムだけではこのゲームはFlawlessを出してハイスコアを詰めることへのインセンティブが薄い。
スコア計算式はpop’n music Sunny Park以前の2:1:0.2というシンプルなものなのだが、イベント等で課題曲のスコアアタックなどが行われた時以外にスコア詰めをする意義が薄いのは少々残念である。
折しもこの記事を公開する当日に曲別ランキングの実装と1〜100位以内に入っていると選曲画面にマークがつく等のアップデートが告知された。


むすび

続けて、Beat Stream、太鼓、groove coaster、シンクロニカなども書けたらよかったんですが、あまり詳しくないのに適当なこと書くわけにもいかないので残念ながらこのぐらいにしておきます。
当然のことながら、この指標の出来の良し悪しがゲームの面白さや完成度とイコールであるということはないわけですが、こうした観点でゲームを見比べてみると意外なゲームが充実していたり、制作スタッフが何をさせたいのが見えてくるということもあると思います。
例としては、maimaiやCHUNITHM、REVにおける紫譜面の解禁条件などは「このゲームはSを出したら(フルコンボしたら)一人前」という中級者以上向けへのメッセージにも見えます。


すっかり長くなりましたが、こうした音ゲーに用意されている「やることがある(ない)」が機種数の増えた今だからこそ、各ゲームのモチベーションに影響したりもしてくる気がします。

音ゲーにおける「導線」を中心としたゲームデザインについて

はじめに

今回は「音ゲーマー達の発信所」という企画に参加させてもらったので、こちらの企画のための記事でもあります。
楽しそうな場に参加させていただきました。他の方のエントリも楽しみです。
少し堅苦しい話に思うかもしれませんが、よろしくお願いします。

音ゲーゲームデザイン

さて、音楽ゲームゲームデザインと題させてもらいましたが、「音ゲーにおけるゲームデザイン」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?
操作を指示するノーツの出現の仕方、実際のデバイスのデザイン、操作に対してプレー音は鳴るのか、それはキー音なのかレスポンス音なのか、判定ラインはあるのかないのか、判定は辛いのか甘いのか、その種類は、スコア計算式は、スコアランクは。
そういったデザインを思い浮かべる人が多いかとは思うが、今回は少し違うところに目を向けた話です。
普段意識することの少ない、それより大きな外枠の話について、考えてみようと思います。


そもそも、音ゲーとは何をするゲームでしょう。
「音楽があって、操作の指示があって、それに可能な限り精確に応えるゲーム」というのは実は狭い見方です。
「マリオってどんなゲーム?」と聞かれて、「クリボーがいたら避けたり踏んだりして、パックンフラワーが出てきていない時に土管に乗って、動く床の上を落ちないように移動して……」と答える人はいないと思います。
「敵を避けたり倒したりしながらゴールを目指すゲーム」と答えるんじゃないでしょうか。


つまり、音ゲーとは「すべての譜面を指示通りにプレーすることを目指すゲーム」と答えるのが正解です。
一曲一譜面単位ではなく、すべての譜面についてオートプレーと同じ結果を出すことが最終目標です。
Guitar FreaksやProject DIVAやGROOVE COASTERなどは特殊なボーナスがあって、時には指示を無視したり指示外の操作をした方が高いスコアが出ますが、概ねはこの通りでしょう。


ちょっと待ってくれそんなことは目指していない、と思う人もいるだろうけれど、何か具体的な目標を持ってプレーしているのであればそれらはすべて、先ほどの最終目標への小さな一歩に過ぎないはずです。
ノコノコの甲羅で無限1UPするのを楽しんだり、ジュゲムの雲に乗ってどこまで行けるか試したりするような遊び方を否定する気はありませんが、それはクッパに至る道ではありません。


少し乱暴にまとめてしまいましたが、音ゲーにはこういった最終目標が前提として内蔵されているという考え方のもとに話を進めていきます。
その上で、どのようにその目標へとステップアップできるようにデザインされているゲームなのかを考え、ついでに僕が現状の音楽ゲーム各機種に対して不満に感じている点も述べていきたいと思います。

ゲームに内蔵された「導線」

先のマリオのたとえを繰り返し使わせてもらうなら、音ゲーはおよそ、1-1からクッパの城までのすべてが最初から攻略可能なゲームデザインです。
ポップンミュージックに100円玉を入れれば、ファンタジーNからサイレントEXまで誰でも選曲可能です。
プレーヤーは最初に、何をすればいいのでしょうか。
ほとんど指示のないままに、「好きな曲を選んでみよう!」と言ってくるのは、事前になにかしらの知識があることを前提にした勝手なこととも取れます。


Nintendoの優れたアクションゲームにはチュートリアルが内蔵されています。
いきなりハネクリボーやパタパタが出てくることはなく、まずはクリボーやノコノコが出てきます。動く床は徐々に複雑になっていくし、ヨッシーの種類もだんだんと増えていきます。


一方、音楽ゲームのゲーム性は古くはかなりシンプルで、言い方を変えればユーザーに投げっぱなしな節さえあります。
音楽に合わせてボタンやパッドを叩く、音が出たり判定が出たりする、難しい曲がクリア出来るようになる。
これの繰り返しでステップアップし、いずれ最終的な目標に到達する過程を楽しむゲームでした。


こうしたシンプルな面白さを軸とした中では、楽曲の良し悪し、収録されている譜面の出来、収録曲の難易度バランスというところでゲーム性がデザインされてきたのでしょう。
ColorsやABSOLUTEをプレーする前に、「先に.59をプレーするのがオススメですよ」なんて親切に教えてはくれないけれど、それを手探りで見つけていくおもしろさといのもあったと思います。
プレーヤーは膨大な数の譜面の中から、手探りでプレーし、目標を見つけ、少しずつ達成しながら上達していくものでした。


しかし、音ゲーにもきちんと最終目標へと小さな目標を達成しながらステップアップができるように「導線」が内蔵されています。


例えば、まずは難易度表記。
現行、もっとも幅が小さいjubeatでも10段階、もっとも大きいギタドラでは999段階(事実上はさておき)となっている。プレーヤーはこれを参考にしながら、プレーすることでぐっと目標が見つけやすくなります。
そして、多くのプレーヤーが強く意識をしているのが称号です。
段位認定、スキル、ネームプレート、ユビリティ……枚挙に暇はありませんが、自分の実力を把握することができると同時に次の自分の目標にすべきものがすぐに見つかるという点で非常に優れたものです。
他にも、ライバルとの比較や、インターネットランキングなど、多くのものが用意されていて、それらを元に自分の目標を決めて邁進して行けばよい、という作りになっています。 
好きな曲のスコアをとことん詰めたい人はライバルやランキングなどを使えばいいし、他人からわかりやすく実力を認められたいのであれば称号を獲得していけばいいし、総合的に実力をつけたいと思う人はレベルごとにクリアやフルコンボを埋めていけばいいわけです。
そうした「導線」として機能する難易度づけや称号によって、さあこのゲームをどんどん遊んでいこうと脱初心者した人から超上級者までをサポートすることが音ゲーにおけるゲームデザインのひとつではないでしょうか。


何を当たり前のことを言っているのか、と思うかもしれませんが、こうして音ゲーのデザインについて改めて捉え直してみることで、現状のゲームデザインについて考え直すことができるはずです。

「導線」の種類


ここからは実際のゲームでどのような「導線」がデザインがされているのか、そしてそれは十分な指標として機能しているのか、という視点から考えていきます。


・難易度
ゲームごとに段階は異なりますが、すべてのゲームに搭載されていると言っていいでしょう。
そして同時に、難易度づけがなされている音ゲーには必然的に「埋めプレー」という導線がビルトインされていると言うこともできます。
難易度ごとのすべての譜面をクリア、スコアランクの達成を狙って、幅広く選曲をすることで苦手を潰して上達が見込めます。
反面、難易度づけが適切でなかったり、曲数が非常に多かったりすると目標の達成が困難になってしまうので、導線として維持するにはバランスの調整が非常にむずかしいものでもあるかもしれません。


・称号
ゲームによって、段位、スキルカラー、ユビリティ、レーティングなどと様々なネーミングやシステムではあるが、かなり一般的なものになっています。
基本的には、前述の埋めプレーとは逆にある程度、選曲の幅を狭める方向でデザインされているものが多いのが特徴です。
そのため、総合的な実力(いわゆる地力)を攻略で補うことができる場合もあります。
他人と比較がしやすく、達成と同時に次の目標がある程度自動的に見えてくるシステムであるのも魅力的です。


・ランキング、イベントなど
インターネットランキングや、楽曲解禁イベントなど、音楽ゲームにはバラエティ豊かなイベントが用意されています。
特定の楽曲をプレーしたり、特定のランクを達成することでイベントが進行したり、純粋なプレー回数で進行したりとその種類は様々です。
ひとまず目標を考える上での導線の一つになるようなイベントも多いですが、ひとつひとつ詳細に語ると膨大な長さになってしまうため、ここでは割愛します。


beatmaniaIIDXのデザイン

ここからはbeatmaniaIIDXを中心に見ていきます。
正直なところ、僕はこのゲームのデザインについて不満が多くあるので、批判的になってしまっていますが、ご容赦願いたいところです。


このゲームには、段位という指標がかなり明確に用意されていて、段位によって選曲制限が緩和されるなど、単なるステータスだけの称号ではなくゲーム性にも大きな影響を与えています。
段位の存在感は極めて大きくその意味では定着に成功した導線でもありますが、段位認定はたった4曲を専用のゲージで抜けるだけでいいものです。
スコアは一切関係がなく、通常のプレーでは使用頻度の高いオプションが禁止されていることからも、実力の指標としては不十分な点は多いでしょう。
そもそも、900曲も収録されているゲームの実力検定としては4曲だけというのは根本的に無理があるように思います。


段位ごとの達成率表示や、通常よりも厳しい完走条件にすることもできますが、特別な取得演出や称号があるわけでもなく、ユーザーもその差異についてはそこまで気にしていない節があるように思います。
段位による選曲制限の緩和についても、悪意を持って見れば「そうしたメリットをつけなければプレーヤーから無視されうる導線」とも言えるかもしれません。
そして、逆に段位認定以外の「導線」は少ないと言えます。


曲ごとのランキングは週替わりに新曲で行われるWEEKLY RANKINGのみで、全一や県一などのスコアも近作では参照がしづらくなっているし、5曲通しでプレーするコースランキングも前作からは廃止されています。
難易度づけが12段階と大雑把なものであるのに対して、Single Playだけで2700譜面近くもあり、難易度ごとの埋めプレーはかなり困難です。
曲ごとの達成率の合計値であるDJ POINTという指標もありますが、こちらもランキングは廃止されていて、全曲を毎作一度以上いずれかの譜面でプレーしてからがスタートというハードルの高さも問題です。


以上のように、シリーズが長く続いて楽曲数が膨大になったために、かつて機能していた「導線」が弱くなっているというのが現状のように思います。
つまり、今、何を目指せばいいのかをゲームの側からほとんど教えてくれない、ということです。
打開策としては、難易度の細分化がもっともシンプルかつ強力ですが、現実問題としてそれはむずかしいでしょう。
シリーズが長く続くと、ユーザーは慣れ親しんだものが大きく変更されることに抵抗ができてしまいますが、IIDXは特にプレーヤーからのそうした反発が大きいゲームであるように思えます。


となると、既存の「導線」の強化、あるいは新規に別の導線を用意するしかありません。
強化の方向性で考えるなら、例えば段位認定では、より実力の指標として妥当なものとなるように、段位を受ける前提として指定楽曲のクリアやスコアなどを条件にしたり、次ステージに進出するためにスコア条件を設定したり、と選曲だけにとどまらない大幅な難易度調整を行うことなどが思い浮かびます。
埋めやDJ POINTの面では、指定フォルダのDJ POINTや楽曲クリア数、フルコン数などを条件にした実績などを用意するなど、といったところでしょうか。
新規に用意するのであれば、称号などにしても、なるべく目立って満足感のあるようなものでなければ、プレーヤーの関心を惹くことはできないかもしれません。
いずれにせよ、達成を目指していくことで幅広く確かな実力を育てていけるような「導線」を張り直すことが今のIIDXには必要なのではないでしょうか。

おわりに


お前は制作者なのかよ、と言われるのを承知でここまでIIDXの導線に対して批判的に書かせてもらったけれど、こうした点への意識がどうにも薄いように思えるのが気になっていたので、偉そうなのを承知で書かせてもらいました。
特に、現状の実力の指標としては不十分な段位認定への意識が強すぎて苦しんだり、周囲を不快にさせているプレーヤーを見るたびに、もっと正当な、そして様々な角度からの指標があればよいのに、と思います。
それは評価システムを、SNSを中心としたプレーヤー間のコミュニケーションに任せっきりなことからも強く感じます。
動機付けを友人という他者から、内部的なものへと移行するための装置としても、ゲーム内にステップアップのための導線を充実させてほしいところです。
もっと単純に言えば、僕だってもっとゲームに褒めてもらう機会が増えてほしいし、挑戦しがいのある課題を出されたいです。



大変長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
IIDX以外のこうした音ゲーのデザインについては、またいつか、時間と気力があったら書くかもしれません。

UNITE2014を終えて

僕とRooandQooの2人でやっているCosmicRaise.netという団体でSOUND VOLTEXのチーム戦、UNITEという大会を今年もやらせてもらった。
昨年を大きく上回る参加人数ながらも多くの人に盛り上げてもらい、僕としては大変気持ちよく終えることができたし、
参加者や観戦者のみんなにも楽しんでもらえたんじゃないかという手ごたえがあった。


以前までは大した貢献はできていないと自分では感じていて、打ち上げで参加者の方々に労いの言葉をかけられてもどこか落ち着かないところがあったのだけど、
今回は司会進行という大役を預かることになり、自分の中でひとまず及第点の働きができたように思うし、素直にお疲れ様とありがとうを受け取ることができた。
もとより不言実行というよりは有言不実行な悪癖があるので、舌を回し続ける役は自分にあっているのかもしれないという気もした。


反省点はいろいろと思いつくけど、それがあるうちはもっとよい大会を作れるということでもあるだろうし、次回に活かしてみせるのできっと楽しみにしていてほしい。


正直な話、音ゲーの大会運営にはそこまでプロフェッショナルな技術が必要ではないのかな、と思っていたこともあったけれど、
人を全力で楽しませるということはそんなに生やさしいものではないことがわかり始めてきたようにも思う。
いい経験をさせてもらっていることに圧倒的感謝かん釈迦。


ユーザーが盛り上げていくゲームを標榜しているだけあって、ボルテの大会は他のゲームとは違った熱気があるのが何より楽しいので来年も楽しみにしています。楽しみにしててください。
そしてあわよくば、手は2つしかないし口は1つしかないという厳然たる事実に気づき愕然とした僕らの前に、運営として参加して差し上げてもよろしくてよな人が現れてくれますように。

声の大きさ #1


ここ最近、声の大きさについて気になるのでなんとなく連番を振ってみた。#2があるかどうかは未定です。



僕だけかもしれないけど、エクスクラメーションやwを駆使してなにかを絶賛している人を見ると、僕だってそれを好きな気持ちは負けないぞ、という対抗意識や、僕よりこの人の方が愛が大きいかも、という気後れを感じてしまったりすることがある。
本来は張り合うものではないはずなのに、なぜかここに愛の大きさの比較が生まれてしまいがちで時どき疲れる。
同じ趣味の人と繋がりやすいSNSではもしかしたらよくあることなのかもしれない。


Twitterにpostするときに僕はなるべくおもしろく感じてもらえるようにと心がけている。なにしろわざわざ自分の発言を見てくれているのだからおもしろいと思ってもらわないと。
「おもしろい」と言うのは少し語弊があるけど、笑えるとか興味深いとかだけではなくて、なんとなくその人に好感や共感を持てる気持ちのいい発言を僕は見たい。
そして自分が見たいと思っている以上、自分を見ている人にもそういう発言を見せたい。
となると、なにかをけなすよりも褒める方がよいに決まっていると思うのだけど、よいものをよいと言うのはなかなかむずかしい。
言葉を尽くして褒めようとしても、「ヤバイ!!!!!!!!!」の1postの方が勢いがあって感動が大きそうに見えることもあるだろう。
これもなんとなく、「声の大きさ」のような気がする。


かと言って、大声でヤバいヤバいとなんでも済ませていてはどんどん薄っぺらくなっていって、いくら言っても誰も興味を持たない狼少年になってしまいそうでもある。
もちろん常日頃の言動やSNSの外での活動で、その「ヤバい」に重みを持たせることもできるけど、普通にTwitterしてる普通の人(あまりに乱暴な言い方だけど)にとってはある程度言葉を尽くしてヤバさや良さを表現するに越したことはないのではないかと思う。


と、言うようなことを最近よく考えている。
「声が大きい」と言っても、ネット上での発言であって実際に声は出ていないのだけど、「声が大きい」という言い回しをネットの文字での発言に対して使うことに少なくとも僕はあまり違和感がなかった。
俵万智さんが「最近の若い子はメールに慣れているので『面と向かって電話する』という言い回しをするのがとてもおもしろい」というエッセイを書いていたけれど、少し似ているかも。

Period.


C85二日目にAtomicAge.net初の書籍『Period.』を頒布させていただいたのですが、なんと完売という運びになりました。
関係者に配布する分などが僅かに手元に残っているのみで、現状は文字通り在庫なしです。
音ゲーというマイナージャンルのコミケ初参加としてはそれなりに強気な部数刷ったと思いますので、正直な話、在庫の段ボールに囲まれながら小麦粉を溶いたお湯をすする生活を覚悟していました。
それだけ売れないことを想像していただけに、今日の座る暇もないほどの忙しさはポカンとするほどの驚きと涙ぐむほどの感動の連続でした。本当にありがとうございます。


偉そうなことを言うようですが、僕は音ゲーマーというのをゲーセンとコンポーザーが関わるイベント以外にお金も時間も使わない人種だと思っていました。
二次創作なども含めた発信側の人が少なく、公式以外の発信にはそこまで興味や関心を持たない人ばかりなのではないか、と。
そんなわけで売れ行きには全く期待していなかったのですが、こういう情報に興味を持つ人が思いのほかいることはとても励みになりました。
KACやSDVXの公募の影響も大きいと思いますが、AtomicAge.net、CosmicRaise.netの活動などで公式以外の発信者に対する関心が高まっているのだとしたら嬉しいです。
本当に何様のつもりだと言う感じですが、イベントや新作の情報を調べるのが面倒くさくて教えて君的になる人が一人でもいなくなるよう、「あそこを見ればとりあえず全部載ってるやろ!」と思える場所を作りたくてAtomicAgeをやっているので。
僕自身が音ゲーどっぷりなので「まだまだ知らないおもしろい話が音ゲー界隈にはたくさんあるよ!一緒に話そう!」という感じです。
まだまだ至らないところだらけですが、今回のことで一層頑張っていこうと思えました。


ここまで好評だと調子に乗って第二弾を作ったり、増版や委託など今回手に入れられなかった方の声にも応えたいところなのですが、どこまで出来るかまだはっきりしてないのでなんとか目処を立てたいところです。
情けないことに誤植などもありまして、その訂正の用意も急がせていただきます。


改めまして、手にとってくださった方、制作に携わってくださった方、陰に日向に応援してくださった数え切れないほどの方々、本当にありがとうございました。