つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

自民党が連合と会合とは意味深だ

 自民党茂木敏充政調会長がきょう平河町の本部で、労働組合ナショナルセンター連合の逢見直人事務局長と会談し、来年度の予算編成に向けた要望書を受け取ったとのニュースが流れていました。連合は3年くらい前に自民党と定期会合を開くことで合意していましたが、支持政党といわれる民進党への遠慮もあってか、公には会合を開いていませんでした。
 ですから、政調会長が連合幹部と意見交換するのは5年ぶりとのこと。茂木氏は会談で、「現段階では連合の政策に最も近いのは我が自民党」とすり寄り、逢見事務局長も会談に満足した様子を見せていました。確かに、自民党は最近、経済界に労働者の賃上げを要請したり、最低賃金の引き上げに前向きだったりと野党顔負けの姿勢で連合取り込みを図っています。両者が良い関係になるのも分かる気がします。
 よくよく考えれば、両者にはそれぞれ秘めたる狙いがあるように思います。連合にすれば、民進党共産党にすり寄っていることが気に入らない。共産党には傘下に全労連という労組の中央組織があり、連合とは労働現場で敵対関係にあります。ですから、今後民進党共産党と選挙で共闘するなら、連合も全労連と手を組まざるを得なくなりますが、それはまったく望まない”風景”でしょう。
 先の新潟知事選や衆院補欠選挙でも連合は自主投票を選択しましたが、これは「これ以上、共産党と手を組むならわれわれは自民党にすり寄るよ」という民進党への連合側のシグナルであり、警告でもあります。自民党はそういう連合の姿勢を読んで秋波を送っているのだと思います。
 来年にも解散、総選挙が行われる見込みですが、衆院の各小選挙区で単純計算すると、民進党共産党候補者の獲得票の合計は自民候補を上回るところが多いのです。ですから、自民としても危機感を持っており、何らかの手を打たなければならない。それは民進党支持母体である連合票の取り込みです。連合の中でも、もともと旧同盟系の労組は自民支持者が多いのですが、それをさらに連合全体まで広げてしまおうという魂胆のようです。
 連合の前トップ古賀伸明氏は電機連合、現トップ神津里季生氏は鉄鋼労連とどちらも右系労組の出身。逢見直人現事務局長も旧同盟系の最右派ゼンセン同盟の出身。共産党より自民党にシンパシーを感じる幹部ばかりです。であれば、自ずから連合の向かう方向が分かってきます。
 民進党は目先の共産党票欲しさに連合という大きな支持母体を失うことにもなりかねません。残念ながら、民進党にはそういう損得勘定ができない、勢力絵図が読めない、戦略思考ができない愚かな幹部が多いようです。

 上の写真は、日本海沿いを走る国道345号の山形・鼠ヶ関付近で見かけたお地蔵さま。