ボルゲーゼ美術館展
秋の美術鑑賞第2弾。ということで、京都方面に行ってきました。
ラファエロやカラヴァッジョ(以前の日記「カラヴァッジョへの旅〜天才画家の光と闇〜 宮下規久郎 角川選書」参照)の本物が見れるということで行く気満々だったんですが、事前のネットの情報では、有名どころはホンの数点であるようで、会場もルーブル展のように混雑していない模様だったので、大きな期待はせずに行ってきました。結論を先に言いまして、正直、名品はローマに残ったままなのかな???と感じてしまいました。とはいえ、ベルニーニの彫像はやはり凄かったですし、ラファエロやカラヴァッジョの本物を目の前で見ることが出来たんで、それなりに満足でした。それに、カラヴァッジョ以前と以後の絵画の変化を実際に見ることが出来て、この辺はやはり実物を見ないとわかりにくい部分であると思いました。
しかし、カラヴァッジョ最晩年のころに描かれた「洗礼者ヨハネ」のキャンバスの大きさには驚きました。瀕死の重傷を負って、ローマに帰っても恩赦が出されるのかどうかすら不明な中、あれだけの大きな絵を描くその生に対する執着は凄まじいといわざるおえません。
で、その後に、上階で開催されている「コレクション展(京都国立近代美術館が所蔵している作品を展示)」を見てきたんですが、これが想定外で非常に充実した展示になっていました。特に、夏に和歌山県立美術館で見た「生誕100年記念 浜口陽三 展」の際に長谷川潔が数点展示されていたんですが、今回、15点ほど展示されていたり、マティスやピカソがあったり、そしてなにより、河井寛次郎の作品がまとまって展示されていたのは非常に良かった!初めて目の前で見たのですが、「本当に凄かった」ですね。
天台宗 青蓮院門跡 「青不動ご開帳」を拝観
以前に読んだ「本願寺 井上鋭夫 講談社学術文庫」で登場する青蓮院。創建以来約1000年の歴史で初めて国宝「青不動(天皇や高貴な身分の人でなければ拝観できないというもの)」を一般公開するということで、美術館から徒歩10分ほどの近所ということもあり行ってきました。
まず、圧巻は入り口にある楠の木。こんな大きくりっぱな楠の木は見たことが無いので、まず驚きます。そして、建物の中に入り順路に従って内部を拝観していくのですが、昔、京都御所が火事にあった際に仮御所としても使われたほどの格のある場所のため、全体が国の史跡になってるということを裏付けるように普通の寺院とは趣が違うように感じました。ちなみに、入り口で拝観料を支払うと護符と不動様に対するお願いを書く用紙が渡されます。凄いのが、「国家の繁栄」「皇室の繁栄」後一つ忘れましたが、最後に「あなたの願い」となっており、適当な文言は入れにくいですね(苦笑)。
肝心の青不動ですが、描かれたのが11世紀後半ということなんですが、ここまで保存状態が良いものなのか?!と感嘆するほど本当に奇麗な青を背景として見事な不動像が描かれていました。昨年、大阪市立美術館での「国宝 三井寺展」で黄不動の実物を見たんですが、保存状態は格段に青不動の方が良いというのが一目見てわかりました。しかしまぁ、幸運にも昨年と今年で日本三大不動のうち2つをこの眼で見ることが出来たわけで、次にいつ見れるかわかりませんから、貴重な機会だったと思います。そして、力強い不動像のオーラが伝わってきたのも良かったです。
で、お不動様を見た後は、庭園の拝観と続きまして全体で正味40分ほどかかりました。少しだけ紅葉が色づいていましたが、これが盛りになるとさぞ奇麗だろうと思います。
今回の「その他」の話
平日なんで私が訪問したところは、そんなに混んでいませんでしたが、市バスはとてもじゃ無いですが乗れるような状態ではありませんでした。ズバリ言えば「隙間すら無い」。このため、すべて電車と徒歩移動でした。こんなときスルット関西3dayパスは有効ですね。明日からの三連休は大変な人出だろうと思います。
あと、美術館・青蓮院門跡は全ての年齢層が平均して訪れていましたが、知恩院は納骨に来る関係もあってか年配の方が多かったですね。しかし、年配の方にあの長い坂はなかなか厳しいものがあるように感じました。八坂神社は修学旅行生なんかの学生が多かったですね。
しかし、あらためて感じましたが、時間の関係で京都はポイントを定めた数箇所回るのが精一杯ですね。