マンキューがクルーグマンに噛み付いた第4弾を紹介して間もないが、今度はクルーグマンがマンキューに噛み付いた。テーマはやはりヘルスケア問題。
- グレッグ君
- 少し前に公的保険が国際競争に役立つという話のまやかしについて書いたけど、もう一つの良く取り沙汰されるまやかしについてもそろそろ言っておくか。それは米国民が他国よりもヘルスケアにたくさん払っているのに、平均寿命が他国より低い、っていう話だ。その話の問題点は、ヘルスケア制度以外の変数をコントロールせずに相関を論じるのは無意味、ということなんだ。そのことは前にNYTに書いたし、ベッカーも最近のブログエントリで同じようなことを言ってるよ。これらを読めば、この次に誰かが傲慢にも平均寿命の国際比較を米国のヘルスケアの問題点の証拠として挙げたら、その議論がいかにお粗末かを指摘できるね。
- ポール君
- う〜ん。平均寿命の国際比較を他国のヘルスケアの優位性の証拠として真面目に論じている改革論者はあまりいないんだけどね。確かに健康の国際比較というのは難しい。だから改革論の実際の主張というのは、
1. 他国は皆保険制度で国民を不意の支出から守り、同時に基本的医療を提供している。
2. 彼らは我々よりかなり低いヘルスケア支出でそれを実現している。
3. でも全体として他国の健康状態が我々より劣っているように見えない。
という論理なんだけどねえ。
グレッグ君は、僕らが皆チーズバーガーばかり食べているから不健康なんだ、と言っているみたいだねえ。じゃあそれについて反論を3つばかり提示しておこうか。
- 証明責任はグレッグ君にあるよ。他国よりヘルスケアにGDP比で6〜7%、額にして年間1兆ドル費やして、明確な優位性が見い出せないということは、生活習慣のせいで片付けられる問題ではないよ。
- これについては真剣に考えて研究した人たちがいる。たとえば、マッキンゼーの膨大な研究では、生活スタイルではヘルスケア費用をあまり説明できないことが分かった。
- この記事読んで*1。
- とにかくこれは我が国最大の国内問題なんだ。
子供達米国のヘルスケアは見掛けによらずだいじょうぶだぁ、という適当な話で済ませられる問題じゃあないよ。