INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

期間限定公開「HYBRID」から印象に残った言葉

先日、映画「HYBRID」を見に行きましたのこころ。

映画というのは金をかけようと思えばいくらでもカネがかかる。これが好調な団体だったら4千万円かけて合宿所を改築しようがいいのだが(笑)、それを心配しつつ見ていたら、ちゃんとお金は節約していたようです。
たとえば、「Aさんにインタビューする」ときのカメラってたぶん1台だったと思うねん。インタビューというのは印象的なところを選んで編集するんだけど、同じアングルでの映像から抜き出すからぶつっと切れた印象がどうしてもでちゃう。もう一台あれば、話を飛ばすときそっちのB映像を使ってカットを変えれば「あ、いま飛んだ」感じはなくなるんだが…(まあ試合映像とかトレーニング映像をインサートして、そこにしゃべりをかぶせる方法もあって、こっちは多少使われてるけどね)

あと、これも予算との兼ね合いがあると思うのだが、「3月17日m東京・ディファ有明開催の『PANCRASE 246』で戦った選手の人間模様」に限定されているのだが、選手の「オムニバス」的な形に結果的になっていた。
A選手、B選手、C選手・・・を紹介する中で、相互に絡み合う”縦糸”があればなあ、と思った。対戦した・・・たとえば山本篤と北方大地の間には、2人の生き方やキャリアが紹介され、その二人が1人ずつ勝者と敗者に分かれる・・・という点でつながっていてわかりやすかったのだが。

たとえば登場する日菜太を軸に、キックボクサーがパンクラスに参戦して、けっこういい位置で試合することへの思いを他の選手に聞き「やっぱり悔しい。MMAで上にいかないと」とか「大歓迎。それを糧にしないと」とかがあればもっとつながった、分かり易いストーリーになったかな、という気がする。もちろん逆にそれが複雑にしてしまうかもしれず、だが。

元競輪選手だった、北方大地の父親の言葉

ただ、それはそれとして印象に残っているのは、その山本篤と北方大地、とくに北方大地選手。1991年3月30日生まれ、20代前半のパリパリで、偶然か狙ったか、引退した藤原大地と同じ名を継ぐ北方大地は、父親が元競輪選手だというのだ。
その遺伝か、そういう遺伝があるという精神的な効果か、P'SLAB大阪には片道2時間かけて自転車で通ってたという。それがトレーニングだわな(笑)。

そのお父さんは、今タクシーを運転してるっぽいが、息子の格闘技についてこう話す。
「好きなことをやれるだけですばらしいことじゃないですか。それができるだけですごいんだ。自分も一時期そうだったから」
「ただ自分は、最大の目標が『競輪選手になること』にしてしまっていた。だからそこでやっぱり満足してしまった」
(※大意です。また談話の前後の入れ替えなどもあります)
そしてこういう思い出を語る。

「競輪学校に中野浩一さん(伝説の競輪選手)がきたとき、生徒は二つに分かれたんですよ。中野さんのほうにいって一緒に写真を撮るグループ。中野さんの自転車のほうに行ってその工夫とかを観察して、技術を盗もうとするグループ・・ような中野さんを倒したい、超えたいという人たちですね」
  
たぶん、お父さんは前者だったのだろう。
もちろん、競輪学校への入学と卒業、そしてプロになるということ自体が十分にモンスター、エリートアスリートであるのは間違いないのだが、それでもなお。

その息子は「18でプロになる」「22までにタイトルが狙えるランカーになる」といった自己目標を次々クリアし、将来の目標はUFCだという。
山本篤のタックルとパウンドに敗れた北方だが、このあとどう再起していくか。

山本篤のおじいちゃんが通う「長命寺」のひみつ

山本篤は地元で、おじいちゃんや接骨院の仕事(元柔道選手)をしている兄などが登場するが、体の弱かった篤をおじいちゃんが最初に階段の往復で鍛えたという地元の「長命寺」が登場する。
長命寺の石段は808段あるそうなんだ。
いや、ここを毎日お参りしてりゃ(できるなら)、そりゃ長命にもなるだろうよ(笑)

滋賀県長命寺《死ぬかと思った階段シリーズ最強》<2010.7.23>
http://miseban-panda.seesaa.net/article/157373832.html

みなもと太郎「風雲児たち」最新刊が発売

リイド社も、編集者か営業の怠慢か、アマゾン紹介文ゼロなけしからん出版社。

だが単行本のときだけさわぐおあにいさんとはちがうんでえ。
ここで紹介しておりやす
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130323/p3

【漫画メモ7】「風雲児たち」では幕府正式訪米団(咸臨丸とは別)のハワイ訪問に加え、知られざる英雄、咸臨丸の顧問ブルック(実質的な船長)が描かれた。彼のさわやかな心構えは感動的だが、木村摂津守はそれに(後略)

ただ「風雲児たち」は余裕を残した単行本化をしているはずなので、アメリカ到着まで収録されているかな?されてると思うけど。自分は今日購入する。

で、これを読んだら是非読んでほしいもの。

現代語訳 福翁自伝 (ちくま新書)

現代語訳 福翁自伝 (ちくま新書)

新訂 福翁自伝 (岩波文庫)

新訂 福翁自伝 (岩波文庫)

「現代語訳」もいいけど、落語のような味わいのある明治速記の口調も決して読みにくくなく、面白いのでお勧めかな。
ネット上には無料で読めるところもありんすよ。たとえば
http://www.eonet.ne.jp/~log-inn/fukuzawa/fukuou.htm

そして

「明治」という国家〔上〕 (NHKブックス)

「明治」という国家〔上〕 (NHKブックス)

「明治」という国家〔下〕 (NHKブックス)

「明治」という国家〔下〕 (NHKブックス)

商品説明
明治維新は「革命」であったのか、薩長土肥連合による王政復古クーデターにすぎなかったのか。歴史家の間で意見の分かれるところである。本書で司馬は、幕藩体制の担い手だった武家階級が自らのハラキリによって「廃藩置県」を実現し、「国民国家」の土台を築いたことは、世界にも稀な革命であった、という明快な史観を展開してみせる。これほどの「政治的破壊作業」ができたのは、欧米列強のアジア進出に「日本人が共有していた危機意識のおかげ」だった。明治は「透きとおった、格調の高い精神でささえられたリアリズム」の時代で、そこに出現した「明治国家」は、江戸270年の精神遺産だった。司馬は江戸と明治の2つの時代に、脈々と流れる精神の連続性を見る。その具象として、小栗忠順勝海舟福沢諭吉西郷隆盛大久保利通ら多彩な群像を、科学者の透徹した目と小説家の豊かなイマジネーションで、鮮やかに浮かび上がらせる。「明治は多くの欠点をもちつつ、偉大としかいいようのない」時代だった。これに対して、戦後までの昭和は「イデオロギーが充満して国家や社会をふりまわした時代」で、まるで別国、別民族の観があると言う。しかし、この「非連続性」をもたらしたものが何であったか。残念ながら、司馬は語っていない。(伊藤延司)
内容(「BOOK」データベースより)
「明治」は清廉で透きとおった“公”感覚と道徳的緊張=モラルをもっていた。維新を躍進させた風雲児・坂本龍馬、国家改造の設計者・小栗忠順、国家という建物解体の設計者・勝海舟、新国家の設計助言者・福沢諭吉、無私の心をもち歩いていた巨魁・西郷隆盛国民国家の形成を目指したかれら“明治の父たち”は偉大であった。本書は、明治草創の精神を捉え直し、「明治国」という人類普遍の遺産を巨細に語りつくす。これは、著者畢生の日本論であり、鮮明な日本人論である。

まだ文庫化はされてないかー。自分は木村摂津守の人物をこれで知った。小栗上野介星新一「はんぱもの維新」で知っていたけど、これで造船所をめぐる逸話を知ったのだっけ。

ホントにできるの?水素発電所

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD0102I_R00C13A6MM8000/
世界初の水素発電所千代田化工が実用化へ
CO2ゼロで低コスト生産
2013/6/2 2:00日本経済新聞 電子版
 
 千代田化工建設は水素発電所の実用化に必要な技術を開発した。燃料の水素を低コストで供給できる。国内外の企業と設備の商談に入っており、早ければ2〜3年後にも世界初の水素発電所が稼働する見通しだ。水素発電は二酸化炭素(CO2)が発生せず、国内で燃料を自給できる。輸入の化石燃料に頼る日本にとって新たな電源になる可能性がある。

 水素は製油所や化学工場などで大量に発生している。既存のガスタービン発電所で燃料…
(記事は会員限定)

ほんとかねえ。いきなり夢の世界だよ。SFだよ。
チャーチルの言葉じゃないが「あまりにうれしいニュースなので、まだ信用しないことにしよう」だ。