周回遅れの日記

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MP3のサイズを減らす

(私はオーディオマニアじゃないので、きれいな音で聞きたいと思ってる人はこれを読む価値はございませぬ)。
MP3のサイズを減らすの続き。
手持ちのMP3ファイルの容量を減らすために、どの程度音質を落とせるかを試している。

MP3ファイルを電車の中で聞きくらべる

320、128、96、64kbpsのビットレートのMP3ファイルを用意して、電車の中で、スマートフォンからBluetooth接続のイヤホンで聴き比べてみる。
…違いが分からない。

フォルダ内にビットレートの違う同じ曲を入れて、ランダム再生してみると全く分からない。
さすがに320kbpsと、それ以外の違いはなんとなく分かる。
でも128kbpsと64kbpsが同じに聞こえてしまう。
音楽を聴くには非常に悪い条件で(しかもBluetoothがときどきプチプチ切れる)ある点を考慮する必要があるが、もっと違いが聴き取れるんじゃないかと思っていた。
「たぶん128kbpsが妥当という結果になるんじゃないか」と事前に見当をつけていたが、128kbpsよりももっと落としても良いのではないかと思う。

自分の耳を試す

客観的に私の耳の性能がどの程度のものなのか。
mp3ornot.comというサイトで試すことができる。
テストのやり方は他サイトで日本語の解説をしてるところがいっぱいあります。
MP3の128kbpsと320kbps、あなたは聴き分けられますか?とか。

さて、320kbpsと128kbpsを聞きくらべた後、テストをしてみるのだが、意外や意外、結構的中する。
なんと1回目から6回連続正解である。

音の輪郭がはっきりしているもの、乾いた感じがするのが320kbps、そうじゃないのが128kbps、簡単じゃないか。
俺の耳、意外にいいんじゃない?と思い始めた途端正答率が落ちる。
6連勝の後3連敗。
上記の「音の輪郭、乾いた感じ」基準で判断したら全部間違えた。
10回テストして70%。

10〜20回やると良い、ということなので、20回やってみたが最終的に20回中13回正解、正答率65%となった。
後半はもう全然基準が分からない。ほとんど感覚で適当に答えていた感じ。

65%、3回中2回ならそこそこ良いのでは?と思われるかもしれないが、このテストは二択なので、音を聞かずに答えても正答率は50%になるはずである。65%は「ほとんど聴き取れない」レベルということになるのではないかと思う。
あ、そういえば、最初の6連勝を除くと14回中7回の正解だからちょうど50%だ。
全然ダメじゃん。

検索すると100%正解できる人が結構いるようだ。すごいなあ。

どこまで音質を落とせるか

やはり、128kbps以上の音質は私には無意味であることは確定したと考えて良い。
で、どこまで落とせるかなのだが、高音域がきれいな女性ボーカルで試すと良いそうなので、手持ちのCDから広瀬香美さんのCDを引っ張り出してきた。
これをCdexで、設定を変えながらリッピングする。

品質は「Normal」固定とし、固定ビットレート(CBR)で32kbps、64kbps、可変ビットレートVBR-New VBR 2)で、32〜64kbps、32〜96kbps、32〜128kbpsでリッピングを行った。


(なお、VBR64〜96kbpsでもリッピングを行ったが、できあがったMP3ファイルのサイズはVBR32〜96kbpsとまったく同じであった。同様に、VBR64〜128kbps、VBR96〜128kbpsでリッピングした結果も、VBR32〜128kbpsとまったく同じであった。可変といっても可変になってねえじゃん、という気もする…)
これをPCで再生して、モニタのヘッドホンジャックにつないだ両耳イヤホンで聴いてみる(もちろん、オンボードサウンドである。サウンドボードなどというものは触ったこともない。)

まず、CBRで、32kbpsでリッピングすると、とても聞くに耐えないことが分かった。
イントロから音が強烈に歪んでいて、聞いていて気持ち悪い。私は30秒以上聞くのに耐えられなかった(耳がダメな私でさえこうだから、まっとうな耳の人は5秒も耐えられないのではないかと思う)。
罰ゲームに使える、と感じるレベル。32kbps版ロマンスの神様のサビは結構すごいぞ。

32kbpsの後に、64Kbps*1リッピングしたものを聞くと「ああ、まともな音質だ」という気持ちになる。
64kbpsでもちゃんと聞けることが分かった。

しかし、64kbpsの後に、VBR32〜96Kbpsと聞き比べると、私の耳でも、64kbpsは音質が劣ることが分かる。

  • 音の大きさが不自然に変動して気持ち悪い
  • ベース音の変動がおかしい
  • ラムの音がぼやけた音になる
  • ボーカルの高音部分が妙に震える感じ

などなど。だから「聴いていられない」というレベルではないけれど。

VBR32〜96KbpsとVBR32〜128Kbpsの違いは分からなかった。

その翌朝、同じMP3ファイルを「スマートフォン」「電車内」「Bluetoothイヤホン」という悪条件下で再生して聞き比べてみた。32kbpsはやっぱり聞くに耐えなかったが、64kbps、96kpbs、128kbpsは違いが分からなかった。

以上より、音質としては、

  • 32kbpsはダメ
  • 64kbpsは許容範囲
  • 96kbpsと128kbpsは同じ
  • 128kbps以上は私には無意味

ファイルサイズでは、64kbpsと96kbpsで1.5倍になる。96kbpsから128kbpsでも1.5倍になる。64kbpsと96kbpsの違いは(条件が良ければ)分かるが、96kbpsと128kbpsの違いは分からないので、ファイルサイズが小さい方が良い。
ということで、私には96kbpsで良いのではないかと思う。
Cdexで新規にリッピングする場合は、上記画像にあるように、以下のような設定にすることになるだろう。以前は200kbps程度でリッピングしていたのに比べると、サイズはだいたい半分くらいになる。

ビットレートmin 32kbps Max 96kpbs
モード J-Stero
品質 Normal(q=5)
VBRメソッド VBR-NEW
VBR品質 VBR 2
出力サンプルレート 44100

なお、これを推奨するつもりはないので注意していただきたい。私の耳ならこれでよいが、あなたの耳ではもっと音質を上げないとダメかもしれない。それを見極めるには、実際に聴いて調べてみるしかない。

既存のMP3ファイルの量を減らすには

CDからリッピングし直すのではなくて、すでにリッピング済みのMP3ファイルのビットレート等を落として、サイズを減らす、そんなアプリがないか。
ある。

MP3Resizer というアプリケーションが定番らしいのだが、どこから入手すれば良いのかよく分からず(どれがフリー版なの?softonic経由では落としたくない)、別のmp3-quality-modifierというものを試してみることにした。
Donate歓迎のフリーソフト、であるようだ。

日本語対応はないけれど、使い方は簡単でそう迷うことはない。
私のような非オーディオマニアでも使えるように、お仕着せのお任せ設定が用意されている。
手っ取り早い使い方としては、

  1. 「Add Files」でMP3ファイルを選択する(または、「Add Folder」 でMP3ファイルの入ったフォルダを選択する)。
  2. 右上の「Presets」のドロップダウンメニューから、好みのおまかせ設定を選ぶ。
  3. 右下の「Destination」で、変換後のファイルの保存先を選ぶ。
  4. 「Process」を押す。
  5. ファイルが変換される。

私の場合、200kbps程度でリッピングしていたファイルを減量したいので、「Presets」で用意されているおまかせ設定のうち、「Portable」(携帯端末用、という趣旨か)か、または「Compromise」(妥協、って身も蓋もない表現だな)あたりが良さそうだ。

4分30秒程度の曲(6.94MB)を使ってリサイズを試してみる。この曲は、Cdexで、あまり考えずにデフォルトの「--preset fast standard」でリッピングしたもので、プロパティをみるとビットレート214kbpsとなっている。

「Portable」の設定でリサイズしてみると、6.94MBから、-46.66%の3.70MB となった。
できたファイルのプロパティをみるとビットレートは114kbpsとなっている。Cdexで128kbpsでリッピングした場合と、96kbpsでリッピングしたものの中間くらいだろうか。

「Portable」の一つ下、妥協の「Compromise」でリサイズしてみると、-48.13%の3.60MB と、「Portable」とあまり変わらない。ファイルのプロパティによるとビットレートは111kbpsで、やっぱりあまり変わらない。

設定項目を確認すると、「Portable」ではビットレートが95-135で、サンプリングレートはいじらないのに対し、「Compromise」ではビットレートがより低く80-120で、さらにサンプリングレートを32000Hzにするようになっている。このあたり正確には知らないのだけれど、元のMP3ファイルで32000Hz以上の音がほとんど含まれてない場合、サンプリングレートを絞ってもあまり減量にはならないのではないだろうか。今回も、おそらく元のファイルがそういうファイルだったのだろうと思う。

試しに、「Portable」にしてビットレートを 65-105 に下げてリサイズしたら、-62.55%の
2.60MB、ファイルのプロパティには 80kbps と表示された。やはりビットレートを下げる方が減量効果があるようだ。

このリサイズ後の3つのMP3ファイルを聞き比べてみるのだが、例によって違いが分からなかった。ただし、64kbpsより良いことは分かった。
手持ちのファイルを減量するにあたりどの設定を使うか、たぶん「Portable」でさらにビットレートを下げて50%減くらいになるようにするのではないかと思うが、まだ未決定。

*1:CBR64kbpsとVBR32〜64Kbpsでリッピングしたものはほぼ同じ音質に思えるので、以下VBR32〜64Kbpsでリッピングしたものと、CBR64kbpsでリッピングしたものを区別せずに「64kbps」と書く