ミソジニー (女性憎悪)

リンク先を開くといきなり中絶胎児の写真があります。画像表示しないブラウザとかで観るのがいいかも。
[喪男道 偽名を使って「中絶経験者OFF会」とか開いて、集まってきた糞虫共をパイプ爆弾100発ぐらいで吹っ飛ばす事で我が人生を完了と成す]
http://d.hatena.ne.jp/./REV/20070220/p3http://d.hatena.ne.jp/./AyanoIchijo/20070219/p1http://d.hatena.ne.jp/./AyanoIchijo/20070220/p1

……。女に相手にされない恨み辛みを義憤にすり替えて、己のかかえる感情の原因が何か高邁なものであるかのようにいう。記事で引用されている言葉をまんまもってきますが、こういうルサンチマンを正義で装飾したものを読むと……。

「でっかいクソの上を歩いている気分になる、その手の話を聞いたときはな」

なんというか、この人の書いたものを読めば読むほど、そりゃむこう(女の側)にも選択の権利があるんだから選ばんよね……としか。
この手の、自分の正義にひたっている人は、他人に労力を強いるのが好きだなと思います。そんなに中絶を厭うなら、中絶をしないことによって苦労する人の労をいくらか肩代わりするぐらいのことをやるっていうのでしょうか?

なぜ胎児を殺さずに済む様に避妊なり、先を考えた行動を取らないのだろう。
先を考えずに行動した結果の失態を「自分が苦しむ事」によって解決しないのだろう。

とありますから、バカや鬼畜に手助けをする必要はないと書いてくれそうですが……。
自分(たち)の考え無しに対して責任をとるのは、たしかにそのとおりですが、ほんのちょっとの楽しみの代償に20年にも及ぶ苦しみってのは、いくらなんでもひどい。犯罪とかならともかく、セックスは犯罪じゃありません。それに避妊とかは女性だけの問題じゃありません。また堕胎は女性にとって色々危険なものです。それだけでじゅうぶんしんどい目にあうわけです。ただ、男の側は、そういう危険な目にあわんでもいいんですよね……。責任としても堕胎費用をはらうこと、ぐらい? やっぱりこの手の話は男女のしんどさは不均衡だと思います。とまれ、上の人、なんか女ばかり責めていますが、男の側の身勝手は目に入っていないような。(コメント欄で男も糾弾しているって書いてますが……。ははは……)
また、堕胎される子供に対しては強く同情的ですが、子供を育てていけそうにないって考える人が子供を産んで、本当にきちんと育てられるのでしょうか? 育てる方もそうですが、育てられる子供も相当につらいですよ。胎児に対しては強く同情してらっしゃるようですが、生まれた後のことは何も考えていないように思います。自分の責任としてきちんと育てろというのでしょうが……。そんなモラルだけで子供が育てられるなら誰も苦労はしません。本当に子供に同情するなら手助けするぐらいのことは考えているのでしょうか? 1人1人を助けるのは無理でも、そういう活動をやっている団体に寄付してみるとか、協力するとか、あると思うんですが、そういうのやっているんでしょうか? 自分は手間暇かける気がないのに、他人に強く労を強いているなら、それはどうなのでしょう。
つらつらと書きましたが、僕自身、正義(自分のなかにある、ですが)をたてに他人に労を強いるようなことを言っちゃったことありますから、あまり上の人のこと強く責められません。これからはそういうこと言うのは止めようと思います(うっかり言っちゃいそうですが)。ただ、特定のことがらにおいては労をいとっちゃだめな人ってのはいるわけで*1、そういう人に、もっと頑張ってくれよとか、そんなことするなよっていうのは止めないと思いますが。

最後に、上の記事を読んでいて、以前読んだものを思い出しました。
[現代の聖母・マザーテレサ]

 そんな彼女は強く妊娠中絶に反対している人でもありました。……カトリックは原則中絶禁止ですしね。
 私は中絶賛成派ですが、彼女ぐらいになると「まいりました」と言ってしまいます。
 これは彼女がエライ人だからではなく、彼女が「有言実行」の人であったからです。
「育てられないから子どもを殺すというのでしたら、生んだあと私のところにつれてきてください。私が育てます。いくらでも誰でもいつでも無制限に子どもを受け入れます。だから殺さないでください」
 ……ここまで言われたら、脱帽です。も、尻尾まくしかありません。

以前、中絶がらみの話がネットの一部で盛り上がったときに知った話です。マザーテレサみたいなことはできずとも、ちょっと誰かの手助けをするとかはできるんじゃないかと思うのです。あと、[現代の聖母・マザーテレサ]で紹介されている話を見るに、

(子供を「神からの授かり物」として、子供の人権を重視する
キリスト教圏と異なり、日本の伝統的な悪しき価値観ですね)

ってのが、かなりナンセンスな話であるのもわかります。キリスト教圏でも彼/彼女らの都合で、良いと見なされる子供、悪いと見なされる子供がいます。この手の日本批判(欧米とか他の国家や集団を持ち出しての批判)は、あたっているものもありますが、的はずれなもの多いです。

*1:例えば政治家とか、正しいことをしようと活動したり発言したりしている人とか。もちろん、持っている影響力に差があるように、とるべき労にも差はあると考えています。政治家に要求するほどのものを、単なる個人活動家に求めようとは思いません。まあ、バカやった場合は別ですが……。

近景では悲劇、遠景では喜劇

上で紹介した記事のコメント欄中のblog主さんのコメント、すごいです。

私は中絶させる男も中絶する女も「同じぐらいに悪」だと思っています。
当然、仮に爆破するとしても、レイプや病気などの致し方ない
中絶をした人達を省き、身勝手な中絶をした男女を誘い出せるように仕組みます。

では、なぜ私は文面上、特に女性を忌み嫌っているのか?
それは「中絶議論事件」の時もそうですし、
喪男道に於いてもそうですが、身勝手な中絶は男女同罪という
考え方に共感してくれたのは、圧倒的に男性が多かったからです。

そして何より、「自分の罪を認めず、男性側に押し付ける女性」
というパターンが非常に多く、それゆえに「女性の方がより見苦しい」のです。
また、女性は往々にして「同性を庇う、同性を責めない」傾向があります。
男性の場合は、同性に対してもかなり厳しいのですがね。

女性が、女性自身の手で苛烈に「身勝手な同性」を責めてくれれば、
何も私がいきり立って非難する必要は無いのです。
でも、少なくともブログ界隈にはそんな存在は殆どいません。
その分を私の手によって補っているため、女性のみを憎んでるように見えるのでしょう。

女性に中絶させている最中に、他の女をナンパした男性について
糾弾している記事なども書いていますし、それらにも目を通していただきたいものです。

【2007/02/20 00:44】 URL | 覚悟 #o25/X8aE[ 編集]

各部。

では、なぜ私は文面上、特に女性を忌み嫌っているのか?
それは「中絶議論事件」の時もそうですし、
喪男道に於いてもそうですが、身勝手な中絶は男女同罪という
考え方に共感してくれたのは、圧倒的に男性が多かったからです。

そりゃそうですよ。男は妊娠しないのですから。妊娠には関わりますが、当事者性は女に比べて、ずっと軽いものです。子供の命を大事に考え、どんな経緯であれ身ごもった子供を産んで育てるというのは「正しい」ことだと思います。その「正しさ」に異議を唱えるつもりはありませんが、「正しさ」を実現するのは、ものすごいしんどいです。ただし実現する人にとってはの話で、外野にとって労はほとんど要りません。「正しい」ことをしろと、安全で楽な場所から好きに言えます。当人じゃないから、遠くからはやし立てるだけだから、男の側は正義に浮かれていられるのです。

また、女性は往々にして「同性を庇う、同性を責めない」傾向があります。
男性の場合は、同性に対してもかなり厳しいのですがね。

本気ですか? どっちもどっちですよ。レイプ事件の裁判において、被害者がつらい目にあうのは、男同士のかばい合いによるものだっていう非難は、フェミニズムの本なんかで、よく目にするものです。フェミニズムをある程度までしか受け入れる気がない僕でも*1、その主張は正しい。マザーテレサの話を引用したサイトに、次のような文章があります。[性行為の描写とその性格]。ここに書かれているような、うちら男の身びいきや身勝手な振る舞いは絵空事だとでもいうのでしょうか? どこがうちら男が同性に対してきびしいんでしょうか?
僕は身びいきをしない人とする人とだったら、する人を良しとしますし、自分も色々と勝手なことをする人間で、正しくないものを多く受け入れて、のほほんと暮らしており、それを強く恥じてもいません。ただ、間違っているものを正しいと言い張ることだけはしないでおきたいとは思ったりします。

女性が、女性自身の手で苛烈に「身勝手な同性」を責めてくれれば、
何も私がいきり立って非難する必要は無いのです。
でも、少なくともブログ界隈にはそんな存在は殆どいません。
その分を私の手によって補っているため、女性のみを憎んでるように見えるのでしょう。

別に身勝手だと責められるような話じゃないから、責めていないだけでしょう。

女性に中絶させている最中に、他の女をナンパした男性について
糾弾している記事なども書いていますし、それらにも目を通していただきたいものです。

そういう記事があるからといって男女を同等に糾弾していることにはなりません。

*1:あほげた話もけっこうありますし、上のblog主さん(覚悟さん)の女版みたいな人もいますしね……。

これも自然科学の都合のよい援用かな?

[喪男道 ミソジニーは弱肉強食下において"持たざる者"が編み出した素晴らしき環境適応]
適応って……。非モテ*1ミソジニーの多くは「あのブドウはすっぱい」だなと感じるわけですが、よくここまでかっこうつけて*2言えるなあ……と思います。

*1:自分も非モテですがね。

*2:もちろん、かっこうはつけていても、かっこよくはありませんが。